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カナダのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2018年8月27日

こどもの定期予防接種のカナダと日本との違いについて

本稿では、カナダ(加奈陀:加)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、カナダのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日加の両国とも定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のカナダと日本との違い
 カナダのこどもの定期予防接種
実施実施せず
日本のこどもの定期予防接種実施ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
肺炎球菌感染症
水痘
B型肝炎、
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
結核(BCG)、
日本脳炎
実施せず髄膜炎菌感染症(MenC及びMCV4)、
流行性耳下腺炎(ムンプス)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
インフルエンザ
A型肝炎
*: HPVワクチンについては、日本では女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、カナダで実施されず日本で実施されているものとしては、結核(BCG)、日本脳炎(JapEnc)と少数あります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずカナダで実施されているものとしては、髄膜炎菌感染症(MenC及びMCV4)、流行性耳下腺炎(ムンプス)ロタウイルスによる感染性胃腸炎インフルエンザ と多数あります。
なお、A型肝炎ワクチンについては、カナダのBritish Columbia州において先住民(Aborigine)のこども(生後6か月から18歳まで)対象の定期予防接種となっています。生後6か月と生後18か月との二回接種です。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がカナダでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎のワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-HepB-IPV-Hib、商品名Infanrix hexa)があります。四つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと4回の接種が必要なところ、四つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが見られます。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から新たに使われるようになりました。

カナダの定期予防接種スケジュールについて

カナダの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)は、下の表2のとおりです。これは、カナダ国立予防接種勧告委員会(The National Advisory Committee on Immunization: NACI(外部サイト)) が推奨するスケジュールですが、カナダ国内の州によって、実施されているスケジュールの詳細は異なります。州ごとの詳細については、カナダ公衆衛生局(the Public Health Agency of Canada: PHAC(外部サイト))のこちらのページ(外部サイト)(英語)や、カナダ(連邦)政府(外部サイト)保健情報(外部サイト)「各州の予防接種スケジュール」のページ(外部サイト)(英語)などをご参照ください。

表2. カナダの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(1回目)*
ポリオIPV(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
肺炎球菌感染症PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン、1回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV(1回目:生後6週から)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(2回目)*
ポリオIPV(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
肺炎球菌感染症PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン、2回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV(2回目)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(3回目)*
ポリオIPV(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV(3回目:RV5[商品名Rota Teq] のみ。RV1[商品名Rotarix]では不要。生後32週[8ヶ月+0日]まで)
生後6ヶ月以上インフルエンザIIVあるいはLAIV(毎冬1-2回。9歳未満で初年度は4週間以上の間隔で2回、次年度からは1回。9歳以上は毎冬1回。)
生後12-15ヶ月肺炎球菌感染症PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン、3回目)
C群髄膜炎菌感染症MenC(C群髄膜炎菌結合型ワクチン、1回接種)****
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹水痘MMRV(1回目:MMRとVとで代用することもあります)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)**
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(4回目)**
ポリオIPV(4回目)**
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹水痘MMRV(2回目:MMRとVとで代用することもあります)
4~6歳ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(5回目:Tdapが代用されることもあります。)*****
ポリオIPV (5回目)*****
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹水痘MMRV(2回目 : MMRVワクチンを2回接種済みならば不要)
9-16歳B型肝炎HepB(以前にHepBのシリーズ完了していれば不要。2-3回接種。通常は0,1,6か月の三回接種。11-15歳では0,4-6か月の二回接種)
9-17歳***ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目)***
HPV(2回目:1回目の1-2ヶ月後)***
HPV(3回目:1回目の6ヶ月後)***
12歳A、C、Y、W-135群髄膜炎菌感染症MCV4(A、C、Y、W-135群髄膜炎菌結合型ワクチン、一回接種。MenCが代用されることもあります。)
14-16歳破傷風・ジフテリア・百日咳Tdap(一回接種:4~6歳のDTaP[Tdap]の10年後)
18歳以上破傷風・ジフテリア(・百日咳)Tdによる十年毎の追加接種。但し、Tdapを一回も接種したことがない人は、Tdの替わりにTdapを一回目の追加接種として早急に接種する。
60歳以上帯状疱疹HZV[あるいはZOS](帯状疱疹ワクチン、一回接種)
65歳以上肺炎球菌感染症PPV23(23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン、一回接種)
*:カナダでは、DTaP-HepB-IPV-Hibという6種混合ワクチンで接種されることがあります。
**:カナダでは、DTaP-IPV-Hibという5種混合ワクチンで接種されることがあります。
***:カナダでは、国立予防接種勧告委員会(NACI(外部サイト)) がヒトパピローマウイルスワクチンを男女とも推奨していますが、British Columbia州(BC)などのように女子のみを接種対象としている州もあります。女子にはHPV2(2価ワクチン),HPV4(4価ワクチン),HPV9(9価ワクチン)のいずれも推奨されますが、男子にはHPV4(4価ワクチン),HPV9(9価ワクチン)が推奨されます。また、9-14歳であれば、HPV2(2価ワクチン),HPV4(4価ワクチン)の場合、0,6-12か月の二回接種でも完了できます。HPV9(9価ワクチン)の場合には、9-14歳であっても、0,2,6か月の三回接種となります。
****:カナダのBritish Columbia州(BC)などでは、生後2か月と生後12か月との二回接種となっています。
*****:カナダでは、DTaP-IPV(あるいはTdap-IPV)という4種混合ワクチンで接種されることがあります。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. 2014 global summary (Immunization schedule selection centre).
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):英語。
  2. The National Advisory Committee on Immunization(NACI(外部サイト)) and the Public Health Agency of Canada(PHAC(外部サイト)), Canadian Immunization Guide(外部サイト), Evergreen Edition(更新継続の最新版). :英語。

2013年8月1日初掲載
2015年5月13日改訂増補
2017年4月14日改訂増補

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電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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