このページの先頭です

カンボジアのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2018年8月27日

こどもの定期予防接種のカンボジアと日本との違いについて

本稿では、カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)のこどもの定期予防接種について触れます。カンボジアは、東南アジアで、北西方面でタイ、北東方面でラオス、南東方面でベトナムと国境を接し、南西方面ではタイランド湾(シャム湾)と面します。まず、カンボジアのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のカンボジアと日本との違い
 カンボジアのこどもの定期予防接種
実施実施せず
日本のこどもの定期予防接種実施日本脳炎
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹
風疹
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)、
水痘
実施せずB型肝炎流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
A型肝炎
インフルエンザ
腸チフス
コレラ
*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、カンボジアで実施されず日本で実施されているものとしては、、 水痘ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずカンボジアで実施されているものとしては、B型肝炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がカンボジアでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

カンボジアのこどもの定期予防接種スケジュールについて

カンボジアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。なお、ワクチンではなく、下の表2にも含まれていませんが、この他、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて生後6-59ヶ月の乳幼児に年2回投与されます。また、生後12-59ヶ月の幼児を対象に回虫・十二指腸虫・鞭虫などによる蠕虫症対策として駆虫剤(de-worming drug: Mebendazole[メベンダゾール])も投与されることがあります。

表2. カンボジアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時結核BCG(1回接種)
B型肝炎HepB(1回目)
生後6週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)**
生後10週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)**
生後14週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種: 2015年10月から導入)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)**
生後9ヶ月麻疹風疹MR(1回目)
日本脳炎弱毒生ワクチンLAJEV(1回接種)***
生後18ヶ月麻疹風疹MR(2回目)
15-44歳の女性破傷風トキソイドTT(1回目:受診時あるいは妊娠中できるだけ早く)
TT(2回目:1回目の4週間後)
TT(3回目:2回目の6ヶ月後)
TT(4回目:3回目の1年後)
TT(5回目:4回目の1年後)
*:カンボジアでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチン(five-in-one)で接種されます(2010年導入)。
**:2015年1月から、13価肺炎球菌結合型ワクチンが導入されました。
***:2016年、3月の生後9ヶ月から14歳のこどもに対する日本脳炎ワクチンキャンペーンの後、全国的に導入。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

カンボジアにおけるワクチンのクメール語表記について

カンボジアにおける公用語は、クメール語(Khmer: カンボジア語[Cambodian]とも呼ばれます)です。カンボジアのこどもの予防接種のワクチン等についてクメール語による表記は、下の表3、表4、表5、表6、表7のとおりです。日本語の表記も対照して併記しました。

表3 カンボジアのこどもの定期予防接種のワクチン[その1](クメール語・日本語対照表記)

表4 カンボジアのこどもの定期予防接種のワクチン[その2](クメール語・日本語対照表記)

表5 カンボジアのこどもの定期予防接種のワクチン[その3](クメール語・日本語対照表記)

表6 カンボジアのこどもの定期予防接種のワクチン[その4](クメール語・日本語対照表記)

表7 カンボジアのこどもの定期予防接種のワクチン[その4](クメール語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. Global summary.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. WHO カンボジア事務所(外部サイト)
    生後9ヶ月から15歳のこどもに対するMRワクチンキャンペーン(外部サイト)(2013年10-12月):(英語)。
  3. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  4. 日本国外務省:世界の医療事情(外部サイト)カンボジア(外部サイト). :(日本語).
  5. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    カンボジア(外部サイト)
    ; 生後9ヶ月から15歳のこどもに対するMRワクチンキャンペーン(外部サイト)(2013年10-12月): (英語).
  6. ユニセフ(UNICEF)-カンボジア事務所(外部サイト)
    生後9ヶ月から14歳のこどもに対する日本脳炎ワクチンキャンペーン(外部サイト)(2016年3月1-31日)
    (カンボジア保健省国民予防接種計画・ユニセフ・WHO共同記者発表、2016年3月1日:PDF版(外部サイト) )
    生後9ヶ月から15歳のこどもに対するMRワクチンキャンペーン(外部サイト)(2013年10-12月)
    (カンボジア保健省国民予防接種計画・ユニセフ・WHO共同記者発表、2013年10月21日:PDF版(外部サイト) ): (英語).
  7. Bruni L, Barrionuevo-Rosas L, Albero G, Aldea M, Serrano B, Valencia S, Brotons M, Mena M, Cosano R, Munoz J, Bosch FX, de Sanjose S, Castellsague X. ICO (Institut Catala d'Oncologia) Information Centre on HPV and Cancer(外部サイト)(HPV Information Centre). Human Papillomavirus and Related Diseases in Cambodia. Summary Report 2015-12-23(外部サイト) . : (英語).
  8. カンボジア国立公衆衛生研究所(外部サイト)(National Institute of Public Health: NIPH):(英語・クメール語).
  9. 米国予防接種活動連合(Immunization Action Coalition(外部サイト): IAC)
    ; 米国ワクチン情報(各国語版)(外部サイト)
    ; 米国ワクチン情報(クメール語[カンボジア語]版)(外部サイト): (英語).
  10. MEDiCAM(外部サイト): カンボジア保健従事者組織。
    ; National Immunization Program, Ministry of Health, Cambodia. ;"National Immunization Program Progress Report(外部サイト) ". June 2012: (英語).
  11. プノンペン-ポスト(The Phnom Penh Post(外部サイト): 新聞): (英語).

2016年5月11日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:375-963-623

先頭に戻る