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ボリビアのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月11日

こどもの定期予防接種のボリビアと日本との違いについて

本稿では、ボリビア多民族国(暮利比亜: Plurinational State of Bolivia)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、ボリビアのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日暮両国とも定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のボリビアと日本との違い
実施状況ボリビアで実施ボリビアで未実施
日本で実施結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
B型肝炎、
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
水痘
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
黄熱
インフルエンザ
髄膜炎菌感染症
A型肝炎

*: HPVワクチンについては、ボリビア・日本とも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、ボリビアで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎(JapEnc)、水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずボリビアで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)ロタウイルスによる感染性胃腸炎黄熱インフルエンザがあります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がボリビアでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib:[スペイン語:西語]DPT-HepB-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが見られます。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から新たに使われるようになりました。

ボリビアのこどもの定期予防接種スケジュールについて

ボリビアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)は、下の表2のとおりです。2016年1月から生後2ヶ月のポリオ不活化ワクチン(IPV)が導入されました。2016年4月18日に、ポリオ経口生ワクチン(OPV)が3価(3vOPV)から2価(2vOPV)に変更されました。2017年4月から10-12歳女子に対してヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)が導入されました。なお、2018年からはヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)の接種の対象は10歳女子のみになります。

表2.
ボリビアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時BCGワクチンBCG(1回接種:未熟児で体重2000g未満では接種中止)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種)
肺炎球菌感染症PCV13(13価肺炎球菌結合型ワクチン、1回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV1(1回目:生後3ヶ月までに接種)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(1回目)
肺炎球菌感染症PCV13(13価肺炎球菌結合型ワクチン、2回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV1(2回目:生後7ヶ月までに接種)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
肺炎球菌感染症PCV13(13価肺炎球菌結合型ワクチン、3回目)
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(2回目)
生後6-11ヶ月インフルエンザIIV(1ヶ月の間隔で2回接種)
生後12-23ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回接種)
黄熱YFV(1回接種)
インフルエンザIIV(1回接種)
生後18-23ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(4回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(3回目)
4歳ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(5回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(5回目)*
B型肝炎HepB(5回目)*
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(4回目)
7-9歳ジフテリア・破傷風dT(1回目)
dT(2回目:1回目の2ヶ月後)
10-49歳ジフテリア・破傷風dT(1回目)
dT(2回目:1回目の1ヶ月後)
dT(3回目:2回目の6ヶ月後)
10-12歳[女子のみ]**ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目)
HPV(2回目:1回目の6ヶ月後)
妊婦ジフテリア・破傷風dT(1回目:ワクチン接種歴に応じての接種。DTPの接種歴なければ以下のような5回接種。)
dT(2回目:1回目の1ヶ月後)
dT(3回目:2回目の6ヶ月後)
dT(4回目:3回目の1年後)
dT(5回目:4回目の1年後)
インフルエンザIIV(1回接種)
65歳以上インフルエンザIIV(毎年1回接種)
*:ボリビアでは、DTwP-HepB-Hib([西語]DPT-HepB-Hib)という5種混合ワクチン([西語]Pentavalente)で接種されます。
**:2018年からはヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)の接種の対象は10歳女子のみになります。

なお、ワクチンではなく、上の表2にも含まれていませんが、この他、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて、生後6,12,18,24,30,36ヶ月で乳幼児に投与されることがあります。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

ボリビアにおけるスペイン語のワクチンの略語表記について

スペイン語がボリビアの公用語です。ボリビアにおけるスペイン語のワクチンの略語表記については、下の表3のとおりです。英語のワクチンの略語表記と一致するものもあれば一致しないものもあり、スペイン語(西語)の接種の記録を見るときなどには注意が必要です。

表3.
ボリビアにおけるスペイン語のワクチンの略語表記
西語略称西語表記(vacuna contra ---)日本語表記英語略称
dT (Adulto)toxoide doble, contra difteria y tetanos (adolescente, adulto)細菌二種混合トキソイド(破傷風・ジフテリア;思春期、成人用)dT
DPTvacuna contra difteria, pertussis(tos ferina) y tetanos三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳[全菌体]・破傷風)DTwP
IPV(Salk)またはVPIvacuna de poliovirus inactivado (parenteral) (tipo Salk)ポリオ(不活化、筋肉内注射;ソーク-ワクチン)IPV
OPV(Sabin)、VPOまたはVPVvacuna antipolio oral (tipo Sabin)(Vacuna oral de poliovirus vivo)ポリオ(経口、弱毒・生;セービン-ワクチン)OPV
HibVacuna contra Haemophilus influenzae tipo bヘモフィルス-インフルエンザb型菌Hib
HepBまたはHEPAT Bvacuna (recombinante) contra la hepatitis BB型肝炎(リコンビナント)ワクチンHep B
HepAまたはHEPAT Avacuna contra la hepatitis AA型肝炎ワクチンHep A
(Anti)neumococicaまたはPCVVacuna conjugada contra el neumococo(Vacuna antineumococica [13-Valente])(13価)肺炎球菌結合型ワクチンPCV(13)
VPHVacuna recombinante tetravalente contra el Virus del Papiloma Humano - VPH(Tipos 6, 11, 16 y 18)(4価)ヒト-パピローマウイルスワクチンHPV(4)
SRPvacuna (contra) sarampion, rubeola y parotiditis(paperas)麻疹風疹流行性耳下腺炎(ムンプス)(ウイルス三種混合ワクチン)MMR
SR(doble viral)vacuna doble viral, contra sarampion y rubeola麻疹風疹(ウイルス二種混合ワクチン)MR
VFA、FAまたはANTIAMARILICAvacuna contra la fiebre amarilla(vacuna antiamarilica)黄熱YFV
AntirotaviricaまたはAntirotavirusVacuna antirotavirica(Vacuna monovalente de rotavirus vivos atenuados humanos)ロタウイルスワクチンRV1
BCGVacuna BCG(Bacilo de Calmette y Guerin)[TBC: tuberculosis]BCGワクチン[結核]BCG
Anti Influenzavacuna (contra la) influenza(Vacuna Antiinfluenza)インフルエンザワクチンIV
pentavalente(DPT-HepB-Hib)vacuna pentavalente (de celulas completas)五種混合ワクチン(全菌体)DTwP-HepB-Hib

ボリビアは、南アメリカ大陸の中央部に位置します。海洋に面しない内陸の国です。北東方でブラジル、南方でパラグアイアルゼンチン、西方でペルーチリと国境を接します。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 世界の医療事情(外部サイト) - 日本国外務省; ボリビア(外部サイト):(日本語)。
  3. ボリビア健康・スポーツ省バーチャル公衆衛生資料館(外部サイト)(MSPBS: Ministerio de Salud Publica y Bienestar Social.):
    ・Ministerio de Salud(健康省).Manual Tecnico: Programa Ampliado de Inmunizacion Familiar y Comunitaria.(外部サイト) (家庭・地域社会における拡大予防接種プログラム(PAI)技術マニュアル)【PDF版】: (スペイン語).
  4. PAHO(汎米保健機構)ボリビア(外部サイト):「ボリビアがHPVワクチンを定期予防接種に導入(外部サイト)

2017年6月26日初掲載

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健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

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