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ブータン王国のこどもの定期予防接種について

最終更新日 2018年8月27日

こどもの定期予防接種のブータン王国と日本との違いについて

本稿では、ブータン王国(Kingdom of Bhutan)のこどもの定期予防接種について触れます。ブータン王国は、ヒマラヤ山脈南麓に位置し、南方・東方・西方はインド、北方は中華人民共和国(チベット自治区)と国境を接します。
まず、ブータン王国のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。
両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のブータン王国と日本との違い
 ブータン王国のこどもの定期予防接種
実施実施せず
日本のこどもの定期予防接種実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
水痘
肺炎球菌感染症
実施せずB型肝炎流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
インフルエンザ
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
A型肝炎
*: HPVワクチンについては、日本、ブータンとも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、ブータン王国で実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎水痘肺炎球菌感染症があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずブータン王国で実施されているものとしては、B型肝炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がブータン王国では見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

ブータン王国のこどもの定期予防接種スケジュールについて

ブータン王国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年)は、下の表2のとおりです。
なお、ワクチンではありませんが、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されていますので、下の表2に含めました。

表2. ブータン王国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時ポリオ経口・生ワクチンOPV(1回目)
結核BCG(1回接種)
B型肝炎HepB(1回目: 生後24時間以内に接種)
生後6週間ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ経口・生ワクチンOPV(2回目)
生後10週間ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ経口・生ワクチンOPV(3回目)
生後14週間ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種: 2015年7月4日から導入されました)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(4回目)
生後6ヶ月ビタミンA経口投与Vitamin A (1回目: 100,000 IU)
生後9ヶ月麻疹風疹MR(1回目)
生後12ヶ月ビタミンA経口投与Vitamin A (2回目: 200,000 IU)
生後18ヶ月ビタミンA経口投与Vitamin A (3回目: 200,000 IU)
生後24ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(4回目)
麻疹風疹MR(2回目)
ビタミンA経口投与Vitamin A (4回目: 200,000 IU)
生後30ヶ月ビタミンA経口投与Vitamin A (5回目: 200,000 IU)
生後36ヶ月ビタミンA経口投与Vitamin A (6回目: 200,000 IU)
6歳破傷風・ジフテリアTd(1回接種)
12歳破傷風・ジフテリアTd(1回接種)
小学6年生(12歳、女子のみ)ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目:女子のみ)
HPV(2回目:1回目の2ヶ月後)
HPV(3回目:1回目の6ヶ月後)
15-45歳の女性破傷風・ジフテリアTd(1回目:保健医療機関来所時に)**
Td(2回目:1回目の4週間後)
Td(3回目:2回目の6ヶ月後)
Td(4回目:3回目の1年後)
Td(5回目:4回目の1年後)
*:ブータン王国では、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます。
**:Td(破傷風・ジフテリア)接種については、妊娠がきっかけの場合、妊娠中に出来るだけ早く1回目を接種。4週間間隔で妊娠中に2回目を接種。次の妊娠時に3回目を接種。次の次の妊娠時に4回目を接種。次の次の次の妊娠時に5回目を接種。

ブータン王国では、将来的には、ロタウイルスワクチン、肺炎球菌結合型ワクチン、日本脳炎ワクチンの定期予防接種への導入が検討されています。また、麻疹風疹混合ワクチン(MR)から麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹混合ワクチン(MMR)への変更も検討されています。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

なお、ブータン王国における公用語は、ゾンカ語です。しかし、英語も使われていて、ブータン王国政府のホームページには、英語表記のページもあります。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. Global summary.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. ブータン王国健康省(外部サイト)(Ministry of Health, Royal Government of Bhutan)
    : 公衆衛生局のガイドライン(外部サイト)
    Bhutan National Immunization Policy and Strategic Guidelines(外部サイト) [pdf:927KB] (PDF版)
    : 公衆衛生局の疾病管理センター(外部サイト)(Royal Centre for Disease Control):(英語).
  4. 日本国外務省:世界の医療事情(外部サイト)ブータン(外部サイト).
  5. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    ブータン(外部サイト): (英語).
  6. ブータン政府観光局(外部サイト):(日本語).
  7. ユニセフ-ブータン事務所(外部サイト)
    : ブータンのポリオ不活化ワクチンの導入(外部サイト) [pdf:519KB] (PDF版): (英語).

2016年4月6日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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