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ベラルーシのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月11日

こどもの定期予防接種のベラルーシと日本との違いについて

本稿では、ベラルーシ共和国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、ベラルーシのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のベラルーシと日本との違い
実施状況ベラルーシで実施ベラルーシで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
日本脳炎
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
B型肝炎、
インフルエンザ
髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
水痘
A型肝炎

*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、ベラルーシで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずベラルーシで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)、B型肝炎、インフルエンザがあります。

ベラルーシに滞在するにあたり特に接種を要求されるワクチンはありませんが、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病腸チフス破傷風、ジフテリア、ポリオなどの免疫を獲得・保持していることが望ましいとされています(参考文献4)。また、ベラルーシの森林ではダニ媒介脳炎に感染の可能性もあります。日本国外務省は、感染の危険地域での山歩きやハイキングなど野外活動の好きな方にダニ媒介脳炎の予防接種を勧めています(参考文献5)。ダニ媒介脳炎のワクチンについては、首都ミンスクのクリニックで接種が可能とのことです[合計3回(2回目:初回接種の1-3ヶ月後,3回目:2回目接種の9-12ヶ月後)。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がベラルーシでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと 3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

ベラルーシのこどもの定期予防接種スケジュールについて

ベラルーシのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)は、下の表2のとおりです。
なお、ベラルーシの首都のミンスク(Minsk)では、A型肝炎ワクチンもこどもの定期予防接種となっていて、生後18ヶ月と生後24ヶ月との二回接種されます。

表2.
ベラルーシのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目:誕生から12時間以内に接種)
結核BCG(1回接種:生後3-5日で接種)
生後1ヶ月B型肝炎HepB(2回目)
生後2ヶ月10値または13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10またはPCV13(1回目)
生後3ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
10値または13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10またはPCV13(2回目)
生後5ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)
生後6ヶ月~3歳インフルエンザIIV(初年度の冬は1ヶ月以上の間隔で2回、次年度の冬からは毎冬1回接種)
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
10値または13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10またはPCV13(3回目)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(4回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV (4回目)*
2歳ポリオ弱毒生ワクチンOPV (1回目)
6歳ジフテリア・破傷風dT(1回目)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
7歳ポリオ弱毒生ワクチンOPV (2回目)
結核BCG(ツベルクリン反応検査陰性の児に1回接種)
11歳ジフテリアd(1回接種)
16歳ジフテリア・破傷風dT(2回目)
26歳以後10年毎(26歳、36歳、・・・、66歳)ジフテリア・破傷風dT(10年毎に1回接種繰り返し)
65歳以上インフルエンザIIV(毎年1回接種)
*:ベラルーシでは、DTaP-Hib-IPVという5種混合ワクチンで接種されることがあります。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

ベラルーシにおけるロシア語によるワクチン等の表記について

ベラルーシは、東ヨーロッパで、東はロシア、南はウクライナ、西はポーランド、北はリトアニアラトビアに接する国です。このベラルーシにおける公用語は、ベラルーシ語およびロシア語です。ベラルーシのこどもの定期予防接種のワクチン等のロシア語による表記については、下の表3、表4のとおりです。当・横浜市衛生研究所ウェブページ「ロシアのこどもの定期予防接種について」もご参考にして下さい。

表3 ベラルーシのこどもの定期予防接種のワクチン等(ロシア語・日本語対照表記)

表4 ベラルーシのこどもの定期予防接種のワクチン等(ロシア語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(ECDC)(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. ベラルーシ健康省(外部サイト)(Ministry of Health of the Republic of Belarus [MH RB]);
    定期予防接種スケジュール等(外部サイト) [pdf:136KB] (2012年7月18日付文書No.106)(PDF版):(ロシア語).
  4. ベラルーシ(外部サイト)政府公式サイト(Belarus.by):
    ベラルーシの旅行における健康面(外部サイト)(Travel health in Belarus )。:(英語).
  5. 外務省;渡航関連情報(外部サイト)在外公館医務官情報(外部サイト)ベラルーシ共和国(外部サイト)」:(日本語).

2014年5月7日初掲載

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健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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