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バングラデシュのこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年9月3日

こどもの定期予防接種のバングラデシュと日本との違いについて

本稿では、バングラデシュ人民共和国(People's Republic of Bangladesh)のこどもの定期予防接種について触れます。バングラデシュは、北・東・西の三方はインド、南東方面はミャンマーと国境を接します。南方はインド洋(ベンガル湾: Bay of Bengal)に面します。
まず、バングラデシュのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。
両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のバングラデシュと日本との違い
実施状況バングラデシュで実施バングラデシュで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザ
b型菌(Hib)感染症

結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
日本脳炎
水痘
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、
膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ
(*)
日本で未実施B型肝炎流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
インフルエンザ
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
A型肝炎

*: HPVワクチンについては、日本では女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、バングラデシュで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎水痘ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずバングラデシュで実施されているものとしては、B型肝炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がバングラデシュでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

バングラデシュのこどもの定期予防接種スケジュールについて

バングラデシュのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年)は、下の表2のとおりです。
なお、ワクチンではありませんが、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されています。生後6-59か月の乳幼児に対して、年二回、ビタミンA(カプセル)が配布されます(HEALTH BULLETIN 2015、P.131)。

表2.バングラデシュのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時(接種できなければ、生後6週間で)結核BCG(1回接種)
生後6週間ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10
(1回目:2015年3月21日から導入されました)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(1回目)
生後10週間ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10
(2回目:2015年3月21日から導入されました)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(2回目)
生後14週間ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV
(1回接種:2015年3月21日から導入されました)
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10
(3回目:2015年3月21日から導入されました)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(3回目)
生後9ヶ月(270日)麻疹風疹MR(1回目)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(4回目)
生後15ヶ月麻疹Measles(1回接種)**
15歳(女子のみ)麻疹風疹MR(1回接種)
15-45歳の女性破傷風トキソイドTT(1回目:15歳の女子)
TT(2回目:1回目の4週間後)
TT(3回目:2回目の6ヶ月後)
TT(4回目:3回目の1年後)
TT(5回目:4回目の1年後)

*:バングラデシュでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます。
**:2回目の麻疹ワクチンということで、MSD(Measles Second Dose)という略称もあります。
複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

なお、バングラデシュにおける公用語は、ベンガル語です。しかし、英語も使われていて、バングラデシュ政府のホームページには、英語表記のページもあります。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. Global summary.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. 日本国外務省:世界の医療事情(外部サイト)バングラデシュ(外部サイト).
  4. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    バングラデシュ(外部サイト)
    : バングラデシュのポリオ不活化ワクチン・肺炎球菌ワクチンの導入(外部サイト): (英語).
  5. バングラデシュ保健・家庭福祉省(外部サイト)(Ministry of Health and Family Welfare : MoHFW)
    保健サービス総局(外部サイト)(Directorate General of Health Services: DGHS)
    ;EPI(外部サイト)(Expanded Program on Immunization)
    ;HEALTH BULLETIN 2015(外部サイト) [pdf:26.2MB] (DGHSのトップページからリンク有):(英語).
  6. ユニセフ(UNICEF)-バングラデシュ事務所(外部サイト)
    : バングラデシュのポリオ不活化ワクチン・肺炎球菌ワクチンの導入(外部サイト)
    : バングラデシュは定期接種でポリオを排除(外部サイト): (英語).
  7. Incepta Vaccine Ltd(外部サイト)(バングラデシュのワクチン製薬会社)
    : バングラデシュの予防接種スケジュール(外部サイト):(英語).
  8. INSTITUTE OF EPIDEMIOLOGY, DISEASE CONTROL & RESEARCH (IEDCR(外部サイト)):バングラデシュ国疫学疾病管理研究所:(英語).

2016年4月15日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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