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アンゴラ共和国のこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年8月13日

こどもの定期予防接種のアンゴラ共和国と日本との違いについて

本稿では、アンゴラ共和国(Republic of Angola)のこどもの定期予防接種について触れます。アンゴラ共和国は、アフリカの南部に位置し、南方はナミビア、東方はザンビア、北方はコンゴ民主共和国と国境を接し、西方は南大西洋に面します。
まず、アンゴラ共和国のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。
両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のアンゴラ共和国と日本との違い
実施状況アンゴラ共和国で実施アンゴラ共和国で
未実施
日本で実施B型肝炎、
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
日本脳炎
水痘
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本で未実施

ロタウイルスによる感染性胃腸炎
黄熱

流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
インフルエンザ
A型肝炎

*: HPVワクチンについては、日本では女子のみ対象。アンゴラ共和国でも、近い将来に導入が計画されています。

こどもの定期予防接種として、アンゴラ共和国で実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎水痘ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずアンゴラ共和国で実施されているものとしては、ロタウイルスによる感染性胃腸炎黄熱があります。
多数のワクチンを混合したワクチン製剤がアンゴラ共和国では見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。
日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

アンゴラ共和国のこどもの定期予防接種スケジュールについて

アンゴラ共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2018年)は、下の表2のとおりです。
なお、ワクチンではありませんが、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されていますので、下の表2に含めました。また、寄生虫病対策として、駆虫剤のalbendazole(アルベンダゾール)が投与されることがあります。

表2. アンゴラ共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2018年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時ポリオ経口・生ワクチンOPV(1回目)
結核BCG(1回接種)
生後2ヶ月
(生後8週間)
ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(1回目)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(2回目)
生後4ヶ月
(生後16週間)
ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(2回目)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(3回目)
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種)
生後6ヶ月
(生後24週間)
ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(4回目)
ビタミンA経口投与Vitamin A(1回目)
生後9ヶ月
(生後36週間)
麻疹風疹MR(1回目)
黄熱YF(1回接種)
ビタミンA経口投与Vitamin A(2回目)
生後15ヶ月麻疹風疹MR(2回目)
15-45歳の女性破傷風トキソイドTT(1回目:保健医療機関来所時に)
TT(2回目:1回目の4週間後)
TT(3回目:2回目の6ヶ月後)
TT(4回目:3回目の1年後)
TT(5回目:4回目の1年後)

*:アンゴラ共和国では、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます。

2015年12月にアンゴラで始まった黄熱の流行は隣国のコンゴ民主共和国にも広がり大きな流行となりました。この流行の終息のために、両国では多数の住民に対して黄熱ワクチンの接種を行いましたが、このとき、通常接種量の五分の一に減量して接種することも行われました(但し、生後9か月から2歳までのこどもには、通常接種量を接種しました)。詳しくは、当・横浜市衛生研究所ホームページ「黄熱について」をご覧ください。
複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

なお、アンゴラ共和国における公用語は、ポルトガル語です。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. Global summary.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語).
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. アンゴラ共和国保健省(外部サイト)(MINSA):(ポルトガル語).
  4. 日本国外務省: 世界の医療事情(外部サイト)アンゴラ(外部サイト)
  5. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    アンゴラ(外部サイト): (英語).
  6. New inactivated polio vaccine due to start this month(外部サイト). Fri, 15 Dec 2017, ANGOP - Angola Press News Agency.「健康関連のニュース(外部サイト)」 :(英語).
  7. In Angola, keeping yellow fever cases at zero(外部サイト). Updated: 31 October 2016. Unicef, Angola(外部サイト). :(ポルトガル語).
  8. Profissionais de saude capacitados para a Introducao de novas vacinas(外部サイト). Luanda, 1 de Dezembro de 2017. WHO, Angola(外部サイト).:(ポルトガル語).

2018年5月24日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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