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ぎょう虫(蟯虫)症について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の知見を提供するものではなく、横浜市としての見解を示すものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、ご質問には対応しかねます。また、個別の診断や治療については医療機関へご相談ください。

最終更新日 2019年6月24日

流行は?

アメリカ合衆国では、ぎょう虫症は、寄生虫による病気として、最もよく見られるもので、約4000万人が感染していると推計されています。保育園・幼稚園の園児や小学校の学童などでよく見られます。家族の中でも感染し、患児とよく接する兄弟姉妹や母親も感染していることがよくあります。

どんな病気?

ぎょう虫の成虫(おとな)は、人間の大腸・直腸で生活しています。このうち、メスが夜間に肛門から体外に出てきて肛門周囲の皮膚に卵を産み付けます。卵は粘着性の物質により皮膚に付着していますが、この粘着性の物質およびメスが肛門周囲を動き回ることにより、かゆみが生じます。夜間のかゆみにより寝不足となり、落ち着きがなくなったり、短気となることもあります。ボリボリ掻き続けることにより、肛門周囲にかき傷が多数見られる場合もあります。しかし、大部分の場合、それらの症状は軽く、何の症状も見られない人が多いです。
肛門周囲に産み落とされた卵は4-6時間で感染可能な状態になります。衣類やベッド・カーテン・絨毯(じゅうたん)や他の物に付着して、卵は2-3週間生きています。この間に人の口の中に入ると、その人が感染することになります。卵が食物に付着して食べられたり、卵がカーテン等に付着して風で飛散して吸い込まれて、感染する場合もありえます。
ぎょう虫症が疑われるときには、肛門周囲に産み落とされた卵を見つける検査を行います。テープ法(tape test)あるいはスコッチテープ法、セロハンテープ法とも呼ばれることがある検査がよく行われます。トイレの後やお風呂の後では、ぎょう虫の卵が落ちてなくなってしまっている可能性があります。朝起きて一番に行う検査です。粘着性の透明なテープを肛門周囲にしっかりと貼り付けることにより、粘着性の透明なテープに肛門周囲に産み落とされた卵をはりつけて、この粘着性の透明なテープを顕微鏡で見てぎょう虫の卵を見つける検査法です。専用のセットがありますので、そのセットをもらってから行う検査です。
治療としては、1回の服薬でぎょう虫を駆除する薬がよく使われます。この薬はしかし、肛門周囲に産み落とされた卵を殺すことができません。肛門周囲に産み落とされた卵で再び感染してしまう可能性を考えて、2週間後にもう1回服薬することがあります。また、患児に親しい家族も一緒に治療した方が良いでしょう。
人間が感染するぎょう虫の宿主は人間だけです。人間が感染するぎょう虫によって犬や猫などのペットが感染することはありません。

病原体は?

ぎょう虫症(enterobiasis あるいは pinworm[threadworm] infection)の病原体は、白い小さな寄生虫であるぎょう虫( Enterobius vermicularis :以前は Oxyuris vermicularis とも)です。成虫(おとな)の体長は、メスで8-13ミリメートル、オスで2-5ミリメートルです。肉眼で見ると白糸の短い切れ端のような感じです。メスの成虫(おとな)を捕獲して小児科医療機関に持ち込む観察熱心なおかあさんもいます。 メスの成虫(おとな)は、就眠の約2-3時間後に、肛門周囲の皮膚や下着・寝巻き・シーツなどに認められることがあります。
ぎょう虫の卵が口の中に入ってから、成虫となってメスが卵を産み始めるまでの期間は、約1か月です。ぎょう虫の成虫の寿命は、約2か月です。
Enterobius gregorii という種もヨーロッパ、アフリカ、アジアから報告されていますが、形態・生活環・症状・治療法等は Enterobius vermicularis と同一です。

予防のためには・・・

爪を噛んだり、肛門のあたりを直接に手でかいたりするのは、やめましょう。これらの行動は、自分が感染している場合には、自分でぎょう虫の卵を自分の口に運んでいることになります。また、手にぎょう虫の卵が付着してしまうと、いろいろなものにぎょう虫の卵を貼り付けてしまうことになります。さらに、直接に手でかいたときに、のびた爪の部分にぎょう虫の卵が付着したり、のびた爪が皮膚を傷つけることにもなるので、爪はよく切っておきましょう。 また、挨拶では、握手は止めてお辞儀にしましょう。
トイレの後、食事や調理の前、オシメを替えた後などには、手をよく洗いましょう。
ぎょう虫の卵は、日光に弱いです。寝室に日光を取り入れましょう。ふとんを日向に干しましょう。下着はこまめに替えて洗濯し日向に干しましょう。
朝起きてすぐの入浴は、きょう虫の卵の広がりを少なくする効果が期待できます。入浴時には、最初に、浴槽に入る前にシャワーなどで肛門周囲をよく洗い流した方が良いでしょう。 下着も朝の入浴時に着替えましょう。

2001年5月11日掲載
2013年8月2日改訂増補

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