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■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の知見を提供するものではなく、横浜市としての見解を示すものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、ご質問には対応しかねます。また、個別の診断や治療については医療機関へご相談ください。
最終更新日 2019年7月17日
2003-2004年冬季について、北半球世界におけるインフルエンザの流行は、全体としては中等度から多めでした。A香港(H3N2)型インフルエンザの流行が多く見られました。A(H1)型インフルエンザについては、少なかったですが、欧州のアイスランドとウクライナで流行が見られました。A(H1N2)型インフルエンザウイルスは、アフリカのセネガル、北米のカナダ、アメリカ合衆国、南米のブラジル、チリ、欧州のフランス、アイスランド、ノルウェー、ポルトガルで分離されました。B型インフルエンザの発生は少なかったです。日本では、A香港(H3N2)型インフルエンザの流行が見られました。
2003-2004年冬季に海外で見られたAソ連(H1N1)型インフルエンザウイルスとA(H1N2)型インフルエンザウイルスは、HA抗原については抗原的にA/New Caledonia/20/99(H1N1)株と同様のものが大部分です。横浜市衛生研究所では、Aソ連(H1N1)型インフルエンザウイルスとA(H1N2)型インフルエンザウイルスとは、分離されませんでした。日本全体でも、Aソ連(H1N1)型インフルエンザウイルスが3株分離されたのみであり、日本ではAソ連(H1N1)型インフルエンザとA(H1N2)型インフルエンザの流行は見られませんでした。
2003-2004年冬季に見られたA香港(H3N2)型インフルエンザウイルスは、A/Fujian/411/2002(H3N2)株に抗原的に同様のものが大部分です。横浜市で分離されたA香港型(H3N2)インフルエンザウイルスについても同様の結果でした。
2003-2004年冬季に見られたB型インフルエンザウイルスは、B/Hong Kong/330/2001株(Victoria系統)に抗原的に同様のものが少なく、大部分はB/Shanghai/361/2002株(山形系統)に抗原的に同様のものです。横浜市で分離されたB型インフルエンザウイルスについては、Victoria系統は見られず、すべて山形系統でした。
2004年11月-2005年4月の北半球世界でのインフルエンザワクチン推奨株を2004年2月に世界保健機関(WHO)が提示しています(外部サイト)。これは、2003年10月-2004年2月の北半球世界でのインフルエンザの流行で多く流行したインフルエンザウイルスに抗原的に一番近いインフルエンザワクチンウイルスの株を、A香港(H3N2)型、Aソ連(H1N1)型、B型の中から一つずつ選んだものです。2004-2005年冬季のWHO(世界保健機関)による北半球世界におけるインフルエンザワクチンの推奨株は、Aソ連(H1N1)型については、2003-2004年冬季のWHO(世界保健機関)による北半球世界におけるインフルエンザワクチンの推奨株と同一のものとなりました。Aソ連(H1N1)型は、A/New Caledonia/20/99(H1N1)様株です。A香港(H3N2)型とB型については、2003-2004年冬季と違います。A香港(H3N2)型は、A/Fujian/411/2002(H3N2)様株、B型は、B/Shanghai/361/2002様株が推奨されています。なお、A/Wyoming/3/2003(H3N2)とA/Kumamoto/102/2002(H3N2)とは、A/Fujian/411/2002(H3N2)様株です。また、B/Shanghai/361/2002とB/Jilin/20/2003とは、B/Shanghai/361/2002様株です。
*Aソ連型:A/New Caledonia(ニューカレドニア)/20/99(H1N1)
*A香港型:A/Wyoming(ワイオミング)/3/2003(H3N2)
*B型:B/Shanghai(上海)/361/2002
2004年度の日本のインフルエンザワクチンは、上記3株のHA蛋白を含むもの(インフルエンザHAワクチン)となっています。これは、2004年2月に世界保健機関(WHO)が提示した、2004年11月-2005年4月の北半球世界でのインフルエンザワクチン推奨株と一致しています。また、2004年度の日本のインフルエンザワクチンは、Aソ連型(H1N1)については、2003年度と同一の株が選定されていますが、A香港型(H3N2)とB型については、2003年度と違う株が選定されています。
小さいこどもたちを除けば、大部分の人たちは、今までに生涯の中で、Aソ連型(H1N1)インフルエンザ、A香港型(H3N2)インフルエンザ、B型インフルエンザに感染したことがあると考えられます。以前に感染したことがあれば、弱い基礎的な免疫を持っていると考えられ、インフルエンザワクチンの1回の接種によりその冬を持ちこたえる免疫を獲得すると考えられます。以前にインフルエンザに対する免疫を獲得したことがない、小さなこどもたちについては、短くとも4週間以上の間隔を空けてのインフルエンザワクチンの2回の接種をするべきだと、世界保健機関(WHO)は、勧奨しています。
日本におけるインフルエンザワクチンの接種法は、0.5mlを皮下に、1回または約1-4週間の間隔を空けて2回注射します。ただし、6-12歳は0.3ml、1-5歳は0.2ml、0歳は0.1mlを皮下に約1-4週間の間隔を空けて2回注射します。なお、2回接種を行う場合の接種間隔は、免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましいとされています。
2004年9月22日掲載
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