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■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の知見を提供するものではなく、横浜市としての見解を示すものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、ご質問には対応しかねます。また、個別の診断や治療については医療機関へご相談ください。
最終更新日 2019年7月17日
2000年11月-2001年4月の北半球世界でのインフルエンザの流行状況を振り返ると、インフルエンザの流行は、11月の第三週から始まりましたが、大流行とはならず、小流行から中流行にとどまりました。流行は主としてAソ連型(H1N1)インフルエンザによるもので、同時にB型インフルエンザの流行が見られた国もありました。A香港型(H3N2)インフルエンザの流行は見られませんでした。
Aソ連型(H1N1)インフルエンザは、アメリカ合衆国・カナダ・イラン・日本・ヨーロッパで流行が見られました。分離されたAソ連型(H1N1)インフルエンザウイルスの大部分は、抗原的には、2000年度のワクチン株であるA/New Caledonia/20/99(H1N1)株に近いものでした。横浜市で分離されたAソ連型(H1N1)インフルエンザウイルスについても同じ結果でした。
A香港型(H3N2)インフルエンザの流行は見られませんでしたが、分離されたA香港型(H3N2)インフルエンザウイルスの大部分は、抗原的には、2000年度のワクチン株であるA/Panama/2007/99(H3N2)株に近いものでした。横浜市で分離されたA香港型(H3N2)インフルエンザウイルスについても同じ結果でした。
日本を含め、Aソ連型(H1N1)インフルエンザの流行と同時にB型インフルエンザの流行が見られた国が多かったです。カナダ・ポルトガル・スロベニアではB型インフルエンザの流行の方が優勢でした。分離されたB型インフルエンザウイルスの大部分は、抗原的には、2000年度のワクチン株であるB/Yamanashi/166/98株よりは、B/Sichuan/379/99株に近いものでした。横浜市で分離されたB型インフルエンザウイルスについても同じ結果でした。
2001年10月-2002年4月の北半球世界でのインフルエンザワクチン推奨株を2001年2月に世界保健機関(WHO)が提示しています。(外部サイト)これは、2000年10月-2001年2月の北半球世界でのインフルエンザの流行で多く流行したインフルエンザウイルスに抗原的に一番近いインフルエンザウイルスの株を、A香港(H3N2)型、Aソ連(H1N1)型、型の中から一つずつ選んだものです。Aソ連(H1N1)型は、A/New Caledonia/20/99(H1N1)様株、A香港(H3N2)型は、A/Moscow/10/99(H3N2)様株、B型は、B/Sichuan/379/99様株が推奨されています。A/Panama/2007/99(H3N2)株は、A/Moscow/10/99(H3N2)様株の一つです。
*Aソ連型:A/New Caledonia(ニューカレドニア)/20/99(H1N1)
*A香港型:A/Panama(パナマ)/2007/99(H3N2)
*B型:B/Johannesburg/5/99
2001年度の日本のインフルエンザワクチンは、上記3株のHA蛋白を含むものとなっています。これは,2001年2月に世界保健機関(WHO)が提示した、2001年11月-2002年4月の北半球世界でのインフルエンザワクチン推奨株と一致しています。なお、B/Johannesburg/5/99株はB/Sichuan/379/99様株の一つです。
小さいこどもたちを除けば、大部分の人たちは、今までに生涯の中で、Aソ連型(H1N1)インフルエンザ、A香港型(H3N2)インフルエンザ、B型インフルエンザに感染したことがあると考えられます。以前に感染したことがあれば、弱い基礎的な免疫を持っていると考えられ、インフルエンザワクチンの1回の接種によりその冬を持ちこたえる免疫を獲得すると考えられます。以前にインフルエンザに対する免疫を獲得したことがない、小さなこどもたちについては、短くとも4週間以上の間隔を空けてのインフルエンザワクチンの2回の接種をするべきだと、世界保健機関(WHO)は、勧奨しています。
日本におけるインフルエンザワクチンの接種法は、0.5mlを皮下に、1回または約1-4週間の間隔を空けて2回注射します。ただし、6-12歳は0.3ml、1-5歳は0.2ml、0歳は0.1mlを皮下に約1-4週間の間隔を空けて2回注射します。なお、2回接種を行う場合の接種間隔は、免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましいとされています。
2001年10月3日掲載
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