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カナダにおけるA(H7N3)型鳥インフルエンザウイルスによる人の感染について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の知見を提供するものではなく、横浜市としての見解を示すものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、ご質問には対応しかねます。また、個別の診断や治療については医療機関へご相談ください。

最終更新日 2019年7月12日

2004年4月5日までの状況について

2004年3月、カナダ西部のブリティシュコロンビア州の家きん農場でA(H7N3)型ウイルスによる鳥インフルエンザが発生しました。この鳥インフルエンザの家きんと接触した2人がA(H7N3)型ウイルスに感染し発病しましたが、軽快しました。2004年4月5日現在では、人から人への感染例は確認されていません。発病した2人は、いずれとも感染した鳥との濃厚な接触がありました。濃厚な接触とは、例えば、感染した鳥を扱ったり、感染した鳥と狭い空間に一緒にいたりすることです。

このカナダにおけるA(H7N3)型鳥インフルエンザウイルスによる人間の感染の第1例は、鳥インフルエンザウイルスに感染した家きんの処分に2004年3月13、14日にかかわった人でした。3月13日に眼がA(H7N3)型鳥インフルエンザウイルスに曝露したようです。3月16日に片方の眼の結膜炎、鼻水が見られました。3月18日に抗インフルエンザウイルス剤のオセルタミビルによる治療が始まりました。この第1例の患者は、全快しています。

このカナダにおけるA(H7N3)型鳥インフルエンザウイルスによる人間の感染の第2例は、ブリティシュコロンビア州の家きん農場での従業者です。2004年3月22、23日に感染した家きんと濃厚な接触がありました。3月25日に片方の眼の結膜炎、頭痛が見られました。3月25日に抗インフルエンザウイルス剤のオセルタミビルによる治療が始まりました。症状は消失しています。

Tweed らによるまとめの報告によれば

前項で触れた、2004年3月のカナダ西部のブリティシュコロンビア州 Fraser Valley の家きん農場でのA(H7N3)型ウイルスによる鳥インフルエンザの流行に伴った患者発生について、ブリティシュコロンビア州疾病管理センターの S. Aleina Tweed らが、まとめて報告しています(参考文献1)。

カナダ西部のブリティシュコロンビア州 Fraser Valley における鳥インフルエンザの流行は、2004年2月6日、ある農場の9200羽収容のニワトリ小屋で、ニワトリの死亡がやや増加したこと(1日あたり8-16羽の死亡)から始まりました。原因が鳥インフルエンザであることが、2月16日に確定しました。A(H7N3)型低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)でした。さらに、2月17日から19日にかけて、同じ農場の隣接した9030羽収容のニワトリ小屋で、死亡が急増しました(2日間で約2000羽の死亡)。この原因は、A(H7N3)型高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)でした。カナダ食品監視局は、両方のニワトリ小屋のニワトリの処分を命じ、5km以内のすべての農場の監視を始めました。監視下において、総計42の家きん農場と11の自家用の家きんを飼っている農家とで鳥インフルエンザが見られました。鳥インフルエンザ発生の最後の農場が確認されたのは、2004年5月21日でした。

Fraser Valley の家きん農場には、約2000人の従事者がいます。また、鳥インフルエンザ集団発生対策に関わる衛生当局の従事者は約650人でした。鳥インフルエンザの患者が発生しないか、監視が続けられましたが、患者と確定したのは、前項で触れた、2人だけでした。

この2人の患者では、発病から一日以内に採取された検体から、A(H7N3)型鳥インフルエンザウイルスが分離されました。一人は、鼻から採取した検体から、もう一人は、眼の結膜から分離された検体からでした。なお、2人の患者とも、一人は発病から34日後、および、もう一人は8、22日後に採血した血液の検査では、A(H7)型鳥インフルエンザウイルスに対する抗体は産生されていませんでした。鳥インフルエンザウイルスに感染したものの、2人の患者とも、局所的な感染に留まり、血液中に抗体を産生する全身的な反応にまで至らなかったものと考えられました。

この2人の患者の感染経路としては、鳥インフルエンザウイルスへの眼の曝露が考えられました。鳥の処理にあたっては、眼の曝露を避けるためゴーグル等の着用が原則とされていました。ところが、一人は、ゴーグル等の着用はしていませんでした。また、もう一人は眼鏡を着用していたものの、鳥の羽を介しての鳥インフルエンザウイルスへの眼の曝露があったものと考えられました。なお、鳥の処理期間中及び加えてさらに期間後7日間にわたって抗インフルエンザウイルス薬であるオセルタミビルを一日あたり75mg予防内服することが原則とされていましたが、2人の患者とも予防内服をしていませんでした。

参考文献

  1. S. Aleina Tweed, Danuta M. Skowronski, Samara T. David, et al. ; Human Illness from Avian Influenza H7N3, British Columbia. ; Emerging Infectious Diseases, Vol. 10, No. 12, December 2004, p. 2196-2199.

2004年4月9日初掲載
2005年12月28日増補

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