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新型インフルエンザ(AH1pdm)のワクチンについて

最終更新日 2019年9月12日

  1. 国内で生産されたインフルエンザワクチンと海外のワクチンはどうちがうの?
  2. 新型インフルエンザワクチンは接種するべきなのでしょうか?

海外のワクチンは

  • 現時点では国内外での使用経験・実績(臨床試験を除く)がないこと
  • 国内では使用経験のないアジュバント(免疫補助剤)が使用されていること
  • 国内では使用経験のない細胞株を用いた細胞培養による製造法が用いられているものがあること
  • 投与経路が筋肉内であること
  • 小児に対しては用量が異なること
    などが挙げられます。

国内のワクチンと海外のワクチン

世界におけるワクチンの生産能力は世界の約7割がヨーロッパや北米に集中していますが、オーストラリアや日本、中国にも重要な生産拠点はあります。

従来、インフルエンザワクチンの製造方法は、ニワトリの卵を使った「鶏卵培養」が主流でしたが、近年、ベロ細胞(アフリカミドリザルの腎臓上皮細胞で細胞培養によく用いられる細胞株)やMDCK細胞(イヌの腎臓尿細管上皮細胞)等を用いた「細胞培養」による製造や、免疫効果の増強や抗原量を減らすために「アジュバント(免疫補助剤)」を加えて製造する方法が試みられています。

日本では、インフルエンザワクチンは4社が製造しています。国内の季節性インフルエンザワクチンは、ワクチン製造株(ウイルス株)をそれぞれニワトリの有精卵に接種して培養し、そこから増殖したウイルスを採取し、エーテル処理後にホルマリンで不活化して作られています。また、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)のプレパンデミックワクチンが平成19年に日本でも開発されましたが、これには、アジュバントとして、アルミニウムが添加されています。

厚生労働省の発表によると、近日問題となっている新型インフルエンザウイルス(A/H1N1)のワクチンについては、従来の季節性インフルエンザと同様の方法(アジュバント無)で製造され、10月下旬以降に順次出荷される予定とのことです。

海外においては、細胞培養による製造や、アジュバントを利用した製造が日本より進んでいます。季節性インフルエンザワクチンについては、欧州では、「アジュバント入り」で「鶏卵培養」のワクチンや「アジュバント無」で「細胞培養」のワクチンが承認され、利用されています。新型インフルエンザワクチンを製造している会社は数社あります。新型インフルエンザワクチンについては、製造会社や製品によって、アジュバントの有無や製造方法(鶏卵培養や細胞培養)が異なります。

厚生労働省の発表によると、現在、日本が輸入を検討している新型インフルエンザワクチンは2種類あり、1つは「アジュバント入り」で「鶏卵培養」したもの(A社)で、もう1つは「アジュバント入り」でMDCK細胞による「細胞培養」したもの(B社)です。

輸入を検討しているワクチン

厚生労働省が公開した、ワクチン会社から提供された情報の要約です。

〔アジュバント(+)鶏卵培養のワクチン〕A社
厚生労働省が公開したA社からの情報提供によると、アジュバントについては、世界的に行われたA社の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)のプレパンデミックワクチンと同じもので、プレパンデミックワクチン(H5N1)の臨床試験において、日本でも100例の使用経験があります。また、A社のプレパンデミックワクチン(H5N1)については、欧米アジアの臨床試験において10,000例を越える使用実績があり、アジュバント無のワクチンに比べ、注射部位の痛みや頭痛、疲れ、筋肉痛などは多くみられるものの、重度なものの報告数は少なく、予期しない安全性の問題は示唆されていないとのことです。

〔アジュバント(+)細胞培養のワクチン〕B社
厚生労働省が公開したB社からの情報提供によると、日本においては、B社のアジュバントもMDCK細胞培養のワクチンについても使用経験がありません。欧州等では、季節性インフルエンザワクチンにおいて、同じアジュバントが入った鶏卵培養のものが実際に使用されており、アジュバント無のMDCK細胞培養のものについては、4,800人以上の成人及び高齢者を対象とした臨床試験が実施されて、2007年にEUで承認されています。

○アジュバント入りワクチンの安全性
アジュバント(+)鶏卵培養の季節性インフルエンザワクチンについては、局所及び全身性の副反応の発現率がアジュバント(-)のものより高いものの、ほとんどが軽度で投与後数日で消失した。また、重篤な有害事象などのその他の有害事象の発現率は、アジュバントの有無での差はなく、市販後調査の結果からも、アジュバントによる既知の事象の発現頻度が増加する傾向もみられなかった。

○細胞培養によるワクチンの安全性
アジュバント(-)MDCK細胞培養の季節性インフルエンザワクチンについては、臨床試験成績から、その安全性はアジュバント(-)鶏卵培養の季節性インフルエンザワクチンと同様であった。

新型インフルエンザウイルス(A/H1N1)のワクチンについては、平成21年10月から、接種が開始される予定です。有効性や安全性が検証された上で接種開始となっていますが、副反応等については、今後もデータ収集を行う必要があります。厚生労働省などから発表されるワクチンに関する情報から、ワクチンの効果や限界、リスクについての情報入手に努めましょう。

インフルエンザワクチンは、重症化や死亡を防ぐには一定の効果を示すとされていますが、感染や発症を完全に防ぎ、流行を阻止することはできません。また、副作用をおこすこともあります。

厚生労働省は、インフルエンザワクチンの特性と今まで分かっている新型インフルエンザの性質から、限られた数の新型インフルエンザワクチンを有効に利用するために、「死亡者や重症者の発生をできる限り減らすこと」「そのために必要な医療を確保すること」を目的として、ワクチンの優先接種対象者を決定しました。

ワクチンの接種は義務ではありません。接種は、正しい情報に基づいた、個人個人の判断が必要です。

参考文献

  1. 厚生労働省ホームページ「新型インフルエンザ対策関連情報:ワクチン関連情報」(外部サイト)
  2. WHOホームページ「Vaccines for pandemic influenza A (H1N1)」(外部サイト)
  3. CDCホームページ「CDC Novel H1N1 Vaccination Planning Q&A」(外部サイト)
  4. ECDCホームページ「Questions and answers on vaccines for the H1N1 pandemic」(外部サイト)

2009年10月13日更新
2009年9月11日掲載


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