このページの先頭です

レジオネラについて

最終更新日 2019年2月28日

“れじおねら”ってなーに?

みなさん、「レジオネラ」という言葉を聞いたことがありますか?実は細菌の名前なのです。ちょっと珍しい名前ですね。
レジオネラは土や水など自然界に普通に生息している細菌ですが、知られるようになったのは最近のことです。
このレジオネラが一躍世に出たのは、センセーショナルな事件がきっかけでした。今から20年前の1976年、アメリカでのことです。

ペンシルバニア州フィラデルフィアのあるホテルで米国在郷軍人の集会が開催されました。この時、原因不明の肺炎がホテルの従業員や来客、ホテルの近くにいた人に集団発生(患者225名、死者34名)しました。この原因を調査したところ、それまで全く知られていなかった細菌が発見されました。在郷軍人会(the Legion)にちなんで、この細菌はレジオネラ(Legionella)、病気は在郷軍人病(レジオネラ肺炎)と呼ばれるようになりました。現在では研究が進み、はじめは1種類であったレジオネラ属の菌も40種類以上に増えました(以降はレジオネラをレジオネラ属菌と呼びます)。

レジオネラ属菌による症状も、急性肺炎に似たレジオネラ肺炎の他に、インフルエンザに似たポンチャック熱が知られるようになり、これらをレジオネラ症と総称します。

レジオネラ症は人から人への感染の心配がないこと、高齢者・乳幼児・病人などの抵抗力の弱い人がかかりやすいことなども判ってきました。

レジオネラ属菌(グラム染色)の写真
レジオネラ属菌(グラム染色)


冷却塔の写真
冷却塔


ひとくちメモ

  • 在郷軍人:普段は軍人ではなく、それぞれの仕事を持っているが、戦争や事変が勃発したとき、必要に応じて召集され国防に充たる予備役・後備役・帰休兵・退役の軍人などをいう。
  • 冷却塔:空気調和設備に使用される水の温度を下げるため、屋上などに設置された冷房設備の一部。循環している水の約0.7%を蒸発・飛散させて水温を約5℃下げる。この時水と一緒にレジオネラ属菌も空中に飛散する。現在、冷却塔は「レジオネラ症防止指針」やその他の自主的な基準に基づいて管理が強化されています。

では、なぜ225名も一度にレジオネラ肺炎になったのでしょうか?

まず、ホテルの近くにいた人たちの場合、レジオネラ属菌が繁殖した空調用冷却塔の水しぶきが、エアロゾル(微小な水滴)となって空中に散布され、その空気を吸ったことが原因でした。
ホテル内にいた人たちの場合はどうでしょうか。

やはり原因は冷却塔の水しぶきでした。レジオネラ属菌を多く含んだエアロゾルが、ホテルの換気用外気取り入れ口からホテル内の空調システムに入り込み、ホテル全体にレジオネラ属菌を含んだ空気が拡がったため、集団発生したものと判明しました。

その後、レジオネラ症は冷却塔、給湯水、循環式浴槽、装飾用噴水、加湿器などが原因で発生しています。最近ではアメリカでは年間400~500名、ヨーロッパでは年間1200名の患者が報告されています。

一方、日本ではどうでしょうか?

1981年に初めてレジオネラ肺炎の患者が報告されています。その後の調査で1979~1992年にかけて80例が報告されています。みなさんの記憶に新しいところでは、1996年の7月、東京都のある大学病院で生まれたばかりの赤ちゃん13名が発熱などの症状を示し、そのうち1名が死亡していた(事件発生は1996年1~2月)とするショッキングな報道がありました。

死亡した赤ちゃんの肺と病院の給湯施設や加湿器などから同じレジオネラ属菌が見つかり、病院内での院内感染の可能性が疑われました。また、少し前の1994年には、東京都のあるビルで研修を受けていた30人がポンチャック熱に罹りました。この原因も冷却塔に繁殖したレジオネラ属菌と考えられています。

日本ではこれまでレジオネラ症の大規模な集団発生の例はありません。これは、世界でも先進的なビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律:1970年施行)により、ビル内の衛生的な環境には充分な注意が払われ、外国に比べて建物内の衛生的な維持管理がしっかりしているからだと言われています。

レジオネラ症発生の一番の原因は、冷却塔の水の管理であり、本症の発生予防のためには、冷却塔水中のレジオネラ属菌数のコントロールが重要な課題のひとつになっています。そのため、厚生省は平成6年に「レジオネラ症防止指針」を示しました。この指針は冷却塔を中心としたレジオネラ属菌が増殖しやすい環境の維持管理等について規定したもので、特に冷却塔については、次のような管理の必要性を求めています。

  • 月に1度の冷却塔の清掃
  • 抗レジオネラ剤、殺菌剤を用いた化学的な菌抑制処理
  • レジオネラ属菌の定期的な測定及びレジオネラ属菌数の評価とその対応

これらの3点が明記されているのは日本だけで、アメリカ・イギリス・オーストラリア等の国々と比較しても先進的な内容です。

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:833-368-631

先頭に戻る