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妊娠と喫煙について

最終更新日 2018年7月24日

おなかの中の赤ちゃんへの喫煙の影響・・・

妊娠中に喫煙している母親から生まれた赤ちゃんは、喫煙しない母親から生まれた赤ちゃんに比較して、出生時体重が平均で約 200-250グラム軽いです。また、母親のおなかの中にいた期間(在胎週数)が同じ赤ちゃんの間での比較でも、妊娠中に喫煙している母親から生まれた赤ちゃんは、出生時体重が軽い傾向があります。死産や新生児死亡(生後28日以内の死亡)、乳幼児突然死症候群(SIDS:sudden infant death syndrome)が、喫煙する母親の赤ちゃんに多い傾向があります。当・横浜市衛生研究所ホームぺージ「こどもの受動喫煙について」参照。
米国で2001-2002年に出生した児において、妊娠中の母親の喫煙と児の先天性指異常(多指症、少指症、無指症、合指症)の発生との関係を調査した研究があります(参考文献2)。6,839,854人の出生児の記録を調べ、5171人の先天性指異常(手や足の指の多指症、少指症、無指症、合指症)が見られた児と先天性指異常が見られなかった児10342人を対照として比較したものです。妊娠中に喫煙している母親から生まれた赤ちゃんは、喫煙しない母親から生まれた赤ちゃんに比較して、先天性指異常(手や足の指の多指症、少指症、無指症、合指症)が見られる確率が1.33倍(95%信頼区間1.21- 1.47;p<0.0001)と高かったです。一日に吸う本数が多いほど確率は高くなる傾向があります。母親が妊娠中に喫煙していない場合と比較して、、母親が妊娠中に一日当たり吸う本数が、1-10本で1.29倍(95%信頼区間1.15-1.46)、11-20本で1.38倍(95%信頼区間 1.12-1.71)、21本以上で1.78倍(95%信頼区間0.97-3.26)と高くなります。
口唇裂は先天性に口唇(くちびる)に亀裂が見られる異常、口蓋裂は先天性に口蓋(口の中の天井にあたる部分)に亀裂が見られる異常です。口唇裂・口蓋裂については、両者が合併して見られる場合もあり、両者が合併して見られる場合を含む口唇裂と両者が合併して見られる場合を含まない口蓋裂とに分類されます。口唇裂・口蓋裂の発生頻度は、千人の出生に対し、1-2人程度とされます。口唇裂・口蓋裂と妊娠中の母親の喫煙との関係に関する24の調査・研究について検討した研究があります(参考文献3)。妊娠中に喫煙している母親から生まれた赤ちゃんは、喫煙しない母親から生まれた赤ちゃんに比較して、口蓋裂が合併している場合を含む口唇裂が見られる確率が1.34倍(95%信頼区間1.25- 1.44)、口唇裂が合併している場合を含まない口蓋裂が見られる確率が1.22倍(95%信頼区間1.10- 1.35)と高いです。

妊娠への喫煙の影響・・・

喫煙しない女性に比べ、喫煙する女性は、不妊を経験しやすく、妊娠も遅く成りがちです。また、妊娠後も、胎盤早期剥離、前置胎盤、早産等を起こしやすいです。

母乳による授乳への喫煙の影響・・・

母乳による授乳に関しては、喫煙する母親では、母乳による授乳を行う者が少なく、母乳による授乳を行っても短期間であり、母乳の分泌も少ない傾向があります。

月経への喫煙の影響・・・

喫煙しない女性に比べ、喫煙する女性は、月経困難症となりやすいようです。喫煙しない女性に比べ、喫煙する女性は、平均的に約1-2年、閉経を早く迎えます。

経口避妊薬服用者への喫煙の影響・・・

喫煙する経口避妊薬服用者は、喫煙せず経口避妊薬も服用しない者に比べて、狭心症・心筋梗塞等の心臓の冠状動脈疾患になりやすいです。経口避妊薬を服用しようと考える女性は、喫煙しない方が良いでしょう。

喫煙による悪影響の予防のためには・・・

タバコを吸うのは止めましょう。今さらタバコを吸うのをやめても意味がないということはありません。喫煙する母親が妊娠の最初の3か月までに喫煙を止めた場合に生まれる赤ちゃんは、喫煙しない母親に生まれる赤ちゃんと出生時体重は同等レベルになることが知られています。また、母親の周囲の人たちも、タバコを吸うのは止めましょう。

参考文献・・・

  1. Virginia L. Ernster ; Impact of Tobacco Use on Women`s Health. ; Woman and the Tobacco Epidemic -- Challenges for the 21st Century--. Edited by Jonathan M. Samet, Soon-Young Yoon ; WHO, 2001, p.1-15.
  2. Man, Li-Xing M.Sc.; Chang, Benjamin M.D. : Maternal Cigarette Smoking during Pregnancy Increases the Risk of Having a Child with a Congenital Digital Anomaly. Plastic & Reconstructive Surgery. 117(1):301-308, January 2006.
  3. Julian Little, Amanda Cardy, &Ronald G.Munger ; Tobacco smoking and oral clefts:a meta-analysis. ; Bulletin of the World Health Organization, March 2004;82(3):p.213-218.

2004年4月13日掲載
2006年4月17日増補
2009年2月2日増補

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