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ダイオキシンについて

最終更新日 2019年11月8日

ダイオキシンとは

ダイオキシン

ダイオキシンとは、ポリ塩化ジベンゾジオキシン(Polychlorinated dibenzo-p-dioxin、PCDD)の通称であり、これにポリ塩化ジベンゾフラン(Polychlorinated dibenzofurans、PCDF)を加えて“ダイオキシン類”と呼称されています。
ダイオキシン類の化学的な構造はベンゼン環二つを酸素で結合したもので、異性体はベンゼン環についた塩素の位置及び数によってPCDD:75種、PCDF:135種が存在します。
ダイオキシン類の物理化学的特性は、熱、酸及びアルカリ等に安定であり、生物による分解も極めて遅い物質です。また、水への溶解性は低く、親油性を持ちます。したがって、一度生成すると安定して、残留性が高い物質です。
人への主な吸収経路は、消化器、皮膚、肺で体内に吸収されたダイオキシン類は、血流にのって主に肝臓と脂肪組織に蓄積されます。
なお、ダイオキシン類は化学物質の合成過程、燃焼過程等で生成されます。

ダイオキシン類の歴史的背景

1962~1972年に、ベトナム戦争で2,4,5-T(2,4,5-Trichlorophenoxyacetic acid)、2,4-D(2,4-Dichlorophenoxyacetic acid)という枯葉剤が散布され、この除草剤の中に不純物としてダイオキシンが含まれていたため、その時、先天性疾患を持つ子供が多く生まれたと指摘されています。
1976年にはイタリア、ミラノ近郊のセベソ(Seveso)にある農薬工場で爆発事故が起こり、ダイオキシン類120kgが飛散し、周辺で鶏、兎、猫等が死亡したり、奇形児の出生率が高くなったと報告されています。
また、米国では1978年、ニューヨーク州ラブ キャナル(Love Canal)でダイオキシン類を含んだ産業廃棄物の埋め立てによる汚染が明らかになり、周辺住民239家族が立ち退きました。日本では1983年に都市ごみ焼却炉の灰にダイオキシン類が検出され、新聞等に大きく報道されました。

ダイオキシン類の毒性

一般毒性

半数致死濃度は感受性の最も高い雄モルモットで600ng/kg、感受性が最も低いとされる雌ハムスターで5,000,000ng/kgです。
人や実験動物で観察された症状には、体重減少(消耗性症候群)、胸腺萎縮、肝臓代謝障害、心筋障害、性ホルモンや甲状腺ホルモン代謝並びにコレステロール等脂質代謝への影響、ざ瘡(にきび)、中枢神経系障害等があります。

発がん性

実験動物を用いた長期暴露実験においては、ラット、マウス及びハムスター等で肝細胞がん、肺の扁平上皮がんの増加等、2,3,7,8-四塩化ジベンゾパラジオキシン(2,3,7,8-Tetrachlorodibenzo-p-dioxin、2,3,7,8-TCDD)及び類縁化合物の発がん性が示されています。
職業暴露者、事故の被災者、ベトナム戦争の枯葉作戦の退役軍人に関する疫学的調査からは、高濃度暴露を受けた人の集団において広範な部位にがんを発生させる可能性を持つ物質であることも示唆されています。しかし、これらの疫学データにおける暴露評価には不確実な点が多く残されています。

生殖及び催奇毒性

実験動物に対する2,3,7,8-TCDDの毒性は、母体よりも胚や胎児の段階で強く現れます。代表的な催奇形性としてマウスに口蓋裂、水腎症が認められています。また、ダイオキシン類は、ラット等において妊娠率の低下、出生仔の低体重及び性周期に影響を与え、アカゲザルでは子宮内膜症を惹起させます。
人における生殖、発生への影響は、台湾油症(PCDFが混入)で子供の成長遅延、知力の不足等が認められています。また、ベトナム戦争退役軍人の枯葉剤暴露とその子供の二分脊椎のリスク増加との関連が知られています。

免疫毒性

マウスへの投与実験から、2,3,7,8-TCDDは未熟な胸腺細胞の減少を伴う胸腺の萎縮を生じさせることが観察されています。また、抗体産生を抑制させ、リンパ球の変動を生じさせることが示唆されています。
人における免疫系への影響は、知見が不十分で統一的な結論を導き出すまでに至っていません。

まとめ

わが国における一般的な生活環境からの暴露量は、食事、大気、水、土壌から0.3~3.5pg/kg/dayと推定されています。しかし、個人の実際の暴露量は、地域や食生活等の違いにより相当の幅のあることが考えられます。魚からの摂取が大きい場合を想定すると暴露量は1.9~5.3pg/kg/day、また、ダイオキシンの主要な発生源と考えられるごみ焼却施設周辺における暴露量は1.8~5.1pg/kg/dayと推定されています。
このような特定の条件下では環境庁の健康リスク評価指針値(5pg/kg/day)と同程度以上となることがありえます。
従って、健康リスクをより小さくする観点から、今後ダイオキシン類の環境中濃度の低減を図ることが望まれます。
なお、1997年8月には大気汚染防止法施行令の一部が改正され、廃棄物焼却施設からのダイオキシン類排出の抑制に関する基準が設けられました。

参考文献・・・

  1. 環境庁企画調整局環境保健部
    ダイオキシンリスク評価検討会報告(抜粋)、大気環境学会誌、32(4)、79-109、1997
  2. 田中 勝 他
    ごみ処理に係わるダイオキシン類の発生防止等技術(人体影響からガイドラインへの対応まで)、エヌ・ティー・エス、東京、1997
  3. 日本環境化学会編
    ダイオキシン類汚染と対応の現状、第21回日本環境化学会講演会予稿集、1-88、1997
  4. 藤原寿和 他
    ダイオキシン汚染と対策をめぐる最新事情、資源環境対策、33(8)、686-713、1997

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