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膝関節疾患センター

最終更新日 2020年6月16日

膝関節疾患センターの紹介

2007年に超高齢社会に突入した日本では、今後も高齢者率の増加が予測されています。整形外科が対象とする運動器は骨、関節、神経、筋肉から構成され、加齢に伴い徐々に変化し、様々な病気を引き起こします。その中で変形性脊椎症や関節症の頻度が高く、腰痛や関節痛の原因となります。これらの病気は、喫煙、食事、運動などの生活習慣や仕事の内容などにより影響を受け、また緩徐に進行するので、障害に気づきにくいのが特徴となります。気づいた頃には歩行や階段の昇降が困難となり、移動の制限によって、日常生活の障害が強くなります。また運動不足により心臓や肺などの病気の誘因となります。
加齢にともなう運動器の病気の中で、ひざの痛みで悩んでいる高齢の方が増加しています。その原因となる疾患の中で最も多いのが「変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)」です。現在2500万人が罹患しており、そのうち800万人が痛みのある患者さんであると言われています。健康寿命の延伸にはしっかり歩くことが大切ですので、ひざの病気の早期発見と適切な治療が求められています。

主な疾患

変形性膝関節症


※日本整形外科学会ホームページより抜粋

ひざの軟骨がすり減ったり、なくなったりすることでひざの関節が変形する疾患で、痛みが生じることがあります。
加齢や肥満などはっきりとした原因がない場合は一次性、ひざの軟骨がすり減る原因が怪我や病気等はっきりしている場合は二次性と言います。


左が正常なひざ関節、右に行くほど変形が大きくなっています。

特発性膝骨壊死

65才以上の高齢の女性に多く発症するひざの病気です。まだ原因ははっきりしていません。突然生じるひざの内側の激しい痛み、頑固な関節の腫れ、夜間就眠時の痛みなど症状に特徴があります。

関節リウマチ

典型的なリウマチは30代の女性で、両側の手指の小さな関節の腫れや痛みで発症します。しかし、高齢者では、血液検査でリウマチの反応が陰性で、ひざや肘関節など大きな関節の腫れや痛みで発症するタイプもあり、注意が必要です。複数の血液検査を行い、注意深く経過を観察して診断し、薬による治療を行います。

結晶誘発性関節炎

この中で最も有名な病気は痛風による足の親指の関節炎です。ひざでは痛風の原因である尿酸以外にピロリン酸カルシウムの結晶も関節炎を起こします。突然生じる腫れや発赤、痛みが生じます。

半月板損傷

半月板とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)のつなぎ目にある軟骨で、膝関節の一部で、骨と骨のクッションの役割をしています。
怪我や捻挫で、半月板が傷つくことで膝の曲げ伸ばしに引っかかりが出たり、水が溜まったりすることがあります。ひどい場合には、急に膝が動かなくなる「ロッキング」という状態になります。

膝靭帯損傷

ひざには内側と外側に側副靱帯、また中央に前・後十字靱帯の四つの靱帯があります。スポーツや怪我で受傷するのは内側の靱帯や前十字靱帯です。
受傷後3週間程度はひざの痛みと動かしづらさがありますが、その後痛み、腫れ、動かしづらさはいずれもよくなってきます。しかし、この頃になると怪我した靱帯によってはひざの不安定感が目立ってくることがあります。これは下り坂やひねり動作の際にはっきりすることが多く、ひざ折れを自覚する場合もあります。
不安定感があるまま放置しておくと、新たに半月板損傷や軟骨損傷などを生じ、慢性的な痛みや腫れが出現します。

軟骨損傷

成人の関節軟骨は、表層、中間層、深層、石灰化層の4つの層からできており、最深層の石灰化層の下には軟骨下骨と呼ばれる骨組織で支えられています。
関節軟骨はひざの骨と骨の間にあり、関節がなめらかに動かす働きをします。また歩行、階段の上り下りや運動などでひざにかかる力を吸収するという重要なクッションの役割を果たします。軟骨そのものの血行が少ないため一度損傷すると自然に治らず、長期間の経過で悪化し、変形性関節症になる場合があります。

治療方法

運動療法と理学療法

体の筋肉、特に下肢の筋肉は年齢と共に筋肉量と筋力が共に低下します。筋肉は関節を守る働きがあり、日頃からよく歩くなど、運動をして筋肉を動かすことが大切です。歩幅が小さくなることで筋肉の使用量が減り、歩く機能が低下してきますので、杖などを利用して転ばないようにしながら歩幅を大きくして歩くと機能低下を防ぐことができます。腰の痛みの治療と共通しますが、痛みの強いときには安静が必要ですが、日頃からよく歩くことを心がけましょう。
ひざの上にある大腿四頭筋はひざの守り神ですから、変形性膝関節症の患者さんには、ひざを伸ばして足を上げる下肢伸展位挙上訓練を積極的に行うようにと指導します。
ホットパックなどのひざを温める理学療法は筋肉の緊張を和らげ、関節への血液の流れを増加させ、また足底板やひざ装具もひざの状態により痛みを和らげる効果があります。

片ひざを立て、反対の足を伸ばし10センチ程度上げ、5秒数えてから降ろします。
片足10から20回ずつ無理のない範囲で繰り返します。
慣れてきたら500グラムから1キログラムの重りを足につけることでより効果が現れます。

薬物療法

痛みにより日常生活に制限をきたす場合には炎症と痛みを抑える消炎鎮痛薬を処方します。最近では胃腸障害などの副作用を防ぐことを目的に皮膚から高い濃度の鎮痛薬を吸収させる貼付剤が利用できるようになりました。
頑固な腫れを伴う、炎症の強い場合にはステロイドを、また軽度から中等症の変形性膝関節症では、定期的なヒアルロン酸の関節内注射を行います。

手術療法

高齢者に対する主なひざの手術には関節鏡手術、骨切り術、人工関節置換術があります。
関節鏡手術は滑膜炎、遊離体さらに半月板損傷などと痛みの原因が明らかな時に行います。小さな傷で手術ができますので早期に退院ができ、入院期間が短いことが大きな利点となります。
骨切り術は関節を温存することができますので、変形が軽度あるいは中等度、比較的若年で活動性が高い患者さんが適応となります。

人工関節置換術には、ひざの関節すべてを人工関節に取り換える全置換術と、変形した部分のみを取り換える単顆片側置換術があります。全置換術はデザインや材質、手術方法が確立されており、変形性膝関節症に対して最も多く行われている手術です。
当院では人工関節の適切な設置が手術後の成績に最も影響を与えることを考慮し、術前に3D-CTを撮影し、コンピューター支援により、患者さんの膝に最も適した人工関節サイズと設置位置を想定して手術を行っています。


人工膝関節全置換術(左:手術前、右:手術後)

当院での取組

当院では入院時に、退院までの計画書を患者さんへお渡しすることで安心して治療とリハビリが受けられる環境を提供しています。
ひざの手術から術後リハビリの目標を達成し、退院までの期間は1ヶ月程度のことが多く、見通しが立てやすいことから、この計画書の運用を行っています。

入院計画書の例
内容\日数

1日目
(手術前日)

2日目
(手術当日)

3日目から5日目
(手術1日目から3日目)

6日目から8日目
(術後4日目から6日目)

達成目標

手術について理解する
手術の準備ができる

全身状態が安定している
合併症の徴候がない
痛みが軽減する

痛みが軽減する
歩行訓練ができる
両足の運動(自主トレ)ができる
両足に体重をかけて移動ができる

歩行訓練ができる
両足の運動(自主トレ)ができる

治療内容 主治医、麻酔科医、手術室看護師から説明があります

内服薬は医師の指示で中止する場合があります

手術室で点滴を始めます(翌日午前中まで)

内服薬を再開します

1日1回、抗生剤の点滴があります

両足ともに退院まで弾性ストッキングを着用してください

ベッド上では手術側の足をクッションなどで高くしてください
リハビリテーション - - リハビリ開始(病棟内から始めて、訓練室へ移行します) 退院までリハビリテーションがあります

また、手術後翌日からリハビリを開始することで、住み慣れた地域に速やかにお戻りいただけるように力を入れています。

外来診療担当表

スタッフの紹介

齋藤知行医師

齋藤知行病院長

病院長、膝関節疾患センター長

出身大学

横浜市立大学

卒業年

昭和54年

専門資格

日本整形外科学会専門医・指導医・登録医
日本整形外科学会スポーツ認定医
日本整形外科学会リウマチ認定医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本骨粗鬆学会認定医
日本手外科学会専門医

佐々木崇博医師

佐々木崇博医師

出身大学

川崎医科大学

卒業年

平成25年

専門資格

日本整形外科学会専門医

所属学会

日本整形外科学会
JOSKAS(日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)

東親吾医師

東親吾医師

出身大学

聖マリアンナ医科大学

卒業年

平成28年

所属学会

日本整形外科学会
日本骨折治療学会

診療実績

2019年4月から2020年3月まで手術件数
術式など 件数
高位脛骨骨切り術 19件
高位脛骨骨切り術+骨移植(骨壊死) 4件
人工膝関節置換術 54件
人工股関節置換術 1件
抜釘術 8件
骨軟骨柱移植 1件
骨折(人工骨頭を含む) 5件
その他 2件
94件

このページへのお問合せ

脳卒中・神経脊椎センター医事課

電話:045-753-2500(代表)

電話:045-753-2500(代表)

ファクス:045-753-2904(直通)

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