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ぐるっとSTORY(2022年秋号)

最終更新日 2022年10月12日

わたしのまちの地産地消STORY Vol.3

区内の農家がつくる野菜をおいしいフレンチに

横浜市交通局の広報誌「ぐるっと」では、”わたしのまちの地産地消STORY”と題して、市営地下鉄・バス沿線における地産地消の取り組みにフォーカスしています。本ウェブサイトでは、誌面に入り切らなかったインタビューをお届けします! 今回は、中山駅近くでフレンチレストラン「カフェ フェリックス フォール」を営む宮地昌彦さんへのインタビューです。


「カフェ フェリックス フォール」宮地昌彦さん

地域に根ざしたフレンチ厨房カフェ
中山駅から徒歩約4分。農家さんや直売所が多い緑区で、地元の野菜を使った料理を提供する「カフェ フェリックス フォール」。カジュアルで気軽に立ち寄れる店構えだが、10年間フランスで修行したシェフによる、素材の味を生かした本格的なフランス料理が楽しめるお店だ。


カフェ フェリックス フォール

フランスの伝統料理や田舎料理を提供する「カフェ フェリックス フォール」は、季節ごとにさまざまなメニューを展開している。メニューづくりは、地元の農家に食べごろの野菜を聞くところから始まるという。
加工品はなるべく使わず、ドレッシングやソースもすべて自家製。お店には電子レンジを置いていない。調理では機械を頼らない、シェフの宮地さんのこだわりが伺える。


トマトソースに旬の野菜が溶け込んだソース。柔らかいお肉とともに野菜の旨みが口の中に広がる


地元でとれたベビーリーフ、キャベツ、はまぽーくを使用。自家製ドレッシングは野菜嫌いの子どもにも評判

週替わりランチは、メインディッシュに地元野菜を使用した前菜とサラダがついて¥1,200(税別)~と、リーズナブルな価格で楽しめる。ディナーではこだわりのワインなど、お酒に合った料理が味わえるのもうれしい。
秋におすすめのメニューは、創業当初から好評のチーズ料理。チーズと合鴨を使った料理は、「カフェ フェリックス フォール」の原点でもある。
「とくに10月は、フランスではチーズの解禁の月。チーズに合わせたキノコ料理を中心に、地元の農家さんから仕入れた旬の野菜を合わせ、メニューを考案していきます」


店内にはワインなどのお酒がずらりと並ぶ

フランスの郷土料理が絶品!
11年前に開業するまでは、フランスで働いていた宮地さん。最初の1年間は研修生としてレストランに入り、滞在許可書を取得した後、正式に働きはじめるというのがフランスでは一般的。
「研修時代は、10店舗ぐらい回ったかな。夏季のアルバイトで、フランスの南の方に行ったり、冬はシャモニーなどのスキーリゾートで働いたり」
さまざまな経験を経て、ちょうど滞在期間が10年になったタイミングで日本に帰国した。


宮地昌彦さん

帰国後は、1年間横浜のレストランで働き、その後開業。
「完熟した状態で収穫される地場の野菜が一番」と話す宮地さんは、開業当初から地産地消に取り組んでいる。主な仕入れ先である3件の農家とは、10年前に区役所で行われた地産地消交流会を通して知り合った。なかでも、「金子農園」はフランス料理に欠かせないポロネギをつくっており、「カフェ フェリックス フォール」が緑区の野菜を使うようになったきっかけでもある。
「たまたまこの地に開業したのですが、その頃は日本では少なかった、ポロネギやズッキーニをつくっている農家さんがこの辺りに多く、縁を感じますね」


お店のいたるところに登場する、かわいらしい鴨のイラスト

「カフェ フェリックス フォール」は、2年ほど前からキッチンカーでの出店も始めた。お客さまの外出が難しいのであれば、こちらから外に出ようと車を購入し、区役所に申請。
「存続させるのに必死な2年間でしたね。正直まだまだ難しい状況が続きますが、できることを模索して取り組んでいきたい」
実店舗での営業に力を入れながらも、要請があったときには緑区民まつりや里山ガーデンフェスタなど、地域のさまざまなところでおいしいフランス料理を提供している宮地さん。最近では夏休みによこはま動物園ズーラシアで行われたズーラシア夜市、山下地域交流センター(旧山下小学校 木造校舎)のイベントなどにも参加している。
また、車にもこだわりが。太陽光による水素エネルギーで電気を起こすタイプの静かなキッチンカーが、宮地さんの愛車だ。


さまざまな連携を図り、さらに活性化する緑区の地産地消
緑区には、区役所で行われる地産地消交流会のほかに、よこはま地産地消サポート店が集まる任意団体がある。和、洋、中を問わず、延べ14店舗が、地元農家の情報や催し物などをシェアする「チームヴェルデ」だ。
「競争相手でもあるレストラン同士が交流をもつというのは、けっこう珍しいんです」と宮地さん。こういったレストラン同士の交流を深めることで、さらに緑区の地産地消を盛り上げているという。
「ヴェルデ」は地元農家と連携しながら、地域のイベントなどに積極的に参加している。十日市場のマンション前で行う野菜の即売会や各レストランの出店、緑区民まつりなどで野菜とお弁当の販売を行った。


横浜市では、市内産の野菜や果物、卵、「はまぽーく」などを素材に取り入れる飲食店等を「よこはま地産地消サポート店」として登録している

ご近所農家さんの存在

「農家さんには、それぞれのお店で使用したい野菜を卸してもらったり、『こういうイベントをやるんだけど、何か野菜を出してくれない?』といった個々の要求に応えていただいています。本当にありがたいですね」
レストランと農家が互いに支えあう、横浜市内の地産地消コミュニティ。宮地さんたちの活動があることで、季節ごとに採れたてのおいしい野菜などでつくられた料理が気軽に楽しめる。
「日本では、農業などの一次産業の価値が低くなっているように感じます。農業という職業が、もっともっと尊重されるべきです。とくにこのご時世、予想だにしないことで物流が滞ることもある。地元に農家さんがいることはとてもありがたいことですね」


メニューやチラシは手描きのイラストで親しみやすさを感じさせる

地元農家とのつながりを大切にする宮地さんがつくるメニューには、地場野菜の本来の味がとても生きている。
心を込めて丁寧につくられた料理を、ぜひ一度味わってみてほしい。

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