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ぐるっとSTORY(2022年夏号)

最終更新日 2022年6月24日

横浜市交通局の広報誌「ぐるっと」では、“おしごとSTATION”と題して、市営地下鉄やバスで働く人たちを紹介しています。
日常生活のなかではなかなか知る機会のない、市営交通の裏側にフォーカスした本連載。誌面に入り切らなかったインタビューをWEB限定記事としてお届けします! 今回は、技術管理部車両課で、4000形事業を担当する渡邊真和さんへのインタビューです。

29年ぶりの新型車両「4000形」
2021年に100周年を迎えた横浜市交通局。これまで手がけてきた地下鉄車両は、60本を超える。その翌年の2022年、5月に市営地下鉄ブルーラインに新型車両「4000形」を導入した。現行で運用している電車でもっとも古い「3000A形」と入れ替わり、29年ぶりとなる新形式車両だ。


新型車両「4000形」

横浜市が実施したアンケートから、横浜のイメージを抽出しデザインに反映。「海辺の先進的な都会感」をコンセプトとしたスタイリッシュなデザインとなった。先頭車両は、従来のブルーライン車両で採用されていた伝統的な「く」の字型のニュアンスを残しつつ、コンセプトに沿うよう改良。全体的に平面や直線のエッジが際立たち、見る角度によって車体の表情が変わる仕様だ。


長年採用されていた「く」の字型の先頭車両


車両に記載されている数字の「4」は4000形、「62」は歴代の地下鉄車両の本数、「5」は何号車目かを表す

床面と座面は、ブルーラインのシンボルカラーであるブルーが目をひく。座る位置がわかりやすい従来のバケットシート(体を包み込むようなデザイン)を継承しつつ、座席幅を470mmから480mmに拡大した。座面の材質も見直し、座り心地も向上。座席の端にある袖仕切りも大きくしたことで、座っていても立っていてもパーソナルスペースを確保できて快適に過ごせる。


固すぎず、柔らかすぎない座面。座るとゆっくりと沈み込むような感覚で、優しく包み込んでくれる


車両内。セキュリティーとして、1両あたり3台の車内防犯カメラを設置した

アップデートしていく新車両

市営地下鉄の設計業務に携わってきた渡邊さんだが、もともとは民間の自動車関係の仕事をしていたという。横浜出身で車やバスなどのエンジンを扱っていたこともあり、横浜市交通局でも技術を活かせると考え、入局した。「ただ、入ってみると電車と自動車は別の文化ということがわかりました。0からのスタートでしたね」。


インタビューに答える渡邊さん

入局後は約3年間、3000V形の設計を担当していたところ、あらたに始まる4000形事業の計画に参加したという。3000形の設計やデザインで優れた部分のエッセンスを残し、より改善してつくられたのが4000形だ。例えば、従来バリアフリー機能として設置されていたドアの開閉予告灯や車椅子の固定具などに加え、車椅子・ベビーカーエリアの手すりを1段から2段に変更し様々な身長の方が使いやすいようにした。

「限られた予算のなかで、なにを取り入れるのか。そうした取捨選択が一番頭を使った部分ですね。バリアフリーや安全性など、幅広くお客様が安心して乗車いただけるよう、チームで話し合いながら決定していきました」


車椅子・ベビーカーエリアは広く使いやすい。手すりは2段になっていて、腰をかけながら掴まることができる


「ゆずりあいシート」は、床面を赤、壁面を白にすることで認識しやすく、遠目からでもわかるようにした

4年かけてつくりあげた自信作が運行開始

「4000形事業に参加した当初は本庁で設計業務を行っていましたが、電車が出来てからは上永谷車両基地で試験関係業務をしていました」と渡邊さん。車両基地では、電車で考えうるすべての動作を試したという。電車を実際に動かしてみることはもちろん、水でわざと車輪を滑らせたり、車内に水槽を敷き詰めて満員状態に近い状態で動かしたりと、さまざまな試験を行った。


車両間を移動するためのドアには、横浜をイメージするモチーフが描かれている。ドアの持ち手にはアシストレバーを採用しており、少しの力で開けることが可能

4000形事業のスタートから約4年。「多くの苦労があった」と話す渡邊さんだが、その表情からは充実感がうかがえる。「最初の図面の状態から、実際にかたちになった姿が見られるのは、技術仕事の醍醐味ですね。お客さんに乗ってもらえると思うと、達成感があります。局一同力を合わせた自信作になっているので、ぜひ移動を楽しんでほしいです」。

新型車両「4000形」は、令和5年度末までに全8編成を導入予定で、第1編成目はすでに営業を運行している。より利便性・快適性に優れた新車両にぜひ乗って体感してほしい。

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