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ぐるっとSTORY(2022年春号)

最終更新日 2023年12月20日

横浜市交通局の広報誌「ぐるっと」では、”わたしのまちの地産地消STORY”と題して、市営地下鉄・バス沿線における地産地消の取り組みにフォーカスしています。誌面に入り切らなかったインタビューをWEB限定記事としてお届けします! 今回は、根岸駅近くで八百屋を営む「しんくま青果店」髙田慎介さんへのインタビューです。


【新しい八百屋のかたち】
根岸駅前から徒歩3分。海辺近くの住宅が多くある地区に、かわいらしい熊と大根のイラストが目を引くお店がある。2020年3月に開業したばかりの八百屋「しんくま青果店」だ。ガラス越しに見える店内には、色とりどりの野菜が置かれている。


しんくま青果店

月曜日と火曜日を除いた毎日午前4時前から、横浜市内の農家をまわるという店主の髙田さん。仕入れた野菜を並べた後は、9時30分から14時までの営業だ。朝早くから多くのお客さまが、しんくま青果店の野菜を求めて訪れる。14時以降は、注文が入っていれば配達に行く。中区や磯子区、港南区のお客さまが多く、鎌倉まで届けに行くこともあるという。


店内の様子

髙田さんは、SNSを使った広報にも力を入れている。LINEをはじめ、FacebookやInstagramでは、毎日仕入れた野菜や果物について紹介。それぞれの農家が、丹精込めて育てた野菜のおいしい食べ方などを投稿している。お客さまがそれを見て配達を頼むことも多い。「根岸森林公園の方面などは急な坂が多く、車でないと来店することが難しいお客さまもいます。ご年配の方もいるので、配達は開業当時からしていますね」。

【野菜が苦手な人をも魅了する横浜野菜】


髙田慎介さん

もともと20年近く宝石販売の仕事をしていた髙田さん。「実は野菜が嫌いだったんです。飲食店とかでも野菜を頼む人がいるとムッとしてしまうくらいで(笑)」と話す。そんな髙田さんの好みが変わったのは、家族が埼玉県の農家から取り寄せた有機野菜のセットがきっかけだった。苦手ながらも一口食べてみると、深い味わいがあることに気がついた。「衝撃的でした。ただのじゃがいもなのに味わいがあって。有機野菜だとこんなにおいしいのかと思いましたね」。


季節の野菜のみを取り扱っている。ポップには髙田さんおすすめの食べ方などが書かれている。

それをきっかけに野菜の魅力の虜になった髙田さんは、野菜ソムリエの資格を取得。仕事をやめて関内にあるスペイン料理店「イサベラ」に転職した。自分の足で横浜市内の農家を訪れ、おいしさの秘訣について聞いて回ったという。そうして仕入れた野菜をイサベラでお客さまに提供した。「『カリフラワーって生で食べられて、こんなにおいしいんですか?』と、私と同じように驚いてくれる方もいました」と髙田さんは微笑む。

このような経験を経て、飲食店ではなく、農家から仕入れた野菜を直接販売できる八百屋を始めようと髙田さんは考えた。磯子区周りに直売所が少ないことに着目し、根岸駅近くに店舗を構えた。開業時は5つの農家から野菜を仕入れていたが、今では横浜市内の11の農家とやりとりをしている。スーパーマーケットでは味わえない、個性ある野菜がこだわりだ。

「例えば、スーパーマーケットで販売している長ネギは、シャキッとした見た目が重要なので硬めの品種が多いです。私の仕入れている長ネギは、袋から出してしまうと折れてしまうくらい柔らかい。その分、甘味が強くて旨味が凝縮されています。横浜野菜のおいしさを知っていただけると思います」


「寒さによって出るアントシアニンの影響で紫色に見えるブロッコリーは、甘みと旨味が強い証拠」と髙田さん。


【生産者と消費者の架け橋に】
「旬の野菜や果物を提供することを大切にしている」しんくま青果店。取材中もお客さまが後を絶たず、「大根おろしがとても甘かったです」と髙田さんと楽しそうに話していたのが印象的だった。「『いらっしゃいませ』だけだと八百屋の意味がないと思っていて。購入された野菜や、世間話などいろいろ話します。気さくに話せるのが重要だと思いますね」。スペイン料理店にいた経験から、おいしい食べ方などを伝えると、お客さまからもフィードバックがもらえるという。八百屋だからこその近い距離で、お客さまとの関係性を育んでいることがうかがえた。

しんくま青果店では、取引をしている農家を店舗に呼んでトークショーをしたこともあるという。2021年12月には、旭区の「えんちゃん農場」と、保土ケ谷区の農家・山本諭さんが、お客さまの前で野菜づくりのポイントについて語った。「農家さんそれぞれにファンがいるんです。お客さまはいろいろ質問をされていました。生産者と消費者の接点になれたらと思っています、今後もやりたいですね」。生産者から直接話を聞けることが「安心・安全のスタートになる」と髙田さんは話す。


無化学肥料・無農薬の自然栽培を行う「えんちゃん農場」


オリジナルブレンドの有機堆肥を使った土で、多くのシェフから支持されているとういう山本諭さん。

開店から丸2年になるしんくま青果店だが、「今後は店舗数を増やしていきたい」と髙田さんは話す。こだわり抜かれた野菜の本来の旨味を味わいに、ぜひ訪れてみてほしい。


【しんくま青果店】
所在地:磯子区西町10-16 東和根岸ビル102
アクセス:市営バス58系統「根岸駅前」下車徒歩約3分ほか
営業時間:9時30分~14時
定休日:月曜日・火曜日
お問合せ:080-9291-9171
URL:https://www.facebook.com/shinkumaseika/(外部サイト)
【根岸駅から市営バスで行けるおすすめスポット】
根岸駅は市営バスのターミナルの1つ。ここから、バスで横浜を代表する桜の名所「三溪園」や「根岸森林公園」にアクセスできます。また、「横浜市電」が当時の姿のまま保存されている市電保存館にも行くことができます。
 春のお出かけに、横浜の桜や懐かしい市電と地元の野菜を楽しんでみませんか?
・横浜三溪園(https://www.sankeien.or.jp/(外部サイト)
 →58・101系統で約10分
・根岸森林公園(根岸森林公園公式サイト|公益財団法人 横浜市緑の協会 (hama-midorinokyokai.or.jp)(外部サイト)
 →21系統で約5分
・市電保存館(https://www.shiden.yokohama/(外部サイト)
 →21系統で約7分

このページへのお問合せ

交通局総務部総務課

電話:045-671-3671

電話:045-671-3671

ファクス:045-322-3911

メールアドレス:kt-koho@city.yokohama.jp

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