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ぐるっとSTORY(2021年冬号)

最終更新日 2021年12月27日

横浜市交通局の広報誌「ぐるっと」では、“おしごとSTATION”と題して、市営地下鉄やバスで働く人たちを紹介しています。
日常生活のなかではなかなか知る機会のない、市営交通の裏側にフォーカスした本連載。誌面に入り切らなかったインタビューをWEB限定記事としてお届けします! 今回は、あかいくつ乗務員(本牧営業所)宮家進介さんへのインタビューです。

【ベイサイドエリアの発展を見守るあかいくつ】
横浜市営バスのなかでも、クラシカルなデザインがひときわ人目をひく「あかいくつ」。
2005年から運行をスタートして今年で16年目になる。開発が進むベイサイドエリアの変化にあわせて、走行ルートも調整してきた。現在は桜木町駅から出発し、2019年に開業した横浜ハンマーヘッドをはじめ、港の見える丘公園、大さん橋客船ターミナルなど、横浜の人気観光スポットを走行している。


ベイサイドエリアを走行するあかいくつ

観光地をめぐることもあり、メインのお客様は観光客。一般的な青とベージュの市営バスより小ぶりな車両は、特注品。昔の路面電車をイメージした車体と車内はレトロな雰囲気が漂う。ステップにも横浜赤レンガ倉庫を彷彿とさせるなど、横浜らしさが詰まっている。


あかいくつの車内


横浜らしさを感じるステップ

あかいくつの車両は本牧営業所にしかなく、全部で9台。ダイヤ数が多い土日には、そのうち8台が運行している。約15人ほどいるあかいくつの乗務員は、他の路線も日々運転をしており、常にあかいくつに乗車しているわけではないという。
市営バスの乗務員は水色のYシャツを着ているが、あかいくつの乗務員はピンク色のYシャツに赤縞のネクタイと、おしゃれなコーディネートだ。他の路線とあかいくつをかけ持つ日は気をつかう。「水色のYシャツでも支障はないのですが、長年あかいくつに乗車している先輩ほど、しっかりと着替えていますね。照れ隠しなのかはっきりとは言いませんが、プロ意識なんだと思います」。

【高い運転技術をもつ乗務員】
2015年の入局以来、本牧営業所で一般的な市営バスを運転していたという宮家さん。いまから4年ほど前に、あかいくつの乗務員を募集していることを知った。定期的に募集をしているわけではなく、欠員が出た場合やダイヤ改正時のみ立候補式で選考が行われるという。「あかいくつは人気のバスなので、私が選考を受けたときは約 20 名の方が受験したようです。そのなかの3名に選ばれました。自分が運転するバスに審査員の方が匿名で乗車する試験なのですが、緊張しましたね」。


インタビューに答える宮家さん

宮家さんは、交通局の試験に合格してはじめて横浜に来たという。あかいくつに乗車するお客様の目的の多くは観光だ。そのため、なにを聞かれても答えられるよう横浜の観光スポットについては独学で勉強もした。「多くのお客様も事前に調べて乗られているので、あまり質問されることもなかったんですけど」と笑う宮家さん。だが、自ら得た知識はいまでも役に立っているそうだ。
また宮家さんは、2011年4月よりはじまった市営バスの制度「マスタードライバー」にも任命されている。あかいくつの乗務員、マスタードライバーのどちらも、高い運転技術や接客等に優れている乗務員しか選ばれないという。


新型コロナウイルス感染拡大の状況下では運転席に透明な仕切りが付けられている

横浜を代表するあかいくつを運転する宮家さん。特徴的なデザインのバスだからこそ気をつけていることも多い。「もう退職された先輩乗務員からいただいた言葉で『もらい事故ももらってはいけない』というのは意識しています」。事故が発生してしまった場合、どうしてもあかいくつは目立ってしまう。長年横浜を走ってきたバスだからこそ、お客様はもちろん、そのイメージを守るためにも安心・安全な運転を心がけている。

【お客様に楽しんでもらうために】
宮家さんは「運行状況に応じて、なるべくゆっくり走行するように努めています」と話す。あかいくつは走行中、名所を紹介する音声アナウンスが流れている。そうしたなかですぐに走り去るのではなく、お客様がじっくり楽しめるよう観光地を走るバスならではの運転を心がけている。
「40年前に横浜に遊びにきたというお客様が乗車されて、いろいろ話しかけてくださったことがありました。『昔はこんな感じだった』とおっしゃられていて、回顧している姿を見ると心がほっこりとしましたね」


イルミネーションが施されたあかいくつ

冬には日が落ちるのが早いこともあり、万国橋から見る横浜ランドマークタワーや、大さん橋から見るみなとみらいは、夜景がきれいだと話す宮家さん。毎年12月には、20年以上続くイルミネーションバスが走行する予定だ。各営業所の付近にある小学校に協力してもらい、イルミネーション装飾を施しているのだとか。「バスが完成したら小学生の生徒さんを乗せて、大黒ふ頭まで運転します」。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となってしまったが、今年の取組みが期待される。

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