- 表紙 - 横浜市図書館ビジョン - 1頁 - はじめに  図書館は記録を保存し、それを次代が活用できるように伝えていく役割を担っています。これまで本という媒体を通じて、人々に知識・情報を届けてきました。1931年に、インドの図書館学者・数学者であるランガナタンは、図書館サービスについての五法則を提唱しています。  第一法則:Books are for use. 図書は利用するためのものである。第二法則:Every reader his or her book. いずれの人にもすべて、その人の本を。第三法則:Every book its reader. いずれの本にもすべて、その読者を。第四法則:Save the time of the reader. 読者の時間を節約せよ。第五法則:A library is a growing organism. 図書館は成長する有機体である。  そしていま、技術発展により、情報伝達のスピードが加速するとともに、伝達の媒体も、紙だけではなく電子メディアへ、そして文字・写真・動画など多様化してきています。また、情報は得るだけではなく、誰もが、創り、編集し、発信することもできるようになってきました。さらに、本との向き合い方も多様になってきています。読書だけではなく、得た知識を発信することで知識を定着させたり、知見を深めたり、そこから新たな交流やにぎわいが生まれたり。本から始まるつながりづくりを重視した向き合い方も出てきています。  図書館はこれらの人々が、知識・情報を得て活用する力、地域や世界の課題を解決していく力、明日を生きる力を育むことを支える施設です。  横浜市立図書館は1921(大正10)年に横浜公園内の仮閲覧所で開業してから、100年以上市民の皆様とともに歩んできました。「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」(平成26年4月施行)をうけ、区役所・図書館・学校が連携して、子どもから大人まで市民の読書活動を推進してきました。図書館は、市民の読書と学びを支える地域の情報拠点として、蔵書の充実、図書取次所や移動図書館の充実、電子書籍サービスの導入などにも取り組んできました。  市民の皆様からは、図書館に、子どもたちの居場所づくり、子育て中の方へのサポート、地域とのつながりづくりなどの役割も期待されています。一方で、施設・設備の老朽化が進み、建替え等の検討時期を迎える図書館もあります。本の物流への対応や、収容スペースの確保などの課題もあります。  これまで横浜市立図書館が100年以上の歴史の中で積み上げたものも大切に、変化し続ける新たな時代に対応し、市民のみなさま、まちとともに新しい時代を創ることができる図書館であり続けるために、横浜市図書館ビジョンを策定します。 - 2頁 - 目次 「横浜市図書館ビジョン」の位置づけ  3頁 第 1 章 新たな図書館像、5つの基本方針・取組の方向性  4頁 第 2 章 新たな図書館像の実現に向けて  19頁 第 3 章 本ビジョン策定の過程  28頁 参考 資料編  42頁 - 3頁 - 「横浜市図書館ビジョン」の位置づけ  横浜市図書館ビジョンは、10〜20年後を見据え、中長期的な社会の変化を展望し、これからの図書館の「目指す姿」や「取組の方向性」を示すものとして策定しました。  策定にあたっては、図書館に関する個別の行政方針と位置づけ、市の中期計画、財政ビジョン、教育ビジョン、教育振興基本計画、横浜市民読書活動推進計画、他の方針、計画等と、関連する部分について整合性を図りながら一体的に推進していきます。 (イラスト。市の他の方針、計画等との整合を図る) - 4頁 - 第1章 新たな図書館像、5つの基本方針・取組の方向性 (イラスト。) - 5頁 - 新たな図書館像  これからの図書館は、読書を通じて「知る・学ぶ・深める」ことができるのはもちろん、未来を担う子どもたちや子育て世代をはじめとしたすべての市民一人ひとりにとって、居心地よく自由に過ごすことができる、多様な人々の「つどう・憩う」場になります。  図書館は、読書に加えて、触ったり、聞いたりと様々な感覚で「遊ぶ・体験する」ことができ、様々な知や人、文化に出会え「まちとつながり・交流」できる、“わくわく”を見つけられる場になります。さらに、子育てや暮らしをより豊かなものにするために、市民の皆様や地域の団体、企業の方たちがアイデアを出し合い、 「連携・協働」して解決方法や、新しい”わくわく”を創り出せる、子どもから大人まで、みんなが主役になれる場となっていきます。  市民の皆様一人ひとりが自分らしく活躍できる社会、そして社会とともに変わり続けられる図書館を創っていきます。 - 6頁 - (イラスト。新たな図書館像のイメージ図) - 7頁 - 5つの基本方針・取組の方向性 (イラスト。) - 8頁 - 新たな図書館像の5つの基本方針 図書館の基本的な役割を「特にどのような方向に拡充・強化していくのか」を示すものとして、これからの図書館のあり方について5つの基本方針を定めました。 なお、基本方針4、5は、サービスを支える仕組みに関する方針です。 基本方針1 未来を担う子どもたちのための図書館 多様な知や人・文化との出会いや体験を通して、子どもたちの「知りたい」「創りたい」を引き出すわくわくする場となり、「自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る」子どもたちを育むとともに、子育て支援施設や学校など地域とのつながりのなかで、子育てを支援します ※「自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る」:「横浜教育ビジョン2030」(平成30年2月策定)の、横浜の教育が目指す人づくりより 基本方針2 あらゆる市民のための図書館 読む・知る・体験することのバリアを取り除き、あらゆる世代・多様なニーズを包摂(インクルージョン)する、読書と体験ができる居心地のよい居場所となることで、人々がつどい、様々なつながりと新たな発想を生み出す、交流・創造・発信の拠点となります 基本方針3 まちとコミュニティのための図書館 市民、団体、企業等が持つ情報・知識を集め、協働・共創により地域の魅力を引き出し、人々の暮らしの豊かさと地域の課題解決を支援する、まちづくりのプラットフォームになります 基本方針4 利用しやすい図書館サービス デジタル技術を活用した情報とサービスへのアクセスの充実、使いやすく居心地のよい環境づくりに向けた施設の機能拡充とサービス拠点の充実を進め、リアルでもバーチャル空間でも、情報とサービスにアクセスしやすい環境をつくります 基本方針5 柔軟に変化し魅力がいつまでも持続する図書館 多種多様なパートナーとの協働・共創や司書の人材育成、効率的・効果的なサービス提供とツールの充実により変化に柔軟に対応し、一人ひとりの心豊かな暮らしと主体的に活動する地域づくりに貢献する、魅力あふれる図書館であり続けます - 9頁 - 基本方針1 未来を担う子どもたちのための図書館  多様な知や人・文化との出会いや体験を通して、子どもたちの「知りたい」「創りたい」を引き出すわくわくする場となり、「自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る」※子どもたちを育むとともに、子育て支援施設や学校など地域とのつながりのなかで、子育てを支援します ※「横浜教育ビジョン2030」(平成30年2月策定)の横浜の教育が目指す人づくりより 取組の方向性 (1)子どもたちの世界を広げるきっかけをつくります 子どもの本や子育ての本を充実します 一人でもグループでも安心して過ごせる環境を整えます 触ったり聞いたりと様々な感覚で楽しめる体験や遊びを提供します 知識と体験をつなぎ、「知りたい」「創りたい」気持ちを引き出し、それに応えます (2)子どもを連れて何度でも行きたくなる環境・施設を整えます 子どものにぎやかな声や活動のざわめきと、静かさが共存できる空間をつくります くつろいで過ごすことができ、子どもを見守れる空間をつくります イベントや子育てサポートサービスを充実します 積極的に伝えるプッシュ型の情報発信を行います (3)子育て支援施設や学校、地域とのつながりのなかで子ども・子育て世代をサポートします 子育て世代のニーズを捉えサービスを提供します 同じ世代や、他世代との交流の機会をつくります 子どもの関連施設や地域と積極的に つながり、子どもや子育てをサポートします 学校図書館とともに子どもたちの読書と学びを支えます *「子ども」とは概ね高校生までの子どもたちを想定しています。 - 10頁 - 基本方針1 未来を担う子どもたちのための図書館 これからの図書館(イメージ) 子育て応援サイトを見て、子どもと一緒に見るだけでなく体感できるイベントに参加。子どもから大人まで、多様な世代が参加するイベントがあり、そこで交流が生まれている。イベントに参加した子どもたちが出したアイデアをもとに、子どもと大人が一緒に次のイベントを企画する。また、イベント会場には、関連した子ども向けの本が展示され、子どもは自分で本を選んでいる。子どもは、選んだ本を持って、子どもエリアで靴を脱ぎ、くつろいで本を読んでいる。その様子を、保護者である私は、自分の本を選びながら、ゆったりと見守ることができる。遊びや託児スペースもあり、子どもたちの声が聞こえてくる。学齢期の子どもたちは、グループで話し合いながら学びを深めたり、一人で調べものをしながら学びを進めたり、それぞれが自分のペースで過ごしている。 (イラスト。) 取組・機能のアイデア (注)現時点のアイデアです。アイデアは社会の変化に合わせて更新し、組み合わせながら図書館の機能の充実を目指します。 ソフト面(サービス・ 機能など) ・子育て応援サイト・アプリと連携した情報発信 ・託児・見守りスタッフの導入 ・見るだけでなく、体感でき、様々な感覚を刺激するイベント ・子どもたちが企画し自分自身も参加できる展示やイベント ・多様な世代が交流する機会の創出 ・子どもの本の充実と興味がわくような本の展示 ・市の子育て事業と連携した相談会等 ・静寂とにぎやかさなど、多様な過ごし方ができる雰囲気づくり ・乳幼児向け絵本セットの提供 ・多言語や手話でのおはなし会 ・不登校の子どもたちが、勉強や読書がしやすいような居場所づくり ・学校図書館支援及び学校との連携事業 ・本の貸出等による学校への授業支援 ・学校の課外活動や委員会活動と連携した、地域での体験・交流につながる取組 ハード面(設備など) ・靴を脱いでくつろいで過ごせるような子どもスペース拡充 ・自由な姿勢で本が読めるビーズソファなどの設置 ・ゆったりと見守ることのできる見通しのきく空間の整備 ・スペースに応じた遊び場や託児場所の設置 ・子どもトイレなど子どもが使いやすい設備の設置 ・ゾーニングの実施(時間的・空間的ゾーニング導入) ・体験型スタジオ等の導入(音楽、ダンス、料理、工作、動画制作等) ・10代のためのスペースの設置 - 11頁 - 基本方針2 あらゆる市民のための図書館  読む・知る・体験することのバリアを取り除き、あらゆる世代・多様なニーズを包摂(インクルージョン)する、読書と体験ができる居心地のよい居場所となることで、人々がつどい、様々なつながりと新たな発想を生み出す、交流・創造・発信の拠点となります (イラスト。) 取組の方向性 (1)あらゆる人が知識・情報にアクセスできるようにします 読書バリアフリーの実現に向けて、資料やサービスを充実します 本に親しみ、深く知るきっかけをつくるため、幅広い本を収集し、蔵書を充実します 人と本・情報をつなぎます (2)居心地のよい、居場所となります 年齢、障害の有無、国籍等に関わらず、どなたでも利用しやすいインクルーシブな環境をつくります 一人でも、グループでも、行きたくなる・滞在したくなる、 豊かな空間づくりを進めます 思い思いに自由な時間を過ごせる、寛容性が高い環境づくりを進めます 多様な活動をゆるやかにつなげ、行き来できるようゾーニングします (3)体験・交流・創造・発信の拠点になります 多様な体験や創造的な活動が行われる場になります 読書と体験や活動をつなぎ、知識を実践したり、深めたりできる環境をつくります バリアを取り除きながら、様々な人々が出会い、体験し、交流、協働する場となるための仕組みづくりを進めます 新たな知識・価値を創造し、発信する機会をつくります - 12頁 - 基本方針2 あらゆる市民のための図書館 これからの図書館(イメージ) 図書館では、大きな字の本、多言語や点字の本、音声読み上げ対応の電子書籍など、自分に合った使いやすい媒体が選べる。様々な媒体の案内や、情報を探す支援も行われ、静かな空間で読書や研究に没頭できる。図書館は施設までのアクセスも施設の中もバリアフリーで、多様な人々が集まる。交流を促し、開放的で、気軽につどえる空間がある。そこでは人々がアイデアを持ち寄り、意見交換をするワークショップが開かれ、新たな知識・価値が創造される。ワークショップ参加者が講師となる講座が開かれ、知識・価値が発信される。 (イラスト。) 取組・機能のアイデア (注)現時点のアイデアです。アイデアは社会の変化に合わせて更新し、組み合わせながら図書館の機能の充実を目指します。 ソフト面(サービス・ 機能など) ・使いやすい媒体を選べるよう、音声読み上げ対応などのアクセシブルな資料や電子書籍等を充実 ・バリアフリー図書や読書支援ツールの充実 ・市民が必要とする情報探索の支援 ・本を介した交流を生み出す企画 ・市民がアイデアを持ち寄り、意見交換をするワークショップ ・市民が講師・指導者となる講座 ・市民との協働による多様なニーズに応えるプログラムと情報発信 ・多言語や手話のおはなし会 ・蔵書の充実と蔵書を活かした企画の実施 ・外国につながる市民への本・情報の提供 ・得た知識を体験できるプログラム(音楽、料理、実験、観察、工作、まちあるきほか) ハード面(設備など) ・読書や研究に没頭できる静寂室 ・誰もが、行きやすい、使いやすい施設に向けたバリアフリー化 ・車いす等が行き来しやすい広い通路 ・交流を促す開放的な空間設計 ・気軽に交流できる空間の整備 ・空間のゆとりなど、居心地のよさを感じられる閲覧スペース ・壁や仕切りが少なく活動の様子が見える空間設計 ・閲覧席や学習席の増設 ・グループで話し合える利用席 ・感覚過敏の方も使えるような静寂室 ・施設設備に応じた座席の予約システムの導入 ・ゾーニングの実施(時間的・空間的ゾーニング導入)(再掲) - 13頁 - 基本方針3 まちとコミュニティのための図書館  市民、団体、企業等が持つ情報・知識を集め、協働・共創により地域の魅力を引き出し、人々の暮らしの豊かさと地域の課題解決を支援する、まちづくりのプラットフォームになります (イラスト。) 取組の方向性 (1)地域の魅力に出会える、まちづくりのプラットフォームになります 地域の特性に応じた、特色ある図書館にします 図書館を訪れる人が地域の魅力を知り、まちとつながる拠点になります 集まった人々の交流と、にぎわいを生み出します 協働・共創を進め、地域の情報を発信する場になります (2)地域・まちの知識・情報を集め、アーカイブし、次世代につなげます 市民、団体、企業等が持つ多様な知識・情報を集めます 本だけでなく、まちの文化や記憶等の情報も集めます 資料をデジタル化し、活用しやすく公開します 文化や歴史などまちの魅力を発信し、愛着を育みます (3)地域や社会の課題解決を支援します 地域について学び、地域の課題を知ります 地域の課題に応じた新たなサービスをまちとともに創ります 新たに生まれた知識・価値を地域に届けます - 14頁 - 基本方針3 まちとコミュニティのための図書館 これからの図書館(イメージ) 本だけなく、まちの文化や写真、映像なども収集され、デジタル化が進んでいる。図書館では、まちの魅力に出会え、交流や議論ができる共創ラボがある。そこでは、まちの人々や地域、企業が連携・協働して、まちの魅力発信のアイデアが交換される。 アイデアをもとに、新たに地域の文化や歴史を学ぶ事ができる資料が制作され、新たなサービスが創られる。フリースペースでは、学生や団体、地域の芸術家と連携した地域資料の発信プロジェクトなどがリアルとオンラインで実施され、にぎわいを生み出している。 (イラスト。) 取組・機能のアイデア (注)現時点のアイデアです。アイデアは社会の変化に合わせて更新し、組み合わせながら図書館の機能の充実を目指します。 ソフト面(サービス・ 機能など) ・本だけでなく、まちの文化や写真、映像などの収集 ・収集した地域資料のデジタル化と公開 ・誰でも自由に利用できるようデジタルアーカイブのオープンデータ化 ・市民、団体、企業等と連携・協働したまちの魅力発見イベント ・まちの魅力発信、課題解決に向けたアイデアの交換と新たなサービスの創出 ・地域を学ぶことのできる資料の制作をサポート ・学生や団体等と連携・協働した地域資料の発信プロジェクトの実施 ・地域のアーティストと連携したワークショップや作品展示 ・地域のビジターセンターとして利用いただけるよう、生活情報リーフレットや観光案内マップの配架(多言語対応) ハード面(設備など) ・まちの魅力に出会えるスペースの設置 ・周囲の方の存在や活動を感じられる共創・協働スペースの設置 ・交流や、議論ができる共創ラボ、ラーニングコモンズ※スペース等の配置 ・オンライン会議やライブ配信も可能な設備 ・イベント等が可能なフリースペースの設置 ・まちと融合し相互に価値を高められる立地や建築意匠 ・体験型スタジオ等の導入(音楽、ダンス、料理、工作、動画制作等)(再掲) ・屋外の閲覧席(バルコニーなど)の設置 ・飲食できる場所と軽食等の提供 ※ラーニングコモンズ:複数の学生が集まって、電子情報も印刷物も含めた様々な情報資源から得られる情報を用いて議論を進めていく学習スタイルを可能にする「場」を提供するもの。その際、コンピュータ設備や印刷物を提供するだけでなく、それらを使った学生の自学自習を支援する図書館職員によるサービスも提供する。(文部科学省「大学図書館の整備について(審議のまとめ)」(平成22年)用語解説より) - 15頁 - 基本方針4 利用しやすい図書館サービス  デジタル技術を活用した情報とサービスへのアクセスの充実、使いやすく居心地のよい環境づくりに向けた施設の機能拡充とサービス拠点の充実を進め、リアルでもバーチャル空間でも、情報とサービスにアクセスしやすい環境をつくります (イラスト。) 取組の方向性 (1)取組の方向性デジタル技術を活用し、いつでもどこでも利用できる図書館サービスを提供します 電子書籍・デジタルアーカイブを拡充します 手続きやレファレンスのオンライン活用を進めます オンラインで本との出会いや利用者の交流を生み出します (2)図書館機能の拡張と、利便性の高い場所での図書館サービスの提供の両立を目指します 施設・設備の老朽化の状況を踏まえて再整備等を進めます 各図書館の立地、地域特性等を踏まえて機能を拡張します ニーズの変化に柔軟・迅速に対応できる、機能拡張性のある施設整備を進めます 利便性の高い場所に図書取次所を拡充します (3)積極的に情報発信を行います SNS等の多様な情報ツールを活用した情報発信で、図書館との接点を増やします 図書館外に出向き、対面でも図書館や本の魅力を伝えます 図書館を使ったことのない市民にも届くよう、施設や団体等と協力して発信します - 16頁 - 基本方針4 利用しやすい図書館サービス これからの図書館(イメージ) デジタル化が進み、誰もが使いやすい仕組みが構築され、いつでもどこでも本や情報にアクセスできる。WEB上の利用者同士が交流できる仕組みを活用し、WEB空間でも多様な世代の市民・地域・企業との協働により、新たな知識や情報が創造され、発信されている。リアルな図書館は、修繕や改修、地域や施設の状況に応じて再整備が行われ、多くの方が訪れる魅力的な施設となっている。新しくできた体験スペースで、得た知識を実践・定着できる。図書館は、本や情報へのアクセスと、市民の「知りたい」を支えている。 (イラスト。) 取組・機能のアイデア (注)現時点のアイデアです。アイデアは社会の変化に合わせて更新し、組み合わせながら図書館の機能の充実を目指します。 ソフト面(サービス・ 機能など) ・電子書籍、デジタルアーカイブ等のデジタルコンテンツの拡充 ・館内でのタブレット端末の貸出 ・オンラインでの図書館サービス提供、手続きの拡充、デジタルを活用した手続きの簡素化 ・利用者同士がWEB上で交流できる仕組みの活用 ・施設や団体との情報発信の相互協力 ・SNS等を活用し話題や共感を呼ぶ情報発信 ・本の郵送貸出の実施 ・学校、地区センター等への本の選定に役立つ情報の提供や研修の実施 ・移動図書館の地域イベントへの参加 ハード面(設備など) ・地域や施設の状況に応じた再整備(リノベーション、増築、建替え、移転) ・計画的な修繕・改修 ・誰もが、行きやすい、使いやすい施設に向けたバリアフリー化(再掲) ・まちのシンボルとなり入ってみたくなる魅力的な施設 ・交通結節点等への移転 ・入りたくなるエントランス ・複合化による機能の拡充 ・フレキシブルに使える施設整備 ・ゆとりある施設 ・交通結節点や商業施設等への図書取次所の増設 ・移動図書館の巡回場所の最適化 - 17頁 - 基本方針5 柔軟に変化し魅力がいつまでも持続する図書館  多種多様なパートナーとの協働・共創や司書の人材育成、効率的・効果的なサービス提供とツールの充実により変化に柔軟に対応し、一人ひとりの心豊かな暮らしと主体的に活動する地域づくりに貢献する、魅力あふれる図書館であり続けます (イラスト。) 取組の方向性 (1)地域で活動する多様な主体と連携、協働・共創します 様々なノウハウを有する、市民、団体、企業等と協働、共創を進めます まちとのつながりのなかで、持続的に 地域課題の解決を支援します 効果的なサービス 提供に向け、大学や研究機関等と連携し研究・開発に取り組みます (2)変化し続ける図書館を支えるため、市の強みである司書を育てて活かします 常に新たな図書館の魅力づくりにチャレンジする司書を育成します 本・情報に関する専門性を高めます 本・情報を活用した交流・協働・共創を進める能力を高めます 変化に応じて、必要となる能力を身に付けます (3)効率的・効果的なサービス提供とツールの充実を進めます 新たな機能やデジタルツールなどの技術を使いサービスを拡充します 図書館サービスを支える施設機能の向上に取り組みます 省エネ・創エネにより、建物で消費するエネルギーの収支ゼロを目指します(ZEB※化) 財源の創出に積極的に取り組みます ※ZEB:Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称 - 18頁 - 基本方針5 柔軟に変化し魅力がいつまでも持続する図書館 これからの図書館(イメージ) 市民の意見を踏まえ、団体・企業との協働・共創により、それぞれのスキルを発揮したプログラム運営がされている。ICタグなどのデジタルインフラ、生成AI、AIチャット ボットなどにより、利用者の利便性が向上している。 最新技術を利用した業務の効率化が進み、司書は専門性を発揮しつつ、協働・共創を推進している。図書館は変化し続け、市民一人ひとりが主役のまちづくりを実現している。 (イラスト。) 取組・機能のアイデア (注)現時点のアイデアです。アイデアは社会の変化に合わせて更新し、組み合わせながら図書館の機能の充実を目指します。 ソフト面(サービス・ 機能など) ・市民との懇談の場の拡充 ・市民の意見を踏まえ、協働・共創によるそれぞれのスキルを発揮したプログラム運営 ・社会の変化に応じて協働・共創の取組を推進できる司書の人材育成 ・先駆的な取組の積極的導入 ・職員のチャレンジを支える組織 ・生成AIをはじめとするデジタル活用等について、大学、研究機関の研究・開発への参加 ・AIチャットボットなど、デジタル技術の導入による24時間問合せ受付 ・貸出・返却のセルフ化 ・セルフでの予約本受取 ・ふるさと納税、広告事業等の積極的活用 ハード面(設備など) ・交流や、議論ができる共創ラボ、ラーニングコモンズ※スペース等の配置(再掲) ・利便性向上と効率的な運営に向けた、ICタグなどデジタルインフラの導入 ・将来の変化に対応できる壁や仕切りの少ない空間設計 ・本の収容能力の向上 ・本の物流を支える施設機能の向上 ※ラーニングコモンズ:複数の学生が集まって、電子情報も印刷物も含めた様々な情報資源から得られる情報を用いて議論を進めていく学習スタイルを可能にする「場」を提供するもの。その際、コンピュータ設備や印刷物を提供するだけでなく、それらを使った学生の自学自習を支援する図書館職員によるサービスも提供する。(文部科学省「大学図書館の整備について(審議のまとめ)」(平成22年)用語解説より)