- 14ページ - 2 各柱の内容 【各柱のページの見方】 〇施策の目標・方向性 施策ごとに、計画期間に実施する施策の目標や方向性を示しています。 〇現状と課題 施策ごとに横浜市を取り巻く状況と課題を示しています。また、現状や課題を踏まえた取組の必要性についても記載しています。 ここに画像があります。 参考として柱1施策1にあたるページのスクリーンショットがあります。 画像の説明は終わり。 〇指標 計画期間内における各施策の成果を分かりやすく示すため 計画期間における事業や取組によりもたらされる効果や成果を、客観的、定量的に把握する指標 施策の中で重要かつ象徴的な事業の実績を表す指標 施策を実施した成果について、子どもの実感を問う指標 を設定しています。 ここに画像があります。 参考として柱1施策1にあたるページのスクリーンショットがあります。 画像の説明は終わり。 〇主な取組 計画期間に実施する事業や取組のうち、主なものを示しています。 〇想定事業量 目標の達成や施策の推進のために、計画期間で実施する具体的な事業や取組のうち、量的把握が可能なものを事業量として示しています。 ※複数の施策に該当する指標・想定事業量については重複して掲載しており、【再掲】または【後掲】と示しています。 ここに画像があります。 参考として柱1施策1にあたるページのスクリーンショットがあります。 画像の説明は終わり。 - 15ページ - 柱1 一人ひとりを大切にした学びの推進 施策1 主体的・対話的で深い学びの実現 〇施策の目標・方向性 横浜が今まで取り組んできた新学習指導要領に基づく教育実践と、最先端のICTのベストミックスにより、 児童生徒の主体的・対話的で深い学びを実現するための授業改善を推進し、その結果、一人ひとりの資質・能力の育成を図ります。 〇現状と課題 【主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の取組】 ・これまで横浜市は、新しい時代に必要となる資質・能力をはぐくむために、探究的な学習や体験活動等を通じ、  児童生徒同士や多様な他者と協働しながら学習する協働的な学びと、児童生徒が自己調整しながら学習する個別最適な学びの推進により、  主体的・対話的で深い学びの実現に取り組んできました。 ・平成29年には、改訂された新学習指導要領が掲げる、資質・能力の三つの柱を育成するべく、  教育課程の基準である「横浜市立学校 カリキュラム・マネジメント要領(※4)」を策定しました。  これに基づき、各学校では、それぞれの学校らしさを生かした教育課程を編成し、  主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの授業改善に取り組んできました。  しかし、令和2年からは新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、体験的な学びに十分取り組めない状況があり課題となっています。 ・新型コロナウイルス感染症の影響下の中で、授業におけるICT活用や授業改善のポイントなどをまとめた「資質・能力 育成ガイド」を全教員へ配付し、  年間を通じて研修や授業研究会をオンライン配信も活用して実施しました。 ここに図があります。 新しい時代に必要となる資質・能力の育成 出典は文部科学省資料元に横浜市で体裁を加工 図の説明は終わり。 【EBPMの推進(客観的な根拠に基づく教育政策の推進)】 ・これまで横浜市では、小学校6年生及び中学校3年生を対象とした年1回の「全国学力・学習状況調査」に加え、  市立の全小中学校、義務教育学校及び特別支援学校の児童生徒約24万人を対象に、「横浜市学力・学習状況調査」を独自に実施してきました。 ・「全国学力・学習状況調査」の結果では、横浜市の平均正答率は全国平均と同程度あるいは上回っています。  一方、「横浜市学力・学習状況調査」を分析すると、個人の正答率の差が大きいことから、一人ひとりの学習の習熟度に応じたきめ細かな指導や更なる授業改善が求められます。  こうした課題に取り組むため、令和4年度に「横浜市学力・学習状況調査」を全面改訂(※5)し、  一人ひとりの「学力」(※6)の伸びを、義務教育9年間を通じて継続的に把握できるようにしています。 - 16ページ - 【一人ひとりの子どもの状況に応じたきめ細かな学習支援】 ・GIGAスクール構想(※3)によりオンライン学習が推進され、個別最適な学習方法や、動画等の表現の工夫等のオンラインのよさが明らかになりました。  今後は、ICTを活用して、少人数での学習や放課後の学びの支援など、子どもの状況に応じたきめ細かな学習や支援を行うことが重要です。 ・「読みのスキル」は全ての教科等の基本であり、言語に関する学習のつまずきが顕在化する前の指導・支援を推進するため、  令和元年度に4校を推進校に指定し、「読みのスキル」向上事業を開始しました。  定期的なアセスメントを通じて読むことに関する課題を抱える子どもを把握し、重点的に支援・指導を実施することにより、読むことへの抵抗感の低減を図っています。  基礎的な指導は小学校低学年で行いますが、学年が上がってもつまずいてしまう子どもがいることから、取組を学校全体のものとしていくことが今後の課題です。 ・家庭での学習が困難などの状況があり、学習習慣が十分に身に付いていない児童生徒に対して、  「学校・地域コーディネーター(※18)」を中心とした運営委員会等又は学校が、地域及び関係機関等と連携し、放課後等の学習支援を実施しています。  事業を継続・拡充していくに当たり、ボランティア等の担い手や活動場所、活動時間の確保が難しいといった課題があります。 ※18 学校地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員):    地域と学校が連携・協働するために、地域と学校をつなぐ役割を担うボランティア。    横浜市は平成19年度から「学校・地域コーディネーター」と呼び、平成29年からは社会教育法で規定された「地域学校協働活動推進員」として委嘱 【チーム学年経営】 ・中学校との接続期である小学校高学年においては、児童指導上の課題が多様化・複雑化し、学習指導の内容も専門的になります。  そこで、学級を持たない学年主任等をチーム・マネジャーとして配置するとともに、教科分担制を導入することで組織的・効果的な学年経営を強化してきました(平成30年度から令和4年度まで188校導入)。 ・令和3年度に実施した、チーム学年経営推進校の児童と家庭を対象としたアンケート結果を見ると、児童の学力(※16)向上や心の安定につながる一定の成果が見られました。  また、教員向けのアンケートからは、教員の育成と働き方についても、改善が図られてきています。 ・効果的にチーム学年経営に取り組むためには、チーム・マネジャーの存在が欠かせませんが、  各学校では非常勤講師の加配を活用するなど、チーム・マネジャーを工夫して配置することが必要になっています。 ここに図があります。 チーム学年経営の校内イメージ 出典は横浜市教育委員会事務局作成 図の説明は終わり。 - 17ページ - 〇指標 横浜市学力・学習状況調査で示す学力レベル※1において、小学校6年の国語・算数、中学校3年の国語・数学で伸びを示した児童生徒の割合※2 直近の現状値(令和4年度) 小6・・・国67.8%、算62.7%、中3・・・国64.8%、数51.0% 目標値(令和7年度) 小6・・・国70%、算70%、中3・・・国70%、数70% ※1 横浜市学力・学習状況調査における、学習の理解や習熟の状況を示した42の段階 ※2 学習指導要領に定める資質・能力について、「学力」(※6)の伸びによって「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」の状況を、    学校の授業に進んで取り組む児童生徒の割合によって「学びに向かう力、人間性等」の状況を測る指標 学校の授業に進んで取り組む児童生徒の割合※2 直近の現状値(令和3年度) 小6・・・88.5%、中3・・・89.5% 目標値(令和7年度) 小6・・・90%、中3・・・90% 自分たちで課題を立て、その解決に向けて情報を集めたり、話し合ったりしていると思う児童生徒の割合※3 直近の現状値(令和3年度) 小6・・・71.8%、中3・・・65.6% 目標値(令和7年度) 小6・・・75%、中3・・・70% ※3 資質・能力の三つの柱を育成するために必要な、主体的・対話的で深い学びの視点に立った授業改善を測る指標 放課後の学習支援により、児童・生徒が主体的に学習に取り組む態度が定着したと回答した学校の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・81% 目標値(令和7年度)・・・85% 〇主な取組 1 児童生徒一人ひとりの資質・能力の育成に向けた授業改善 ・探究的な学習や体験活動を通じ、児童生徒同士または多様な他者と協働する協働的な学びと、  一人ひとりの子どもの状況に応じた個別最適な学びの両方を全市立学校で推進し、主体的・対話的で深い学びの実現に取り組みます。  このような質の高い学びと持続可能な学校の両立を目指し、教育研究会(※20)と連携し教育課程研究協議会や一斉授業研究会などでの研究・発信を通じて、年間を通じて授業改善に取り組みます。 主体的・対話的で深い学びの実現に必要な子どもの主体性や学習意欲をはぐくむために、  非認知能力(※15)を可視化する研究を企業や横浜国立大学等と連携し、効果的な指導法につなげます。 児童生徒一人ひとりの「学力」(※6)の伸びを経年で捉えるために、「横浜市学力・学習状況調査」を改訂(※5)・実施します。  「横浜市学力・学習状況調査」で、それぞれの学力レベルの変容や、伸びの状況を詳しく分析します。  各学校では児童生徒の状況や実態に応じた「学力向上アクションプラン(※19)」を作成し、「学力」(※6)の伸びが見られなかった児童生徒に対し、  少人数での指導や放課後学習支援等により、学習習慣の確立と「学力」(※6)の向上を図ります。 ※19 学力向上アクションプラン:  「横浜市子ども学力向上プログラム」に基づき、「横浜市学力・学習状況調査」結果を活用し、各学校が子どもの状況等を踏まえて作成した、学力向上に向けた具体的な目標や取組 ※20 教育研究会:市立学校の教職員が教科等ごとに学習指導の充実を図るため、任意で参加する研究会組織 想定事業量  横浜市教育課程研究協議会の参加者数 直近の現状値(令和3年度)・・・約9,000人 目標値(令和7年度)・・・10,000人 小学校教育研究会(※20)が主催する一斉授業研究会に参加した教員数 直近の現状値(令和元年度)・・・約6,000人 目標値(令和7年度)・・・8,000人 中学校教育研究会(※20)が主催する授業研究会に参加した教員数 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・3,500人 横浜市学力・学習状況調査の生活・学習意識調査のCBT化 直近の現状値(令和3年度)・・・試行導入の検討 目標値(令和7年度)・・・小 全校実施、中 全校実施 - 18ページ - 2 一人ひとりの子どもの状況に応じたきめ細かな学習支援 学習のつまずきが顕在化する前の指導・支援を推進するため、全ての教科等の基本となる「読みのスキル」に関するアセスメントに基づき、推進校において効果的な指導を実施します。 一般学級に在籍する、特別な配慮や支援が必要な子どもが安心して授業に参加できるようにするための教員研修や「学びのサポートブック」の活用等、取組を推進します。 家庭での学習が困難などの状況があり、学習習慣が十分に身に付いていない小中学生に対して、放課後等に学習支援を実施し、  子どもたちの学習習慣の確立と基礎学力の向上を図ることで、子どもたちの自己肯定感や将来の夢をはぐくんでいきます。 想定事業量  「読みのスキル」向上推進校数 直近の現状値(令和3年度)・・・20校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・40校(累計) ※事業を開始した令和元年度からの累計 放課後学習支援の実施校数 直近の現状値(令和3年度) 小・・・34校、中・・・59校 目標値(令和7年度) 小・・・35校、中・・・全校 肢体不自由など特別な配慮や支援が必要な子どもが授業参加できるようにするための教員研修回数 直近の現状値(令和3年度)・・・1回/年 目標値(令和7年度)・・・2回/年 特別支援教育の視点から考えるICT研修(アクセサビリティー研修)回数 直近の現状値(令和3年度)・・・3回/年 目標値(令和7年度)・・・4回/年 3 小学校高学年におけるチーム学年経営の推進 小学校高学年に学級をもたない学年主任等を配置するとともに、教科担任制・教科分担制を組み合わせることで、児童の学力(※16)向上と心の安定や、  学年経営の充実を図るチーム学年経営の全市立小学校での導入を目指し、推進します。 想定事業量 小学校高学年における教科分担制を伴うチーム学年経営の推進校数 直近の現状値(令和3年度)・・・129校 目標値(令和7年度)・・・全校 コラム 一人ひとりを大切にした学びの実現に向けて授業はどう変わるのか 4期計画の検討に当たり、学校現場とともにより良い教育の実現について考えるため、令和3年11月に教職員意見交換会を開催しました。 <客観的なデータの活用による協働的な学び・個別最適な学びの実現> ・前年より伸びが見られなかった児童生徒の状況を客観的に捉え、一人ひとりに合った個別最適な学習方法を提供することで、全体の学力(※16)向上につなげる。 ・児童生徒一人ひとりが自らの学力(※16)の変容を捉えることで、学校の授業に自ら進んで取り組む割合を増やしていきたい。 ・協働的な学びの実現に向けた授業改善を行い、児童生徒が自ら課題を立て、解決に向けて情報を集め、対話を通して学びを深めていく授業を増やしていきたい。 ここに写真があります。 教職員意見交換会の様子 教師自身が、子どもたちの教育を通して社会を創っていくのだという気持ちで毎日の授業に臨みたい!!とのコメントがあります。 写真の説明は終わり。 - 19ページ - 施策2 情報教育の充実及び教育DXの推進(※21) ※21 横浜市学校教育情報化推進計画:    学校教育の情報化の推進に関する法律に基づく「横浜市学校教育情報化推進計画」は、国の通知に基づき、本計画の柱1施策2ほかをもって代えることとする。 〇施策の目標・方向性 「GIGAスクール構想(※3)」を踏まえ、1人1台端末等のICT環境を効果的に活用し、  児童生徒の情報活用能力(※22)及び教職員のICT活用指導力の育成を図ります。 新たな教育センターの開設に向けて機能・連携の強化を図るとともに、EBPM(エビデンスに基づく政策形成)を推進することで、  より効果的・効率的な教育活動や教育施策を実現します。 ※22 情報活用能力:    コンピューター等の情報手段を適切に用いて情報を収集・整理・比較・発信・伝達したりする力であり、    さらに、基本的な操作技能やプログラミング的思考、情報モラル、統計等に関する資質・能力等も含むもの。 〇現状と課題 【横浜市におけるGIGAスクール構想(※3)】 ・国において、当初令和5年度までとしていた1人1台端末の整備が令和2年度中へ前倒しとなったことを受け、横浜市では令和2年9月に「GIGAスクール構想(※3)」を公表しました。 ・「GIGAスクール構想(※3)」に基づき、端末や校内LAN等のICT環境を整備するとともに、  横浜市が今まで取り組んできた新学習指導要領に基づく教育実践と、最先端のICTのベストミックスを図ることにより、「個別最適な学び」と「社会につながる協働的な学び」を推進し、  「主体的・対話的で深い学び」の実現に取り組んできました。  引き続き、全ての学校で等しく児童生徒がICTを活用できる環境整備、児童生徒の情報活用能力(※22)や教職員のICT活用指導力の育成、最先端の研究の実施等により、  教育の在り方を日々アップデートする必要があります。 ここに図があります。 授業でICTが活用されている場面 出典はGIGA端末の利用状況と活用推進等に関するアンケート(令和4年5月 横浜市) 図の説明は終わり。 【児童生徒の情報活用能力(※22)の育成】 ・ロイロノート・スクール(※23)やGoogle Workspace for Education のアカウントを全児童生徒に配付し、クラウドサービスを活用した教育環境の充実を進めてきました。 ・令和3年度から国の学習者用デジタル教科書(※24)の実証事業にモデル校が参加し、令和4年度は全小・中・特別支援学校が英語のデジタル教科書(※24)の実証事業に参加しています。 ※23 ロイロノート・スクール:    横浜市教育委員会と株式会社LoiLoは、令和2年7月に教育活動支援に関する連携協定を締結しており、その後、令和3年6月に協定期間を延長(延長後の連携協定期間:令和2年7月20日から令和6年3月31日) ※24 デジタル教科書:教科書の内容を電磁的に記録した教材。学校教育法の改正により、令和元年度から、通常の紙の教科書に代えて使用が認められている。 ここに写真があります。 ICTを活用した授業の様子 写真の説明は終わり。 - 20ページ - ・情報活用能力(※22)の育成に向け、「情報教育推進プログラム(※25)」に基づく情報教育実践推進校の実践事例の紹介など、各学校の情報教育全体計画の作成や推進を支援しました。 プログラミング教育(※26)の推進のため、小中学校で校内研修支援や授業づくり支援を実施しました。また、プログラミングアプリの授業支援ハンドブックを学校向けに通知しました。 児童生徒の端末やインターネットを利用したトラブル等を未然に防止できるよう、令和2年度に保護者向けの情報モラルリーフレット(データ版)や情報モラル動画を配信しました。 ※25 情報教育推進プログラム:学校と教育委員会とが連携し、計画的に情報教育を推進し、子どもの情報活用能力を育成するための指針 ※26 プログラミング教育:児童がプログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動 【教職員のICT活用指導力の育成】 令和3年度の教員の「ICT活用指導力実態調査」によると、横浜市は児童生徒のICT活用を指導する教員の能力が全国平均の水準とほぼ変わらない状況ですが、現状では、学校間での活用の差が生じています。 ・小・中・義務教育学校で実施したGIGA端末の利用状況と活用推進等に関するアンケート(令和4年5月)では、授業でICT活用ができていない理由として、「教職員のICT端末活用のスキル」との回答が一定数見られました。 ・横浜市が協力した国立教育政策研究所による調査(※27)によれば、学校のICT活用には、  「研修の必要性」、「学校組織内に浸透させるマネジメント」、「キーパーソンの存在」が必要であることが示されており、活用推進に向けた支援体制の構築が必要です。 ・授業におけるICT活用のポイントや「主体的・対話的で深い学び」の視点を実現するための授業改善のポイント、各学校の実践の好事例などをまとめた冊子、  「資質・能力 育成ガイド(単元・題材づくり編、授業づくり編)」を全市教員へ配付しました。 著作権法や情報セキュリティについて、教職員向けのオンライン研修やeラーニング(※28)コンテンツを充実させ、適切に教育活動が実施できるよう周知しています。 ※27 国立教育政策研究所による調査:    国立教育政策研究所プロジェクト研究「高度情報技術の進展に応じた教育革新に関する研究」調査時期:令和3年7月~10月 調査対象:横浜市小学校23校(4~6年生)、中学校15校(1~3年生)の学級担任 ※28 eラーニング:ウェブ上で必要な知識等を学習できるシステム ここに図があります。 ・教員のICT活用指導力の状況(令和3年度)。出典は学校における教育の情報化の実態等に関する調査(文部科学省) ・資質・能力育成ガイド「単元・題材づくり編」「授業づくり編」 図の説明は終わり。 - 21ページ - 【ICT環境整備】 令和2年度に、小・中・特別支援学校の児童生徒1人1台端末や大容量・高速の校内LAN等を整備しました。  また、令和3年度からは、今後の通信容量増大においても、安定した通信速度を確保するため、ネットワーク回線の専用線化を順次行っています。 ICTをより効率的に活用するために、プログラミング教育(※26)の支援や、オンライン学習・オンライン授業、端末のトラブル等の相談に対応するICT支援員を全市立学校に派遣しています。 【新たな教育センターとEBPMの推進】 ・平成24年度末に教育文化センターが閉鎖して以降、研究・研修、教育相談の各機能が複数の建物に分散し、  機能間の連携の低下や入居する民間ビルの施設環境の制限等の課題を抱えながら業務を進めてきました。  分散後の教育センターの課題やあるべき姿、新たな教育センターの整備手法等を検討し、令和2年3月の基本構想の策定、  令和3年12月の基本構想の一部見直しを経て、令和4年1月に整備に向けた事業者募集を行いました。 ・新たな教育センターでは、これまでの課題を解決するとともに、それぞれの機能を強化していくことが求められます。  また、教育分野においてもEBPMの推進が求められる中、「調査・研究・開発」機能を強化して実行に移していくため、教育委員会、学校現場及び教育研究会等が連携しながら取り組んでいく必要があります。 ここに画像があります。 ・新たな教育センターにおける企業・大学等との共同研究イメージ ・認知・非認知能力調査研究における発話データの分析 画像の説明は終わり。 コラム 横浜どこでもスタディの推進について 様々な事情で登校できない児童生徒が自宅などでオンライン授業に参加できるように、学ぶ方法を学校と相談して選べる取組として「横浜どこでもスタディ」を推進しています。 実施校では組織的に取り組む体制を整えるとともに、提供できる内容について学校だよりや学校webページ等で情報発信します。 全校での実施に向けて教育委員会では学校支援を行っています。 ここに写真があります。 ・オンラインで授業に参加している様子 ・別室でICTを活用して学習している様子 ・オンライン授業を効果的に進めるための支援機材を整備(記載の写真) 写真の説明は終わり。 - 22ページ - 〇指標 「情報モラル・セキュリティの理解」「端末の基本的操作」「課題解決・探究における情報活用」ができると答える児童生徒の割合 直近の現状値(令和4年度)・・・ 小6 85.1%、中3 85.4% 目標値(令和7年度)・・・小6 90%、中3 90% 校務や授業にICTを活用し、児童生徒の情報活用能力(※22)の育成に向けた指導ができると答える教職員の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・79.1% 目標値(令和7年度)・・・95% 〇主な取組 1 児童生徒の情報活用能力(※22)の育成 教育活動全体を通して、全児童生徒1人1アカウントを配付しているクラウドサービスや端末を効果的に活用していきます。 学習者用デジタル教科書(※24)について、国の実証事業への参加を通じて効果や課題を検証するとともに、学校現場の利用状況やニーズを把握し、活用を検討します。 デジタル教材等は、これまでの副教材と同様に、各学校の実態に合わせた活用を進めます。 学校が計画的・系統的に児童生徒の情報活用能力(※22)の育成を図るため、自校の実情に応じて「情報教育全体計画」を作成し、各教科等の指導計画につなげるようにします。  また、児童生徒の発達段階に応じた「情報活用能力(※22)チェック表」を活用して実態を把握するなど、具体的な支援をしていきます。 ネットトラブルに関わるリスクを軽減し、児童生徒がICTを安全かつ適切に活用していけるよう、情報モラル教育の充実に向けた指導例を作成し、  教員研修の充実を図るなど、対策を講じていきます。 想定事業量 情報教育全体計画の策定・情報活用能力(※22)チェック表の活用校数 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・小・中 全校 2 教職員のICT活用指導力の育成 様々な理由で登校できない児童生徒へのオンライン学習や授業等に関するICT活用の差を解消するために、先進校における試行を通じて、好事例の発信や情報公開、ICT活用推進のためのサポートを実施していきます。 ICTの活用が十分でない学校には、ICT支援員や関連企業、教育委員会による訪問型の支援を行います。 ICT活用に関するマネジメントを担う教職員のICTコーディネーターを育成し、組織で活用推進していく体制を作るとともに、「ICT活用指導力向上のための研修navi(※29)」の研修体系に基づいた研修を充実させ、指導力向上につなげていきます。 教育研究会(※20)と連携を図り、授業中のICT活用に資する「資質・能力 育成ガイド」を活用する研修、授業動画の収集やオンライン研修を充実させ、教職員のICT活用に関する意識向上を図ります。 ※29 ICT活用指導力向上のための研修navi:全教職員に配付した「ICT活用指導力向上のための研修」について受講方法や研修体系を掲載したリーフレット 想定事業量 ICTコーディネーター研修を受講し、修了した教職員の人数 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・1,000人 - 23ページ - 3 ICT環境整備 ICTを活用した児童生徒の学習活動が円滑に進められるよう、将来的に初等中等教育機関への開放が予定されている、国(国立情報学研究所)が運用し、  スーパーコンピューターの共同利用などで活用される高速な学術情報ネットワーク(SINET)を先行して活用して、新Y・Y NET(※30)回線を安定的に運用するとともに、  端末故障等に関する保守について継続的に取り組みます。 秘匿性の高い個人情報を取り扱う校務システムが安全で安定的に保守・運用するとともに、教職員のニーズを踏まえながら計画的な改修を進めます。 端末の設定やアカウント登録、端末活用時の基本操作や不具合等の対応のため、ICT支援員が定期的に訪問してサポートを行っています。  今後も、各学校の活用状況や支援ニーズを捉え、学校に応じた支援を行っていくため、訪問回数を維持していきます。 デジタル教科書(※24)の導入等、今後の家庭学習における端末の使用を想定して、児童生徒に貸与している端末の持ち帰りについて、試行を順次実施し環境を準備します。 ※30 Y・Y NET:横浜市教育委員会及び横浜市立学校内ネットワーク等から構成されている横浜市教育情報ネットワーク 想定事業量 ICT支援員の訪問回数 直近の現状値(令和3年度)・・・小・中・特支:各48回/年、高:24回/年 目標値(令和7年度)・・・小・中・特支:各62回/年、高:24回/年 教育用ネットワーク回線の増速・安定化 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・安定稼働 4 新たな教育センターとEBPMの推進 令和11年度の開設に向けて、新たな教育センターに必要な機能や設備を検討しつつ、選定事業者と設計・工事に関する協議を進めていきます。 最先端のICTやデータを活用しながら、教育センター機能の一つである「調査・研究・開発」機能を核とし、EBPMを推進していきます。各機能において、開設までに先行して実施できる取組を順次進めていきます。 「横浜市学力・学習状況調査」にIRT(項目反応理論)を取り入れるとともに、調査を端末で実施するCBT化の準備を段階的に進め、効果的・効率的なデータ収集・分析の基盤を整えていきます。 主体的・対話的で深い学びの実現に必要な子どもの主体性や学習意欲をはぐくむために、非認知能力(※15)を可視化する研究を企業や横浜国立大学等と連携し、効果的な指導法につなげます。 想定事業量 新たな教育センター開設に向けた取組 直近の現状値(令和3年度)・・・事業者の公募 目標値(令和7年度)・・・工事着手 横浜市学力・学習状況調査の生活・学習意識調査のCBT化に向けた検討【再掲 柱1施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・試行導入の検討 目標値(令和7年度)・・・小 全校実施、中 全校実施 認知・非認知能力(※15)調査研究の実施 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和6年度)・・・成果公表 - 24ページ - 未来の教育の実現に向けた横浜教育DX 横浜教育DXは、①児童生徒、②教職員・学校、③教育委員会の三者それぞれにおけるよりよい教育活動※1の実現に貢献するとともに、 三者をつなぐデータの一層の活用※2を一体となって推進することで、横浜の公教育全体の質の向上を目指します。 なお、本市は日本最大の基礎自治体として、26万人の児童生徒等のビッグデータのほか、教育機関が学習者用タブレットを導入した台数が世界でも有数の都市であるなど、教育DX推進の拠点として世界の注目を集め得るポテンシャルを有する都市です。今後は「使えるデータにリソース※3が集まる」との考えの下、新たな教育センターを中心に、産学公民の多様な連携・協働を推進し、日本の教育DXをリードする先進的な取組実績の蓄積を目指します。 図があります。 横浜教育DX DX戦略に基づき「教育を科学」することで、子どもの学びの質の向上へ 中央に【未来の児童生徒の学び 「一人ひとりを大切にした学び」の実現】 Message『主体的・対話的で深い学び 個別最適な学びと協働的な学びの実現』とあり、未来の学校をイメージした絵があります。 この絵の周りには、三つの言葉が配置されています。 上に【新たな教育センター】、左下に【教職員・学校】、右下に【教育委員会】。 それぞれが二重線で繋がっています。 まず、【新たな教育センター】 Message EBPMを基盤にした教育DXのハブ機能 <理想の姿>  中央に「調査・研究・開発」。その文字を囲むように「人材育成」、「教育相談」、「発表・発信」という言葉が配置されています。 次に【教職員・学校】 Message『「誰ひとり取り残さない」持続可能な学校の実現』 【新たな教育センター】と【教職員・学校】の間に、 Action『人材の連携・研究成果の共有』 Commitment「リモートスタディ」 ここにリモートスタディを行う様子の写真があります。 Commitment「AIを活用」 ここにデジタル教科書を使う様子の写真があります。 続いて【教育委員会】 Message『客観的なデータ等に基づく教育政策の実現』 【新たな教育センター】と【教職員・学校】が二重線で繋がっています。 【教職員・学校】と【教育委員会】の間に Action『目的やデータの共有』 さらに【教育委員会】と【新たな教育センター】の間に、 Action『26万人のビッグデータの解析・活用』 Commitment「学習履歴(スタディログ)」 ここにタブレットで学習する子どもの様子の写真があります。 図の説明終わり - 25ページ - 施策3 特別支援教育の推進 〇施策の目標・方向性 国のインクルーシブ教育システム構築の考え方(※31)を踏まえ、  一人ひとりの教育的ニーズに的確に応え、その変化にも柔軟に対応できる多様な学びの場の提供・充実に取り組みます。  あわせて、障害のあるなしにかかわらず、可能な限り子どもたちが共に学ぶ機会の充実に取り組み、相互に認め合い、支え合い、誇りを持って生きられる社会を目指します。 教職員の特別支援教育に係る専門性の向上等に取り組みます。 ※31 インクルーシブ教育システム構築の考え方:    同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、特別な支援や配慮を必要とする児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備すること。 〇現状と課題 【就学・教育相談】 特別な支援が必要な子どもにふさわしい学びの場に関する相談は、平成24年度からの10年間で約1.4倍に増加しています。  相談の体制を整え、一人ひとりの教育的ニーズに的確に応えることが求められています。  また、保護者に対して、特別支援教育総合センターでの来所相談以外でも、不安の解消につながる情報を発信する必要があります。 ・就学後の指導・支援に向けて、就学前の支援の円滑な引継ぎや、学校への適切な情報提供が行われるよう、  幼稚園、保育所、地域療育センター、児童相談所、福祉・医療等の関係機関の情報共有などを通じた相互の連携が必要です。 現在、特別な支援が必要な子どものふさわしい学びの場に関する相談は特別支援教育総合センターが、  不登校や友人関係等の一般教育相談と心理・医療等の専門相談は教育総合相談センターが行っています。  多様化する教育的ニーズに総合的に対応できるよう、分かりやすい相談窓口を構築し、相談の充実を図ることが必要です。 ここに図があります。 特別支援教育総合センターの就学・教育相談件数 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 【小中学校等の一般学級及び個別支援学級(※13)】 小中学校等には、一般学級においても特別な支援や配慮を必要とする児童生徒が在籍しており、様々な疾患や肢体不自由、医療的ケアなど、見守りや介助が必要となっています。  個別支援学級(※13)においては、平成24年からの10年間で在籍者数が約1.9倍と急激に増加しています。 ・児童生徒一人ひとりの実態に応じた指導・支援を行うためには、  全ての教職員の特別支援教育に係る知識・理解の向上や、特別支援教育コーディネーター(※32)を中心とした校内支援体制の充実が必要です。  個別の指導計画の作成や校内委員会を通して支援内容を明確にするとともに、横浜型センター的機能(※33)を効果的に活用し、特性に応じた合理的配慮を提供することが必要です。 ※32 特別支援教育コーディネーター:    特別支援教育推進のため、各学校において、特別支援教育に関する委員会や研修の企画・運営、関係諸機関や他校との連絡・調整、保護者からの相談窓口等の役割を担う教員 ※33 横浜型センター的機能:    横浜市立学校に在籍する支援の必要な児童生徒のために、特別支援学校・通級指導教室・地域療育センター等が、障害種ごとの専門性を生かし、学校のニーズに応じて行う学校支援 - 26ページ - 【通級指導教室(※34)】 通級指導教室(※34)を利用する児童生徒数は、平成24年からの10年間で約1.8倍と急激に増加しています。  入級希望者の増加による過大規模化に対し、十分な指導場所や指導時間の確保を進めるとともに、通級指導教室(※34)の増設に向けた検討の必要があります。 児童生徒が在籍する小中学校等においては、その子の特性や発達段階を踏まえて必要な支援を把握し、学級担任等の対応力を高めることが重要です。  そのため、通級指導教室(※34)担当教員による協働型巡回指導の取組や横浜型センター的機能(※33)を充実させていく必要があります。 通級指導教室(※34)担当教員には高い専門性が求められるため、OJT(※35)だけでなく、外部の研究機関への研修派遣を積極的に行うなど、計画的に人材育成を行っていく必要があります。 ※34 通級指導教室:一般学級に在籍する障害のある児童生徒が、各教科等の授業を一般学級で受けながら、一部の授業について、障害に応じた特別な指導を受けるための場 ※35 OJT:On the Job Training の略(日常の業務を通した職場教育) 【特別支援教室】 小中学校等においては、児童生徒が在籍する学級(一般学級、個別支援学級(※13))を離れて学習等をするためのスペースとして、特別支援教室を設置しています。  特別支援教室では、教科指導や自分なりの学び方を身に付けるための支援のほか、登校支援や在籍学級への適応に向けた支援など、  児童生徒の社会性、コミュニケーション等の課題に対する様々な支援が行われています。 これまで、特別支援教室実践推進校においてモデル的に取組を進めてきたことを踏まえ、取組の好事例を各校で共有し、  児童生徒や学校の実情に応じた柔軟な活用や、非常勤講師の配置等を含めた指導体制の充実に更に取り組む必要があります。 【特別支援学校】 横浜市においては、学校教育法で定める5障害種全ての特別支援学校を全13校設置しています。  在籍児童生徒数は全体的に横ばい傾向ですが、市北東部など一部の地域においては、今後、増加することが見込まれています。  国の特別支援学校設置基準や神奈川県の特別支援教育の推進指針等を踏まえ、県市が連携して、児童生徒の受入体制の充実に取り組む必要があります。 児童生徒の障害は、重度化・重複化・多様化しており、教員の専門性の更なる向上の下、個々の教育的ニーズを一層丁寧に把握し、実態に応じた指導や支援を行う必要があります。  また、センター的機能の発揮を通じて小中学校等と連携した地域の特別支援教育を推進していくことが必要です。 重度化、重複化する医療的ケアの必要な児童生徒への対応のため、肢体不自由特別支援学校における医療的ケアの体制の充実に取り組むことはもちろん、  肢体不自由特別支援学校以外の特別支援学校においても医療的ケアが必要な児童生徒が在籍していることを踏まえ、各校の実情に応じた医療的ケアの体制について引き続き検討する必要があります。 スクールバスの乗車時間目標(60分)が達成できていない現状やスクールバスに乗車できていない医療的ケアのある児童生徒への対応など、通学支援の充実に取り組む必要があります。 学齢期から同世代の児童生徒が交流し、共同で学習する機会を更に充実すること、また、学校や地域における交流活動を支援すること等により、広く市民の障害等への理解を深め、地域共生社会の実現に取り組む必要があります。 - 27ページ - ここに図があります。 特別支援学校、個別支援学級(※13)、通級指導教室(※34)に在籍する児童生徒数の推移 特別な支援や配慮が必要な児童生徒は令和3年度13,790人と過去10年で約1.7倍に増加 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 横浜市における特別支援教育に関する学びの場(2022(令和4)年現在) ※特別支援教室:集団では学習に参加することが難しい児童生徒が、一時的に一般学級・個別支援学級(※13)を離れて、落ち着ける環境の中で学習するためのスペース 出典は横浜市教育委員会事務局作成 図の説明は終わり。 - 28ページ - 〇指標 個別の教育支援計画・個別の指導計画に基づき、一人ひとりの教育的ニーズを踏まえた適切な指導・支援がされ、児童生徒の成長につながっていると感じている保護者の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・88% 目標値(令和7年度)・・・90% 〇主な取組 1 就学・教育相談等の充実 人材の育成や確保などにより特別支援教育総合センターにおける相談の質や、学校及び特別支援学校における特別支援教育の質を確保・向上します。 就学前の早期から始まっている支援を就学に当たり円滑に引き継ぐため、  幼稚園・保育所・地域療育センターなど早期からの相談・支援を行っている福祉・医療関係機関等と情報共有などの連携を推進します。 一人ひとりの教育的ニーズの多様化に応じていくために、教育総合相談センターと特別支援教育総合センターの相談体制の一元化(ワンストップ化)について、  新たな教育センターの整備に併せて準備を進めます。 特別な支援が必要な子どもの保護者に、子どもの特性を踏まえた家庭での関わり方のヒントを伝える「保護者教室」を充実します。 想定事業量 保護者支援のための保護者教室の開催数 直近の現状値(令和3年度)・・・1回/年 目標値(令和7年度)・・・8回/年 コラム 特別支援教室 市立小中学校では、児童生徒が、在籍する学級(一般学級、個別支援学級(※13))を離れて学習するためのスペースとして、「特別支援教室※」を設置しています。 特別支援教室は、学習に不安がある、安心・安定した学校生活を送りたい等、支援や配慮の必要な児童生徒が小グループや個別指導で利用します。 特別支援教室では、担当教員が入り、学年相応の学習のための丁寧な導入、スモールステップによる基礎の定着、連続した学びの場としての活用、 在籍学級での学習を安定・充実させるためのベースづくり等により、子どものよさを生かした学びができるようにしています。 各学校では段階的に児童生徒の実態や教育的ニーズに応じた支援を考えて、実践しています。 特別支援教室で学んだ児童生徒からは、「学習に前向きになった」、「安心して学校生活を送ることができるようになった」などの声がたくさん上がっています。 特別支援教室の運営にあたっては、教職員の特別支援教育の理解や校内体制の構築等を引き続き、推進していく必要があります。 ※実際の教室の名前は、各学校によって異なります。 ※柱1施策4に掲載している「校内ハートフル事業(※36)」も特別支援教室の場所を使用して行われています。 ※36 校内ハートフル事業:不登校傾向にある生徒への支援強化のため、中学校の特別支援教室等に支援員を配置 ここに写真があります。 特別支援教室の様子。 写真の説明は終わり。 - 29ページ - 2 小中学校等における特別支援教育の推進 あらゆる教育の場で、一貫した適切な指導・支援や合理的配慮を提供するため、  一般学級、個別支援学級(※13)、通級指導教室(※34)、特別支援教室における指導・支援体制や教室環境の充実を図ります。 学級種・学校種をまたいだ人事交流、国立特別支援教育総合研究所等への研修派遣、  特別支援教育コーディネーター(※32)や教職員の資質向上のための研修など教職員の育成に力を入れるとともに、  非常勤講師や特別支援教育支援員(※37)の効果的・効率的な配置を通じて校内支援体制の充実を図ります。  また、医療的ケアが必要な児童生徒の受入体制を引き続き整備します。 ※37 特別支援教育支援員:学校内での学習面や行動面に特別な支援を必要とする児童生徒の支援を行うボランティア 想定事業量 特別支援教育コーディネーター(※32)の養成人数 直近の現状値(令和3年度)・・・274人/年 目標値(令和7年度)・・・350人/年 特別支援教育の充実と教職員の資質向上のための研修実施回数 直近の現状値(令和3年度)・・・110回/年 目標値(令和7年度)・・・150回/年 小・中・義務教育学校個別支援学級(※13)担当教諭等の特支校免許状取得者数 直近の現状値(令和3年度)・・・128人/年 目標値(令和7年度)・・・150人/年 通級指導教室(※34)設置校数 直近の現状値(令和3年度)・・・小:16校、中:4校、特支:2校 目標値(令和7年度)・・・小:17校、中:5校、特支:2校 通級指導教室(※34)協働型巡回指導の実施校数(情緒障害、LD・ADHD、弱視) 直近の現状値(令和3年度)・・・小:8校 目標値(令和7年度)・・・小:13校、特支:1校 特別支援教室実践推進校数 直近の現状値(令和3年度)・・・36校 目標値(令和7年度)・・・120校/年 市立高校における「通級による指導」(自校通級、他校通級及び巡回指導)の実施【後掲 柱1施策5】 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・横浜総合高校(自校通級)、盲特別支援校・ろう特別支援学校 (他校通級)、全校(巡回指導) 3 特別支援学校の充実 令和3年9月に公表された国の特別支援学校設置基準等や市立特別支援学校の整備・運営に関する考え方等に基づき、適切な教育課程を編成し実施するとともに、  教職員の専門性の向上、通学支援や医療的ケアの体制の充実などに取り組みます。 将来の自立と社会参加に向けて、自己理解を深め、自己選択・自己決定力を高めるなど、キャリア発達を促す教育を充実していきます。  あわせて、副学籍等の交流及び共同学習の充実に取り組みます。 児童生徒の教育的ニーズを把握し、ICT機器の活用など一人ひとりの障害の状態や成長段階に合わせた授業を工夫するとともに、  就労支援や横浜型センター的機能(※33)の充実に引き続き取り組みます。 想定事業量 小中学校と特別支援学校の協働研究推進ブロック数 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・小中学校ブロック4か所/年 スクールバス乗車時間の短縮 直近の現状値(令和3年度) 運行時間60分を超えるコース・・・26コース 目標値(令和7年度) 60分を超えるコースの解消 医療的ケアが必要な児童生徒の通学車両台数 直近の現状値(令和3年度)・・・4校11台 目標値(令和7年度)・・・6校50台 肢体不自由特別支援学校における学校看護師の配置人数 直近の現状値(令和3年度)・・・30人 目標値(令和7年度)・・・50人 - 30ページ - 施策4 多様な教育的ニーズに対応した教育の推進 〇施策の目標・方向性 ・増加する不登校児童生徒や日本語指導が必要な児童生徒の支援を充実させるとともに、  教育機会の保障に向けた取組をはじめとする子どもの貧困対策の推進や教育相談の充実など、多様な教育的ニーズに対応した教育を推進します。 〇現状と課題 【不登校児童生徒の居場所・学びの支援の充実】 ・横浜市の不登校児童生徒は令和3年度に6,166人と10年で約1.8倍に増加しており、  全国的にみても、横浜市の不登校の発生率は高い傾向にあります。 ・平成28年12月に制定された「教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)」等により、  「不登校は、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮」することや、  「登校という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」といった基本的な考え方が示され、  学校内外における子どもの多様な学びの場の確保及び個別最適な支援の充実が求められています。 ・学校では、担任、児童支援・生徒指導専任教諭(※7)及び養護教諭等による指導・支援、校内ハートフル事業(※36)における不登校児童生徒支援員による支援のほか、  「スクールカウンセラー(※38)(以下「SC」という。)」による相談等を行っています。  学校外においても、横浜教育支援センター(※39)による支援とともに、フリースクール等の民間教育施設と連携した支援を実施し、  不登校児童生徒の学習機会の確保と社会的自立に向けた重層的な取組を行っています。  個別支援学級(※13)在籍者及び通級指導教室(※34)利用者からの、ハートフルスペース(※40)やハートフルルーム(※41)利用申込が増加傾向にあり、  個別最適な学習機会・居場所の確保を改めて検討する必要があります。 ※38 スクールカウンセラー(SC):学校における教育相談体制の充実を図るため、また災害や事件・事故などの被害者である児童生徒等の心のケアを行うため、各学校に配置された心理の専門家 ※39 横浜教育支援センター:横浜市在住の不登校児童生徒に対し、社会的自立に向けた相談及び支援を行う機関。横浜市教育委員会が設置・運営 ※40 ハートフルスペース:登校はできないものの外出はできる児童生徒に対して、創作活動・スポーツ体験活動等を通し、社会的自立に向けた相談や支援を行う。 ※41 ハートフルルーム:登校はできないものの外出はできる児童生徒に対して、学習等を中心とした集団活動・創作・スポーツ体験活動等を通し、基礎学力の補充、学校生活への適応等を図り、社会的自立に向けた相談や支援を行う。 ここに図があります。 不登校児童生徒数(全国・横浜市) 出典は児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査 図の説明は終わり。 - 31ページ - ここに図があります。 不登校児童生徒の状態に応じた支援イメージ 校内のアセスメントに基づく個別最適な学びの保障 図の説明は終わり。 横浜市立学校においては、不登校児童生徒一人ひとりの状態について、校内で児童支援・生徒指導専任教諭(※7)及び特別支援教育コーディネーター(※32)等が中心となり、 関係教職員及びSC(※38)やSSW(※8)とともに丁寧にアセスメントを行います。 その上で児童生徒の特性や状態に応じ、横浜教育支援センター(※39)事業の活用も検討しながら、個別最適な学びと安心できる居場所の提供を実現できるよう支援しています(上図)。 横浜教育支援センター支援事業等一覧 アットホームスタディ 外出することが難しい状態であるものの学習する意思がある児童生徒に対し、オンライン学習教材のアカウントを発行して、家庭での教育機会の確保及び学習の定着を目指す事業 ハートフルフレンド 外出することが難しい状態の児童生徒の家庭に大学生や大学院生等を派遣し、話し相手や遊び相手となることで状態の緩和等を図る事業 家庭訪問による学習支援等 外出することが難しい状態の児童生徒の家庭に民間教育施設の職員が訪問し、 個々の状況やニーズに応じた個別支援計画に沿って、オンライン学習教材を活用する等して学習・活動支援等を行う事業(民間教育施設委託事業) ハートフルルーム 登校はできないものの外出することができる児童生徒に対して、 学習を中心とした集団・スポーツ体験活動等を通し、基礎学力の補充・学校生活への適応と社会的自立に向けた支援を行う事業 ハートフルスペース 登校はできないものの外出することができる児童生徒に対して、創作活動・スポーツ体験活動等を通し、社会的自立に向けた相談や支援を行う事業 ハートフルみなみ 登校はできないものの外出することができる児童生徒に対し、人と関わる体験を通して、自分の意志で行動できる力を蓄え、 社会的自立に向けた生活を安心して送れるようになる居場所を運営する事業(民間教育施設委託事業) 校内ハートフル 不登校傾向にある生徒を対象に中学校の特別支援教室等に支援員を配置し、学習支援等個々の状況にあった支援を実施する事業 在籍級 日常的に児童生徒が自己肯定感を高めることができる学級づくりに取り組むほか、 不登校傾向の児童生徒への家庭訪問・特別支援教室での支援及び横浜教育支援センター(※39)との連携等、一人ひとりの状況に応じた支援を実施 - 32ページ - 【日本語指導が必要な児童生徒への支援の充実】 市立小・中・義務教育学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒は、令和3年度3,110人と10年間で約2.6倍に増加しています。  全国よりも大きな増加率で急増しており、市区町村単位での在籍数は全国的に見ても最大規模となっています。 ・市内における外国籍等児童生徒の国籍及び外国につながる国・地域の総数は、令和3年度では109の国や地域に上り、  市内での国籍別にみると中国が半数以上を占めていますが、南米、ベトナムが多い地域など様々です。  これらの状況も踏まえ、児童生徒の増加に伴い、個々の児童生徒を取り巻く環境や抱える課題も多様化、複雑化しています。  また、横浜市は、いわゆる集住自治体とは異なり、市内でも在籍が一部の地域に集中する「集住」と、少人数がそれぞれ幅広い地域に在籍する「散在」が同時に進んでおり、  個々の児童生徒や地域の状況に応じたきめ細かな支援が求められています。 国では、平成30年の出入国管理及び難民認定法改正を契機に、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を策定し、外国人との共生社会の実現に向けた施策の充実が図られています。  「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)(中教審第228号)」においては、  外国人の子供たちが共生社会の一員として今後の日本を形成する存在であることを前提に、指導体制の確保・充実等を図る必要があるとされています。 横浜市では、昭和56年に日本語教室が設置されるなど、全国に先駆け日本語指導が必要な児童生徒への支援に取り組んできており、  近年も平成29年に日本語支援拠点施設(※42)「ひまわり」、令和2年に「鶴見ひまわり」、令和4年に「都筑ひまわり」を設置したほか、国際教室(※43)担当教員の配置拡充等、支援の充実を図ってきました。 日本語指導が必要な児童生徒は日本語が分からないため授業理解に困難を抱える場合があるだけではなく、一人ひとりの背景や取り巻く環境、課題の多様化が進んでいます。  このような中で、日本語指導が必要な児童生徒が「安心して」「豊かに」学校生活を送り、将来、社会で活躍していくための素地をはぐくんでいく必要があります。 今後も日本語指導が必要な児童生徒は増加していくことが想定され、引き続き、横浜市としては、  国の方向性も踏まえ、日本語支援拠点施設(※42)による初期の集中的な支援体制の更なる充実を図っていくとともに、  日本語講師(※44)、母語支援ボランティア、学校通訳ボランティア、外国語補助指導員(※45)などの支援員による支援体制の充実を図っていく必要があります。  また、日本語指導が必要な児童生徒が在籍校で活躍していくためには、担当教員による支援が不可欠であることを踏まえ、  担当教員への支援、育成の更なる充実に取り組んでいく必要があります。 ※42 日本語支援拠点施設:日本語指導が必要な児童生徒・保護者等への支援であるプレクラス、学校ガイダンス、就学前教室「さくら教室」、日本語教室等を実施する施設 ※43 国際教室:日本語指導が必要な児童生徒が一定数以上在籍する学校に設置される国際教室担当教員が日本語指導、教科指導、生活適応指導等を行う教室 ※44 日本語講師:初期の日本語指導が必要な児童生徒に対して指導を行う日本語指導資格をもった講師 ※45 外国語補助指導員:日本語指導が必要な児童生徒が一定数以上在籍する学校に配置され、児童生徒・保護者の母語を用いた支援を行うネイティブスピーカーの指導員 ここに図があります。 日本語指導が必要な児童生徒数 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 - 33ページ - 【子どもの貧困対策の推進】 ・令和元年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が改正され、同年11月にこの改正に基づき新たな「子供の貧困対策に関する大綱」が策定されました。  これらを踏まえ横浜市としての基本目標や令和4年度から5年間で取り組む施策等を盛り込んだ「第2期横浜市子どもの貧困対策に関する計画」を令和4年3月に策定し、  本計画の下、教育、福祉、子育て支援等、様々な分野において取組を進めています。 横浜市では、景気回復による世帯収入の微増に伴い、就学援助認定者数及び就学援助率は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による所得減少世帯の増加が懸念されましたが、  平成24年度をピークに緩やかな減少傾向にあります。 ・家庭の状況によって就学の機会が狭まることのないよう、就学援助や給付型奨学金制度が十分に周知され、必要とされる支援が行き渡ることが重要です。  また、就学後の学校生活においてもあらゆる場面で支援を継続していく必要があります。 地域における子どもの居場所づくり等、子どもを地域で見守り、支える取組が広がっており、学校と地域が連携・協働して子どもの育ちや成長を支えることが求められています。 子どもの貧困対策に当たっては、教育委員会だけではなく、こども青少年局による養育環境に課題のある子どもや家庭に対する支援、  区の生活支援課による生活保護を受給する世帯を対象とした支援など、全庁的に取組を進めています。  引き続き、子どもに関わる全ての部局が連携して貧困対策の取組を進めていく必要があります。 ここに図があります。 就学援助認定者数・援助率の推移 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 【教育相談の充実】 各学校では、教職員をはじめ、SC(※38)やSSW(※8)等が、児童生徒や保護者に寄り添い、適切な支援や助言を行っていますが、  相談内容が多様化し、その要因も様々な背景があることから、一つの相談機関では解決できない事例が増えています。 不登校や友人関係など学校生活上の困り事に関する一般相談や、心理や医療等に関する専門相談を教育総合相談センターで、  また、特別な支援が必要なお子さんのふさわしい学びの場に関する相談を特別支援教育総合センターで受け付けており、相談件数は増加傾向にあります。 適切な教育相談につながるために、相談者や学校、関係機関にも教育相談窓口が適切に周知される必要があります。  また、西区の横浜市教育総合相談センターと保土ケ谷区の横浜市特別支援教育総合相談センターが相互に連携していく仕組みづくりを推進していく必要があります。  相談者等が適切な相談機関につながるよう、相談窓口を充実させるとともに、分かりやすい相談体制を構築します。  そのために、新たな教育センターの整備に当たっては、「教育総合相談センター」と「特別支援教育総合センター」のワンストップ化に向けた検討を進めていきます。 - 34ページ - 〇指標 不登校の支援を受けている児童生徒のうち、安心できる居場所があると感じる割合 直近の現状値(令和3年度)・・・78.9% 目標値(令和7年度)・・・85% 不登校の支援を受けている児童生徒のうち、自分に合った学びの機会を得ることができたと感じる割合 直近の現状値(令和3年度)・・・83.2% 目標値(令和7年度)・・・85% 日本語指導が必要な児童生徒のうち、自尊感情や共感・配慮等の合計値が上昇した割合(※1) 直近の現状値(令和3年度)・・・小学校3年~6年 47.3% 目標値(令和7年度)・・・小学校3年~6年 60% 寄り添い型生活支援事業の利用により生活習慣に改善が見られた割合[こども青少年局] 直近の現状値(令和3年度)・・・89% 目標値(令和7年度)・・・90% 放課後の学習支援により、児童生徒が主体的に学習に取り組む態度が定着したと回答した学校の割合【再掲 柱1施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・81% 目標値(令和7年度)・・・85% 【第2期横浜市子どもの貧困対策に関する計画(令和4年3月策定)】 〇指標 スクールソーシャルワーカー(※8)が行った支援により児童生徒の状況が改善した割合 直近の現状値(令和2年度)・・・82.3%※2 目標値(令和8年度)・・・80%※3 生活保護受給世帯の子どもの高等学校進学率[健康福祉局] 直近の現状値(令和2年度)・・・97%※2 目標値(令和8年度)・・・99%※3 市立高校における就学継続率 直近の現状値(令和2年度)・・・94%※2 目標値(令和8年度)・・・96%※3 市立高校における卒業時の進路決定率 直近の現状値(令和2年度)・・・99.7%※2 目標値(令和8年度)・・・99%※3 ※1 横浜市が開発した、集団や個の社会的スキル育成状況を把握するための分析ツール「Y-Pアセスメント(※17)」を年2回以上実施することにより、自尊感情や仲間への共感・配慮等の変容を分析。 ※2 「第2期横浜市子どもの貧困対策に関する計画」に合わせて、直近の現状値を令和2年度としています。 ※3 「第2期横浜市子どもの貧困対策に関する計画」に合わせて、目標値の年度を令和8年度としています。 コラム 中学校夜間学級 ~蒔田中学校の取組~ 中学校夜間学級(夜間中学)は、2022年(令和4年)現在、全国15都道府県40校に設置されており、中学校を卒業していない人等に対して中学校教育を行っています。 横浜市では、南区蒔田中学校に夜間学級が設置されています。市内在住・在勤の方を対象とし、様々な国や地域、年齢層の生徒たちが集まって、 基礎学力の定着と心と身体の調和ある発達を目標に、学校行事にも取り組みながら充実した中学校生活を送っています。 また、体育祭や文化祭(花ノ木祭)等を通して、昼間に通う生徒たちと積極的な交流を図っています。 ここに写真があります。 蒔田中学校夜間学級の様子 授業(少人数教室)の様子 写真の説明は終わり。 - 35ページ - 〇主な取組 1 不登校児童生徒の居場所・学びの支援の充実 横浜市教育支援センター(※39)等が実施する支援(ハートフルフレンド(※46)・ハートフルスペース(※40)・ハートフルルーム(※41)・アットホームスタディ(※47)・家庭訪問による学習支援等事業(アウトリーチ)(※48)・ハートフルみなみ(※49))を継続し、  ハートフルスペース(※40)からハートフルルーム(※41)への移行がスムーズにいくよう、学びの機能を有するハートフルスペース(※40)(機能強化型)を試行的に設置します。 民間教育施設との連携・協働をさらに推進し、学校以外の居場所や個別最適な学習機会の確保を目指します。  また、教職員研修や保護者の集いなど、教職員や保護者に対する不登校児童生徒の支援に関する啓発・研修に取り組みます。 ※46 ハートフルフレンド:外出が難しい状態の児童生徒の家庭に大学生等を派遣し、話し相手や遊び相手となることで状態の緩和等を図る。 ※47 アットホームスタディ:外出が難しい状態の児童生徒にオンライン学習教材のアカウントを発行、家庭での教育機会の確保及び学習の定着を目指す。 ※48 家庭訪問による学習支援等事業(アウトリーチ):外出が難しい状態の児童生徒にオンライン学習教材等を活用し学習支援を行う事業(民間教育施設委託事業) ※49 ハートフルみなみ:不登校の児童生徒が、人と関わる体験を通して、自分の意志で行動できる力を蓄え、社会的自立に向けた生活を安心して送れるようになる居場所を運営する事業(民間教育施設委託事業) 想定事業量 横浜教育支援センター(※39)による支援を受けている人数 直近の現状値(令和3年度)・・・651人/年 目標値(令和7年度)・・・900人/年 校内ハートフル事業(※36)実施校(旧特別支援教室等活用事業:不登校児童生徒支援員の配置校) 直近の現状値(令和3年度)・・・中学校 20校 目標値(令和7年度)・・・中学校 全校 ハートフルスペース(※40)(機能強化型)実施箇所 直近の現状値(令和3年度)・・・0か所 目標値(令和7年度)・・・4か所 2 日本語指導が必要な児童生徒への支援の充実 日本語支援拠点施設(※42)での取組を推進するとともに、4か所目の拠点施設の開設をはじめとする初期支援体制の確立と情報の集約や発信を進めます。  また、日本語指導が必要な児童生徒の急増を踏まえ、国際教室(※43)設置校、外国語補助指導員(※45)配置校を拡充することで、校内の支援体制の充実に取り組みます。  さらに、国際教室(※43)担当者会、日本語指導者養成講座等の各種研修や日本語支援アドバイザー(※50)による学校訪問を通して、教職員の資質能力の向上を図ります。 ※50 日本語支援アドバイザー:    各学校を訪問して、国際教室に関する支援や校内での研修等のほか、オンラインによる国際教室担当者との相談会、勉強会などを行う、国際教室での経験が豊かな職員 想定事業量 プレクラス参加人数 直近の現状値(令和3年度)・・・87人/年 目標値(令和7年度)・・・320人/年 国際教室(※43)設置校数 直近の現状値(令和3年度)・・・186校/年 目標値(令和7年度)・・・287校/年 外国語補助指導員(※45)配置校数 直近の現状値(令和3年度)・・・11校/年 目標値(令和7年度)・・・19校/年 日本語支援アドバイザー(※50)による学校訪問回数 直近の現状値(令和3年度)・・・102回/年 目標値(令和7年度)・・・400回/年 研修を受講した教職員数 直近の現状値(令和3年度)・・・897人(延べ) 目標値(令和7年度)・・・1,640人(延べ)※ ※令和3年度からの延べ人数 - 36ページ - 3 子どもの貧困対策の推進 経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対し、学用品費、通学用品費、学校給食費等を援助します。  また、小中学校の個別支援学級(※13)に通学する方の経済的負担を軽減することを目的とした就学奨励費の支給や、高等学校への修学が経済的な理由により困難で、  学業優秀な生徒に対する給付型奨学金制度を実施します。 保護者の疾病や生活困窮状態にあるなど養育環境に課題があり、支援を必要とする家庭に育つ小中学生等に対し、  生活習慣や学習習慣の習得のための支援を行う、寄り添い型生活支援事業を実施します。  また、家庭での学習が困難であったり、学習習慣が十分身についていない小中学生を対象に、放課後学習支援を実施し、学習習慣の定着や基礎学力の向上を図ります。 SSW(※8)と区役所や児童相談所、社会福祉協議会や地域ケアプラザ等の関係機関とのネットワークを構築し、困難を抱える家庭への支援を通じ、子どもの健やかな成長を支えます。 区生活支援課のケースワーカーや教育支援専門員は、生活保護受給世帯の中学生とその養育者に対して必要な情報提供や進学意欲喚起、各種相談機関の利用支援等を行い、  進学・就学に向けた支援を行います。 市立高校定時制において、地域のボランティア等の協力を得て、生徒の到達度に応じた基礎学力の習得及び学習習慣の定着を目的とした「学び直し」を実施します。  また、民間団体と連携して校内に生徒の身近な居場所を設け、悩みや課題を抱える生徒への相談支援やキャリア形成支援を行う校内カフェを実施します。  さらに学校生活を継続することに困難を感じている生徒等に対して将来的な自立や就学継続等を支援するための取組を行います。 想定事業量 寄り添い型生活支援事業の登録者数[こども青少年局] 直近の現状値(令和3年度)・・・318人/年 目標値(令和7年度)・・・430人/年 放課後学習支援の実施校数【再掲 柱1施策1】 直近の現状値(令和3年度) 小 34校 中 59校 目標値(令和7年度) 小 35校 中 全校 SSW(※8)の配置人数【後掲 柱3施策2】 直近の現状値(令和3年度)・・・61人 目標値(令和7年度)・・・73人/年 高校生向け給付型奨学金支給者数 直近の現状値(令和3年度)・・・2000人 目標値(令和7年度)・・・2000人程度 4 教育相談の充実 児童生徒及びその保護者に対し、学校や相談機関で適切な教育相談が行われ、児童生徒が抱える課題の早期発見、早期支援、再発防止が図れるような仕組みづくりを推進します。 児童生徒や保護者が安心感をもって相談できるよう中学校と同一学区の小学校に同じカウンセラーを配置するとともに、  全体会やチーム会での研修等を通じてスキルの向上につなげます。 想定事業量 SC(※38)の配置人数【後掲 柱3施策2】 直近の現状値(令和3年度)・・・59人 目標値(令和7年度)・・・73人 SSW(※8)の配置人数【後掲 柱3施策2】 直近の現状値(令和3年度)・・・61人 目標値(令和7年度)・・・73人 - 37ページ - コラム 校内ハートフル事業の取組 不登校傾向にある生徒や、在籍級には登校できないものの別室であれば登校できる生徒を対象として、 特別支援教室等を活用し、一人ひとりの状況にあった支援を行う「校内ハートフル事業(※36)」(いわゆる校内フリースクール)を令和2年度から市内中学校で進めています。 この事業では、校内の特別支援教室等に不登校生徒への対応の経験が豊富な教員経験者等(支援員)を配置し、 生徒指導専任や特別支援教育コーディネーター(※32)を中心とした教職員の協力のもと、校内での安心して過ごせる居場所としての機能や、 教職員及びICT教材を活用した教科指導等が行われていますが、それ以外に学校独自の特色を生かした取組も進められています。 末吉中学校では、2年生の職業体験活動として、技術員の校内清掃業務を行ったり、事務職員の仕事である印刷室の整備を行う等、校内でできる職業体験を行っています。 また、校内の花壇の種まきや水やり等の園芸活動、大掃除の道具の準備や片付け等、学校に関わる様々な活動を行うことを通じて、 他者と関わり合いながら協力をして行う経験や、教員との関わり、生徒同士のコミュニケーションの場を増やす取組を行っています。 また、橘中学校では、地域学校協働本部(※51)(多様な地域人材を活用した協働組織)による支援も活用しながら校内ハートフル事業を進めています。 同校の地域学校協働本部(※51)では、出張教室・放課後居場所づくり・定期テスト前学習支援・横浜国立大学の学生による放課後学習支援・ギター教室など、 多様な居場所づくりや学習支援等が行われており、校内ハートフル事業においてもこれら地域の人材が生かされています。 ※51 地域学校協働本部:学校が地域とつながり、緩やかなネットワークを形成して、地域学校協働活動を推進するための体制。   「本部」は事務所のような特定の場所を意味するのではなく、「機能」を表している。 ここに写真があります。 職業体験の様子 放課後学習支援の様子 写真の説明は終わり。 コラム 横浜総合高校における校内居場所カフェ「ようこそカフェ」の取組 横浜総合高校では、校内のフリースペースを活用した校内居場所カフェ「ようこそカフェ」を実施しています。 生徒にとって身近な居場所を設け、相談支援やキャリア支援を行うことで、経済的困窮や不登校等、様々な困難を抱える生徒の早期把握や社会的孤立の予防につなげます。 また、困ったときに相談できる力の獲得、コミュニケーション能力の向上、キャリア形成などを目指しています。 【主な取組】 ★交流相談「ようこそカフェ」 開催日:水曜日午後(年25回程度) 内 容:軽食の提供を通した交流、悩みや相談を聴く交流相談の場づくり 若者支援団体職員や相談員等による個別相談 など ★食育プログラム「カラダとココロにしみる美味しいCOOKING!」  生徒の心とからだの健康づくりを目的に、手作りの軽食を提供 ★キャリア体験・職業講座  企業と連携した職業体験、各種団体等による職業紹介講座、農業・漁業就業 など <運営団体> 公益財団法人 よこはまユース 認定NPO法人 多文化共生教育ネットワークかながわ 認定NPO法人 横浜メンタルサービスネットワーク 認定NPO法人 エンパワメントかながわ <運営協力団体> ユカナガシマクッキングサロン <アドバイザー> 横浜市立大学国際教養学部 山田研究室、平井研究室 ここに写真があります。 ようこそカフェの様子 写真の説明は終わり。 - 38ページ - 施策5 新たな時代に向けた高校教育の推進 〇施策の目標・方向性 新学習指導要領に基づく「総合的な探究の時間」の取組及び課題探究型学習の実施により、主体的な学びを実現する高校教育を推進します。 各校の特色ある取組を発展させ、魅力ある高校づくりを引き続き行うとともに、グローバル教育やサイエンス教育の取組により、世界で活躍することができる人材を育成します。 生徒の多様性を尊重し、様々なニーズに対応することで、生徒一人ひとりが自らのよさや可能性を認識しながら、生き生きと学校生活を送ることができる高校を目指します。 〇現状と課題 【各校における「総合的な探究の時間」の取組】 新学習指導要領に合わせて、令和元年度から実施している「総合的な探究の時間」の取組は、  例えば、SDGsへの取組等、文系と理系の両方を横断的に学ぶ「文理融合」の視点から、  物事を多角的に捉える力を養うことや、知識・技能の定着及び思考力・判断力・表現力の育成につながると考えられます。 各校代表生徒による「横浜市立高校課題探究発表会」を年に1回実施し、横断的視点を持って知識の活用、論理的思考力、表現力や自ら課題を発見し探究する力を育成しています。 生徒が主体的に課題に向き合い、解決していく資質・能力を育成するためには、  「総合的な探究の時間」と各教科等での学習の関連性を十分に意識しながら取り組み、各教科等へ発展させていくことが求められています。  そのためには、校内体制の整備や指導方法の工夫等の学校全体での取組、教職員の指導力の向上、意識啓発等を行うとともに、  学校間で連携を図りながら取組の質を向上させる必要があります。 【魅力ある学びの創出に向けた取組】 市立高校ではこれまで、専門学科や専門コースの設置による多方面・多分野で活躍することができる人材の育成、地域との連携を生かしたプログラムの実施、大学・企業・専門機関等と連携した取組の推進、  SDGs達成の担い手育成・ESD(Education for Sustainable Development)の推進等、生徒一人ひとりの資質・能力を最大限に伸ばすための様々な取組を行ってきました。  取組を通して、全9校10課程及び別科がそれぞれに異なる特色を打ち出しながら、次世代を担う人材の育成を行い、市民にとって魅力ある市立高校づくりを行っています。  さらに、これらの取組で培った各校の特色を生かしながら、「総合的な探究の時間」に重点的に取り組むことで、「主体的・対話的で深い学び」を実現し、持続可能な社会の作り手をはぐくむことを目指しています。  そのためには、各事業の効果検証や各校の実情の把握等により、改善や見直し等を積極的に図り、市立高校への指導や助言、情報提供等の支援体制の充実を図っていく必要があります。 中高一貫教育校については、平成24年度に南高校、平成29年度に横浜サイエンスフロンティア高校に附属中学校を併設し、6年間を見通した計画的・継続的な教育活動を展開してきました。  南高校については、附属中学校の開校から10年経過したため、これまでの取組の検証を行い、今後の中高一貫教育をより充実していく必要があります。  横浜サイエンスフロンティア高校については、スーパーサイエンスハイスクールの取組を附属中学校まで広げて活動を展開しており、今後、教育内容をより充実・発展させるための検討を進めていく必要があります。 - 39ページ - 【グローバル教育・サイエンス教育の推進に向けた取組】 これまで市立高校では、英語教育を活用したグローバル化への対応や国際交流の促進による多文化理解等、グローバル教育の充実を図ってきました。  今後、社会の国際化が一層進んでいく中、幅広い視野を持ち、様々な分野で活躍することができる人材の育成を更に進めていくことが求められています。  こうした社会の状況に対応するためには、これまでのグローバル教育について、ICTを活用しながら、更に発展させていくとともに、  横浜サイエンスフロンティア高校で推進してきたサイエンス教育の取組を市立高校全体に浸透・発展させていく必要があります。 <市立高校におけるグローバル教育・サイエンス教育の推進に向けた取組> スーパーサイエンスハイスクール(SSH)(※52)・・・横浜サイエンスフロンティア高校 横浜スーパーグローバルハイスクール(YSGH)(※53)・・・横浜サイエンスフロンティア高校、南高校 海外大学進学支援プログラム(ATOP)(※54)・・・全校 英検等の外部指標の活用・・・全校 国際交流の促進・・・東高校、横浜サイエンスフロンティア高校、みなと総合高校、横浜商業高校、南高校、桜丘高校、金沢高校 ※52 スーパーサイエンスハイスクール(SSH):    将来の国際的な科学技術関係人材の育成を図ることを目的とした文部科学省事業。当該校は、令和2年度に3度目の再指定を受けて継続実施(指定期間:令和2年度~令和6年度末) ※53 横浜スーパーグローバルハイスクール(YSGH):    将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図ることを目的とした文部科学省事業「スーパーグローバルハイスクール」の5年間の指定終了後、市単独事業として、継続実施 ※54 海外大学進学支援プログラム(ATOP):海外大学進学を希望する市立高校生向けの支援プログラム ここに写真があります。 東高校におけるオンラインによる国際交流 横浜サイエンスフロンティア高校でのサイエンス教室 写真の説明は終わり。 【多様化する生徒への支援】 生徒が多様化している中、特別な教育的支援を必要とする生徒への支援についてもニーズが高まってきています。  また、特別な教育的支援を必要とする生徒や保護者は、不安を抱えながら中学校卒業後の進路を選択している状況もあります。  そのため、市立高校においては、「通級による指導」の実施等、中学校段階からのきめ細やかな切れ目のない支援が求められています。  生徒の多様性を尊重し、誰一人取り残すことのない教育を実現するためには、現状の相談・支援体制の更なる充実を図ることが必要です。 - 40ページ - 〇指標 「総合的な探究の時間」では主体的に考え、行動し、課題解決ができるようになったと答える生徒の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・81% 目標値(令和7年度)・・・95% 〇主な取組 1 各校の特色を生かした「総合的な探究の時間」の推進 各校の特色を生かした課題探究型学習を推進し、自ら立てた問いの課題を解決するために、情報収集等のプロセスを立てながら解決へと導く、次世代に必要な資質・能力を育成します。  そのために、学校全体で「総合的な探究の時間」に重点的に取り組むことに加えて、  学校間での情報共有・意見交換等を積極的に行う等、互いを高め合うことで、市立高校全体で取組の質の向上を図ります。 想定事業量 課題探究型学習に関する生徒の成果発表 直近の現状値(令和3年度)・・・2回/年 目標値(令和7年度)・・・3回/年 課題探究型学習に関する教職員研修 直近の現状値(令和3年度)・・・1回/年 目標値(令和7年度)・・・2回/年 2 魅力ある高校教育の推進 時代や市民ニーズに対応した魅力ある高校教育を推進していくために、生徒一人ひとりの能力を最大限に伸ばす教育の充実や専門コース等による各校の特色を生かした取組を行います。 【各校が育成を目指す資質・能力や人材と具体的な取組等】 東高校: 持続可能な社会の実現に貢献できる人材の育成(ユネスコスクール、ESD推進校(※55)) 横浜サイエンスフロンティア高校:世界に貢献できるサイエンスリーダーの育成(中高一貫教育の充実・発展、SSH(※52)、YSGH(※53)、進学指導重点校) みなと総合高校: 社会の課題に対応できるグローバルな視点をもった人材の育成(総合学科、国際交流) 横浜商業高校: 専門分野に寄与する人材の育成(商業科・スポーツマネジメント科・国際学科による学科横断的探究活動の推進) 横浜商業高校別科: 理美容界をリードする職業人の育成(理容科・美容科・ダブルライセンスクラス) 横浜総合高校: 社会で自立する力の育成(総合学科、三部制による生徒個々のニーズに合わせた教育活動) 南高校: 国際社会で活躍できるグローバル人材の育成(中高一貫教育の検証・充実、YSGH(※53)、進学指導重点校) 桜丘高校: 多様化する社会で活躍できる人材の育成(教員養成講座(令和5年度開講)、進学指導重点校) 金沢高校: 学際的な学問分野に関わる資質・能力の育成(横浜市立大学との連携事業、進学指導重点校) 戸塚高校(全日制): 豊かな社会生活に貢献する人材の育成(地域・外部機関との連携推進、普通科一般・音楽コース) 戸塚高校(定時制): 社会で自立する力の育成(4年間での「確かな学力」「社会人としての基礎力」の育成) ※55 ESD推進校:文部科学省のユネスコ活動費補助金(SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業)を活用して、横浜市が「SDGs達成の担い手育成」を積極的に推進している学校として指定 想定事業量 教員養成講座(桜丘高校)の開講 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和5年度)・・・開講 - 41ページ - 3 グローバル教育・サイエンス教育の推進 社会の国際化が進む中、多様な文化、価値観を理解し、協働・共生できる人材や専門的な知識や技能をもち、世界で活躍できる人材を育成するための取組を推進します。  推進にあたっては英語教育やICTを活用しながら、現地での交流に加えてオンラインによる交流も積極的に行います。  また、市立高校全体のサイエンス教育の推進を目指し、全校を対象に、横浜サイエンスフロンティア高校を拠点として科学者の講演や企業と連携したプログラム等、  サイエンス教育プログラム(サイエンス教育推進事業)を実施します。 【具体的な取組】 海外大学進学支援プログラム(ATOP)(※54):全校 英検等の外部指標の活用:全校 国際交流プログラム:東高校、横浜サイエンスフロンティア高校、みなと総合高校、横浜商業高校、南高校、桜丘高校、金沢高校 英語指導助手(AET(※56))の配置:全校 サイエンス教育推進事業:全校(拠点校:横浜サイエンスフロンティア高校) ※56 AET:Assistant English Teacherの略。英語を母語とし、担任等を補助する講師 想定事業量 海外姉妹校等との交流回数 直近の現状値(令和3年度)・・・10回/年 目標値(令和7年度)・・・24回/年 サイエンス教育推進事業 実施回数 直近の現状値(令和3年度)・・・1回/年 目標値(令和7年度)・・・3回/年 4 多様化する生徒への支援 特別な支援が必要な生徒に対しては、SC(※38)の全校配置、通級による指導等により、相談・支援体制を拡充します。  また、キャリア教育の推進や大学・企業等との連携事業等により、生徒の進路選択に係る支援の充実を図ります。  これらの取組により、日々多様化する生徒のニーズに対応し、生徒一人ひとりが将来的なビジョンをもつことができる高校教育を推進します。 【具体的な取組】 定時制高校における学び直し:横浜総合高校、戸塚高校(定時制) 日本語指導が必要な生徒等への学習支援:東高校、みなと総合高校、横浜商業高校、横浜総合高校 産業カウンセラーの配置:みなと総合高校、横浜商業高校、横浜総合高校、戸塚高校(定時制) 市立高校における「通級による指導」: 横浜総合高校(自校通級、巡回指導拠点校)、盲特別支援学校・ろう特別支援学校(他校通級)、全校(巡回指導) 想定事業量 市立高校における「通級による指導」(自校通級、他校通級及び巡回指導)の実施 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・横浜総合高校(自校通級)、盲特別支援学校・ろう特別支援学校(他校通級)、全校(巡回指導) 外国人生徒のための学習支援員の派遣校数 直近の現状値(令和3年度)・・・1校 目標値(令和7年度)・・・2校 - 42ページ - 施策6 小中一貫教育及び幼保小連携の推進 〇施策の目標・方向性 市内131の小中一貫教育推進ブロック(※57)(令和4年度現在)、7の併設型小・中学校ブロック(※58)、3校の義務教育学校において、  9年間の一貫したカリキュラム・マネジメントを通して、資質・能力の育成を目指します。 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(※59)」等を踏まえたカリキュラムの編制・実施を通じて、  生涯にわたる学びや生活の基盤を作る重要な時期(「架け橋期」)を過ごす、  5歳児から小学校1年生までの子どもの成長を切れ目なく支えていきます。 ※57 小中一貫教育推進ブロック:義務教育9年間の連続性のあるカリキュラムを編成し、学力向上と児童生徒指導上の課題解決等の小中一貫教育を推進する基本単位のこと。 ※58 併設型小・中学校ブロック:併設型小・中学校で構成される小中一貫教育推進ブロック ※59 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿:幼稚園、保育所、認定こども園修了時の幼児の具体的な姿であり、保育士や教員等が指導を行う際に考慮するもの。 〇現状と課題 【小中一貫教育の充実】 横浜市では、平成21年度から小中一貫教育推進ブロック(※57)を全市立小中学校で設置してきました。  平成27年度の改正学校教育法の成立を受けて、平成28年度に「横浜市立義務教育学校霧が丘学園」、  平成29年度に「横浜市立義務教育学校西金沢学園」が開校し、令和4年4月には「横浜市立義務教育学校緑園学園」が開校しました。  また、併設型小・中学校(※60)は、平成29年度に4ブロック、平成30年度に1ブロック、令和2年に2ブロックの合計7ブロックを設置しました。 小中一貫教育推進ブロック(※57)及び併設型小・中学校(※60)では、  学校行事や部活動等を通した児童生徒交流や地域と連携した合同防災訓練、小中合同授業研究会の実施などを行い、  9年間を見通した教育課程の編成や児童生徒指導をはじめとした教育課題解決に向けて成果が見られます。 令和2年度に併設型小・中学校(※60)の旭中ブロックでは、学習指導要領の枠を柔軟に捉えた教育課程の編成といった新しい科目の設定(独自教科の導入)等、先進的な取組を行いました。  今後は、全ての義務教育学校や併設型小・中学校(※60)に先進的な取組を拡充していくことが必要です。 【「架け橋期」の育ちや学びをつなぐ幼保小連携・接続の充実】 横浜市では「横浜版接続期カリキュラム(※61)」に基づき、幼保小連携の取組を推進してきました。  市立小学校でのスタートカリキュラム(※62)実施率は100%となっており、幼児期の育ちや学びを小学校生活に円滑に接続することの必要性が、市内の小学校に浸透しています。  また、「よこはま☆保育・教育宣言~乳幼児の心もちを大切に~(※63)」等を通じ、学びや遊びの環境を作る手立てやスタートカリキュラム(※62)の具体的な取組事例等の情報共有が進みました。 更なる円滑な接続のために、今後は、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(※59)」を手掛かりとして園と小学校がお互いのカリキュラムや活動の内容を理解し合ったり、  協働してカリキュラムを作成したりすることで、子どもの育ちや学びをつなぐことが求められています。 ※60 併設型小・中学校:義務教育学校に準じて、教育課程の特例を活用した先進的な小中一貫教育を行う小中学校 ※61 横浜版接続期カリキュラム:幼保小の「架け橋期」の教育の充実を図り、一人一人の多様性に配慮した上で全ての子どもに学びや生活の基盤をはぐくむためのプログラム ※62 スタートカリキュラム:幼児教育から小学校教育への円滑な接続を大切にした第1学年入学当初のカリキュラム ※63 よこはま☆保育・教育宣言~乳幼児の心もちを大切に~:保育の質の向上に向け、横浜の保育・教育施設の全ての職員が、乳幼児期の子どもに対して何を大切にして子どもたちと関わるかの基本となるものとして策定 - 43ページ - 〇主な取組 1 小中一貫教育の充実 全ての小中一貫教育推進ブロック(※57)、併設型小・中学校ブロック(※58)、義務教育学校において、  9年間で育てる子ども像を明確にし、連続性・系統性のあるカリキュラム・マネジメントを推進することにより、児童生徒の資質・能力をはぐくみます。 併設型小・中学校(※60)や義務教育学校において、指導内容の入替えや移行、新しい科目の設定(独自教科の導入)を行い、先進的な教育実践・研究を推進します。  また、義務教育学校の成果や課題、今後の方向性について検討を進めていきます。 想定事業量 独自教科を導入している併設型小・中学校ブロック(※58)、義務教育学校数 直近の現状値(令和3年度)・・・併設型1ブロック、義務教育学校0校 目標値(令和7年度)・・・併設型7ブロック、義務教育学校3校 2 「架け橋期」の育ちや学びをつなぐ幼保小連携・接続の充実 こども青少年局と連携して、連携推進地区や接続期カリキュラム(※61)研究推進地区の設置及び幼保小接続期に関する研修会や調査を実施し、  幼保小連携・接続の充実を図っていきます。 教科等専門研修等にて、スタートカリキュラム(※62)における、園と小学校間のカリキュラムを接続していく考え方やその具体的な方法について周知していきます。  また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(※59)」などを共通の視点にして、園内研修や校内研修として互いの保育や教育の様子を参観するなど、相互理解を図ります。 想定事業量 近隣の園や連携先の園と、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(※59)」を理解・共有する機会を設定した学校数 直近の現状値(令和3年度)・・・13校 目標値(令和7年度)・・・小学校全校 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(※59)」を理解・共有するための研修会等を小学校と合同で行った園の割合(こども青少年局) 直近の現状値(令和2年度)・・・6% 目標値(令和7年度)・・・50% コラム 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を大切にした幼保小連携 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(※59)」を通して子どもを見つめると… 日々の生活や遊び、何気ない会話。子どもを「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(※59)」を通して見つめると、その子の学びや成長が見えてきます。 保育士や教員は、このような視点で子どもを見つめ、今と未来を生きる子どもをはぐくむとともに、園と小学校の円滑な接続を図っています。 ここに図があります。 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 図の説明は終わり。 - 44ページ - 柱2 ともに未来をつくる力の育成 施策1 英語教育の充実及び国際理解教育の推進 〇施策の目標・方向性 グローバル社会で活躍し、地球規模の課題の解決に向けて、あらゆる人々の多様性を尊重し、協働・共生できる人材をはぐくみます。 そのために、横浜市の英語教育を一層推進することにより、コミュニケーション能力の育成を図るとともに、国際理解教育を推進し、世界で活躍するための能力や態度の育成を図ります。 〇現状と課題 【英語教育】 平成20年度に、小中学校9年間を通じた英語教育を実施するため「横浜市小中学校英語教育推進プログラム」を策定し、  平成21年度には、英語を母語とする外国人講師であるAET(※56)を小学校全校に派遣、中学校・高等学校全校に配置して、コミュニケーション能力の育成に取り組んできました。  さらに、平成22年度に、全国に先駆けて小学校1~4年生で年間20時間、5・6年生は年間35時間の外国語活動を開始しました。 平成26年度には、中学校全校にAET(※56)の常駐配置が完了し、令和2年度には、小学校における外国語の教科化に伴い、  英語の免許を持っていない小学校の担任が英語を教える上で不安を抱かないように、小学校のAET(※56)の派遣を122名から193名に拡充しました。 知識・技能の習得にとどまらず、児童生徒が習得したことを基に自分で思考・判断しながら英語を活用することができるよう、  小学校英語村(※64)やスーパーイングリッシュプログラム(※65)を通じて、スピーチやディスカッションなどのコミュニケーションを主体とした活動を行っています。 ・平成28年度からは、生徒自身が到達度を確認し次の学びにつなげるとともに、外国語科教員が得られた結果を基に日々の授業を改善するために、  全中学校3年生で英検を実施し、外部指標として活用しています。平成30年度には、「横浜市小中高等学校英語教育推進プログラム」を策定し、  「英語を活用しながら、あらゆる人々の多様性を尊重し、協働、共生できる人」の育成を目指し、12年間で一貫した英語教育を推進しています。 全国の中学校3年生を対象に実施された、「平成31年度全国学力・学習状況調査」(次回調査は令和5年度)において、全国平均正答率と比較すると、  中学校の英語の調査結果が、全体及び領域別共に、全国平均を上回っています。 さらに、生活習慣・学習習慣に関する調査では、「将来、積極的に英語を使うような生活をしたり職業に就いたりしたいか」という設問に対し、  50%の生徒が「当てはまる」、「やや当てはまる」と回答しており、全国平均を9ポイント上回っています。 ※64 英語村:児童約20人に対し、1名のAETが、各学校を会場に半日単位や、一日単位で実施する英語の活動。原則としてひとつの学校に4名のAETが派遣される。 ※65 スーパーイングリッシュプログラム:中学校に複数のAET(生徒6人に対し一人のAET)を配置し、英語でコミュニケーションを図る機会を設定する取組 ここに図があります。 英語の各領域における平均正答率 出典は全国学力・学習状況調査(H31中学校) 図の説明は終わり。 - 45ページ - 【国際理解教育】 昭和62年度から小学校国際理解教室を開始し、外国出身の講師であるIUI(※66)を学校に派遣し、英語でのやり取りを通して出身国・地域の文化や生活を紹介する取組を行ってきました。  現在は、小学校では1年生から6年生までと、希望する特別支援学校全校で実施しています。 昭和61年度から「よこはま子ども国際平和フェスティバル」を開始し、現在は「よこはま子ども国際平和プログラム」として、  よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト(※67)やよこはま子どもピースメッセンジャー(※68)の国際連合本部派遣などの取組を行っています。  さらに、横浜において大規模な国際イベントが開催される機会を捉え、国際交流の取組を進めてきました。 あらゆる人々の多様性を認める柔軟さを持ちつつ、主体的にコミュニケーションを取り、協働・共生する力をはぐくんできました。  引き続き、児童生徒の英語を使う意欲を高め、国際性をはぐくみ、異文化に触れるとともに自国の文化に目を向ける態度を養い、多様性を尊重し、  協働、共生できる人を育成していく必要があります。 ※66 IUI:International Understanding Instructorの略。外国の生活や文化を英語で紹介する外国出身の講師 ※67 よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト:    国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)に基づき、「国際平和のために、自分がやりたいこと」をテーマに、市内の小中学生が自分の意見をスピーチするコンテスト ※68 よこはま子どもピースメッセンジャー:    「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」の本選で、市長賞を受賞した小学生2名と中学生2名。横浜市の代表としてニューヨークの国際連合本部へ派遣され、ピースメッセージを届ける等の活動を行う。 コラム よこはま子どもピースメッセンジャー 横浜市では「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト(※67)」を開催し、毎年約48,000人の児童生徒が参加しています。 児童生徒は、「国際平和のために、自分がやりたいこと」というテーマで、「持続可能な開発目標」(SDGs)にも関連づけてスピーチを行います。 市長賞を受賞した小学生2名、中学生2名は「よこはま子どもピースメッセンジャー(※68)」として市長から3年間の任期で委嘱を受け、 ニューヨークの国際連合本部やユニセフ本部等に派遣されます。 国際機関の訪問では、国連事務総長あてに市長メッセージを手渡すほか、平和に対する児童生徒の願いをまとめた「よこはま子どもピースメッセージ」を伝えるとともに、 市内の小中学校で行った「よこはま子ども国際平和募金」の目録を手渡すなどを行っています。 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響もありましたが、2022(令和4)年度は3年ぶりにニューヨークへの派遣を再開し、 国際機関の方々との面会や国連国際学校(UNIS)への体験入学を行いました。 ピースメッセンジャーからは「会談をする中で、自分が見ていた世界の問題はほんの一部だったということに気づいた。」 「若い世代が声を出すことが大切だということが分かった。思いや経験を多くの人に伝えていきたい。」等の感想もあり、 児童生徒にとって、国際平和への貢献を体験的に学び、国際平和の重要性に対する意識を高める大変貴重な機会となっています。 ピースメッセンジャーの4名には、この派遣で体験したことを今後様々な場面で発信していくことが期待されています。 ここに写真があります。 国連本部にて、国連事務総長あて市長メッセージを手渡す様子 ユニセフ本部にて、平和募金の目録を手渡す様子 写真の説明は終わり。 - 46ページ - 〇指標 英語で進んでコミュニケーションを図りたいと思う児童生徒の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・小6 73.9%、中3 66.5% 目標値(令和7年度)・・・小6 80%、中3 70% 中学校卒業段階で英検3級相当以上の取得割合 直近の現状値(令和3年度)・・・54.9% 目標値(令和7年度)・・・60% 〇主な取組 1 英語によるコミュニケーション能力の育成 「英語を活用しながら、あらゆる人々の多様性を尊重し、協働、共生できる人」の育成を目指し、小・中・高等学校12年間で一貫した英語教育を推進します。  引き続き、AET(※56)を小学校全校に派遣、中学校・高等学校全校に配置し、生きた英語に触れる機会を積極的に設けます。 小学校においては、英語専科教員の拡充に向け、国への要望も含め、段階的に配置できるように取り組んでいきます。  また、小学校高学年における教科分担制を推進し、英語を担当する教員数を拡充していきます。 中学校では、4技能を繰り返し学びながら「豊かなインプットと個に応じたアウトプット」を行う、横浜ラウンド制(※69)の指導法を横浜市に発信し、  「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよくはぐくみます。  また、小中学校では、横浜市英語教材デジタルプラットフォーム(※70)を整備し、教材・研修動画等の提供を行います。  さらに、英語を実社会で活用できるようにするため、国際会議場、ホテル、観光地等におけるガイドボランティアやスポーツイベント等におけるボランティア活動の場を作り、  児童生徒が生きた英語に触れる機会を増やしていきます。 高等学校においても、海外姉妹校とのオンライン交流など、生徒自らの思考・判断を伴う表現活動を行い活用していく授業を目指します。 児童生徒が生きた英語に触れる機会を確保し、結果を授業改善等につなげられるように、中学校、高等学校のみならず小学校にも外部指標の活用を進めます。 ※69 横浜ラウンド制:    年間に教科書等を複数回反復使用し、「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく学ぶことで、一人ひとりに合った外国語の表現ができることを目指す指導法 ※70 横浜市英語教材デジタルプラットホーム:    教育課程推進室のウェブページに、小学校、中学校向けの指導案やピクチャーカード、授業の参考となる動画、文科省等へのリンク等を整備したもの。 想定事業量 小学校英語専科教員の配置校数 直近の現状値(令和3年度)・・・24校/年 目標値(令和7年度)・・・ 60校/年 中学校のスーパーイングリッシュプログラム(※65)の実施校数 直近の現状値(令和3年度)・・・53校/年 目標値(令和7年度)・・・ 中学校全校 横浜市英語教材デジタルプラットフォーム(※70)の利用校数 直近の現状値(令和3年度)・・・ ― 目標値(令和7年度)・・・小中学校全校 英語活用としてガイドボランティアなどに参加した校数 直近の現状値(令和3年度)・・・ ― 目標値(令和7年度)・・・20校(累計) 海外姉妹校等との交流回数(市立高校)【再掲 柱1施策5】 直近の現状値(令和3年度)・・・10回/年 目標値(令和7年度)・・・24回/年 小学校高学年における教科分担制を伴うチーム学年経営の推進校数【再掲 柱1施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・129校 目標値(令和7年度)・・・全校 - 47ページ - 2 国際理解教育の推進 小学校、特別支援学校の国際理解教室や学校間の国際交流の実施を通して、児童の英語を使う意欲を高めるとともに、  国際性を養い、多様性を尊重し、協働、共生できる人の育成を図ります。 よこはま子ども国際平和プログラムにおける「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト(※67)」や  「よこはま子どもピースメッセンジャー(※68)」のニューヨークの国際連合本部派遣を通じて、国際平和への意識を高め、  “国際社会で自分たちのできることを実践しよう”とする態度をはぐくみます。 想定事業量 国際理解教室の実施校数 直近の現状値(令和3年度) 小・・・全校 特支・・・希望校全校 目標値(令和7年度) 小・・・全校 特支・・・希望校全校 よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト(※67)参加児童生徒数 直近の現状値(令和3年度)・・・39,696人/年 目標値(令和7年度)・・・48,000人/年 コラム アフリカとの交流 横浜は、過去3回(2008年、2013年、2019年)アフリカ開発会議(TICAD)の開催地となり、小中学校において、児童生徒が実際にアフリカ諸国の方々と交流を行い、 体験的にアフリカについて理解を深める「アフリカとの一校一国」の取組を行ってきました。 2019(令和元)年に開催された第7回アフリカ開発会議の前後(2017(平成29)年6月から2020(令和2)年度)には、 66校(小学校57校、中学校8校、義務教育学校1校)において取組が実施され、アフリカ諸国33か国との交流が実現しました。 例えば茅ケ崎小学校では、2014(平成26年)年からボツワナ共和国の小学校と、お互いの国の生活などを描いた絵画を送り合い、 鑑賞する「交流児童画展」を継続して開催しています。 また本宿中学校では、ガーナ共和国の中学校とオンラインで交流しながら、一枚の大きな絵画を共同で作成する「アートマイルプロジェクト」という活動を行いました。 さらに2012(平成24)年から、チュニジア共和国と交流を深める白幡小学校では、 東京五輪に出場するため市内で事前キャンプ中であったチュニジア女子柔道選手団とのオンライン交流を実施し、選手団を激励しました。 2022(令和4)年8月にチュニジアで開催された第8回アフリカ開発会議(TICAD8)において、2025(令和7)年の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の日本開催が決定し、 横浜市はTICAD9の開催都市として立候補し、誘致に取り組んでいくことを表明しました。 TICAD9に向けて、これまでのアフリカとの友好関係を深める取組を継承し、アフリカの国々や各国大使館等と協力して、小中学校等においてアフリカとの交流を進めていきます。 ここに写真があります。 チュニジア女子柔道選手団とのオンライン交流(白幡小学校) ガーナの生徒と「アートマイルプロジェクト」で作成した絵画(本宿中学校) 写真の説明は終わり。 - 48ページ - 施策2 持続可能な社会の創り手育成の推進 〇施策の目標・方向性 持続可能な社会の創り手を育成するために、地域・企業・NPOなどと連携・協働して、教育を通してより良い社会や新たな価値を創造することを目指します。 その方向性として実社会における課題の解決に向けて行動する人をはぐくむため、SDGs達成の担い手育成(ESD)と「自分づくり(キャリア)教育(※71)」を一体的に推進します。 ※71 自分づくり(キャリア)教育:    横浜市では、学校と社会が一丸となって未来を生きていく力をつけるために行っているキャリア教育のことを「自分づくり(キャリア)教育」と呼び、    社会や集団の中での自分の役割を意識し、児童生徒が自分らしい生き方を考えることを大切にしている。 〇現状と課題 【SDGs達成の担い手育成(ESD)推進】 ・SDGsは、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標で、17の目標で構成されています。  「地球規模の課題を自分事として捉え、その解決に向けて自ら行動を起こす力を身に付けるための教育」であるESDは、  全てのSDGsの達成に大きく関係するものであり、これからの学校教育の根幹になります。 横浜市では、平成28年度から文部科学省の指定を受けESDを推進しており、令和元年度からはESDの目的をSDGs達成の担い手育成と明確化して、  ESD推進校(※55)(ユネスコ・スクールを含む)を中心に取り組んでいます。 ESD推進校(※55)の取組について実践報告書を作成し、全校への配付や交流報告会を実施してきたことで、  ESDについての取組を一部の学年や学級、教科等で行っている学校数は年々増加していますが、  全ての学年の教育活動に位置付ける等、学校全体で社会とのつながりを意識しての取組にすることが重要です。 令和2年度にESD推進校(※55)に実施した東京大学の調査 (対象:児童生徒2,631名、教員683名)から、  「ホールスクール(学校全体)としての取組の方が児童生徒の知識・態度・行動に影響を与えている」という分析結果が出ており、  学校全体でESDについての取組をしていくことが「持続可能な社会の実現に向けて行動する力」を育成していく上で重要になります。 ここに図があります。 ESDの取組状況 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 - 49ページ - 【「自分づくり(キャリア)教育(※71)」の推進】 横浜市では、「自分づくり(キャリア)教育(※71)」を、全ての教育活動を通して子どもたち一人ひとりが自信を持ち、社会や集団の中での自分の役割を意識し、  今も将来もふるさと横浜に貢献していくことで、夢や希望、目標を持てる子どもを育成する教育と位置付けています。 「自分づくり(キャリア)教育(※71)」では、「自己肯定感」「コミュニケーション」「地域貢献・社会参画」を視点として、  企業等と連携・協働し、社会課題を解決していく学校の取組を進めています。  この取組を支援するために、「はまっ子未来カンパニープロジェクト(※72)」を推進し、参加校数及び取組数も年々増加傾向にあります。 ※72 はまっ子未来カンパニープロジェクト:    地域、企業、関係機関等と連携・協働し、起業体験に関する学習を行う中で、子どもの社会参画や地域貢献に対する意識を高める取組 ここに図があります。 はまっ子未来カンパニープロジェクト(※72)の参加校及び取組数 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 「自分づくり(キャリア)教育(※71)実践推進校」を指定し、学校全体で「自分づくり(キャリア)教育(※71)」を推進する学校を支援し、  その取組を市内の学校等に発信をしています。 小学校では、学級単位の総合的な学習の時間で、地域や社会の課題解決に向けての学習活動が行われていることが多く、  中学校では、自分の進路を見つめるための学習活動に重きが置かれる傾向があるため、教育活動全体を通して「自分づくり(キャリア)教育(※71)」を更に推進することが必要です。 【「SDGs達成の担い手育成(ESD)」と「自分づくり(キャリア)教育(※71)」の一体的な推進】 ・令和3年度の「全国学力・学習状況調査」において、  「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることがある」と答える小学校6年生が60.3%、中学校3年生が42.9%で年々増加傾向にあります。  SDGs達成の担い手育成(ESD)の推進や、  はまっ子未来カンパニープロジェクト(※72)参加校の増加に見られる「自分づくり(キャリア)教育(※71)」の広がりや充実が寄与していると考えられます。  今後は、持続可能な社会の創り手育成という観点から、「よくするために何をすべきかを考える」だけでなく、  「その課題を解決する」という主体性が発揮されている状況を把握する必要があります。 予測困難な社会の変化に主体的に関わるためには、より良い社会づくりの視点である「SDGs達成の担い手育成(ESD)」と、  幸福な人生の創り手の視点である「自分づくり(キャリア)教育(※71)」を一体的に推進することが必要です。  そのためにも、学校全体でのESDの取組の中に「自分づくり(キャリア)教育(※71)」の視点を取り入れたり、  はまっ子未来カンパニープロジェクト(※72)の取組をSDGsと関連付けたりするなど連携を進める必要があります。 ここに図があります。 地域や社会をよくするために何をすべきか考えることがある割合 出典は全国学力・学習状況調査 図の説明は終わり。 - 50ページ - 〇指標 学習を通して見いだした地域や社会の課題を自分たちで解決できると思う児童生徒の割合 直近の現状値(令和4年度)・・・小学校4年~6年 平均69.3%、中学校1年~3年 平均62.1% 目標値(令和7年度)・・・小学校4年~6年 平均72%、中学校1年~3年 平均65% 〇主な取組 1 SDGs達成の担い手育成(ESD)推進 「横浜市ESD推進コンソーシアム(※73)」を中心にステークホルダー(※74)と、SDGs達成に向けて連携を図ります。 ESD推進校(※55)の実践を中心として持続可能な社会の創り手育成を行い、SDGsの17の全ての目標の達成に関わっていけるよう、  SDGs達成の担い手育成(ESD)の充実を目指します。 学校全体でSDGs達成の担い手育成(ESD)を目指した教育活動ができるよう、ESD推進校(※55)の実践事例の紹介を全校に向けて行います。 ※73 ESD推進コンソーシアム:全ての横浜市立学校で、ESDの理念に基づく教育が広がるように、多様な組織が参加・連携した共同体 ※74 ステークホルダー:SDGs達成の担い手育成に主体的かつ継続的に取組に関わる、教育委員会や学校と連携・協働する組織等(推進協力者) 想定事業量 学校全体でSDGs達成の担い手育成(ESD)を目指した教育活動をしている学校の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・小:31.7%、中:51.2% 目標値(令和7年度)・・・100% ここに図があります。 横浜市ESD推進コンソーシアム(※73) 出典は横浜市教育委員会事務局作成 図の説明は終わり。 - 51ページ - 2 自分づくり(キャリア)教育(※71)の更なる充実 「自分づくり(キャリア)教育(※71)」実践推進校を拡充し「はまっ子未来カンパニープロジェクト(※72)」の取組を広げていくことなどを通して、  「自分づくり(キャリア)教育(※71)」のねらいを教職員で共有したり、各教科等の学習に結び付けたりする等、  学校全体で「自分づくり(キャリア)教育(※71)」を推進する学校を増やし、夢や希望、目標をもてる子どもの育成を目指します。 より良い学校教育を通じてより良い社会を創るという理念を学校と社会が共有し、  どの学校でも社会と連携・協働する教育活動が実施できるように連携可能な企業等の一覧をウェブ上に掲載して、学校と社会がつながる仕組み作りを進めていきます。 想定事業量 「はまっ子未来カンパニープロジェクト(※72)」に取り組んだ学校数 直近の現状値(令和3年度)・・・94校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・166校(累計) 「自分づくり(キャリア)教育(※71)」実践推進校 直近の現状値(令和3年度)・・・9校 目標値(令和7年度)・・・44校(延べ) ※「はまっ子未来カンパニープロジェクト(※72)」平成28年事業開始 コラム ESD×自分づくり(キャリア)教育=持続可能な社会の創り手 【日枝小学校 6年生】 「Hie World Smileプロジェクト ~フェアトレードで世界を笑顔に~」 ESD フェアトレードを学ぶことで、自分たちの暮らしだけでなく、世界の人々の暮らしを豊かにすることにもつながることに気付いた。 生活を見直し、将来の生き方を考えようとしました 自分づくり(キャリア)教育(※71) ベネズエラのカカオ豆を使って企業の方と一緒にチョコレートをつくりました。作る人も売る人も買う人もみなが笑顔になれることを考えて活動をしました。 【小田中学校 個別支援学級(※13)】 「小田ファンディングAct locally , think globally」 ESD×自分づくり(キャリア)教育(※71) ペットボトルキャップ等をアップサイクル(価値を高める再利用)してキーホルダー等を作成し、それをリターン品として渡す募金活動を生徒会で実施した。 募金した人がごみの問題について意識してもらえるようにしました。募金のお金は、AAR Japanという国際NGOに寄付し、AAR Japanでのボランティア体験も行いました。 【東高校 サステイナブル研究部】 「「地球にちょっといいことを」~化粧品ボトルデザイン開発~」 ESD×自分づくり(キャリア)教育(※71)  SDGsは「むずかしいことではない」「環境に向けた取組だけではない」ということを世の中の人に伝えるにはどの様な工夫が必要か、深く考えて活動しました。 企業の方々と共創することを通して、SDGsなど共通の目標の達成を目指していく経験が積めただけでなく、企業の方々のSDGsへの取組を深く知る機会にもなりました。 - 52ページ - 柱3 豊かな心の育成 施策1 人権尊重の精神を基盤とする教育活動の推進 〇施策の目標・方向性 ・人権尊重の精神を基盤とし、「子どもの社会的スキル横浜プログラム」(※75)の活用により、温かな学校風土を醸成するとともに、  多様性を認め合い豊かな心をはぐくむ道徳教育の推進を通じて、「だれもが」「安心して」「豊かに」生活できる学校づくりに取り組みます。  また、「本物」に触れる体験を通して、豊かな感性や情操をはぐくみます。 ※75 子どもの社会的スキル横浜プログラム:    暴力行為やいじめ等の問題行動の未然防止、早期発見・対応のため、横浜市教育委員会が平成19年に開発した教員用の指導ツール。    子どもたちがコミュニケーション能力や人間関係を築く力を身に付けるための「指導プログラム」と、    教員が子どもの個々や集団の状況を把握するための「Y-Pアセスメント」で構成されている。 〇現状と課題 【人権教育の推進】 横浜市では、平成13年度に「『だれもが』『安心して』『豊かに』生活できる学校をめざして」、  平成15年度に「人権尊重の精神を基盤とする教育(人権教育)について」を、教育長通知として発出し人権教育を推進してきました。  平成29年度には、上記の通知を踏まえ、全市立学校が取り組む具体的な方針を示した「人権教育の充実に向けて『想(おもい)』」を発出し、「『だれもが』『安心して』『豊かに』生活できる学校をめざして」、  「人とのつながりから学び、自分も他の人も大切にできる子どもの育成」の2つの理念で人権教育を推進しています。 社会の状況が大きく変化し、人間関係の希薄化、子どもの背景の複雑化、多様化など、これまで見えていなかった人権課題の顕在化に加え、コロナ禍における不安やストレスなどが指摘されています。  そのような中、自分も他の人も大切にし、尊重する心を育てることや、多様性を認め、様々な人権課題を自分のこととして捉え、  共に解決に向かう子どもを育てること、それらを支える風土づくりが求められています。 【「子どもの社会的スキル横浜プログラム」(※75)の効果的な活用推進】 Y-Pアセスメント(※17)は、複数の教員でその結果を分析し、具体的な支援策を講じることで、学級の中で子どもの自己肯定感がはぐくまれ、  仲間との関わりが豊かになることを目指しており、同一年度内に複数回実施することで子どもの心情の変化を把握することができます。  令和3年度に2回以上実施している横浜市立学校は、小学校は76.2%に上りますが、中学校は28.6%にとどまっています。  全学級での取組になっていないことや、アセスメントの結果を子どもへの支援や学級経営の改善に生かしきれていないという現状があり、  市全体の状況を分析し、その結果を学校現場に還元することで、管理職の意識向上や教員の人材育成につなげることが求められます。 小中学校全体に取組を広げ、市全体の自己肯定感の育成状況等の傾向や、学級経営との関連の分析等に生かし、学校現場にフィードバックしていくことが求められます。 ・より良い効果測定に向けて継続的にY-Pアセスメント(※17)のバージョンアップを図るとともに、  集計作業等の負担を軽減するため、端末上で調査を実施すること(CBT)を検討する必要があります。 - 53ページ - 【学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の充実】 児童生徒の実態に応じた授業を行うために、授業改善に重点を置いた教員向け研修を実施しました。  研修を踏まえ、各校ではより実生活との関連を重視し、  児童生徒が日常生活で直面する様々な課題を自分事として捉えて「考え、議論する道徳」の実現に向けた授業改善が図られています。 「実生活との関連を重視した取組」を行い、学校の教育活動全体を通じた道徳性の育成を目指すためには、「道徳教育全体計画」に基づき、  全教員が参画する体制づくりを一層推進することが必要です。 道徳授業力向上推進校(各区小学校1校・中学校1校の合計36校)の活動が定着し、各校の授業力の向上に向けた活動及び「豊かな心の育成推進プラン」等の作成・改訂を行いました。  「道徳授業力向上推進校」については、令和4年度より道徳科を要として実生活との関連を重視した取組の研究を行う「豊かな心の育成推進校(※76)」へと発展させ、  学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の更なる充実に取り組んでいます。 【「本物」に触れる機会の創出】 豊かな心を育成するため、オーケストラやバレエの鑑賞など音楽・舞台芸術体験を通して感性を磨き、心豊かに生きていこうとする資質や能力をはぐくむとともに、  市内文化施設や芸術団体等がコーディネーターとして、様々な分野で活躍するアーティスト(芸術家)と学校をつなぎ、子どもが「本物」に触れる機会を創出しています。 文化芸術創造都市である横浜市では、文化施設、芸術団体、アーティスト(芸術家)と学校が連携・協働し、文化的体験を数多く生み出すことで、  子どもたちの豊かな感性や情操をはぐくむことが期待されています。 ※76 豊かな心の育成推進校:    自校の「豊かな心の育成推進プラン」や「道徳教育全体計画・別葉」を活用し、道徳科を要として、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の実践研究を行う学校。    各区から、小学校、中学校を各1校ずつ選出。令和4年度より「道徳授業力向上推進校」から名称変更 コラム 舞台芸術等体験 横浜市では、将来を担う子どもたちが優れた文化芸術を体験・鑑賞し、芸術文化のもつ力によって豊かな創造性や感受性をはぐくむ舞台体験活動を行っています。 市立小学校の4年生がクラッシック・バレエを鑑賞する「心の教育バレエの世界」、主に5年生(※4~6年生のうち1学年)がオーケストラを鑑賞する「心の教育ふれあいコンサート」、 6年生が劇団四季のミュージカルを鑑賞する「こころの劇場」等、文化芸術における「本物体験」を充実させています。 子どもたちからは、「すごく楽しかった。音楽に合わせて、みなさんの息がしっかり合っていてすごい。」「一生に一度のチャンスかもしれないものを、みんなで見ることができて良かった。」 「この感動をみんなに伝えて、世界の人の心が豊かになったら良い。」という声が聞かれました。 ここに写真があります。 心の教育ふれあいコンサート(神奈川フィルハーモニー管弦楽団) 心の教育バレエの世界「ドン・キホーテの夢」(東京バレエ団) こころの劇場(令和元年)「カモメに飛ぶことを教えた猫」劇団四季 写真の説明は終わり。 - 54ページ - 〇指標 自尊感情や共感・配慮等の合計値の学級平均が上昇した割合※ 直近の現状値(令和3年度)・・・小学校3年~6年 48.1% 目標値(令和7年度)・・・小学校3年~6年 60% ※横浜市が開発した、集団や個の社会的スキル育成状況を把握するための分析ツール「Y-Pアセスメント(※17)」を年2回以上実施することにより、  自尊感情や仲間への共感・配慮等の変容を分析 〇主な取組 1 人権教育の推進 人権教育推進協議会を中心とした授業研究や子どもの自尊感情を育てる取組の発信及び、人権教育実践推進校(※77)における実践内容の発信等の充実を図ります。 ※77 人権教育実践推進校:    「だれもが」「安心して」「豊かに」生活できる学校を目指す「人権尊重の精神を基盤とする教育(人権教育)」の研究と実践をし、    横浜市、区の人権教育の牽引役的役割を果たすため、原則2年間委嘱。中学校は各区1校、小学校は中学校と同じ小中一貫教育推進ブロックの学校、高等学校は1校、    特別支援学校は1校となっている。 想定事業量 人権教育実践推進校(※77)数 直近の現状値(令和3年度)・・・104校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・224校(累計) ※令和元年度からの積算 2 「子どもの社会的スキル横浜プログラム」(※75)の効果的な活用推進 児童生徒一人ひとりの豊かな学びや心の成長を支える活動を推進するために、「子どもの社会的スキル横浜プログラム」(※75)の横浜市立小中学校全体での活用を目指し、  実践推進校の拡充や、各校での活用を推進する役割を担う教員の養成に取り組みます。 想定事業量 Y-Pアセスメント(※17)年間2回以上活用実施校の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・小:76.2%、中:28.6% 目標値(令和7年度)・・・100% 「子どもの社会的スキル横浜プログラム」(※75)実践推進校数 直近の現状値(令和3年度)・・・14校(延べ)※ 目標値(令和7年度)・・・36校(延べ) 「子どもの社会的スキル横浜プログラム」(※75)指導者養成者数 直近の現状値(令和3年度)・・・100人(見込) 目標値(令和7年度)・・・500人(累計)(小・中・義務教育学校に各1名) ※平成30年度からの積算 - 55ページ - 3 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の充実 道徳教育推進教師(※78)をはじめとする教職員の研修を充実させるとともに、  「豊かな心の育成推進校(※76)」における研究を「道徳科を要として実生活との関連を重視した取組の研究」へと拡充するなど、  意図的、計画的に道徳教育を行うための基盤づくりを行います。 ※78 道徳教育推進教師:    校長の方針の下、教職員全員が取り組む道徳教育全体計画の作成や保護者・地域との連携体制の整備等に取り組むため、    市立学校の主幹教諭等、道徳教育を中心になって推進する教師。令和3年度より高等学校にも配置 想定事業量 道徳教育推進教師(※78)研修回数 直近の現状値(令和3年度)・・・3回/年 目標値(令和7年度)・・・3回/年 豊かな心の育成推進校(※76)数 直近の現状値(令和3年度)・・・144校(累計) 目標値(令和7年度)・・・288校(累計)※ ※平成30年度~令和3年度までの「道徳授業力向上推進校」数と、令和4年度からの「豊かな心の育成推進校(※76)」数の累計 4 「本物」に触れる機会の創出 学校に、音楽・演劇・ダンス・美術・伝統芸能などの分野で活躍しているアーティスト(芸術家)を派遣する芸術文化教育プログラムのほか、  オーケストラ鑑賞「心の教育ふれあいコンサート」や、バレエ鑑賞「心の教育バレエの世界」など、様々な取組を推進します。 オリンピアン、パラリンピアン等のトップアスリートの動きを直接観たり、夢の実現に向けたこれまでの努力やスポーツへの向き合い方等の様子を聞いたりすることを通して、  身体を動かすことへの興味・関心をはぐくみ、すること、みることにつながる機会を創出します。 各学校では、校外の豊かな自然や文化に触れる体験的な集団活動(遠足、宿泊体験学習、自然教室、修学旅行等)を通して、  学校における学習活動を充実発展させるとともに、子どもが自然や文化に関心をもったり、より良い人間関係を築こうとする態度を養ったりする学習に取り組んでおり、  教育委員会として引き続き支援していきます。 想定事業量 舞台芸術等体験参加児童人数 直近の現状値(令和3年度)・・・32,383人/年※ 目標値(令和7年度)・・・58,000人/年 オリンピアン・パラリンピアン等トップアスリート招聘事業参加児童生徒人数 直近の現状値(令和3年度)・・・760人/年 目標値(令和7年度)・・・2,240人/年 ※「こころの劇場」は、令和元年度の実績(令和2年度:中止、3年度:オンライン配信) - 56ページ - 施策2 安心して学べる学校づくり 〇施策の目標・方向性 ・目の前の子どもに寄り添い、背景を捉え、課題を解決しようとする教職員の意識を高める取組を推進するとともに、教職員とSC(※38)、SSW(※8)、  また、必要に応じて、心理、福祉・医療等の専門家や区役所等の関係機関が連携し、いじめなどの様々な課題に対して組織的に対応できる児童生徒支援体制の充実を図ります。 〇現状と課題 【安心して参加できる集団づくり】 ・横浜市のいじめの認知件数は、令和3年度で7,556件と増加傾向です。  認知件数の増加について、国は、平成27年8月に「いじめの認知件数が多い学校について、いじめを初期段階のものも含めて積極的に認知し、  その解消に向けたスタートラインに立っていると極めて肯定的に評価する」との見解(※79)を示しており、横浜市では、この見解に基づき、認知件数の向上に努めています。 令和3年度に認知件数が増加した理由としては、令和元年度や令和2年度と異なり、  長期の一斉臨時休業がなかったことや、各区において「積極的ないじめ認知に向けて」というテーマで、より実践的な校長研修を実施したこと、  各学校が校長のリーダーシップの下、いじめを早期に発見するために「学校いじめ防止対策委員会」による積極的な認知に努めた結果などが考えられます。 いじめの解消について、国は平成29年3月に基準を変更しており、横浜市では当該児童生徒が心身の苦痛を感じていないかを慎重に見極めるため、継続支援及び見守り活動を行っています。  令和2年1月に国が開催した自治体との連絡会議においても、いじめは丁寧かつ慎重に対応することになるため、  解消率が前年度と比較して下がることは問題ではないとの見解が示されており、引き続き、子どもの困り感に寄り添いながらモニタリングしていくことが必要です。 インターネットやSNSでのいじめ等、表面化しにくい課題もあることから、相談しやすい環境づくりが重要です。 令和3年度の不登校児童生徒数は、6,616人であり、この10年で約1.8倍(平成23年度3,690人)に増加しています。 学校内で発生した暴力行為は、令和3年度5,010件と前年度から165件(3.4%)増加しました。  小学校では対教師暴力が33件(11.4%)増加し、中学校では生徒間暴力が176件(34.4%)増加し、暴力行為の総件数は8年ぶりに増加しました。 安心できずに生活している子ども、辛い思いを抱えて生活している子どもに気づく力を養い、これまで以上に子どもを主体に考え、  一人の人間として尊重できるよう、教職員の人権感覚や人権意識の向上が求められています。 ※79 いじめの認知件数に関する国の見解:    文部科学省「平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の一部見直しについて(依頼)」(27初児生第26号、平成27年8月17日付) ここに図があります。 いじめ認知件数及び年度内における解消率 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 - 57ページ - ・いじめの早期発見・早期解決の観点から、各学校の児童生徒支援体制を整備すること、また、未然防止の観点から、児童生徒一人ひとりが安心できる集団づくりが必要です。  そのための施策の一つとして、「子どもの社会的スキル横浜プログラム」(※75)の活用に取り組んでいますが、引き続き小中学校全体での活用を推進することが重要です。 「横浜子ども会議(※80)」を通して、いじめの未然防止に向けた子ども主体の実践的な取組を保護者や地域とともに促進できるよう、  教職員をはじめとした大人がサポートすることが重要です。 ※80 横浜子ども会議:    子ども主体のいじめ未然防止の取組として、全市立小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・特別支援学校の児童生徒が主体となって、年間を通じて行うもの。    各学校と小中一貫教育推進ブロックで「だれもが安心して生活できるよう、いじめの問題に向き合い、自ら解決しようとする子ども社会」を目指して話し合いと具体的な取組を進める。 【子どもが抱える課題への組織的対応や未然防止の強化】 いじめや暴力等、子どもの問題行動の背景には、児童生徒の発達面の課題のほか、その環境面に困難さを抱えるものも多く見られ、  教員のみで解決するのではなく、専門的な知見を加えて、解決の道筋を立てることが重要です。  学校は、これまで以上に区(保健・福祉)、医療とつながることが必要であり、これらの連携をスムーズに行う役割の存在が不可欠です。 子どもが抱える課題の早期発見・早期対応には、心理の専門職であるSC(※38)や、社会福祉の専門職であるSSW(※8)がチーム学校の専門職として、  教職員とともに児童生徒の支援を行う必要があります。 令和3年度は、中学校ブロックごとに小中一貫型カウンセラー(※81)を配置するとともに、SSW(※8)は高等学校・特別支援学校での巡回型支援を開始し、  全ての学校をSSW(※8)が定期的に巡回して支援する体制を構築しました。  また、児童虐待防止対策として、SSW(※8)が、学校と区役所・児童相談所との情報連携を支援する役割を担うこととしました。  学校からの支援ニーズは年々高まっていますが、常に相談時間が足りない状況にあり、引き続き相談体制を充実することが必要です。 SC(※38)やSSW(※8)が学校とともに、より専門的で有効な支援を行うには、  OJT(※35)やスーパーバイザー(※82)からの指導・助言、専門職同士がチームになって互いの実績や経験を共有できる環境整備等が必要です。 ※81 小中一貫型カウンセラー:    中学校と同一学区にある小学校へ同じカウンセラーを派遣する横浜独自の制度 ※82 スーパーバイザー:    SCにSSWに指導・助言を行うSCまたはSSW コラム だれもが安心して生活できる学校であるためには 4期計画がより多くの学校現場で活用できるよう養護教諭、児童支援・生徒指導専任教諭(※7)、 特別支援教育コーディネーター(※32)、SSW(※8)、SC(※38)など、それぞれの立場の教職員が集まり意見交換会を開催しました。 意見交換会では、だれもが安心できる学校づくりのためには、保護者、地域、関係機関等が、お互いの役割を理解し、 尊重し合って連携する「チーム学校」を目指すことの重要性について確認されました。 ここに図があります。 「だれもが安心して生活できる学校とは」 図の説明は終わり。 - 58ページ - 〇指標 自尊感情や共感・配慮等の合計値の学級平均が上昇した割合※【再掲 柱3施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・小学校3年~6年 48.1% 目標値(令和7年度)・・・小学校3年~6年 60% ※横浜市が開発した、集団や個の社会的スキル育成状況を把握するための分析ツール「Y-Pアセスメント(※17)」を年2回以上実施することにより、  自尊感情や仲間への共感・配慮等の変容を分析 〇主な取組 1 安心して参加できる集団づくり 人権尊重の精神を基盤とする教育活動を推進するため、人権啓発研修や人権教育推進担当者研修、校長人権研修等を通して、  児童生徒の気持ちに寄り添い、その思いを受け止める教職員の人権感覚・人権意識の向上を図るとともに、「だれもが」「安心して」「豊かに」学べる授業づくりを進めます。 「横浜子ども会議(※80)」では、中学校ブロックの取組や活動を中心に、保護者や地域を巻き込んだ「社会総がかり」でいじめの未然防止の取組を進めます。 想定事業量 「横浜子ども会議(※80)」に保護者や地域の方が参加している中学校ブロック数 直近の現状値(令和3年度)・・・19ブロック/年 目標値(令和7年度)・・・全中学校ブロック/年 Y-Pアセスメント(※17)年間2回以上活用実施校の割合【再掲 柱3施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・小:76.2%、中:28.6% 目標値(令和7年度)・・・100% 2 子どもが抱える課題への組織的対応や未然防止の強化 子どもが抱えている様々な課題に対する適切な対応や未然防止の観点からの組織的な支援ができるよう、児童生徒支援体制の充実を図ります。  SC(※38)、SSW(※8)、心理・医療・社会福祉等の専門家や区役所等の関係機関と連携を強化するとともに、弁護士による法律相談や研修の充実に取り組みます。 学校での教育相談等を統括するSC(※38)を概ね2中学校ブロックに1名ずつ配置するとともに、  SSW(※8)は1名が概ね3中学校ブロックを担当して定期的に学校を巡回できる体制を継続します。  また、相談件数等の多いブロックを重点的に対応できるよう体制を強化します。 想定事業量 児童支援・生徒指導専任教諭(※7)配置に伴う後補充非常勤講師を常勤化(※83)している学校数 直近の現状値(令和3年度)・・・小:240校/年、中:全校/年 目標値(令和7年度)・・・小:全校、中:全校 校内ハートフル事業(※36)実施校【再掲 柱1施策4】 直近の現状値(令和3年度)・・・中学校:20校 目標値(令和7年度)・・・中学校:全校 SC(※38)の配置人数 直近の現状値(令和3年度)・・・59人 目標値(令和7年度)・・・73人 SSW(※8)の配置人数 直近の現状値(令和3年度)・・・61人 目標値(令和7年度)・・・73人 小学校高学年における教科分担制を伴うチーム学年経営の推進校数【再掲 柱1施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・129校 目標値(令和7年度)・・・全校 ※83 後補充非常勤講師を常勤化:    横浜市では専任の授業を代替する非常勤講師を配置しているが、それに代わりフルタイムの教員を任用すること。 - 59ページ - 柱4 健やかな体の育成 施策1 生涯にわたる健康づくりと中学校給食の推進 〇施策の目標・方向性 学校給食法の趣旨を踏まえ、全ての生徒に満足してもらえる給食の提供に向けた体制を確保するとともに、  小学校から中学校の9年間の切れ目ない食育の推進に取り組み、健全な食生活を実践することができる児童生徒を育成します。 「横浜市立小中学校児童生徒 体力・運動能力調査(体格、生活実態調査を含む)(以下 「市体力・運動能力調査」という。)」の分析を踏まえ、  科学的根拠に基づく児童生徒の生活習慣の改善と運動・スポーツに親しむ態度の育成に取り組みます。 〇現状と課題 【全ての生徒が満足できる中学校給食の実現と食育の推進】 生徒が中学校生活へ円滑に移行することを目的として、入学後一定期間、給食を食べることを推奨する「さくらプログラム」の取組を、  令和3年度の86校から令和4年4月は全校へ拡大しました。  4月の喫食率は30.1%となるなど、給食を利用しやすい環境づくりが年々進んでいます。 現在のデリバリー型給食は選択制で、給食の利用を希望する全ての生徒に提供していますが、最大40%までの生徒にしか給食を提供できない供給体制であることが課題です。  給食の質の向上や食育を意識した献立の提供とともに日本最大の生徒・教職員約83,000人に対して供給体制の確保が必要です。 各小中学校にて、教科等や給食・昼食の時間など様々な機会を通じて食に関する指導を行うとともに、  小学校の栄養教諭を中核として、小中一貫教育推進ブロック(※57)において食育を推進しています。  引き続きブロック数を増やしていき、発達段階に応じて、9年間の切れ目のない食育を進める必要があります。 ここに図があります。 中学校給食の喫食率の推移 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 【市体力・運動能力調査を活用した健康の保持増進と豊かなスポーツライフの実現】 横浜市の児童生徒の体力は低下傾向にあり、令和3年度はコロナ禍の影響もあり、元年度に比べ更に低下しました。  要因として情報化の進展やライフスタイルの多様化等の社会状況の影響があり、児童生徒が生涯にわたって主体的に健康を保持増進することが重要となります。 - 60ページ - ここに図があります。 体力合計点の5年間の経年変化(小学6年生・中学3年生) 出典は横浜市体力・運動能力調査 図の説明は終わり。 令和4年1月に横浜市の体育・健康に関する指導の基本計画として、「横浜市「健やかな体」育成プログラム」を策定しました。  プログラムに基づき、児童生徒が運動やスポーツへの「する、みる、支える、知る」等、適性に応じた関わり方や多様な人との交流を推進する必要があります。 オリンピック・パラリンピック教育推進校を指定し、アスリートを学校に紹介して、児童生徒が運動・スポーツと多様に関わる機会を設け、推進校の取組を全校に向けて発信しています。 【持続可能な部活動の実現】 平成31年4月に「横浜市立学校部活動ガイドライン」を策定し、部活動休養日や活動時間を適切に設定することで、  行き過ぎた活動によるスポーツ外傷・障害やバーンアウトのリスクを抑えつつ、心身の健康の保持増進に努め、持続可能な部活動に取り組んでいます。 トレーニング指導などの専門家である部活動コーディネーター(※84)の派遣により、活動の更なる充実と顧問の負担軽減を図る必要があります。 ※84 部活動コーディネーター:    生徒及び顧問教職員等に、部活動ガイドラインで規定された活動時間内で実践可能な指導を通して、生徒のパフォーマンス向上やけがをしない体づくりなど、    短時間で効率的な活動計画の作成等に資する指導・助言を行う。 【歯科保健教育の支援】 学齢期の12歳児の1人当たり平均むし歯数は減少傾向にあり、令和3年度は、更に低下し横浜市は0.48本となり、国の目標である1.0本未満を達成しています。  しかし、中学生、高校生になると増加する歯肉炎が課題として挙げられています。 全校種を対象に学校歯科医、横浜市歯科医師会と連携し、歯科保健教育の充実を図り、歯肉炎の割合減少を進めていく必要があります。 ここに図があります。 歯肉炎などの所見のある児童生徒(横浜市)の推移 出典は横浜市学校保健調査 図の説明は終わり。 【健康教育の推進】 薬物乱用防止、喫煙防止、飲酒防止に関する教育を引き続き推進し、また、学校医、横浜市医師会、学校薬剤師、横浜市薬剤師会と連携を深めるとともに、  感染症対策の徹底や、社会状況等の変化に伴う健康課題(心の健康、性に関する問題、感染症、依存症等)の解決に向け、  児童生徒の適切な意思決定や行動選択につながる健康教育の充実を推進する必要があります。 令和2年10月に実施した「ゲーム障害・ネット依存に関する実態調査」では、「オンラインゲームをしたことがある」と回答した児童生徒のうち12.6%が「ゲーム依存傾向」に該当し、  小学校4、5年生で割合の高い結果となりました。  ゲーム依存の低年齢化が進んでいる可能性を考慮し、正しい理解の啓発や予防のための取組を進めていく必要があります。 - 61ページ - 新型コロナウイルス感染症については、市中の感染拡大に伴って、市立学校児童生徒の感染も増加しており、学校教育活動に大きな影響を及ぼしています。  令和2年3月から、学校は全国一斉臨時休校となり、6月から分散登校や時差通学等により、段階的に教育活動を再開しました。  また、令和3年度には、いわゆる第5波の影響による感染者の増加を受け、夏季休業明けから8月31日まで臨時休業を行いました。  令和4年1月からのいわゆる第6波の影響では、オミクロン株の感染拡大に伴う教育委員会の対応として、学校内における感染拡大防止を図りながら、  学びの保障や児童生徒の「居場所」の確保の観点から、より必要な範囲、期間に限定して学級閉鎖を実施しています。  今後も子どもたちが安心して学校生活を送れるよう、各教科の状況に応じた感染症対策、行事の工夫等、学校教育活動の継続に向けて、  新型コロナウイルス感染症をはじめとしたあらゆる感染症対策に引き続き取り組んでいく必要があります。 ここに図があります。 新型コロナウイルス感染症の横浜市陽性者数 出典は横浜市ホームページ 新型コロナウイルス感染症の市立学校児童生徒陽性者数 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 コラム 二酸化炭素濃度測定器(CO2モニター)の導入 感染症は「換気の悪い密閉空間」、「多くの人が密集している」、「近距離での会話や発声が行われている」場所において集団発生しやすいとされています。 このうち、「換気の悪い密閉空間」を改善するためには、適切な換気を行うことが重要です。 また、換気については、政府においても「新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためには、学校についても、二酸化炭素濃度測定器を活用しながら、 二酸化炭素濃度を1,000ppm 以下に維持することが望ましい」とされています。 横浜市立学校では全ての学校の全クラスにCO2モニターを設置し、教室の換気状況を視覚化することによって、より効率的・効果的に換気対策へ取り組んでいます。 授業でもCO2モニターを活用して換気の大切さを伝えることで、子どもたちの換気意識を高め、自ら進んで換気できるよう行動の定着を図ります。 ここに図があります。 CO2モニターイメージ 図の説明は終わり。 - 62ページ - 〇指標 中学校給食の供給体制 直近の現状値(令和4年度)・・・最大40% 目標値(令和7年度)・・・全員に供給できる体制の確保が完了 体力や技能の程度、性別や障害の有無等に関わらず、多様な人と運動・スポーツを楽しみたいと思う児童生徒の割合 直近の現状値(令和4年度)・・・85% 目標値(令和7年度)・・・88% 週3回以上(授業以外)運動する児童生徒の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・42% 目標値(令和7年度)・・・50% 食に関心をもち、自ら健全な食生活を実践しようとしている児童生徒の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・小 87.3%、中 85.8% 目標値(令和7年度)・・・小 90%、中 90% 〇主な取組 1 全ての生徒が満足できる中学校給食の実現と食育の推進 中学校給食の利用を原則とし(アレルギーへの対応などによる家庭弁当の選択も可)、  デリバリー方式による供給体制の確保と生徒に満足してもらえる給食の提供に向けた準備を進めます。 地産地消の推進、地域の郷土料理、行事食や生徒考案メニューなど、食材や献立を充実し、安全・安心で質の高い給食を提供することで給食を教材とした食育を推進します。 小学校から中学校の9年間の切れ目ない食育を推進するため、栄養教諭を中核とした食育推進ネットワークをもつ小中学校ブロックの数を増やし、  各ブロックや学校の実情に合わせた取組を推進します。 想定事業量 栄養教諭を中核とした食育推進ネットワークをもつ小中一貫ブロック数 直近の現状値(令和3年度)・・・70ブロック/年 目標値(令和7年度)・・・78ブロック/年 2 「体力・運動能力調査」を活用した健康の保持増進と豊かなスポーツライフの実現 各学校が市体力・運動能力調査の分析を踏まえた科学的根拠に基づく「健やかな体の育成プラン」を作成し、健康の保持増進に向けた総合的な取組を行うための支援を充実させます。  また、地域や保護者にもフィードバックし、運動や生活習慣改善の支援につなげます。 トップアスリートとの出会いや他機関との連携を生かした、スポーツに親しむ機会の設定と生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現に向けた各教科等における学習の充実に取り組みます。 想定事業量 「健やかな体の育成プラン」の目標を達成している小中学校の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・― 目標値(令和7年度)・・・70% 肢体不自由など配慮や支援が必要な子どもが授業参加できるようにするための教員研修回数【再掲 柱1施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・1回/年 目標値(令和7年度)・・・2回/年 オリンピアン・パラリンピアン等トップアスリート招聘事業参加児童生徒人数【再掲 柱3施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・760人/年 目標値(令和7年度)・・・2,240人/年 - 63ページ - 3 持続可能な部活動の実現 「横浜市立学校部活動ガイドライン」の推進はもとより、各学校の実態に応じた多様な部活動支援の方法を検討します。  また、生徒の心身の健康を保持しながら、活動の機会を保障し、部活動指導員(※9)や部活動コーディネーター(※84)の配置を拡充し質の高い部活動の実現を目指した取組を進めます。 想定事業量 「横浜市立学校部活動ガイドライン」に準じた活動内容を設定している部活動の割合(部活動休養日・活動時間) 直近の現状値(令和3年度)・・・運動部 98%、文化部 96% 目標値(令和7年度)・・・100% 部活動指導員(※9)を希望する部活動への配置率【後掲 柱6施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・ ― 目標値(令和7年度)・・・希望する部活動への配置100% 部活動コーディネーター(※84)の派遣校数 直近の現状値(令和3年度)・・・7校/年 目標値(令和7年度)・・・10校/年 4 歯科保健教育の支援 学校歯科医等と連携し、歯科保健教育を実施することにより、児童生徒がむし歯や歯周病・歯肉炎等を予防するための歯みがき等の生活習慣を身に付け、  歯・口の課題解決に取り組めるよう支援します。 想定事業量 歯科保健教育を実施している学校数 直近の現状値(令和3年度)・・・204校/年 目標値(令和7年度)・・・350校/年 5 健康教育の推進 児童生徒の生涯の健康づくりの基盤となる健康教育の推進や、感染症対策に引き続き取り組みます。 現代的な健康課題である「薬物乱用防止」、「がんや生活習慣病などへの対応」、「心の健康」、「性に関する問題」、「感染症」、「ゲーム障害も含めた依存症」、  「喫煙防止」等について、医師等の専門家を学校に招いて授業や講演等を行うなど、健康教育の充実を推進します。 想定事業量 健康教育に関する講演等の実施学校数の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・小:62.0%、中:100% 目標値(令和7年度)・・・小:75.0%、中:100% - 64ページ - 柱5 家庭・地域等の多様な主体との連携・協働 施策1 多様な主体とつながる教育の充実 〇施策の目標・方向性 子どもに関する課題や学校の課題の解決と未来を担う子どもたちの豊かな成長のために、  学校が地域(地域住民、保護者、企業、大学等の様々な個人・団体)と連携・協働することにより、子どもたちが社会とつながる機会を創出し、子どもの学びや育ちを支えます。 〇現状と課題 【学校運営協議会(※11)と地域学校協働活動(※12)の一体的な推進による地域と学校の連携・協働】 横浜市は、平成17年度から各学校に学校運営協議会(※11)の設置を開始しました。  また、平成19年度から学校・地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員)(※18)を配置して地域学校協働活動の様々な実践(※85)を行う地域学校協働本部(※51)の設置を開始しました。 地域と学校の連携・協働を推進し、次のようなPDCAサイクルの好循環により、子どもたちの深い学びや学校運営の改善につなげます。  まず、学校運営協議会(※11)が学校運営の基本方針を承認し、学校運営について熟議(熟慮と議論)を重ねて計画を立てます(Plan計画)。  次に計画に基づき、地域学校協働活動(※12)を行うとともに学校が教育活動や児童生徒指導等を行います(Do実行)。  さらに、学校の自己評価と学校関係者評価を行い(Check評価)、それらの評価を次の計画に反映していきます(Act改善)。 これまでの間、横浜市は説明会、研修会、個別相談、ホームページやリーフレットで地域と学校の連携・協働の理解促進等の取組を行い、各学校での設置を推進してきました。 各学校が学校運営協議会(※11)と地域学校協働活動(※12)を持続的、効果的かつ一体的に推進し、  地域と学校の連携・協働により、社会全体で子どもたちをはぐくむ「社会に開かれた教育課程(※86)」を実現できるよう、今後も教育委員会による学校への継続的な支援が引き続き必要です。 ここに図があります。 地域と学校の連携・協働のイメージ図 出典は横浜市教育委員会事務局作成 図の説明は終わり。 ※85 地域学校協働活動の様々な実践:    キャリア教育、地域防災マップづくり、授業や放課後の学習支援、登下校や校外学習時の見守り、図書室を活用した読書活動、カリキュラムづくりへの参画など内容は多岐にわたる。 ※86 社会に開かれた教育課程:    学校教育を通じてより良い社会を創るという目標を学校と社会とが共有し、地域と連携・協働しながら、これからの社会を創り出していく子どもたちの資質・能力をはぐくむ教育課程 - 65ページ - ここに図があります。 学校運営協議会(※11)設置校数の推移 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 学校・地域コーディネーター(※18)の推移 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 【スクールゾーンの安全確保】 登下校時の安全確保については、各小学校等にスクールゾーン対策協議会が設置されており、  毎年、関係機関や地域、家庭と連携し、スクールゾーン内の交通危険箇所の調査、点検を行っています。  引き続きスクールゾーン対策協議会の充実を図り、交通環境の把握や安全点検、子どもへの登下校時の安全指導などを実施するとともに、  文部科学省が策定した登下校防犯プランに基づき、横浜市でも取り組む必要があります。 【防災教育・防災対策の推進】 防災教育や防災対策については、学校安全教育推進校における具体的な取組を発信しています。  今後も、大規模災害等の発生に備え、家庭や地域と連携した防災教育や防災対策を一層進めていく必要があります。 【福祉等の活動の充実】 人口減少・超高齢社会が進展する中、共生社会の実現に向けた地域づくりを進めるため、福祉等に対する子どもの理解や関心を高めることが求められています。  小学校では手話や車椅子の体験を行うなど、例年9割以上の学校で福祉体験に取り組んでいます。  社会福祉協議会と連携し、学校での学習のねらいに沿った体験内容の検討や講師派遣などにより、地域の活動者や高齢者とのつながりを深めています。 【企業・大学等との連携】 大学と連携した、児童生徒の学びを支える調査・研究や、教職員育成について共同研修・研修開発、  地域ボランティアや民間教育施設等と連携した学校以外の居場所の確保・支援や学習機会の確保、民間企業等と連携したキャリア教育支援や、  音楽・舞台芸術体験等の様々な「本物」に触れることによる豊かな感性と創造性をはぐくむ機会の創出等、企業や大学等と幅広く連携し、  より良い学びや学習環境の確保に取り組んできました。 - 66ページ - 〇指標 保護者や地域の人との協働による取組は、学校の教育水準の向上に効果があったと答える学校の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・小 93.7%、中 87.3% 目標値(令和7年度)・・・小 95%、中 95% 〇主な取組 1 地域等との連携・協働の推進 学校と家庭・地域社会が一体となってより良い教育環境を作るため、保護者や地域等が一定の権限と責任をもって学校運営に参画する学校運営協議会(※11)の運営を支援していきます。  また、学校運営協議会(※11)委員や教職員を対象とした研修の実施、個別相談の実施等を通して、地域と学校の連携・協働のより一層の推進を図ります。 学校・地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員)(※18)の養成を進めるとともに、保護者や地域住民等の参画による地域学校協働活動(※12)等を各校の事情に応じて支援します。  また、通学路の交通安全対策としてスクールゾーン対策協議会を活用し、交通危険箇所の状況把握や関係機関への情報共有を行うとともに、  引き続き、PTAやよこはま学援隊(※87)をはじめ、様々なボランティアによる登下校時の見守り活動を行います。 大規模災害等の発生に備え、家庭や地域と連携した防災教育や防災対策を推進します。 福祉施設や高齢者施設への訪問・交流、手話や車椅子体験、人権講演会を通して、子どもが積極的に地域や社会に参画して課題解決に向けて取り組むことを推奨します。 ※87 よこはま学援隊:学校の校舎、校門や通学路における見守り活動等を行う、保護者や地域住民のボランティア 想定事業量 学校運営協議会(※11)委員、教職員向け研修等の開催回数 直近の現状値(令和3年度)・・・3回/年 目標値(令和7年度)・・・3回/年 学校運営協議会(※11)の運営について個別支援する学校数 直近の現状値(令和3年度)・・・10校/年 目標値(令和7年度)・・・10校/年 学校・地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員)(※18)養成人数 直近の現状値(令和3年度)・・・1,278人(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・1,634人(累計) ※養成を開始した平成19年度からの累計 - 67ページ - コラム 学校運営協議会、地域学校協働活動本部、学校・地域コーディネーターとの取組 地域学校協働活動(※12)は、地域と学校の実情に合わせて様々な形で展開されています。 「新たな取組を始めなければいけない」「やらねばならない活動がある」ということではなく、 各学校がこれまで行ってきた連携・協働の取組をベースに、更に工夫を加えて展開されています。 本コラムでは、地域学校協働活動(※12)で得られたメリットを事例で御紹介します。 <学校運営協議会(※11)の取組> ■地域と学校の連携がスムーズに進んだ事例 学校や子どもたちを取り巻く課題が複雑で多様になり、多くの課題を抱えるケースが生じています。 地域と学校が連携して対応することで、課題の解決や学校経営をより良くすることができました。 事例1 潮田中学校ブロックの地域では、学校運営協議会(※11)が熟議の上、 地域と学校が共通のルールで子どもたちの見守りを行えるよう、祭礼等のパトロールを地域へ依頼しました。 学校の教職員の見守りに加えて、地域からも見守りに協力してもらうことで、子どもの健全育成につながりました。 <地域学校協働本部(※51)の取組> ■教育活動が一段と充実した事例 学校では、地域にある資源(ひと、もの、こと)を生かしきれないことがありますが、裏返して言うと、地域資源を最大限に活用することで、教育活動はより充実します。 学校・地域コーディネーター(※18)を中心とした地域学校協働本部(※51)が、地域資源とのつながりをもつことで、子どもたちの学びが一層深まり、広がりました。 事例2 平沼小学校では、低学年の学年遠足に、地域学校協働本部(※51)である平沼共育ネットワークが協力しました。 学校・地域コーディネーター(※18)が、児童の引率をするボランティアや、学校教職員との連絡・調整を行い、担当の教員と情報共有を進めました。 学年遠足当日、子どもたちは、グループごとに決めたコースを安全にかつ楽しく回ることができました。 ■まち全体にメリットがあった事例 学校にとって良い活動でも、活動に関わる地域にメリットがなければ、その活動は継続が難しく、活動の広がりも見込めません。 学校が中心となり活動がまち全体に広がることで、つながりが深まりました。 事例3 上郷中学校ブロックは、併設型小・中学校(※60)であることを大いに生かし、挨拶運動を展開しています。 児童生徒が、ブロック内の小中学校をタスキでつなぎ、挨拶を交わすことで、一体感を感じられるような取組を行っています。 その取組に地域や保護者の方が加わり、まちをあげての取組に発展したことで、まち全体が顔の見える関係性となり、 子どもも含めた地域の人同士のつながりや地域と学校とのつながりが深まりました。 - 68ページ - 施策2 福祉・医療等との連携による支援の充実 〇施策の目標・方向性 学校だけでは解決が困難な様々な課題に対し、福祉・医療等の機関が顔の見える関係を作り、連携を強化することで、子ども一人ひとりに寄り添って支えていきます。 〇現状と課題 【福祉等との連携】 虐待や貧困、ヤングケアラー等、子どもを取り巻く複雑・多様な課題は潜在化しており、学校はより深い児童生徒理解による課題の発見機能の強化が必要です。  支援に当たる区役所、児童相談所等との連携強化のためには、相互理解を深めることに加え、支援が必要な児童生徒の現状把握や課題整理等双方が共通認識の下で、  役割分担を明確にして支えていく必要があります。 学校外の子どもの居場所づくりや学習支援等に、社会福祉協議会と連携して取り組むなど、支援が必要な児童生徒の抱える課題に応じて、地域の関係機関との連携に取り組んでいます。 指導主事(※88)が児童相談所に勤務する人事交流や、統括スクールソーシャルワーカー(※89)による児童相談所実地研修等に取り組み、その経験から得た知見を学校現場に伝えるなど、  区役所・児童相談所との相互理解を深め、連携強化に取り組んでいます。 小学生の安全で豊かな放課後の居場所として、こども青少年局において「放課後キッズクラブ」と「放課後児童クラブ」を実施している中で、  児童の生活の連続性を確保するためには学校とクラブとの連携がより一層求められています。 障害等により特別な支援が必要な児童生徒に対し、それぞれの地域で切れ目のない支援を行うため、幼稚園・保育園や地域療育センター等と就学前段階からの連携を一層強化し、  引き続き、一人ひとり異なる子どもの教育的ニーズを丁寧に引き継ぎ、スムーズな学校生活に移行することが必要です。  また、増加している放課後等デイサービス(※90)など障害児通所支援事業所等と支援に関する計画を連携させる等の取組も求められています。 ※88 指導主事:    教育課程、学習指導その他学校教育に関する専門事項の指導に関する事務に従事する、教育委員会におかれる職 ※89 統括スクールソーシャルワーカー:    スクールソーシャルワーカーを統括し、高い専門性をもってスクールソーシャルワーカーへの助言・指導や人材育成等を行う専門職 ※90 放課後等デイサービス:    学校教育法に規定する学校(幼稚園、大学を除く。)に就学している障害児を対象とし、学校授業終了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な支援や余暇支援などを提供するサービス 【医療との連携】 医療技術の進歩等を背景に、人工呼吸器等、在宅で医療的ケアを必要とする子どもが増えています。  令和3年9月には「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、医療的ケア児及びその家族に対する支援について、国・地方公共団体の責務が明らかにされました。  今後、より一層、病院・診療所、訪問看護ステーションや関係団体・関係機関等との連携を深め、校内における支援体制の充実につなげる必要があります。 全校種を対象に学校歯科医、横浜市歯科医師会と連携し、歯科保健教育の充実を図り、歯肉炎の割合減少を進めていく必要があります。 - 69ページ - 薬物乱用防止、喫煙防止、飲酒防止に関する教育を引き続き推進し、学校医、横浜市医師会、学校薬剤師、横浜市薬剤師会と連携を深めるとともに、  社会状況等の変化に伴う各学校における健康課題(※91)(心の健康、性に関する問題、感染症、依存症等)の解決に向け、児童生徒の適切な意思決定や行動選択につながる健康教育の充実を推進する必要があります。 ※91 健康課題:    令和4年度から実施された高等学校の学習指導要領では、保健体育科において精神疾患やがんを含めた生活習慣病などの現代的な健康課題の解決に関わる内容を扱うこととされている。 〇主な取組 1 福祉・医療等との連携強化 就学後の指導において配慮が必要な事項などについて、保育要録等で幼保小が共有し、子どもの育ちを支えていきます。 SSW(※8)、SC(※38)、心理・医療・社会福祉等の専門家や区役所等の関係機関と連携を強化するとともに、弁護士による法律相談や研修の充実に取り組みます。  また、要保護児童対策地域協議会(※92)の枠組みを活用し、児童虐待に対して更なる密な情報共有を図ります。 ヤングケアラーの支援に向けて、こども青少年局・健康福祉局・教育委員会が連携し、社会的認知度の向上及び早期発見に向けた広報・啓発等を行うとともに、  実態把握調査の結果等を踏まえ、適切な支援につなげていくための取組を進めます。 小学生が放課後の時間の中で社会性・自主性・創造性をはぐくむことができるよう、こども青少年局・区役所・運営主体と連携し、必要な支援や活動場所の提供を行います。 障害等により特別な支援が必要な児童生徒に対し、それぞれの地域で学校と地域の関係施設・関係機関とが支援の目標共有を行う等、連携を強化し、切れ目のない支援に取り組みます。 小中学校等での日常的な医療的ケアが必要な児童生徒に対する看護師の派遣や、肢体不自由特別支援学校への看護師の配置拡充など、医療的ケアが必要な児童生徒の受入体制充実に取り組みます。 医療的ケア児・者、重症心身障害児・者等とその家族の生活を支援するため、関係局(こども青少年局、健康福祉局、医療局、教育委員会)が連携して、  多機能型拠点の整備や医療・福祉・教育等の多分野にわたる相談・調整を行うコーディネーターの養成・配置、支援に必要な知識・技術の普及啓発を行う支援者の養成等に取り組むとともに、  医療的ケア児・者等の施設等での受入れを進めるため、看護師等に対する研修を充実します。 学校歯科医等と連携し、歯科保健教育を実施することにより、児童生徒がむし歯や歯周病・歯肉炎等を予防するための歯みがき等の生活習慣を身に付け、  歯・口の課題解決に取り組めるよう支援します。 現代的な健康課題である「薬物乱用防止」、「がんや生活習慣病などへの対応」、「心の健康」、「性に関する問題」、「感染症」、「ゲーム障害も含めた依存症」、  「喫煙防止」等について、医師等の専門家を学校に招いて授業や講演等を行うなど、健康教育の充実を推進します。 ※92 要保護児童対策地域協議会:    要保護児童等(虐待を受けている子ども等)の早期発見や適切な保護のため、関係者や関係機関が円滑に連携していくことを目的とした協議会 想定事業量 放課後キッズクラブ・放課後児童クラブと連携がとれている小学校数(こども青少年局) 直近の現状値(令和2年度)・・・212校 目標値(令和7年度)・・・全校 肢体不自由特別支援学校における学校看護師の配置人数【再掲 柱1施策3】 直近の現状値(令和3年度)・・・30名 目標値(令和7年度)・・・50名 横浜型医療的ケア児・者等支援者数(養成研修修了者数)(こども青少年局、健康福祉局、医療局、教育委員会) 直近の現状値(令和3年度)・・・136人(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・336人(累計)※ 歯科保健教育を実施している学校数【再掲 柱4施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・204校/年 目標値(令和7年度)・・・350校/年 健康教育に関する講演等の実施学校数の割合【再掲 柱4施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・小学校:62.0%、中学校:100% 目標値(令和7年度)・・・小学校:75.0%、中学校:100% ※平成30年度からの累計 - 70ページ - 施策3 家庭教育支援の推進 〇施策の目標・方向性 全ての保護者が安心して家庭教育を行うことができるよう、家庭教育を学ぶ機会の提供や、保護者同士の交流の支援、保護者と地域との交流の場づくりなど、 家庭教育支援の充実に取り組みます。 〇現状と課題 家庭は、子どもたちの健やかな育ちの基盤であり、家庭教育は、全ての教育の出発点です。 地域とのつながりの希薄化や、身近な人から子育てを学び、助け合う機会の減少など、家庭教育を支える環境が大きく変化しています。 令和2年度文部科学省委託調査から、保護者の約7割が子育てに悩みや不安を抱えていること、  また、子育てに対する地域の支えの重要さを感じる保護者が多いことが明らかになっています。 横浜市は、令和3年度に家庭教育総合情報サイトを開設し、子どもとの関わり方や相談先等を案内しています。  また、保護者同士のつながりや地域との交流を促進するとともに、市PTA連絡協議会等が実施する家庭教育に関する講演会や親子のふれあいを深める行事等への支援を行っています。  引き続き、家庭教育を学ぶ機会の提供や、保護者同士の交流の支援、保護者と地域との交流の場づくりなど、家庭教育支援の充実が必要です。 特別な支援が必要な子どもの保護者が子どもの特性を理解し、安心して子育てができるよう支援が必要です。 幼保小連携の取組が進み、子ども自身の育ちや学びが幼稚園や保育所等から小学校へつながるようになっています。  未就学期における子育て支援施策は充実してきていますが、就学前の段階で、学校生活に関する情報が不足している、同じ学校に通う保護者同士のつながりがないなど、  保護者が不安を抱えている場合があり、保護者の交流の推進が必要です。 ここに図があります。 子育てについての悩みや不安の程度 出典は文部科学省「家庭教育の総合的推進に関する調査研究~家庭教育支援充実に向けた保護者の意識に関する実態把握調査」令和3年度 子育てに対する地域の支えの重要さ 出典は文部科学省「家庭教育の総合的推進に関する調査研究~家庭教育支援充実に向けた保護者の意識に関する実態把握調査」令和3年度 図の説明は終わり。 - 71ページ - ・少子化や核家族化の進行により、赤ちゃんや小さい子どもの世話を経験しないまま親になる人が増えています。  区役所と学校が連携し、児童生徒を対象とした赤ちゃんふれあい体験や思春期に関する事業を実施していますが、  引き続き、若い世代に対して、これから迎える妊娠・出産・子育てに関する正しい知識の普及啓発を行うことが重要です。 ここに図があります。 はじめてのお子さんが生まれる前に、赤ちゃんの世話をしたことがあると答える保護者の割合  出典は横浜市子ども・子育て支援事業計画の策定に向けた利用ニーズ把握のための調査(平成30年) 図の説明は終わり。 〇主な取組 1 関係機関、地域と連携した、保護者の学びや交流などの家庭教育支援 学齢期の子どもの保護者が、地域のつながりの中で安心して子育てができるよう、保護者や地域が中心となって実施する親子体験活動、子育てに関する講演会などへの支援を通して、  保護者同士あるいは保護者と地域住民等が交流し、地域での関係づくりのきっかけを創出します。 特別な支援が必要な子どもの保護者を対象として、子どもの特性を踏まえた家庭での関わり方のヒントを伝える保護者教室を開催し、子育ての不安解消につなげます。 幼稚園や保育所等と学校が連携し、未就学児の保護者の学校訪問等や、保護者や地域と子育てについて学ぶ講演会の開催等により交流を深め、  幼児教育と小学校以降の円滑な接続を図ります。 区役所や地域と学校が連携し、思春期の子どもやその親に対して、親子関係、思春期の性、薬物の害、食生活等について正しい知識の普及を図り、  思春期の子どもの心身の健やかな成長を支援します。 想定事業量 思春期保健講座数(こども青少年局) 直近の現状値(令和3年度)・・・54件/年 目標値(令和7年度)・・・152件/年 保護者支援のための保護者教室の開催数【再掲 柱1施策3】 直近の現状値(令和3年度)・・・1回/年 目標値(令和7年度)・・・8回/年 コラム 家庭教育支援事業の取組 横浜市の委託により、PTAやおやじの会、地域住民、学校教職員で構成される運営委員会が企画・実施する「親の交流の場づくり事業」では、 保護者同士、保護者と地域住民等が交流し、地域で気軽に話し合える関係づくりのきっかけを創出しています。 令和3年度に行われた取組の一例では、手芸を行いながら、日頃の子育ての悩みを話したり、情報交換をしたりする事業が行われました。 参加者アンケートでは「コロナが長引き、保護者同士の接点がない中、学年を超えて色々な方から話を聞けてとても安心した。」 「気軽に参加でき、とても楽しく有意義な時間がもてた。」などの意見が多くみられました。 ここに写真があります。 親の交流の場づくり事業の様子 写真の説明は終わり。 - 72ページ - 柱6 いきいきと働き、学び続ける教職員 施策1 教職員の採用・育成・働き方の一体的な改革 〇施策の目標・方向性 教職員の各種調査データ等の分析により学校現場の課題や実態を明らかにし、個々の学校現場の実情に寄り添い、ICTの活用等の効果的で時代に即した施策を展開します。  教育委員会と学校が一体となって働き方改革を推進し、教職員が学ぶ時間を確保することで、教職員の資質・能力を高め、児童生徒の資質・能力の育成につなげていきます。 働き方改革の推進に当たっては、「横浜市立学校の教育職員が行う業務量の適切な管理等に関する規則」の趣旨を踏まえ、  遅くとも19時までに退勤することを原則とした上で取組を進めていきます。 〇現状と課題 【教職員の採用】 ・受験者数は、小中学校ともに年々減少傾向にあり、中学校については、令和3年度も4倍程度の受験倍率ですが、小学校では令和元年度以降、2倍程度の受験倍率で推移しています。 ここに図があります。 受験者数・受験倍率の推移(小学校) 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 受験者数・受験倍率の推移(中学校) 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 令和3年3月31日に、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」が改正され、同年4月1日に施行されました。  今回の改正は、一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細かな指導を可能とする指導体制を整備するために、小学校の学級編制の標準を段階的に引き下げるものです。  学級編制の標準が40人から35人に引き下げられることで、学級数の増加が見込まれることから、必要となる教員数も増加します。  また、特別な支援を必要とする児童生徒の増加に伴う個別支援学級(※13)数の増加傾向を踏まえると、更なる教員数の増加が見込まれます。  小学校の全学年が35人学級となる令和7年度以降も見据え、計画的に教員採用を実施する必要があり、全国的に教員志望者が減少している中、  意欲や能力の高い教員を確保していくことが求められます。 - 73ページ - 【教職員の育成】 近年、教員の大量採用を継続的に行ってきたため、採用者の多くがミドル層となることで、学校運営の中で力を発揮できる人材が増加しています。  よって、ミドルリーダー(※93)の中から次世代の学校リーダーを育成できるよう、継続的な支援を行うことが必要です。  一方で、経験年数が10年以下の割合は以前よりも減少しましたが、依然、全体の46%を占め、引き続き経験の浅い教職員への支援も必要です。 新学習指導要領の実施や1人1台端末の活用など教育内容の多様化に対応するため、教職員の資質・能力の向上が求められており、  教職員の学ぶ時間を確保することが必要であることから、教職員の資質・能力の向上と働き方改革の両立が重要です。  今後求められる教職員の資質・能力の向上のためには、従来の校内OJT(※35)やメンターチーム(※94)等の協働的な学びとともに、今まで以上に教職員一人ひとりが主体的に学び続けることが重要です。 教育職員免許法等の改正により、教職員の研修記録の作成が義務付けられたことを踏まえ、  資質・能力を可視化できる横浜市の研修管理システムLeafを一層活用していく必要があります。 ここに図があります。 経験年数別教員数の割合 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 ※93 ミドルリーダー:学校運営の円滑かつ効果的な実施において中核的な役割を果たすことが期待される教職員 ※94 メンターチーム:複数の先輩教職員が複数の初任者や経験の浅い教職員の仕事、活動、成長を支援することで、相互の人材育成を図るシステム 【教職員の働き方】 横浜市ではプランを平成30年3月に策定し、4つの戦略に基づき、様々な取組を総合的に推進してきました(詳細は次ページ)。  プランの指標の1つとして時間外在校等時間月80時間超の教職員を0%にする目標を掲げていますが、その割合は、平成30年度から令和3年度までの市の全体平均を比較すると、  小学校では8.1%から5.1%、中学校では32.8%から18.0%となっています。  着実に減少していますが、0%の目標達成には道半ばの状況であり、早急に実行性を伴う更なる対応が必要です。  なお、一年間のうち繁忙期である4月から6月で比較したところ、令和3年度に80時間超だった教職員について、  新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の令和元年度と照らし合わせると、約70%が同じ教職員であることが分かりました。 ここに図があります。 小学校 時間外在校等時間 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 中学校 時間外在校等時間 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 教員採用試験の受験者数減少への対応やICT活用を含む教職員の資質・能力の向上が求められている今だからこそ、教職員一人ひとりの心身の健康、学ぶ時間の確保、  そして教員という職業の一層の魅力向上などの観点からも、今の働き方を改善していく必要があります。 - 74ページ - 「横浜市立学校 教職員の働き方改革プラン」のこれまでの取組と今後の方向性 横浜市では、プランに掲げた4つの戦略に基づいた40の取組を総合的に推進し、教職員の働き方改革に着実に取り組んできました。 1.働き方改革プランに基づく総合的な取組 戦略1 業務改善 ICTを活用した業務改善 ・クラウドサービスを活用した資料共有・授業準備 ・オンライン健康観察 ・eラーニング(※28)による研修の実施 フレックスタイム制度の創設 戦略2 業務の適正化・精選等 業務のアウトソース推進 市主催行事の見直し 勤務時間外の留守番電話導入 夏季・冬季の学校閉庁日の実施 春季休業日延長による新年度準備期間の確保 戦略3 体制強化等 職員室業務アシスタント・・・全小・中・義務教育学校に1名配置。感染症対策のため、追加で全小・中・義務・特支に1名配置 部活動指導員・・・中学校部活指導員は、延べ643人配置 児童支援・生徒指導 専任教諭・・・全小・中・義務教育学校に配置。代替非常勤の常勤化を実施 小学校240校→290校(令和4年度) ICT支援員・・・小・中・義務・特支 訪問回数62回/校・年、高校 訪問回数24回/校・年 一部教科分担制に伴う非常勤配置・・・174校に非常勤講師を配置し、チーム学年経営を推進 戦略4 意識改革等 各校の中期学校経営方針(※2)に働き方改革を位置付けるよう制度改正 大学と連携した働き方改革の視点を盛り込んだ管理職研修の開発 働き方改革通信Smileの発信 (国の法改正や市の規則改正等) 〇令和元年12月法改正により「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン(上限:月45時間、年360時間以内)」が法的根拠のある指針に格上げ(令和2年4月施行) 〇令和2年3月31日「横浜市立学校の教育職員が行う業務量の適切な管理等に関する規則」制定  →時間外在校等時間を上限の範囲内とするため、教育委員会が教育職員の業務量の適切な管理を行う。 これまでの取組の振返り ○プランに基づく取組を全市的に進めた結果、以下の進捗が見られるものの、目標達成まで道半ばの状況です。  ・ 時間外在校等時間月80時間超の教職員の割合の着実な減少  ・ 年休取得日数10日以上取得人数の割合の着実な増加  ・ 19時までに退勤する教職員の割合の指標は令和元年度から達成済み 指標1 時間外在校等時間月80時間越の教職員の割合 目標値 0% 平成30年度 15.2% 令和元年度 11.6% 令和2年度※ 10.0%(9~3月) 令和3年度 8.9% ※令和2年4月から8月は、一斉臨時休業、段階的な教育活動、例年より短い夏季休業等により、例年と違った教育活動となったため、9月から翌年3月の比較とした。 指標2 19時までに退勤する教職員の割合 目標値 70%以上 平成30年度 69.7% 令和元年度 72.5% 令和2年度※ 71.9%(9~3月) 令和3年度 75.9%  指標3 健康リスク・負担感指数 目標値 100未満 平成30年度 109 令和元年度 109 令和2年度 104 令和3年度 107  指標4 年休取得日数 目標値 全員10日以上 平成30年度 73.7% 令和元年度 75.4% 令和2年度 60.5% 令和3年度 88.8% - 75ページ - 2.4期計画における方向性等 (前提) 着実な改善を見せているとはいえ、新型コロナウイルス感染症対応やGIGAスクールの本格運用等によって常に新たな対応が求められている学校現場は、 「ジレンマ」ともいえる状況に陥っているとの指摘もあります。 ここに図があります。 働き方改革のジレンマイメージ 図の説明は終わり。 【教職員の育成と働き方改革の一体的な推進の必要性】 これを踏まえ、「働き方改革のための働き方改革」ではなく、改革の本来の目的として、 ・子どもたち一人ひとりを丁寧に見とった上で、それぞれの資質・能力を育成するためには教職員の資質・能力を向上させる必要があり、そのために働き方改革が大きな役割を果たす ・子どもたちの前に元気に笑顔で立ち、一人ひとりと向き合うために、ワーク・ライフ・バランスを整え、教職員自身が健康であることが必要 の二点を明確化しました。 【献身的な教員像に依存しない改革の必要性】 働き方改革の難しさは、左図のB部分のような時間外在校等時間が多いもののやりがいを感じている献身的な教職員に学校が支えられている実態があるからです。しかしながら今後は、 ・教職員集団全体の持続可能性 ・教職員本人の中長期的な心身の健康 ・教職員をより一層魅力的な職業とする観点 から、BからA部分への改善を例外なく促していく必要性があります。 ここに図があります。 教職員 働き方改革 目指すべき教員像 図の説明は終わり。 【具体的で焦点を絞った取組の必要性】 データ分析によって、令和元年度と令和3年度を比較すると、月80時間超の約70%の教職員が働き方を改善できていないことや、 土日どちらか1日を部活動休養日とする部活動ガイドラインを一部遵守していない実態があることが明らかになっています。 今後はデータ分析を深め課題を焦点化することで、これまでの全市的な取組から、個別具体的な支援へと移行していく必要があります。 なお、プランは、令和4年度末までとして策定されていましたが、 ・教職員の育成と働き方改革の一体的な推進の必要性 ・献身的な教員像に依存しない改革の必要性 ・具体的で焦点を絞った取組の必要性 に鑑み、今後はプランを4期計画に内包します。 また、3期計画では、二つの柱に分かれていた働き方改革(柱7)と教職員の育成(柱8)を、「いきいきと働き、学び続ける教職員」として一体的に推進していきます。 そのため指標については、これまでの勤務時間に関するものを中心としたものから、 教職員の育成の観点から「教職員の資質・能力の伸び」と働き方改革の観点から「時間外在校等時間」「19時まで退勤」の3つを指標とします。 ここに図があります。 3期計画での2本の柱であったものを、4期計画へ柱を1つにします。 主な取組 原則19時までに退勤 「質の高い学び」と「持続可能な学校」の両立 現場の声とデータとの融合による施策立案・実施 図の説明は終わり。 - 76ページ - 〇指標 資質・能力が向上した教職員の割合※1 直近の現状値(令和3年度)・・・92% 目標値(令和7年度)・・・95% 2か月連続で時間外在校等時間が月80時間超の教職員数※2 直近の現状値(令和3年度)・・・2,798人/年 目標値(令和7年度)・・・0人(毎年度) 19時までに退勤する教職員の割合 直近の現状値(令和3年度)・・・75.9% 目標値(令和7年度)・・・90% ※1 教職員が分析チャートを基に自身の資質・能力が向上したと回答した割合 ※2 年度内に一度でも該当した教職員は集計対象とする。    なお、時間外在校等時間の上限方針として、月45時間・年360時間の範囲内とする旨を規定した「横浜市立学校の教育職員が行う業務量の適切な管理等に関する規則」の趣旨も踏まえ、    まずは速やかに本指標の達成を目指し、本指標達成後に改めて指標を定めることとする。 〇主な取組 1 優れた人材の確保及び採用前教職員の養成 35人学級の実施による増員等、意欲や能力の高い教員を大量に確保することが必要になる中、社会情勢に応じた採用方法の改善や工夫、  対象者に応じたきめ細かな広報活動や見学機会の提供により、より優れた人材を確保していきます。  また、将来の職業を考えている世代に対しても、教職員の働き方改革の取組や横浜の教育の特徴や魅力を発信し、横浜の教育へ情熱をもつ人材の確保に努めます。 採用前研修の充実や大学との連携・協働の推進により、採用前教職員の養成を進めます。 想定事業量 よこはま教師塾「アイ・カレッジ」(※95)入塾者数 直近の現状値(令和3年度)・・・97人/年 目標値(令和7年度)・・・100人/年 教員養成講座(桜丘高校)の開講【再掲 柱1施策5】 直近の現状値(令和3年度)・・・ ― 目標値(令和5年度)・・・開講 ※95 よこはま教師塾「アイ・カレッジ」:横浜市の教員志望者を対象に、「横浜市人材育成指標」に基づいた教職員に求められる資質・能力を養成 コラム 教職員の人材育成と働き方改革の同時達成に向けた学校の取組とは? 第4期横浜市教育振興基本計画の検討に当たり、学校現場とともにより良い教育の実現について考えるため、令和3年11月に教職員意見交換会を開催しました。 ここに写真があります。 令和3年11月の教職員意見交換会の様子 写真の説明は終わり。 【個人の視点】 ・自分の働き方は自分で決めて、楽しいと思いながら働けることが重要。 ・子どもたちの資質・能力の育成の視点で、今まで当たり前だと捉えていたことを見直していくことが必要。 【学校の視点】 ・教職員が、やりがいをもって取り組める学校の風土をつくることが重要。 ・一人ひとりが学校経営に参画できる組織を、管理職とともにつくっていくことが必要。 - 77ページ - 2 学び続ける教職員の育成・支援 研修管理システムLeafを活用して、全ての学校管理職・教職員が人材育成指標(※96)に基づき、  自身のキャリアに応じた資質・能力を身に付けられるような育成制度、研修制度等の環境を整えます。 キャリアステージに応じた研修や組織マネジメントの研修など、受講者や学校の課題に即した研修内容となるよう、大学等と共同研修・研修開発を行い、支援を充実させます。  また、オンライン研修・ハイブリット研修等ICTを活用した多様な研修方法の推進を図ります。 教職員のグローバル人材育成のために、海外研修派遣やICTを活用した海外体験等のプログラムを実施します。  教職員自身が海外における教育実践や生活体験などに触れることを通して、異文化への理解を深め、子どもの多文化共生を促進します。 ※96 人材育成指標:管理職及び教職員としての、職責、経験及び適性に応じて向上を図るべき資質に関する指標 想定事業量 キャリアプランニング研修(※97)の受講人数 直近の現状値(令和3年度)・・・ ― 目標値(令和7年度)・・・対象者全員 人材育成指標(※96)活用推進事業推進校数 直近の現状値(令和3年度)・・・5校/年 目標値(令和7年度)・・・5校/年 大学・教職大学院等派遣人数 直近の現状値(令和3年度)・・・8人/年 目標値(令和7年度)・・・9人/年 海外研修派遣人数 直近の現状値(令和元年度)・・・40人/年 目標値(令和7年度)・・・40人/年 ※97 キャリアプランニング研修:横浜型初任者研修及び中堅教員研修において、いきいきと働き学び続けるといった視点でプランを立て実践する研修 3 チーム体制の構築と人員配置の工夫・充実 チームで対応を行うことによる組織力の強化や、教職員以外の専門スタッフ等の人員配置拡充による役割分担の明確化によって、  教職員一人当たりの担う業務量の削減を進め、併せて精神的な負担も軽減され、ワーク・ライフ・バランスを確保できるように進めていきます。 想定事業量 小学校高学年における教科分担制を伴うチーム学年経営の推進校数【再掲 柱1施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・129校 目標値(令和7年度)・・・全校 部活動コーディネーター(※84)の派遣校数【再掲 柱4施策1】 直近の現状値(令和3年度)・・・7校/年 目標値(令和7年度)・・・10校/年 ICT支援員の訪問回数【再掲 柱1施策2】 直近の現状値(令和3年度)・・・小・中・特支:48回/年、高:24回/年 目標値(令和7年度)・・・小・中・特支:62回/年、高:24回/年 SSW(※8)の配置人数【再掲 柱1施策4】 直近の現状値(令和3年度)・・・61人 目標値(令和7年度)・・・73人 コラム 「質の高い学び」と「持続可能な学校」の両立に向けた日課表の工夫 ここに図があります。 1コマ40分午前5時間授業にした小学校の日課の例 図の説明は終わり。 日課や年間行事予定などを工夫し、教職員の裁量のある時間を生み出す取組が、市内の各校で広がっています。 【実践している学校の教職員の声】 ・児童の集中力の高まりを感じる。 ・教職員の時間に関する意識の高まりを感じる。 ・放課後の時間で、余裕をもって授業準備に向かえる。 ・出張を伴う研修等に余裕をもって行ける。 ・取組の意義について丁寧に説明したことで、家庭と地域と共有しながら、進められるようになった。 - 78ページ - 4 学校業務の改善・適正化 業務の効率化が一層進むよう、教員の要望に沿った校務システムの保守・改修等を実施し、事務作業の効率化や業務の絶対量の削減につなげます。  また、学校業務を精査・精選し、業務のアウトソースを推進することで学校や教員の担うべき業務の適正化を図ります。 子育てや介護などのライフスタイルの変化のほか、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からも柔軟に働き続けることができるよう、  横浜市立学校フレックスタイム制度やWeb会議等ICTの活用をはじめとする、教職員の柔軟で効率的な働き方を推進します。 家庭と仕事の両立支援、勤務管理の在り方などを踏まえながら、在宅でできる教職員の業務について、テレワークのシステム導入を含め、引き続き検討を進めます。 教職員の資質・能力の向上に資する市全体の研究会活動では、これまで多くの成果をあげていますが、ワーク・ライフ・バランスや業務の効率化の観点から、  勤務時間内での終了を原則とすることや、ICTを活用したオンライン会議の推進等、今後の在り方について研究会と意見交換をしていきます。 周囲に民間スイミングスクールがある等の実情に応じて、民間企業との連携により、水泳学習のアウトソース化も視野に検討するなど、  児童生徒のより良い学びや学習環境の確保、教職員の負担軽減を図ることを目的とした検討を進めます。 部活動の地域移行については、横浜市の地域の特性等を踏まえ、部活動指導員(※9)の効果的な活用等を通じた部活動顧問の負担軽減に引き続き取り組むとともに、  地域スポーツクラブ等との連携による人員配置等の検討を進め、持続可能な部活動の体制を構築します。 想定事業量 日課を工夫するなど、教職員の裁量のある時間を生み出すための取組をしている学校数 直近の現状値(令和3年度)・・・小・中189校 目標値(令和7年度)・・・小・中289校 部活動指導に係る時間外勤務の申請時間が、2か月連続で月33時間以上の教員の人数※ 直近の現状値(令和3年度)・・・781人 目標値(令和7年度)・・・0人(毎年度) 部活動指導員(※9)を希望する部活動への配置率 直近の現状値(令和3年度)・・・ ― 目標値(令和7年度)・・・希望する部活動への配置100% 軽作業スタッフ新規派遣校数 直近の現状値(令和3年度)・・・8校 目標値(令和7年度)・・・32校(累計) 市立高校における統一化された新たな校務システムの導入校数 直近の現状値(令和3年度)・・・0校 目標値(令和7年度)・・・市立高校8校 ※月33時間については、部活動ガイドラインで設定されている活動時間、休養日をもとに算出。  平日1時間×4日×4週+2時間(2日)=18時間(平日:計18日)  土日3時間×1日×5週=15時間(土日:計5日) 5 管理職のマネジメント力の強化・意識改革 校長のリーダーシップ、マネジメント、ファシリテーションにより、働き方改革の推進並びに働き方の視点を踏まえた人材育成・意識啓発等に取り組み、  教職員一人ひとりの働き方の見直しにつなげます。 働き方分析ツール(※98)等を活用したアセスメントに基づく各校の働き方改革の推進と、各校の勤務実績の集計結果を活用した学校教育事務所による学校経営支援、  さらに必要な学校への適切な支援を通して、各校の自主性を尊重しながら働き方改革の実行性を高められるよう進めていきます。 ※98 働き方分析ツール:自校の働き方における現状を、意識、風土等の働き方の要因と考えられる視点から、可視化できるツール 想定事業量 学校全体の組織開発のアプローチを用いた働き方研修における2年目校長の受講人数 直近の現状値(令和3年度)・・・2年目校長全員72人 目標値(令和7年度)・・・2年目校長全員 - 79ページ - コラム 学校教育事務所の役割について 学校教育事務所は、より学校に近い場所から学校経営について「適確」「迅速」「きめ細か」な支援をすることで、 学校の自主性・自律性を更に高め、校長のリーダーシップによる学校経営の推進を支援することを目的として、市内4か所に設置されています。 【学校教育事務所の主な学校支援業務】 1 教育活動支援 (1) 学校訪問による学校支援 (2) 教育課程運営の支援・指導、教員の授業力向上支援 (3) 学校課題解決支援 (4) 「学校運営サポート事業※1」の展開 (5) 教育課題の適確な情報提供と学校情報についての積極的な発信 ※1 地域課題に応じて企画・運営し、実施。 2 人材育成 (1) 教員の研修の充実 (2) 授業改善支援センター(ハマ・アップ)運営の充実※2 (3) 教職員人事情報についての積極的な把握 (4) 臨時的任用職員・非常勤講師の確保・配置 (5) 教職員の不祥事の防止に向けた取組の推進 ※2 臨時的任用職員・非常勤講師を含む教員のニーズに合わせた教育情報の提供や授業力の向上。授業づくり講座・授業づくり相談等の実施。 3 学校事務支援 (1) 事務長※3と連携した学校事務支援 (2) 学校事務職員の人材育成 (3) 適正経理の推進 ※3 校長の命を受け、小中学校等の事務を処理し、学校事務職員を指揮監督するとともに、学校事務全般に係る支援等を行う者。 4 地域連携推進 (1) 学校・家庭・地域連携の推進 (2) 関係機関との連携強化 【主な事業の紹介】 ■学校事務支援 学校教育事務所と事務長が連携し、学校訪問、支出審査及び学校事務連携組織※4の運営支援等を通じて、学校事務に関する業務支援、相談対応、助言を行っています。 ※4 3~10校程度のブロックごとに近隣校が定期的に集まり、経理書類の点検、施設の共同点検、情報交換等を実施。 ここに写真があります。 学校事務連携組織の会合の様子 写真の説明は終わり。 ■学校支援会議 指導主事(※88)、SSW(※8)、学校支援員等による会議を定期的に開催し、学校の状況を事務所内で共有し、学校支援の充実を図ります。 ■学校運営サポート事業 学校教育事務所が方面別の地域課題に応じて企画・運営する事業です。 例えば、外国籍・外国につながる児童生徒が多い東部地域の学校では、日本語指導や学習支援が欠かせないため、 夏季休業期間を利用して言語のサポートを行いながら学習会を実施しています。 ここに写真があります。 夏季学習会の様子 写真の説明は終わり。 ■ハマ・アップ運営の充実 教員の授業力・教師力の向上を支援するため、教科ごとに授業づくりのポイントを学べる授業づくり講座や授業づくり相談などを行い(オンラインでも実施)、授業力の向上につなげます。 ここに写真があります。 春季特別授業づくり講座の様子 授業づくり講座の様子 写真の説明は終わり。 - 80ページ - 柱7 安全・安心でより良い教育環境 施策1 学校施設の計画的な建替え 〇施策の目標・方向性 「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」※に基づき、計画的に学校施設の建替えを推進します。 学校建替えの検討に当たっては、学校施設の機能改善、学校統合、公共施設等との複合化、公民連携手法の活用、自然環境に配慮した学校整備などを検討し、効果的に進めます。 ※平成29年5月策定。令和5年度に見直し予定。 〇現状と課題 【学校施設の計画的な建替えの推進】 昭和40年代頃の学齢期人口増加に合わせ学校施設を集中的に整備してきたため、築50年以上の学校施設が4割近くを占め、老朽化が進行しています。 ここに図があります。 横浜市立小・中学校の築年数(令和4年4月1日時点) 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 横浜市は児童生徒数が多く、グラウンド面積は21都市(指定都市及び東京都区部)中最低水準です。  また、大規模な住宅開発等により児童生徒が増加し、頻繁に学校施設の増築が行われたことにより動線が非効率になる等、  児童生徒の学習環境や教職員の日常の学習指導に影響が出ている学校があります。さらに、学習指導要領が改訂され、  教育活動等の充実が図られたことに伴い必要な教室等が増えたために、多目的室の不足や体育館の狭あいなど、現状ではほとんどの学校が求められる整備の基準を下回っています。  このため、多くの学校において、建替えが課題解決の有効な手段であることから、計画的に建替えを進める必要があります。 学校建替えは、単に老朽化対策にとどまらず、教育環境の向上や公共建築物の効率的なマネジメントを進める重要な機会になることから、  学校施設の機能改善、学校統合、公共施設等との複合化といった視点からも検討していく必要があります。 公民連携手法の導入も含めた最適な事業執行手法の選択や、気候変動等の社会的な課題を踏まえ、森林環境譲与税を活用し、  木材利用を推進する等自然環境に配慮した取組が求められています。 - 81ページ - 〇指標 建替工事着手校数 直近の現状値(令和3年度)・・・4校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・17校(累計)※ ※「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」策定(平成29年5月)以降の累計校数 〇主な取組 1 学校施設の計画的な建替えの推進 学校施設の建替えに向けて、必要な調査等を実施し、建替え検討の対象校を選定します。 建替えの検討にあたっては、学校施設の機能改善、学校統合、公共施設等との複合化、公民連携手法の活用、自然環境に配慮した学校整備などを検討し、  地域ニーズなどを把握しながら進めます。 「横浜市の持続可能な発展に向けた財政ビジョン」を踏まえ、持続可能な事業とするため「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」を令和5年度に見直し、  事業費の更なる平準化を図ります。 想定事業量 基本構想等着手校数 直近の現状値(令和3年度)・・・20校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・44校(累計)※ 基本設計等着手校数 直近の現状値(令和3年度)・・・15校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・37校(累計)※ 実施設計等着手校数 直近の現状値(令和3年度)・・・6校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・31校(累計)※ ※「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」策定(平成29年5月)以降の累計校数 2 自然環境に配慮した学校施設の整備 学校施設の建替え等を契機に、内装等への木材利用を促進する等、より環境に配慮した学校施設を整備し、児童生徒の環境教育にも活用できるようにします。 自然光、太陽光発電、LED照明や断熱材等を活用し、省エネルギーに配慮した学校整備を進めます。 原則として、全ての建替校で木材を内装等に使用します。特に、万騎が原小学校において、木造校舎の令和7年度工事着手へ向けて、建替事業を進めていきます。 想定事業量 建替えにより太陽光発電設備を設置した校舎の供用開始校数(太陽光発電設備は校舎竣工翌年度に設置を想定) 直近の現状値(令和3年度)・・・0校 目標値(令和7年度)・・・7校(累計) - 82ページ - 施策2 安全・安心な施設環境の確保 〇施策の目標・方向性 学校施設の老朽化対策や防災対策等を進め、子どもたちがより安全で安心して学ぶことができる教育環境を整えます。 空調設置、トイレの洋式化、要配慮児童生徒が在籍及び入学見込みの学校へのエレベーター設置等により、快適で誰でも使いやすい施設環境の整備を推進します。 〇現状と課題 【学校施設における児童生徒の安全確保】 平成26年の台風18号により市内で発生した崖崩れを受け、同年度から学校敷地にある崖地の安全対策をソフト・ハードの両面から進めており、引き続き対策を進める必要があります。 平成30年6月の大阪府北部地震を受け、現行の建築基準法の仕様に合致しないことが判明した 61 校(平成30年8月現在)の学校施設のブロック塀については、  平成30年度末までに対応を完了していますが、令和元年度以降は、建築基準法に基づく点検等による劣化の状況等を考慮し、順次フェンス等への改修を進める必要があります。 学校における防災対策として、全校に配備した児童生徒用の飲食料等の更新及び小学校・特別支援学校小学部の1年生を対象に防災ヘルメットの配備を行っています。 児童生徒の安全確保のため、外壁や窓サッシの改修工事を引き続き行う必要があるほか、特別支援学校や市立高校の学校施設についても老朽化が進んでいるため、対策が必要です。 【快適で誰もが使いやすい施設環境の整備】 夏の熱中症対策として空調機を設置し教育環境を改善してきましたが、近年老朽化が進み故障する空調機が出てきていることから、順次更新を進めていく必要があります。 体育館においても空調機を設置することで、教育環境の改善のみならず、地域開放や防災拠点といった公益性の面からも環境改善を図る必要があります。 最近の児童生徒は近年の住宅事情から和便器を使用せず我慢する傾向があることから、安心して学習し、  充実した学校生活を送ることができるようにするためトイレの洋式化を進めていく必要があります。 学校においては、障害等の理由にかかわらず、「共に育つ」ことを基本理念として、バリアフリー化を進めていくことが求められています。そこで、車椅子の使用等により階段の上り下りが困難な児童生徒が校内をスムーズに移動できるよう、エレベーターの整備を進める必要があります。 横浜市地球温暖化対策実行計画(市役所編)に基づく再生可能エネルギーの地産地消の一環として、建替予定が無く、現在太陽光発電設備及び蓄電池が無い小中学校を対象として、  屋根貸し自家消費型スキームPPA事業(※99)による太陽光発電設備の設置を進めています。 学級編制に係る法改正(※100)を踏まえ、35人学級に合わせた施設整備が必要です。 ※99 屋根貸し自家消費型スキームPPA事業:設備設置事業者(PPA事業者)が施設に太陽光発電設備を設置し、施設側は設備で発電した電気を購入する契約 ※100 学級編制に係る法改正:公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律 - 83ページ - 〇主な取組 1 学校施設における児童生徒の安全確保 平成30年に横浜市で策定した「学校施設の長寿命化計画(学校保全・更新計画)」に基づき、定期的な点検の実施等、施設の状態把握を行い、  早急な対応が必要な部分から更新・修繕を行うとともに、非構造部材(外壁・サッシ等)の改修を実施します。 専門家の調査により対策工事が必要と判断された学校敷地にある崖地の安全対策工事を実施すると共に、  建築基準法に基づく点検等による老朽化の状況に応じて、学校施設のブロック塀等について、解体撤去及びフェンス等の再設置を進めます。 災害時の対策としては、児童生徒用の飲食料等を賞味期限の到来に先立ち更新を実施するとともに、小学校及び特別支援学校小学部の1年生を対象に防災ヘルメットを配付し、  学校生活中の災害に備えます。 想定事業量 非構造部材(外壁・サッシ等)の改修件数 直近の現状値(令和3年度)・・・25件/年 目標値(令和7年度)・・・25件/年 崖地がある学校施設の安全確保校数 直近の現状値(令和3年度)・・・15校 崖安全度調査実施 目標値(令和7年度)・・・調査:463校、対策:3校(累計) ブロック塀の対策校数 直近の現状値(令和3年度)・・・7校/年 目標値(令和7年度)・・・7校/年 2 快適で誰もが使いやすい施設環境の整備 老朽化した空調設備の更新や体育館への空調設置、トイレの洋式化を進めることで、子どもが快適に過ごすことができる環境を整備します。  体育館への空調設置は10年程度で完了する見込みです。 横浜市福祉のまちづくり条例に基づき、車椅子使用等により階段の上り下りが困難な児童生徒等が在籍している学校に、エレベーター等の設置に努めています。  要配慮児童生徒等が在籍及び入学見込みの学校を優先し、中学校では入学前の設置を、小学校では幼保小連携の取組を更に強化し、低学年で利用できるよう整備を進めていきます。 横浜市地球温暖化対策実行計画(市役所編)に基づき設置可能な市立学校に太陽光発電設備の設置を進めていきます。 35人学級の実現に向けた教室改修等を行い、教育環境の機能充実を図ります。 想定事業量 老朽化した空調設備の更新校数 直近の現状値(令和3年度)・・・128校/年 目標値(令和7年度)・・・60校/年 体育館の空調新設校数 直近の現状値(令和3年度)・・・31校(累計)※ 目標値(令和7年度)・・・169校(累計)※ トイレの洋式化率(総便器数に対する比率) 直近の現状値(令和3年度)・・・84.4% 目標値(令和7年度)・・・90% エレベーター等の新規設置校数(小中学校合計) 直近の現状値(令和3年度)・・・11校/年 目標値(令和7年度)・・・13校/年 屋根貸し自家消費型スキーム事業による太陽光発電設備の設置校数 直近の現状値(令和3年度)・・・11校 目標値(令和7年度)・・・110校(累計) ※令和元年度からの累計校数 - 84ページ - 施策3 学校規模・通学区域の適正化 〇施策の目標・方向性 子どもの教育環境を改善するため、小規模校や過大規模校では、地域の状況に応じて通学区域の見直しや学校の統合・分離新設等による学校規模の適正化を進めます。  また、通学距離及び通学安全、地域コミュニティとの関係等の観点から通学区域に問題がある場合には、学校規模も考慮した上で通学区域の変更や弾力化等について検討します。 学校規模・通学区域の適正化に当たっては、保護者や地域住民の理解や協力を得ながら進めていきます。 〇現状と課題 【横浜市立小中学校の児童生徒数の状況】 全国的な少子化を受け、児童生徒数が減少した地域が多くなっている一方で、大規模マンションの建設等により、一部では児童生徒数が急増している地域も見受けられます。  そのため、地域の状況に応じた学校規模の適正化が必要となっています。 【学校規模による課題】 小規模校では、子ども同士がよく知り合うことができ、人間関係を密にすることができますが、その一方で、クラス替えが難しく、  行動範囲や対人関係が狭まり、多様な個性と触れ合える機会に恵まれにくくなる等、課題が生じるおそれがあります。 準適正規模校では、保有教室数や特別教室数等が充足している場合は、教育指導面において適正規模校と遜色ない教育を進めることができますが、  過大規模校では、特別教室、体育館、プール等の施設を使用する授業の割り当てが難しくなる等の課題があります。 ここに図があります。 学校規模の考え方 図の説明は終わり。 【通学区域の課題】 同一自治会・町内会の児童生徒が同一の学校に通えないといった地域コミュニティに関する問題、小学校の通学区域が複数の中学校の通学区域にまたがっていたり、  通学区域が複数の行政区にまたがっているといった問題があります。 学校規模や通学区域に関する問題を解消するためには、保護者や地域住民の理解や協力を得ながら進めていく必要があります。 - 85ページ - 〇主な取組 1 学校規模・通学区域の適正化 子どもの教育環境を改善するため、小規模校や過大規模校では、地域の状況に応じて通学区域の見直しや学校の統合・分離新設による学校規模の適正化を進めます。 通学区域に関する問題を解消し、子どもの教育環境を改善するため、通学区域の変更や弾力化の方策を、保護者や地域住民等の理解や協力を得ながら進めます。 想定事業量 上白根北中学校の開校(統合) 直近の現状値(令和5年度)・・・条例改正(令和5年4月施行) 目標値(令和5年度)・・・開校(令和5年4月) 阿久和小学校・いずみ野小学校の学校規模適正化等 直近の現状値(令和3年度)・・・検討 目標値(令和7年度)・・・実施 二谷小学校の建替えに伴う斎藤分小学校の学校規模適正化等 直近の現状値(令和3年度)・・・検討 目標値(令和7年度)・・・実施 日限山小学校・南舞岡小学校の学校規模適正化等 直近の現状値(令和3年度)・・・検討 目標値(令和7年度)・・・実施 東戸塚小学校の学校規模適正化等 直近の現状値(令和3年度)・・・検討 目標値(令和7年度)・・・実施 コラム 「横浜市立小・中学校の通学区域制度及び学校規模に関する基本方針」概要 「横浜市立小・中学校の通学区域制度及び学校規模に関する基本方針」(平成30年12月改訂)は、子どもの教育環境を改善することを目的として、 市立小・中学校の通学区域制度や適正な学校規模について定めるとともに、小規模校及び過大規模校の対策や通学区域の調整を推進する際の根拠となるものです。 また、「横浜教育ビジョン2030」において示されている、「豊かな教育環境」の整備に向けて、方策の方向性を示すものです。 この基本方針に基づき、適正な通学区域制度の運用や学校規模の適正化を推進しています。 通学区域制度については、住所によって就学すべき学校を指定する通学区域制度を基本としますが、通学距離や地域コミュニティの関係等の観点から課題が生じている場合は、 通学区域の変更や弾力化(特別調整通学区域の設定等)を検討します。 学校規模の適正化については、小規模校対策及び過大規模校対策を進めます。 小規模校においては、通学区域の変更や弾力化等が実施できない場合や実施によっても小規模校の状態が解消しない場合については、学校統合について検討を進めることとします。 過大規模校においては、過大規模の状態が続き、通学区域の変更等によってもその解消を図ることができない場合には、分離新設を検討します。 分離新設を行うための予定地の確保が困難な場合は、分離新設以外のその他の方策も地域の実情を踏まえて柔軟に講じることも必要です。 また、学校規模の適正化にあたっては、「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」(2017(平成29)年策定)を踏まえ、学校施設の建替えも考慮し、 老朽化対策と機能改善についても取り組みます。 ここに写真があります。 過大規模校対策の事例 鶴見区・市場小学校けやき分校設置(令和2年4月) 写真の説明は終わり。 - 86ページ - 柱8 市民の豊かな学び 施策1 生涯学習の推進 〇施策の目標・方向性 市民活動・生涯学習支援センター、横浜市社会教育コーナー、区役所を中心に、市民の生涯学習の推進を支えます。 市民の社会参加のすそ野を拡大し、地域の課題解決に取り組む活動を活性化するため、「社会参加のすそ野の見える化」や「社会参加を促す人材育成と活用」のための取組を推進します。 〇現状と課題 【生涯学習の推進】 人生100年時代において充実した生活を送るには、誰もが必要な時に必要な学びを通じて成長できることが重要であることから、  学びを通じて個人の成長につながる社会教育(※101)への期待が高まっています。  また、市民一人ひとりが生涯を通して学ぶことのできるよう、時間や場所に捉われない学習環境の整備、多様な学習機会の提供など、  生涯学習社会の実現のための取組の重要性が高まっています。 自分の興味や関心に応じて主体的に学ぶ力は、生涯を通して学び続けることにつながります。  学校教育だけでなく社会教育(※101)の観点からも、子どもたちの学ぶ意欲や主体性をはぐくむ施策が重要であるため、地域や企業等の多様な主体との連携により、  地域・社会において学びがどのように役立つかを考える機会を提供する取組が求められています。 横浜市では、地域課題解決に向かう活動が盛んに行われていますが、活動への参加を考えている人にとっては、情報が一部に限られている、  情報の入手方法が分からないといった理由から、最初の一歩を踏み出しにくい状況があります。 社会教育(※101)に関する議論を行う横浜市附属機関「横浜市社会教育委員会議」の第32期提言「本市における社会参加のすそ野の拡大について」では、  「社会参加」を「市民が地域・社会の様々な活動に加わり、地域・社会の一員であるという気持ちを持つこと」と捉えた上で、  市民の社会参加を促すための方針・施策として「社会参加のすそ野の見える化」と「人材育成と活用」を示しています。  特に人材育成に関しては、令和2年度からの社会教育士制度(※102)の開始を受けて、社会参加のきっかけとなる様々な学習活動を生み出す人材の育成が期待されています。 ※101 社会教育:    「学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)」(社会教育法第2条)を指し、教育活動の一つとして捉えられている。 ※102 社会教育士制度:    国が定める社会教育主事養成課程または社会教育主事講習を修めた者に、与えられる称号であり、環境、福祉、まちづくり等、多様な分野における学習活動の支援を通じて、人づくりや地域づくりに携わる役割が期待されている。 - 87ページ - 〇主な取組 1 生涯学習の推進 市民が主体的に地域の生活上の課題や社会的な問題に関わり、豊かなまちづくりにつなげていくため、生涯学習に関係する職員の研修や、社会参加につながる情報の見える化、  市民の社会参加を促すコーディネーター人材の育成支援を行います。  また、地域や企業等の多様な主体との連携による体験型社会教育プログラムを通じて、子どもたちの主体的な学びを推進するとともに、若者や企業の社会参加のきっかけをつくります。 想定事業量 生涯学習に関係する職員への研修回数 直近の現状値(令和3年度)・・・15回/年 目標値(令和7年度)・・・15回/年 コーディネーター人材の育成支援人数 直近の現状値(令和3年度)・・・63人/年 目標値(令和7年度)・・・130人/年 体験型社会教育プログラム「子どもアドベンチャーカレッジ」の参加者数 直近の現状値(令和3年度)・・・ ― 目標値(令和7年度)・・・1,000人/年 コラム 子どもアドベンチャーカレッジ 子どもアドベンチャーカレッジは、「主体的・対話的で深い学びのきっかけづくり」「社会参加のきっかけづくり」の場と機会を提供するため、 民間企業や団体、大学、公的機関等との連携により実施する体験型社会教育プログラムです。 キャリア教育の視点でこれまで実施していた「子どもアドベンチャー」をリニューアルして令和4年度から実施しています。 プログラムを実施する企業・団体等は、参加児童が地域・社会の様々な活動に関心をもってもらうための体験活動を行います。 さらに、学びへの関心を高める講話や、体験を通じた参加児童の学びの気づきを共有する振り返り会を実施することで、子どもたちの主体的な学びのきっかけを提供します。 また、プログラムには、公募による学生コーディネーターを振り返り会の進行役として配置することで、 市民活動の担い手として期待される若者の人材育成にもつながる取組となっています。 ここに写真があります。 消防隊員体験の様子 建設工事体験の様子 写真の説明は終わり。 - 88ページ - 施策2 新たな図書館像の構築及び読書活動の推進 〇施策の目標・方向性 市立図書館が知の拠点としての機能を果たすことに加え、子育て世代をはじめとした全ての市民が居心地よく豊かな時間を過ごせるよう、  老朽化が進む市立図書館の再整備の方向性を検討します。 「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」に基づき、乳幼児期から高齢期まで市民一人ひとりが読書に親しみ、楽しむことができる環境を整備するため、  「横浜市民読書活動推進計画」を中心に、読書活動を推進する取組を実施します。 〇現状と課題 【新たな図書館像の構築・図書館サービスの充実】 市立図書館は、市民の読書活動と、市民の生活・福祉・経済・医療・学び等の課題解決を支える知の拠点です。  豊かな市民生活を実現するため、機能の充実に取り組むことが必要です。 ・市立図書館は、全18館のうち6館(※103)が築40年を超えています。  各図書館の築年数や現況を見据え、既存図書館の修繕と建替えを計画的に行うとともに、まちの魅力向上につながる図書館の再整備の在り方を検討することが必要です。 ・市立図書館の来館者数は微減傾向ですが、感染症拡大防止のため、休館や開館時間の短縮等を行った後の令和2年度後半から貸出しが増え、  令和3年度の貸出冊数は過去10年で最高値となりました。予約冊数も増えています。  令和2年度に図書館の魅力向上に必要なものについて市民にアンケート(ヨコハマeアンケート(※104))を取ったところ、蔵書の充実を選んだ方が最多の59%でした。  市立図書館全体の蔵書冊数は約400万冊と指定都市第2位ですが、市民一人当たり換算では1.1冊にとどまっています。  引き続き地域課題やニーズに沿った蔵書を質・量ともに充実させる必要があります。 市立図書館以外の場所で、予約した本を受け取れる図書取次サービス(※105)拠点の増設などにより、市民の利便性の向上に取り組んでいます。  令和3年度には新たに港北区日吉に図書取次サービス(※105)拠点を新設し、令和4年度には移動図書館が2台体制となり、全18区への巡回が可能となりました。  サービス拡充に伴い、図書の物流は年々増加しており、円滑な物流の確保が必要です。 市立図書館では、ウェブで地域資料を閲覧できるデジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」の公開、電子書籍の貸出サービスの提供、  活字資料での読書が困難な視覚障害者等を対象としたオンライン対面朗読を実施しています。  また、レファレンス(※106)(資料相談)のウェブ申請も受け付けています。更にICTを活用したサービスを充実させ、読書機会の創出に取り組むことが必要です。 ※103 全18館のうち6館:    港北図書館築60年、山内図書館築45年、戸塚図書館築44年、鶴見図書館築42年、金沢図書館築42年、保土ケ谷図書館築40年(令和4年4月1日時点) ※104 ヨコハマeアンケート:    市内在住の15歳以上の方を対象にメンバー募集し、市政に関するアンケートにインターネットで御回答いただく。ただし、母集団を特定し回答者を無作為抽出して実施する世論調査ではない。 ※105 図書取次サービス:図書館の蔵書を、駅前等の身近で便利な場所でも利用できるサービスのこと。 ※106 レファレンス:利用者の調べものの相談に対し、資料・情報等の提供や関連機関の紹介、文献複写の取次ぎなど情報入手の支援を行うサービス ここに図があります。 市立図書館の貸出・予約冊数・来館者数 出典は横浜市の図書館2022(図書館年報) 図の説明は終わり。 - 89ページ - 【読書活動の推進】 ・「読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動人数(図書館と連携した事業)」は、平成24年度以降、増加傾向にありましたが、令和元年度以降は、新型コロナウイルス感染症の影響により減少しています。  ボランティア活動を行う場所や機会に関する情報提供などの支援の重要性が高まっています。 区役所・図書館・学校が連携し、区の地域性を踏まえた読書活動を推進するため、各区は読書活動の目標を平成26年度に定めました。  引き続き、区役所・図書館・学校はこの活動目標に基づき、区内の読書活動推進団体等と連携しながら、読書活動推進の取組を拡充していく必要があります。 国の第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」では「子供を取り巻く情報環境が大きな変化を見せており、  これらが子供の読書活動にも大きな影響を与えている可能性がある」という指摘があり、  「横浜市学力・学習状況調査」でも「1日のうち読書を『している』と回答した小中学生の割合」は減少傾向にあります。  一方で、学校司書(※107)が全校に配置された平成28年度と比較して30年度は学校図書館の平均来館者数(10,091人→11,350人)、貸出冊数(6,354冊→7,565冊)、  「学校図書館へ行くことが好き」と回答する児童生徒(73.6%→74.4%)は、大幅に増加しており、学校司書(※107)は、子どもの読書活動を支える大切な役割を担っています。 令和元年度以降、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休業や分散登校等により、学校図書館が利用できなかったことなどもあり、平均来館者数などは、横ばいから減少状態となりました。  令和2年度の平均来館者数が前年度の80%と大きく落ち込んだのに対し、平均貸出冊数は、令和2年度の対前年度比が104.9%、令和3年度の前年度比が98.9%と、ほぼ横ばいを維持しています。  これは、新型コロナウイルス感染症の影響下でも、各校で工夫して読書活動推進に取り組んだ成果と思われます。  より多くの子どもたちが読書に親しむことができるよう、司書教諭・学校司書(※107)・ボランティアが連携して行う読書活動の推進や、学校内の読書環境整備、  学校図書館の利活用の促進を引き続き進めていく必要があります。  そのためにも、学校司書(※107)のより一層のスキルアップを図る必要があり、ニーズに合わせた研修などが求められます。 図書館サービスの充実と読書活動の推進に関する現状と課題については、「第三次横浜市民読書活動推進計画」(令和5年度策定予定)で、今後の施策の方向性と取組を示す必要があります。  「第三次横浜市民読書活動推進計画」の策定に当たっては、令和元年6月に施行された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」を受けて、  視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等(※108)の充実・普及と、障害の種類及び程度に応じた配慮の実現に向けた取組を反映させる必要があります。 ※107 学校司書:学校図書館の運営補佐、環境整備、授業支援などを担当する職員 ※108 視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等:    デイジー図書、音声読み上げ対応の電子書籍等。デイジー(DAISY)とは、「Digital Accessible Information System」の略で、本の内容をデジタル化し、    パソコン等で音声読み上げができるようにしたもの。目次を付けたり、検索をすることが可能である。 ここに図があります。 読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動者延べ人数(図書館と連携した事業) 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 - 90ページ - 〇指標 図書館における貸出冊数※1 直近の現状値(令和3年度)・・・1,160万冊/年 目標値(令和7年度)・・・1,200万冊/年 市立図書館の再整備の在り方検討 直近の現状値(令和3年度)・・・  ― 目標値(令和5年度)・・・ビジョン策定 読み聞かせ、朗読等ボランティアの活動者延べ人数(a図書館と連携した事業の延べ人数、b市民利用施設における1館あたり平均人数) 直近の現状値(令和3年度)・・・a 1,511人、b 12.9人/館 目標値(令和5年度)※2・・・ a 4,200人、b 30.1人/館 小中学校の学校図書館の利活用の促進(a来館者数(平均値)、b貸出冊数(平均値)、c学校図書館が好きと答えた児童生徒の割合) 直近の現状値(令和3年度)・・・a 8,209人、b 7,149冊、c 79.3% 目標値(令和5年度)※2・・・ a 11,500人、b 7,600冊、c 80.0% ※1 市立図書館での貸出(電子書籍の貸出を含む)及び広域相互利用による他都市での横浜市民への貸出も含む ※2 第三次横浜市民読書活動推進計画(令和5年度策定予定)の策定に合わせて、目標値を見直します。 〇主な取組 1 新たな図書館像の構築・図書館サービスの充実 市立図書館が知の拠点としての機能を果たすことに加え、全ての市民が居心地よく豊かな時間を過ごせるように、地域の特色に応じた再整備の在り方を調査・検討し、ビジョンを策定します。  また、老朽化が進む市立図書館の修繕や建替えを計画的に行います。 効率的な物流の仕組みを検討し、身近で便利な図書館サービスの提供に取り組みます。  また市民の読書と課題解決に役立つ蔵書はもとより、いつでもどこでも活字に親しめる電子書籍を充実させます。 ICTを活用したサービスの拡充に向け、図書館情報システムの再構築を実施するとともに、手続きのオンライン化、デジタルアーカイブ収録資料のオープンデータ化を推進します。  また視覚障害者等に向けたテキストデイジー(※109)の製作、調査研究を支援するレファレンス(※106)情報の公開を進めます。 学校、教育委員会及びその他関係機関が連携し、中央図書館施設を活用した子どもたちの居場所づくりや、社会体験の場づくりを検討します。 ※109 テキストデイジー:    デイジー図書の1つで、図書の文字情報をデジタル化し、パソコン等で音声読み上げができるようにしたもの。 想定事業量 市立図書館の大規模な設備修繕・更新件数 直近の現状値(令和3年度)・・・1件 目標値(令和7年度)・・・12件(累計) 図書の新規購入冊数 直近の現状値(令和3年度)・・・123,330冊/年 目標値(令和7年度)・・・130,000冊/年 電子書籍の提供コンテンツ点数 直近の現状値(令和3年度)・・・5,366点(累計)※1 目標値(令和7年度)・・・18,000点(累計) デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」収録資料点数 直近の現状値(令和3年度)・・・12,569点(累計)※2 目標値(令和7年度)・・・12,900点(累計) ※1 電子書籍の貸出を開始した令和2年度からの累計 ※2 デジタルアーカイブを開始した平成17年度からの累計 - 91ページ - 2 読書活動の推進 図書館や市民利用施設等での読み聞かせや朗読など、身近な地域における読書活動を進めるため、活動を支えるボランティアの支援を行います。  また、区の地域性を踏まえた読書活動の推進や、全市的な読書活動の推進などを通じて、市民が読書に親しみ楽しむ機会を広げていきます。 教員と学校司書(※107)が連携し、子どもが読書に親しめるような支援と学校図書館を活用した授業づくりを推進し、子どもの主体的な学びをサポートし、資質能力の向上を図ります。  そのために取組事例についての情報提供・情報共有を推進するとともに、司書教諭・学校司書(※107)に対する研修をより充実させます。 学校図書館がもつ、①学習活動の支援や、授業内容を豊かにする「学習センター機能」②情報の収集・選択・活用能力を育成する「情報センター機能」  ③読書活動や読書指導の場となる「読書センター機能」という3つの機能・役割の強化に向け、環境や資料等の充実を図ります。 市民の意見を踏まえながら「第三次横浜市民読書活動推進計画」を策定し、引き続き、市民の読書活動を総合的に推進します。 想定事業量 読み聞かせ、朗読等ボランティア活動推進のための支援回数 直近の現状値(令和3年度)・・・2回/年 目標値(令和7年度)・・・9回/年 市民が読書に親しむ全市的な機会の創出 直近の現状値(令和3年度)・・・2回/年 目標値(令和7年度)・・・2回/年 学校司書(※107)や司書教諭のスキルアップのための研修会の実施回数 直近の現状値(令和3年度)・・・8回/年 目標値(令和7年度)・・・10回/年 コラム 図書館のサービス 図書館は知の拠点として、市民の読書活動と課題解決を支えるため、資料の収集、レファレンス(※106)機能の強化を図ります。 学校との連携により子どもの学びと読書を支え、また移動図書館や図書取次サービス(※105)の拡充により、身近な場所での図書館サービスを提供します。 さらに電子書籍等ICTを活用し、いつでもどこでも情報にアクセスできる環境整備にも取り組んでいます。 ここに図があります。 図書館のサービスを表した図 図の説明は終わり。 - 92ページ - 施策3 横浜の歴史に関する学習の場の充実 〇施策の目標・方向性 行政のみならず、市民、企業、学校などと協働、連携して横浜の歴史を学ぶ上で欠かせない文化財の保存・活用に取り組みます。 児童生徒や市民が、横浜の歴史文化(※110)を身近に感じ、学ぶことで、愛着を感じられるよう、学習機会の充実を図ります。 ※110 歴史文化:文化財とそれに関わる様々な要素とが一体となったもの。 〇現状と課題 横浜市では、教育委員会が主体となり、文化財保護法や文化財保護条例に基づく文化財の保存・活用を進めています。  指定・登録文化財は、471件(令和4年3月現在)あり、幅広い時代の文化財が市域全体に存在しています。  横浜の歴史を学ぶ上で重要な役割を担う文化財を、様々な活用を通じて、地域の魅力向上や地域活性化につなげ、次世代に継承する必要があります。 都心臨海部には、国の重要文化財である「帆船日本丸」「氷川丸」「横浜市開港記念会館」「神奈川県庁本庁舎」「神奈川県立歴史博物館」をはじめ、多くの文化財が所在しており、  横浜の歴史や物語を伝える横浜ならではの風景を構成しています。 文化財の保存・活用に関する取組は、行政のみならず、博物館施設、民間団体、NPO法人、市民ボランティア等によっても盛んに行われており、横浜の歴史文化(※110)の継承を支えています。 図があります。 横浜市に所在する文化財数(令和4年3月時点) 出典は横浜市教育委員会事務局調べ 図の説明は終わり。 文化財の所有者・管理者の経済的負担の増加、高齢化に伴う担い手不足、防災対策に加え、感染症拡大に伴い、従来の枠組みでは解決できない課題に直面しており、  行政のみならず、多様な主体が連携し、横浜の歴史文化(※110)を次世代に継承していく新たな仕組みづくりが必要です。 日米和親条約の締結の地に所在する「横浜開港資料館」(市指定文化財)は、日本の開港開国に関わる国内外の資料・情報の拠点となっています。  令和3年には、文化庁から「横浜開港資料館における文化観光拠点計画」が認定され、横浜中華街、山下公園、元町、山手などの観光エリアに隣接する立地を生かし、  文化観光の中心を担う拠点施設としての活用が期待されています。 - 93ページ - 博物館等施設の老朽化、収蔵資料の保管場所不足のほか、教育委員会所管の史跡等の範囲内にある土砂災害警戒区域に指定された崖地(約40か所)についての対策が必要です。 博物館等施設では、ICTの急速な進展や感染症の影響など昨今の社会状況の変化により、従来の施設への集客を中心とした事業に加え、オンライン講座の開設や、  オンライン授業に適用した動画作成、所蔵資料のデジタル化など、新たな取組も進める必要があります。 博物館に所蔵する歴史的な資料や学芸員等の専門的知見を生かした、児童生徒への学習支援や、教員の授業改善の支援を、更に充実させていくことが期待されています。 〇主な取組 1 市内に残る文化財の保存・活用、理解の推進 市内の多様な文化財を次世代に継承するため、中・長期的な基本方針と、短期的な事業計画を定めた「横浜市文化財保存活用地域計画」を作成します。  この計画により、市民、企業、学校、博物館施設等と協働・連携して文化財の保存・活用を進め、横浜の歴史文化(※110)に触れる機会を創出します。 文化財の調査研究や文化財所有者への支援を継続して実施するととともに、特に保存が困難な状況にある無形民俗文化財の調査を実施し、施策を検討します。 国指定史跡三殿台遺跡の保護と普及啓発を目的として昭和42年に整備した「三殿台考古館」の老朽化対策と、遺跡の適切な保存・普及啓発を図るため、再整備を検討します。  また、25年以上リニューアルされていない歴史博物館、開港資料館等の常設展示設備の更新や所蔵資料の保管場所の確保の検討に加え、  所蔵資料のデジタル化を推進するための検討を進めます。 史跡等範囲内において、土砂災害警戒区域に指定されている崖地の安全対策を進めます。 想定事業量 市内指定・登録文化財件数 直近の現状値(令和3年度)・・・471件(累計)※3 目標値(令和7年度)・・・479件(累計) 無形民俗文化財調査件数 直近の現状値(令和3年度)・・・1件/年 目標値(令和7年度)・・・5件/年 博物館等への来館者数及びオンラインコンテンツ閲覧人数 直近の現状値(令和3年度)・・・346,659人/年 目標値(令和7年度)・・・395,000人/年 史跡等範囲内の土砂災害警戒区域への安全対策箇所数 直近の現状値(令和3年度)・・・2か所/年 目標値(令和7年度)・・・5か所/年 ※3 市内の文化財が初めて指定を受けた明治33年からの累計 2 横浜の歴史文化を身近に感じ、学習する機会の創出 従来の博物館等の施設への見学受入れを継続して行うほか、訪問授業の実施、オンライン講座の開設や、オンライン授業に適した動画作成などの取組を通じて、  児童生徒の学習支援や教職員の授業改善につなげ、横浜の歴史文化(※110)を身近に感じ、学習する機会を創出します。 想定事業量 博物館学芸員等による訪問授業を受講した児童生徒数 直近の現状値(令和3年度)・・・7,146人/年 目標値(令和7年度)・・・7,350人/年 文化財を活用した授業コンテンツ動画等の作成数 直近の現状値(令和3年度)・・・2本/年 目標値(令和7年度)・・・6本/年