- 26 - 戦略3 チーム体制の構築と人員配置の工夫・充実 チームで対応を行うことによる組織力の強化や、教員以外の専門スタッフ等の人員配置拡充による役割分担の明確化によって、教職員一人当たりの担う業務量の削減を進めていきます。 (1)教職員配置の工夫、チーム体制の構築 @小学校高学年における一部教科分担制の導入による学年経営力の強化 (NEW) 【現状】 小学校では学級担任制が基本であるため、複数の教科を1人の担任が教えています。 また、児童指導も学級単位で行われる傾向があります。 そのため、授業準備に多くの時間を要することや、複数の教職員による児童指導の充実が課題となっています。 【今後の方向性】 担当する教科の分担を進めることでの授業準備等の負担の軽減や、複数の教職員で子どもを見守る体制の構築等を目指します。 そのために、義務教育 9 年間における子どもの成長の大きな転換点となる小学校高学年において、学級担任ではない教員が学年経営を行う仕組みを試行導入し、協働的一部教科分担制の導入と学級の壁を超えた児童指導を行います。 その結果、チームによる学年経営を円滑に進めます。 平成 30 年度に推進校を指定し、取組事例、方法や効果の検証を行います。 合わせて、推進校には、チームによる学年経営を継続的に機能させるために、週単位で時間割をコーディネートする人員の確保と配置を進めていきます。 【工程表】小学校における教科分担制推進校の指定校数 2018(H30)…推進校8校 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …順次拡充 A市費移管後の教職員配置の工夫 【現状】 平成 29 年 4 月の県費負担教職員の本市移管に伴い、義務標準法に基づく教職員定数を基本にしつつも、本市の特性、児童生徒や学校・地域の実情を踏まえた柔軟できめ細かな教職員配置ができるようになりました。 【今後の方向性】 教職員配置の効果の検証を行いながら、負担軽減の観点も考慮し、効果的な教職員配置について、継続的に検討を進めます。 【工程表】学校の実情に応じた教職員配置の工夫・拡充 2018(H30) 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …効果検証・配置拡充 - 27 - (2)学校をサポートする専門スタッフ等の配置 @職員室業務アシスタントの配置の拡充 【現状】 副校長及び教員の負担を軽減し、限られた時間の中で効率的に業務ができることを目的として、職員室における事務的な業務(印刷業務、電話応対、来客対応等)をサポートする非常勤職員を、平成 29 年度から大規模な小学校を中心に 30 校に配置しています。 勤務時間縮減にも直接つながる効果の高い取組です。 【今後の方向性】 引き続き、配置校での効果検証を行いながら、より効果的な活用方法について各学校に周知するとともに、優先順位を見極めつつ、平成 30 年度から新たに中学校への配置を行い、順次拡充を進めていきます。 【工程表】職員室業務アシスタントの配置 2018(H30)…130 校 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …順次拡充 【先生の事務作業を少しでも軽く】 平成 27、28 年度の試行を経て、平成 29 年度より本格実施された「職員室業務アシスタント配置事業」は、配置校から「本当に助かっている。」との声が多く届いています。 副校長の学校マネジメントへ関わる時間の増加などとともに、配置を通して、仕事の仕方、業務の仕分け等を考えるきっかけにもなっているようです。 【依頼できる業務例】 @外部との応対 電話、来客、業者 など A事務作業 印刷、綴じ込み、パソコンデータ入力、アンケート集計、配布物仕分け、封筒入れ、宛名書き、ラミネート など B職場環境の整備 ファイル整理、表示、廃棄文書、掲示 など 【配置校副校長の声】 「昨年度は、授業時間中に校内を巡回することがほとんどできなかったが、今年度は教室の様子を昨年度より多く見ることができている。 このことは、担任への助言や指導、児童との関係づくりや指導に役立っている。」 【配置校教員の声】 「今まで誰の仕事かはっきりせず、気が付いた人がやる仕事を一手に引き受けてもらっている。自分の仕事により集中できる環境になった。」 「印刷の時間を教材研究に使うことができ、日々の授業に集中することにつながっている。」 「細かい時間ができたことで、子どもと関われる時間が増えたのがうれしかった。」 - 28 - A部活動指導員の新規配置・支援体制の構築 (NEW) 【現状】 部活動の専門的な技術指導を行える人材を外部指導者として派遣し、教職員の負担軽減を図るとともに、生徒の活動機会を保障していることから、学校からのニーズも高い状況ですが、学校が希望する種目の技術指導者を十分に確保できていないことや、顧問との役割分担など課題があります。 また、学校教育法施行規則の改正により、平成 29 年4月より、中学校、高校等において、校長の監督を受け、部活動の顧問の役割と同様の技術指導、大会の引率等を行うことを職務とする「部活動指導員」が制度化されました。 【今後の方向性】 部活動の顧問としての役割を担うことができる「部活動指導員」の配置に向けて、部活動指導員の任用に係る要綱を整備するとともに、平成 30 年度は中学校に 50 人程度の部活動指導員を配置する実践事業を展開します。 その効果検証を踏まえて、順次、外部指導者から部活動指導員への転換を図り、配置に向けた取組を進めていきます。 また、持続可能な部活動のあり方として、学校の状況に応じて支援・選択できるよう、民間企業や大学等との連携を図った体制の構築を検討します。 【工程表】部活動指導員の配置 2018(H30) …約 50 人 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …順次拡充 B特別支援教育支援員の配置の拡充 【現状】 小中学校において、学習面や行動面に特別な支援を必要とする児童生徒を支援し、特別支援教育における校内体制の構築をするため、特別支援教育支援員を配置しています。 【今後の方向性】 対象児童生徒が増加する中で、小中学校及び保護者からのニーズも大きく増加しています。 丁寧に寄り添うことができるように、適切な配置のあり方を検討しつつ、配置を拡充していきます。 【工程表】特別支援教育支援員の配置 2018(H30) …1,080 人 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34)…順次拡充 - 29 - C学校におけるカウンセラーの配置の継続 【現状】 いじめ、不登校、暴力行為等の未然防止や、早期発見、早期対応に向けて、児童生徒や保護者、教職員への心理的な助言を行うために、週1回程度相談を受けることができる体制を整えています。 また、小学校で相談したカウンセラーに引き続き中学校でも相談できるように、「小中一貫型カウンセラー」を全中学校ブロックに配置しました。 【今後の方向性】 スクールカウンセラーは非常勤職員であり、緊急時の対応等の際に柔軟に機能することができないことや、人材の確保が困難といった課題があることから、支援の充実に向けた体制強化を図っていく必要があります。 【工程表】学校カウンセラーの配置 2018(H30) 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …継続配置、体制強化に向けた検討 D理科支援員の配置の継続 【現状】 小学校における理科の実験や実験準備等をサポートするため、理科支援員を配置しています。 平成 29 年度は、205 名を 233 校の小学校に配置し、主に 5・6 年の理科の学習指導の補助や準備、片付け等を実施しています。 観察・実験等、体験的な学習がさらに充実し、教員の授業力向上にも効果が出ています。 【今後の方向性】 毎年 20 校程度のペースで配置を拡充してきましたが、平成 29 年度で未配置校が 107 校あるため、配置方法や人材確保等について工夫しながら、平成 30 年度の小学校全校配置及び平成 31 年度以降の配置継続に向けて取り組みます。 【工程表】理科支援員の配置 2018(H30)… 全小学校 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) … 継続配置 - 30 - E学校司書の配置の継続 【現状】 学校図書館の充実を図り、子どもの読書意欲の向上と情報活用能力を育成するため、教職員の授業支援等を行う学校司書を配置しています。 平成 25 年度から順次配置を行い、平成 28 年度に全校配置をしました。 【今後の方向性】 読書習慣の確立や情報活用能力の向上のために司書教諭と学校司書の連携を一層強化し、学校図書館の充実に努めるため、引き続き全校に配置します。 【工程表】学校司書の配置 2018(H30) 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …継続配置 Fスクールサポートの配置の継続 【現状】 小中学校サポート事業として、集団での行動や授業への集中などが困難な児童生徒に対してきめ細かな対応を行うなど、円滑な学級運営を支援するために、非常勤講師を配置しています。 学校生活に不安や困難があった児童生徒に対し、きめ細かに関わることで、児童生徒、保護者にも安心感を与えることができ、学級担任が学級での指導に集中して取り組めるようになっています。 【今後の方向性】 非常勤講師の継続配置を進めていきます。 【工程表】スクールサポート非常勤講師の配置 2018(H30) 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …毎年 240 校程度配置(継続配置) - 31 - G学校栄養職員の配置の継続 【現状】 食物アレルギーをもつ児童が増加し、学校給食におけるアレルギー対応が増える中で、きめ細かなアレルギー対応を行うとともに、給食の衛生管理面の充実を図るため、栄養士資格を有する非常勤学校栄養職員を配置しました。 さらに、配置した職員が、給食物資の発注業務を補助することで、教職員の負担軽減を図ります。 平成 30 年度は、未配置の学校給食実施校のうち 85 校に配置する予定です。 【今後の方向性】 非常勤学校栄養職員の配置を継続します。 【工程表】学校栄養職員未配置校への非常勤職員の配置 2018(H30)…85 校 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …継続配置 H保健室支援員の配置の継続 【現状】 保健室登校、健康課題への対応や精神的なケアなど、養護教諭を中心に児童生徒に様々な支援を行っている学校(平成 29 年度は 42 校)に、保健室支援員を配置しています。 養護教諭有資格者の支援員を配置することで、学校及び児童生徒の状況に応じたきめ細かな支援を行うとともに、保健室経営の安定、チーム支援の体制整備を進めることを目指しています。 【今後の方向性】 多様化・複雑化している児童生徒の健康課題等の解決や支援のため、保健室支援員の配置を継続していきます。 【工程表】保健室支援員の配置 2018(H30)…50 人 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …継続配置 - 32 - I日本語指導が必要な児童生徒支援の充実 【現状】 日本語指導が必要な児童生徒の在籍が一定数以上の学校に「国際教室担当教員」を配置し、当該児童生徒への支援を行っています。 さらに、国際教室設置校の中でも在籍が特に多い学校には「日本語指導が必要な児童生徒支援非常勤講師」や児童生徒の母語での対応ができる「外国語補助指導員」を配置しています。 また、児童生徒や保護者の母語が話せるボランティアを派遣し、初期適応、学習支援、面談等での保護者通訳を行っています。 平成 29 年度からは日本語支援拠点施設「ひまわり」を開設し、転・編・入学時の円滑な受入を支援する「学校ガイダンス」や来日初期の児童生徒が集中して日本語を学び、学校生活を体験する「プレクラス」などの取組を行っています。 【今後の方向性】 日本語指導が必要な児童生徒数は増加傾向にあるため、既存事業による支援を継続するとともに、当該児童の在籍が一定数以上の学校に外国語補助指導員を配置できるよう配置人数の拡充を図っていきます。 また、日本語支援拠点施設において、教材・指導案等の収集を行い、情報を発信することで、ノウハウがない学校での受入を支援できるよう体制を整えます。 【工程表】日本語指導が必要な児童生徒支援 2018(H30) 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …継続実施 - 33 - Jスクールソーシャルワーカー(SSW)の活用による福祉的課題への支援の強化 【現状】 いじめ、不登校、暴力行為、虐待等の様々な課題に対して、学校が関係機関と連携して迅速に解決できるよう、課題解決支援チームの一員としてスクールソーシャルワーカー(SSW)を、学校教育事務所に配置し、福祉的な視点を交えた学校支援を行っています。 (平成 29 年度 23 名体制) 【今後の方向性】 SSW が教員とともに、ケース会議や保護者対応を行えるようにするとともに、長期的・計画的な人材育成により専門性を高めていけるよう、正規職員の配置を進めるなど体制の充実を図ります。 また、大学等の養成機関と連携することにより、意欲と能力のある人材の確保や、採用後の専門性の向上などを進めます。 これらの取組により、学校教育事務所での児童生徒支援体制の強化を図り、SSW が関係機関を結びつける役割を担うことによって、区役所、児童相談所等の関係機関と連携しながら、教員や指導主事、カウンセラーやケースワーカー等の専門職とともに、個々のケースに対し、より効果的なチームアプローチを実施していきます。 【工程表】SSW 等の配置 2018(H30) …30 人 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …順次拡充 K学校教育事務所による法律相談体制の強化 【現状】 児童生徒間のトラブルや学校事故などの課題解決支援の一環として、学校教育事務所による弁護士への法律相談を実施しています。 【今後の方向性】 弁護士に随時、電話やメールでも相談でき、迅速に学校支援につなげられるように、体制を充実させ、学校におけるトラブルの未然防止や早期解決につなげます。 また、弁護士への法律相談や弁護士が来所しての研修を継続実施し、学校教育事務所内の法律に関する知識を深めるとともに、引き続き、相談件数や依頼内容など実態に即した弁護士への相談体制を検討していきます。 【工程表】法律相談体制の強化 2018(H30) 2019(H31) 2020(H32) 2021(H33) 2022(H34) …継続実施