【表紙】 横浜市立学校 教職員の働き方改革プラン〜先生のHappyが子どもの笑顔をつくる〜 平成30年3月 横浜市教育委員会 はじめに 近年の学校教育に対するニーズの変化や、課題の多様化・複雑化の中で、学校が果たす役割は大きくなり続けており、それは教職員の長時間労働という形でも表れています。 横浜市は、平成25年度の「横浜市立学校 教職員の業務実態に関する調査」を契機に、業務改善支援や専門スタッフ等の人員配置の充実、教職員の負担軽減ハンドブックの発行等、前例にとらわれず、教職員の負担軽減に関する取組を進めてきましたが、長時間労働の抜本的な改善には至っていない現状です。 学校の先生や職員は、子どもにとって身近な「大人」です。 子どもは日々先生の姿を通して社会や未来を見ています。 子どもにとって社会の写し鏡となる先生が、誇りや情熱、やりがいとともに、心身健康でいきいきとした姿で、子どもと向き合うことが、子どもの豊かな学びや成長につながります。 今、新しい時代を見据えた新しい教育課程に変わっていく大きな節目の時に来ています。 変化の激しい未来社会を生きていく上で真に必要な資質・能力を子どもに育成していくためには、これまで以上に、教職員自身が幅広い経験・研鑽を積み、授業準備等に集中できる時間を確保する必要があります。 このように大きな節目の今、学校の勤務環境、教職員の働き方、そして、学校が果たすべき役割を今一度見つめ直し、未来志向で今までの「前例・伝統」を臆することなく問い直し、ここでさらにもう一段、学校の勤務環境を改善し、働き方改革を進め、学校を魅力的で安定的かつ持続可能な環境に変えていかなければなりません。 社会の変化とともに積み重なり続けた教育内容や学校に求められている役割を従来通りの制度や体制のもとで対応していくことは、既に限界に来ています。 500を超える学校を誇る日本最大の基礎自治体として、教職員の働き方改革を着実に進め、成果や課題を発信していくことは、抜本的な制度変更等を求めていく大きな力になります。 重要なことは、教職員一人ひとりの問題に決してとどめることなく、学校と教育委員会事務局が両輪となり、そして何より家庭や地域等も含めたすべての学校関係者と、この課題解決の重要性や目指すべき理念を共有しながら、働き方改革に取り組むことです。 教職員の働き方改革の推進、そして、子どもの笑顔や未来のために、「横浜市立学校 教職員の働き方改革プラン」をここに策定します。 平成30年3月 横浜市教育委員会 - 1 - 目 次 1 働き方改革を進める理由 (1) 看過できない教職員の業務実態・・・ 2 (2) 多様化・複雑化する学校現場 ・・・ 6 (3) 必要性高まる教職員の学びの時間 ・・・ 7 (4) 育児や介護等を抱える教職員の増加 ・・・ 8 2 取組姿勢・達成目標・・・ 9 3 重点戦略 戦略1 学校の業務改善支援 (1) ICT等を活用した業務改善支援 (2) 働きやすい物的環境の整備 ・・・ 16 (3) 家庭と仕事の両立支援 ・・・ 18 戦略2 学校業務の適正化、精査・精選 (1) 学校業務の適正化 ・・・ 19 (2) 学校業務の精査・精選・・・ 22 戦略3 チーム体制の構築と人員配置の工夫・充実 (1) 教職員配置の工夫、チーム体制の構築 ・・・ 26 (2) 学校をサポートする専門スタッフ等の配置 ・・・ 27 戦略4 教職員の人材育成・意識改革 (1) 勤務実態の把握、マネジメントの推進 ・・・ 34 (2) 意識啓発・研修 ・・・ 36 4 教職員の働き方改革の着実な推進に向けて・・・ 39