- 1 - 1 趣旨 「Society5.0(※1)」時代では、社会のあらゆる場所で ICT の活用が日常となることがうたわれており、教育においても、新時代に即した能力の育成や、ICT 技術を活用した教育政策の推進等が求められています。 学校では、不登校や様々な障害のある子供、日本語指導が必要な子供の増加、子どもの貧困など、子供の抱える背景や取り巻く環境、課題の多様化が進んでいます。 こうした状況を踏まえて、文部科学省が示す「GIGA(※2)スクール構想の実現」では、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる ICT 環境を実現することが記されています。 また、ハード・ソフト・人材を一体とした整備を加速することで、ICT を活用することにより全ての子供の学びを保障する環境を早急に実現することと記載されています。 新学習指導要領では、各教科等の指導を通じて育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で再整理しています。 この実現に向けて「主体的・対話的で深い学び」を授業の中で展開することが求められ、この深い学びにつなげるための能力の一つとして情報活用能力があげられています。 「横浜教育ビジョン 2030」で掲げた「自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る人」の育成を目指し、「第3期横浜市教育振興基本計画」では児童生徒の情報活用能力や、新たな価値を創造する力の育成を推進しています。 新学習指導要領を踏まえた「横浜市立学校 カリキュラム・マネジメント要領」(※3)に基づき、各学校では、学校教育目標に沿った「育成を目指す資質・能力」を育んでいます。 新たに整備された ICT 環境を活用し、「じっくり 考え高め合い 次につなげる確かな学び」の実現に向けて日々の教育活動を充実していくことが求められています。 持続可能な社会の担い手となる児童生徒のためには、「だれもが」「安心して」「豊かに」生活できる学校を目指し、実践してきた今までの横浜の教育と最先端の ICT のベストミックスを図り、教育の在り方を日々アップデートし続けることが重要です。 これまで以上に多様性を尊重しつつ、ICT を活用しながら、学校ならではの協働的な学び合いや、実社会に関わる課題を地域の方々との関わりの中で解決する探究的な学びを大切にし、多様な児童生徒を誰一人取り残すことのないよう、個別最適な学びと社会とつながる協働的な学びの実現を目指します。 ※1… 狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く、サイバー(仮想)空間とフィジカル(現実)空間が融合した新たな社会。 ※2… Global and Innovation Gateway for All の略。 ※3… 本市が独自に子どもたちを取り巻く環境の変化や発達段階、実態に合わせ、各学校が社会や地域と連携・協力しながら、新しい時代に求められる資質・能力を子どもたちに育むよう、「総則・総則解説」「教科等編」「学習評価編」を策定。 - 2 - 【図1】横浜市におけるGIGAスクール構想 【図2】構想実現により目雑2つの学び