No.278 港南区版  令和2年 12月号 5面 地域通信 皆さんの地域活動を紹介します! 地域に広がる地球温暖化対策 天ぷら油の回収  港南区の自治会町内会では、家庭で使った天ぷら油(廃食油)を回収して、重油に代わるバイオ燃料などに再生し、二酸化炭素の排出量やごみの量を減らす温暖化対策の取組が広がっています。  芹が谷連合自治会では、平成27年8月からこの活動を始めました。きっかけは、会長の藤田さんが、地球温暖化問題の講演会を受講したことでした。猛暑や大雪・大雨・竜巻などの異常気象も温暖化によるものだと聞き、自分たちも何か行動しなければいけないと感じたそうです。「家庭でできることを」と、市地球温暖化対策推進協議会とも力を合わせて、地域で取り組むことにしました。  この取組が区内の他の自治会町内会にも広がり、回収した油は、開始した年の278l(27年度)から2,622l(令和元年度)と約9倍になりました。集められた油からできたバイオ燃料は、県内のビニールハウスやクリーニング工場のボイラーなどで活用されています。  「始めた頃は、そんなに集まらないのではないか、という意見もありましたが、油を集めることが目的ではなく、子どもたちが将来も安心して暮らせるよう、一人ひとりが意識して取り組むことで、油を台所に流さない、ごみにしないという行動につながり、結果として、地球温暖化対策にもなると考えています」と藤田さん。現在の課題は、回収場所の遠い人がどうしたら参加できるか。「一人がたくさんの油を持ってくることよりも、多くの人が協力してくれることが大切ですね」と話してくれました。 発火しないかという不安の声もありましたが、ふた付きの回収ボックスを使用するなど、それぞれの回収場所で安全に保管するための工夫をしています。 黄金苑自治会の中村さん 油の回収は、捨てるときの面倒な手間が省けて、ごみも減って、しかもエネルギーとして有効活用できる。すごく良いねと近所の人とも話しています。   協議会事務局長の佐藤さん 誰でも気軽にできる温暖化対策として素晴らしい取組です。私たち協議会も一緒に活動しています。油の回収については協議会にご相談ください。 問合せ 市地球温暖化対策推進協議会 (電話:045-681-9910 FAX:045-681-3934) 今月の活動は… ・リサイクル:12 つくる責任 つかう責任 ・バイオ燃料:13 気候変動に具体的な対策を ・地域活動:17 パートナーシップで目標を達成しよう  SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals」の略称で、持続可能な世界を実現するための開発目標です。「地球上の誰一人として取り残さない」を基本理念とし、17のゴール・169のターゲットから構成されています。横浜市は、SDGsの達成に貢献する自治体として「SDGs未来都市」に選定されています。  私たち一人ひとりの身近な行動が、この目標を達成する第一歩となります。地域通信で紹介する活動も、SDGsにつながっていることを、ぜひ知ってください。