表紙 地震に備え見守り支えあうまちに 港南区災害時要援護者支援パンフレット(支援者編) 港南区 プロジェクトR(レスキュー) 白紙 (表2) はじめに(このパンフレットについて) ○地震や風水害など災害時に、避難誘導や避難生活などで支援が必要な障がい者、高齢者、妊産婦、乳幼児、外国人、災害でけがなどして避難が困難な人を、災害時要援護者といいます。 ○要援護者の安全を確保するためには、周りの人たちが理解し、安否確認、避難支援などの手助けをすることや、避難等で生活に配慮をしていただくことが必要です。 ○港南区では、区内の障がい者団体、障がい者及び高齢者支援施設、区社会福祉協議会、区役所の関係者が連携し、要援護者の支援策を検討してきました。 ○平成27年度は、特に障がい者及びその御家族向けの内容で、日頃から準備することや、いざ地震が発生したときに取るべき行動について紹介した啓発パンフレットを作成しました。 ○今年度は、日頃から地域で防災活動に関わる方をはじめ、多くの区民の方に、災害時の要援護者支援に理解を深めていただく目的で、「支援者編」としてこのパンフレットを作成しました。 ○ぜひ、多くの方にこのパンフレットをお読みいただき、障がい者をはじめとする災害時の要援護者支援に日頃から関心を高め、いざというときにお力添えいただきますよう、お願い申し上げます。 平成29年3月 【「障害」「障がい」の表記の使い分けについて】 「障害」という表記については、様々な御意見があることと思います。 このパンフレットでは読みやすさなども考慮し、原則として、固有名詞(団体名、法律名など)、見出しの記載などは漢字の「障害」、それ以外の文章中の言葉はひらがなの「障がい」と使い分けていますので、御承知おき願います。 目次 第1章 障がい者理解と災害時支援 1 障がい者ってどんな人?・・・02 (1) 障がい者の定義・・・02 (2) 障がいの種類・・・02 2 障がい別特性と災害時の支援・・・04 (1) 視覚障害・・・04 (2) 聴覚障害・・・09 (3) 肢体障害・・・13 (4) 知的障害・・・15 (5) 精神障害・・・17 第2章 日頃の準備と心構え 1 障害者支援関連・・・20 2 その他の準備と心構え・・・22 第3章 地震が発生したら 1 自宅で地震が発生したら・・・28 2 外出時に地震が発生したら・・・34 第4章 資料編 1 港南区地域防災拠点一覧・・・38 2 港南区福祉避難所一覧・・・39 3 港南区災害時医療救護場所一覧・・・40 4 港南区帰宅困難者一時滞在施設一覧・・・42 5 港南区広域避難場所一覧・・・42 6 港南区新総合庁舎の紹介・・・43 7 港南区プロジェクトRについて・・・44 8 啓発パンフレット「地震に備えて 私たちができること」(障がい者編)紹介・・・45 9 啓発パンフレット作成委員会メンバー・・・46 1ページ 第1章 障がい者理解と災害時支援 2ページ 第1章 障がい者理解と災害時支援 1 障がい者ってどんな人? (1) 障がい者の定義 障がい者とは、身体の機能や精神にいろいろな障がいを持っていて、障がいと社会的障壁により、継続的に日常生活や社会生活に相当な制約を受ける人です。 (2) 障がいの種類 障がいにはいろいろな区分がありますが、種類によって交付される手帳は3種類に分けられます。まずはそれぞれの障がいを理解していただく事が大切です。 ア 身体障害 身体機能に障がいがあることを指します。視覚障害、聴覚障障害、手足などの肢体障障害の他、内臓や呼吸器の内部障害などあります。認定されると「身体障害者手帳」(横浜市では赤いカバー)が交付されます。 3ページ 【対象者】視覚、聴覚、平衡機能、音声、言語機能又はそしゃく機能、肢体(上肢・下肢・体幹・脳原性運動機能障害)、心臓機能、じん臓機能、呼吸器機能、ぼうこう又は直腸機能、小腸機能、免疫機能、肝臓機能に永続する障がいがある方。 【障害等級】障がいの程度によって1級(重度)から6級(軽度)までに認定され、等級により支援の内容が異なる場合があります。   イ 知的障害 知的機能の障がいが発達期にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態を指し、自閉症などの発達障害も含まれます。認定されると「愛の手帳(療育手帳)」(横浜市ではクリーム色のカバー)が交付されます。 【対象者】児童相談所又は障害者更生相談所において、知的障害と判定された方 【障害等級】障がいの程度によって、A1(最重度)、A2(重度)、B1(中度)、B2(軽度)の4つに認定されます。程度により支援の内容が異なる場合があります。 ウ 精神障害 精神疾患が原因で、長期にわたり日常生活または社会生活に制約があることを指します。認定されると「精神障害者保健福祉手帳」(横浜市では紺色のカバー)が交付されます。 【対象者】精神疾患を有する方のうち、精神障害(発達障害・てんかん含む、知的障害を除く)のため長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある方 【障害等級】障がいの程度によって1級(重度)から3級(軽度)までに認定され、等級により支援の内容が異なる場合があります。 4ページ ※港南区の障害者手帳所持者数(令和4年3月末時点) ○身体障害者手帳 6,069人 ○愛の手帳(療育手帳) 2,221人 ○精神障害者保健福祉手帳 2,980人 ※ なお、重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態を「重症心身障害」といいます。   また、複数の障がいがある「重複障害」の方もいらっしゃいます。    2 障がい別特性と災害時の支援   ここからは、「身体障害」のうち「視覚」「聴覚」「肢体」の3種類と、「知的障害」、「精神障害」について、各障がいの特性と災害時に支援いただきたいことを説明します。 (1) 視覚障害 ア 視覚障がいってどんな障がい? ○弱視と全盲 視覚障がいにはある程度見えるが見えにくい弱視と、全く見えない全盲の人がいます。 ○視力障がいと視野障がい 弱視にはメガネやコンタクトレンズで矯正しても見えにくい視力障がいと、見える範囲が狭い視野障がいがあり、それが両方の人もいます。弱視でも比較的見える人は白杖を持っていないため、視覚障がい者と、一見ではわからない場合もあります。 ○先天的障がいと中途障がい 視覚障がいの原因としては、生まれつきの先天的障がいと、病気や事故などによる中途障がいがあります。近年では中途障がいが増加しています。主な病気は緑内障、網膜色素変成症、糖尿病網膜症などです。 5ページ ○白杖と盲導犬について 視覚障がい者は基本的に白杖を持って、左右に振りながら前方確認をして歩行します。歩行訓練を受けた人は慣れた場所であれば、白杖で単独歩行も可能ですが、一般的にはガイドボランティアやガイドヘルパーに誘導してもらう事が必要です。 一部の人は盲導犬を利用しています。盲導犬は視覚障がい者にとって重要なパートナーです。しかし誘導してくれる人と違い、視覚障がい者本人が盲導犬に細かい指示を出す必要があります。 また盲導犬の数は、まだまだ足りません。 ○誘導ブロックと音響信号 市内の幹線道路の交差点、区役所や福祉施設、駅などには、視覚障がい者の歩行を助ける誘導ブロック(点字ブロック)が敷かれています。 また、市内主要交差点の一部に、「ピヨピヨ」、「カッコウ」など音で視覚障がい者の横断を助ける音響信号が設置されています。しかしまだその数は僅かしかないのが現状です。 ○駅のホームドア 横浜市営地下鉄の全駅のホームには、乗降客の落下を防ぐホームドアが設置されています。 視覚障がい者にとって駅のホームは、「欄干のない橋」と呼ばれています。単独歩行できる人の大半が、過去にホームから落下したなど危険な体験をし、実際に各地で転落事故が発生しています。 視覚障がい者にホームドアはとても有用です。当事者団体などから、未整備のJRや私鉄にも順次設置するよう、要望が出されています。 6ページ ○点字と代読代筆 視覚障がい者は書面に書かれた文字や文章を読む事が困難です。弱視でメガネや拡大ルーペを使ったり、拡大文字であれば読める人がいます。全盲でも点字であれば読める人もいます。 しかしその普及率は低いため、一般的に書面を健常者に代読、代筆していただいています。 ○携帯電話とパソコン 文字や文章が読めない視覚障がい者でも、携帯電話やスマートフォン、パソコンの利用者は沢山いらっしゃいます。それぞれ音声読み上げのアプリやソフトを使い、文字や文章の読み上げが可能です。 メールやインターネットを利用し、情報の発信や共有をしています。   イ 視覚障がい者への災害時の支援 (ア) 移動の支援 ○いっとき避難場所や地域防災拠点までの誘導と、各避難場所内の誘導をお願いします。 災害時には視覚障がい者は誘導していただく人が必要です。いつも誘導を依頼している、ガイドボランティアやガイドヘルパーに、災害時には連絡が難しくなります。そのため近隣の皆様の手助けが重要となります。 また、普段慣れた場所では単独歩行できる人でも、災害時には道路状況が大きく変わるため、誘導していただく事が必要となります。 ○地震が発生し、玄関先や路上で困っている視覚障がい者を見かけたら声をかけてください。その時はまず名前を呼んでください。「○○さん、大丈夫ですか?お手伝いしましょうか?」の様に声をかけてください。 7ページ 名前がわからない場合は、障がい者の肩など軽くたたいて呼びかけしてください。ホイッスルを吹いたり、白杖を上に掲げる「白杖SOSシグナル」は、視覚障がい者のヘルプサインです。この際は視覚障がい者へのお手伝い、支援を重ねてお願いします。 【視覚障がい者の誘導方法】 基本的に誘導者が障がい者の半歩前に立って、障がい者の希望する側の手の肘の少し上を、障がい者につかませて、歩行してください。例えば誘導者が右手の肘を貸すとすれば、障がい者は左手で肘の上をつかんで、右手に白杖で歩行となります。誘導者が背の低い場合、誘導者の肩をつかませていただく事もあります。 歩行速度は慣れるまではゆっくりで、周囲の安全確認を確実にお願いします。 特に段差や階段には、「下り段差があります」、「上り階段です」のように事前にはっきりと伝えてください。 ○自治会町内会の会長や役員は、あらかじめ災害時要援護者を把握し、視覚障がい者の支援者を可能な限り決めてください。支援者が決まったら、誘導訓練もしてください。 8ページ ○トイレへの誘導とトイレ内のトイレットペーパーなどの配置案内をお願いします。 東日本大震災の時、避難所で視覚障がい者が一番困った事はトイレです。周囲の方も可能な限り、トイレへの誘導と、トイレ内の案内をお願いします。 また、拠点運営委員の方は、視覚障がい者のトイレ支援に特に配慮をお願いします。 ○配給物資などの受け取りのお手伝いをお願いします。  食料や飲料水などの配給物資が避難所に届いても、視覚障がい者はひとりでは受け取れません。配布場所まで誘導をお願いします。できれば、配給物資の詳細な内容も教えてください。 (イ) 情報伝達の支援 ○代読、代筆 まず避難所の受付で避難カードの代読や代筆をお願いします。その際は困った事はないか、視覚障がい者に聞いてください。 避難所の掲示板の代読や必要書類の代読、代筆もお願いします。 ○危険の察知 自宅家屋の破損状況、道路の損壊状況などを確認して教えてください。自宅に損壊があっても、視覚障がい者にはわかりません。 近隣の人や自治会町内会役員は、家屋の損壊状況を確認して、倒壊の危険がある場合、地域防災拠点に避難誘導をお願いします。 ○掲示板以外の連絡 避難所では口頭による個別連絡、アナウンス、メールなどを使い、配給物資、安否情報、復旧復興情報などの連絡をお願いします。 9ページ (ウ) その他の支援 ○プライバシーの確保など 避難所では周囲の状況がわからないため、視覚障がい者(特に女性)は着替えなどに困ります。拠点運営委員は、間仕切りのできるだけ高い物をお願いします。 また、視覚障がい者は自分の居場所がわかりにくくなるため、体育館ではできるだけトイレに近い、入口付近の壁側に避難させてください。盲導犬利用者は盲導犬と一緒に避難できるよう、スペースなどの配慮をお願いします。 (2) 聴覚障害 ア 聴覚障がいってどんな障害? 聴覚障がいは外見から判断することは難しく、ほとんどの情報は視覚から得ていますが、音声がうまくできない人もいます。 全く聞こえない人を「ろう者」と言い、聞こえないが音域がある人を「難聴者」といいます。また、音声言語獲得後に聴力が下がったり、聴力を失った人を「中途失聴者」といいます。 不便なことに、後ろから車や自転車が警笛を鳴らしても気づかず、危険なことがあります。あいさつされても気づかず、誤解されることもあります。 (ア) 聴覚障がい者(ろう者、難聴者、中途失聴者等)の会話方法 相手が聴覚障がい者だと知ったとき、どのように接してよいかわからない人が多くいます。まずは聴覚障害者とのコミュニケーション方法を知ることが大切です。 主に手話、指文字、筆談、空書(くうしょ)、口話、読話、身振りなどがあります。  ※ 補聴器を使っても、全て聞こえるわけではありませんので、正確に伝わったかを確認してください。 ※ 手話通訳、筆記通訳、パソコン通訳は、障害者スポーツ文化センター横浜ラポール聴覚障害者情報提供施設へ、派遣を依頼しています。    TEL:045−475−2058    FAX:045−475−2059 10ページ (イ) 聴覚障がい者の生活について 日常生活では音や会話などに関して不便な面はまだまだありますが、福祉機器として玄関のベルの代わりにパトライトなど目で見るお知らせ機器や、字幕付きテレビ、ファックス、パソコン、自動コンロなどを使用しています。 また、電話の代わりにスマートフォン(携帯電話)を利用しています。 イ 聴覚障がい者への災害時支援 (ア) 災害時に困ること ○聞こえない人は、地震を感じることができるが、外からの警報やマイクの音が聞こえないため、避難するか、待機するかが迷ってしまいます。  支援の仕方・・・事前に自治会町内会などで聞こえない人が住んでいる場所を把握します。聞こえない人の家には、光でお知らせする装置が設置されている場合もあります。被害の状況を伝えてください。 ○夜中に地震が発生して停電になった場合、暗くて周りが見えず、音が聞こえないため、不安が大きくなります。懐中電灯を持っても助けの声を出すことができません。 支援の仕方・・・懐中電灯を照らしながら、聞こえない人を探してください。 ○倒壊やけがなどで身が動けなくなったとき、助けを呼ぶことができません。 支援の仕方・・・聞こえない人は、声で叫ぶことが困難です。助けを呼ぶときは、笛を使って助けを求めますので、支援をお願いします。 11ページ (イ) 災害後に困ること ○混乱のため、地震の情報や避難開始などの情報が得られません。 支援の仕方・・・拡声器で呼びかけても聞こえません。この代わりに、目で見てわかる文字や絵などのプラカードやホワイトボード、電光文字盤などを使ってお知らせください。 (ウ) 避難所で困ること ○避難所での受付やスタッフとコミュニケーションができません。 支援の仕方・・・受付やスタッフとのコミュニケーション方法は、手話の経験がなくても、身振り、絵カード、筆談器などを使い、コミュニケーションをとってください。 ○食事や入浴時など、さまざまな情報やお知らせにマイク放送や拡声器の利用が多く、聞くことができません。 支援の仕方・・・さまざまなお知らせや情報は、目で見てわかるホワイトボードやプラカードなどを使ってお知らせしてください。 また、会話程度の手話ができる聞こえる人を探してください。 ○避難者との会話ができません 支援の仕方・・・筆談器やメモと筆記用具を用意します。会話程度の手話ができる聞こえる人を探してください。 【支援する人へのお願い】 ※ 聞こえない人が見てわかるよう、ベストを避難所に用意してください。 避難所で生活するとき、ベストを着用します。支援する方も聞こえない人を確認してからベストを着用するように勧めてください。 ※ 聞こえない人に支援するとき、会話ができるように少しずつ手話を学びましょう。 12ページ 【必要な防災手話を知っておこう】手話のイラスト 地震、両手のひらを上に向けて、両手を同時に前後に揺らす。 危ない、右手の指を曲げて胸にドンドンと叩く。 避難(逃げる)、両手をグーにして胸の前に構えたら、ひょいと斜め上に手を同時にあげる。 待ってください、右手の4指を付け根から曲げて、あごの下にあてて顔の前に右手を立て、前に出しながら頭を下げる。 安心してください、両手のひらを上に向け、両手の指先を向かい合わせて、胸のあたりから下へおろす。 助けます、左の親指を立てて前に向け、後ろから右の手のひらで2回前に出す。 けが、両手の人差し指で交互にほおを切る。 大丈夫ですか、指先を曲げた片手の指先を左肩にあててから右肩にあてて、尋ねるように右手のひらを前に出す。 ありがとう、手のひらを下に向けた手の甲に、垂直になるようにもう一方の手を乗せ持ち上げる。  出展:港南区聴覚障害者協会 13ページ (3) 肢体障害 ア 肢体障がいってどんな障がい? 肢体不自由の障がいとは、手足や体幹などに永続的な障がいがあるものをいいます。生まれつき四肢体幹の形成に障がいがある場合や、生後の事故等によって手足を失うなど形態的な障がいによって運動障がいが起こる場合と、形態的には大きな障がいはないものの、中枢神経系や筋肉の機能に障がいが起こる場合があります。 特徴としては、一見して他者から確認しやすいことにあります。しかし、見た目の理解や認識がそのままその人の障がい特性であると考えられてしまい、誤った判断がされてしまうことがあります。車椅子ひとつとっても、自走型式、電動車椅子などさまざまな形式があります。自分で立つことまではできる人、補助具を使って歩くことができる人、コミュニケーションが言葉でとれる人や難しい人など、その人ごとに違います。 普段の生活の中で努力・工夫していることが見落とされがちで、義手義足などの補そう具、杖や歩行器、車椅子などの補助器具等は、災害などで環境や状況が変わると逆に凶器になりかねないこともあります。 見かけの判断だけで自力で避難または対処できるのではと判断してしまい、必要な支援が届かないことがないよう、周囲から積極的に声をかけてみることが大切です。 イ 肢体障がい者への災害時支援 災害発生時の過度の緊張から、普段はできていたことが困難になる場合があります。四肢が硬直や震えでまったく身動きができなくなってしまうことがあります。 避難にあたっては、大事な携行品や非常用品を持ち運ぶことが不可能な場合もあります。 14ページ また、道路に障害物が倒れていたり、路面が破損した場合などは移動ができなくなる場合もあります。 (ア) 災害時に気をつけてほしいこと ○小学校高学年になると一人で留守番をしていることがあります。「近所の〇〇だよ、大丈夫?」「お母さんの知り合いだよ、大丈夫?」など、本人が安心できるよう名前を名乗って声をかけてください。一緒に側に居てくれるだけで安心できます。 ○駐車場に車がない時は、保護者だけが外出していることもあります。成人の場合も一人では身動きがとれないことが多いので、ドアや窓ガラスを叩いて声をかけてください。 ○車椅子での移動が難しい場合は無理をせず、毛布やおんぶ紐などを活用してください。緊張して体が硬直すると車椅子に乗れないこともあります。 (イ) 避難場所で配慮してほしいこと <居場所> ○車椅子に長時間座っていることはとても苦痛です。床にマットなどを敷いたところに降ろしていただけると助かります。 ○自分で寝返りが打てないことが多いです。こまめに体位を変えてください。 ○トイレまでの移動に時間がかかります。失敗しないためにもトイレの近くの場所を確保してください。 ○洋式以外のトイレの使用は難しいです。また排泄に時間もかかります。待たせてしまうことを理解してください。 ○おむつ交換ができる場所が必要です(子ども〜成人)。 <食事> ○ 成人でも普通食(一般の食事)が食べられない人がいます。年齢に関係なく離乳食が必要な方がいることを、ご理解ください。 15ページ ○自宅に本人が食べることができる食事が備蓄されている場合があります。 ○体温調節などが難しく、食事や水分が十分に摂れないことが命取りになる場合もあります。食事や水分を早めに渡していただけると助かります。 (ウ) その他 ○障がい児・者と一緒にいる保護者は本人の側(自宅)から離れられず、自ら情報を取りにいけません。タイムリーな情報を届けてください。 ○知らない人の中に居ることはとても不安です。一人で困っている方を見かけたら声をかけてください。 ○避難するだけで精一杯でオムツや水等を持ち出せないことがあります。ご協力いただける施設や店側から「使いますか?」と声をかけてみてください。 肢体不自由(障がい児・者)でも自分でできることもあります。「どうしたの?」「飲み物が欲しいの?」「これは自分でできますか?」など短い言葉でゆっくりと話しかけてみてください。災害時はお互い様です。障がい児・者や保護者も自分でできることは自分でやる努力は怠りません。 孤立してしまいがちな立場にあることをご理解いただき、周囲のみなさんから声をかけてもらえることが安心につながります。 (4) 知的障害 ア 知的障がいってどんな障がい? 見えにくい障がいとも言われ、周囲の人が外見だけでは知的障がいと判断してもらえない場合があります。状況や説明が理解できなかったり、コミュニケーションをとるのが苦手だったりします。 また、発達障がい(自閉症など)といわれる方もいます。発達障がい(自閉症など)とは、言葉を話したり、話された言葉の意味を理解したり、物事を考えたりなど、脳のさまざまな部位の連動が必要となる複雑な脳の働きに問題があり、 16ページ ○対人関係を維持しにくい ○コミュニケーション手段の理解、使用の困難 ○興味や関心の範囲がせまい ○同じ動きや手順へのこだわり ○感覚の過敏、 などの特徴があり、育て方やしつけが原因ではありません。 イ 知的障がい者への災害時支援 ○指示はシンプルにわかりやすく 「そっちに行ってはダメ」といった漠然とした指示では伝わらない場合があります。「このシートに(具体的な場所)に座ってね」など、できるだけ短い文章で、シンプルかつ具体的な言葉で指示を出してください。 ○視覚的に見せる 絵(イラスト)や写真などを使って視覚的に見せることで、話すだけでは理解しにくい場合も伝わりやすくなります。 コミュニケーションボード(災害)のイラスト コミュニケーションボードとは、知的障がい児・者や自閉症等、文字や話し言葉によるコミュニケーションが難しい人達が、イラストを指差すことで自分の意思を伝えるツールです。 17ページ ○予定を伝える 次にやることの見通しが立っていないと不安になってしまいます。これからの予定や内容をはっきり指示したり、1日のスケジユール表を作ってあげることで安心することができます。 ○否定的に叱らない 「〜してはダメ」と否定的な言葉よりも、「〜しようね」と肯定的な言葉で指示する方が効果があります。 ○発達障がいのある人への対応には、コツが必要です。ご家族など本人の状態をよくわかっている人が近くにいる場合は、関わり方を確認してください。(落ちつける場所、話しかけ方など) ○家族の代わりに子どもの相手をしたり、発達障がいの特性を家族と一緒に周囲の人たちに説明していただくと、家族は大変助かります。 (5) 精神障害 ア 精神障がいってどんな障がい? 「統合失調症」「うつ病」「躁うつ病」 などの精神疾患が起こると意欲低下、幻聴、幻覚、妄想などのさまざまな症状により「生活のしづらさ」が生まれてきます。この「生活のしづらさ」がある状態を精神障害と捉えます。 18ページ また、この症状は一人ひとり違い、はた目には見えにくく他人から理解してもらいにくいという側面があります。 たとえば、 ○他者との交流が苦手で、情報交換や相互協力など、必要なコミュニケーションをとることが難しいことがあります。 ○考えがまとまらなかったり行動がストップするなど、危険を回避しづらい時があります。 ○状況や環境の変化に対応しづらく、突発的な事態に状況の把握ができない場合があります。 ○服薬の継続が欠かせず、薬の作用、副作用で動作が緩慢になる場合があります。 (多くの場合、継続的な服薬や医療的なケアが必要となります。) イ 精神障がい者への災害時支援 ○災害時のショックやストレスは病状悪化や再発のリスクを高める可能性があり、普段服用している薬が絶対必要になります。 薬名、緊急時の医療機関との連絡先や連絡方法を確認することと、薬の確保が最優先となります。 ○伝達、誘導は「ゆっくり」「はっきり」「具体的」に伝えてください。 ○大切な説明や予定はメモに書いて渡し(記入者や日付を記載)、配給などの予定があるときは、声掛けや説明をお願いします。 ○集団生活になじめないこともあるので、孤立しないように家族や知人と一緒に生活できるよう、配慮をお願いします。 ○過度の気配りや声掛けが、ストレスとなる場合があります。必要時又は本人からのSOS以外は見守りをお願いします。 ○その人にしかわからない辛さがあるということを、周囲の人たちが正しく理解して、一緒に過ごしやすい環境を作ることが大切です。 19ページ 第2章 日頃の準備と心構え 20ページ 第2章 日頃の準備と心構え 1 障がい者支援関連 (1) 隣近所と親密な関係を作りましょう ○震災時は、消防、警察、自衛隊などの公的機関は全ての災害には対応できなくなるので、自助・共助が大切になります。 ○日頃からあいさつをしたり、自治会町内会の行事にも参加して。近所の人と顔の見える関係をつくりましょう。 ○近所に障がい者がいたら、気軽に声をかけましょう ○自治会町内会の会長や役員、民生委員・児童委員の方は、障がい者の困り事や相談に乗ってください。特に障がい者で単身者には、こまめな配慮をお願いします。 (2) 災害時の安否確認方法を検討しましょう 【安否確認の主な事例】 〇自治会町内会の名簿を活用し、安否確認を行っています。 〇地震発生時に無事な人は、ハンカチを玄関先などに掲示し、自治会町内会の役員や班長が安否を確認しています。 〇安否確認用マグネットを玄関に掲示し、役員が安否確認しています。 〇公園やごみ捨て場などのいっとき避難場所(※1)で安否を確認しています。 21ページ (3) 避難所の確認をしましょう ○自分の足で実際にいっとき避難場所や地域防災拠点(※2)まで行ってみて、途中に危険な場所がないかチェックしましょう。 ○その際、近所に障がい者がいたら声をかけ、一緒に付き添ってください。   ※1 いっとき避難場所とは 地震発生後にお互いの安否情報や被災状況などをいったん集める場所です。公園、広場、ごみ集積所など、場所や仕組みは自治会町内会ごとに決まっています。 ※2 地域防災拠点とは 地震で家屋が倒壊などして、自宅で生活できない人が、避難生活を送る場所です。 横浜市内いずれかで最大震度5強以上観測された場合、開設されます。港南区では、公立の小中学校等31箇所が指定されています。一覧はこのパンフレットの38ページに載っています。 (4) 防災訓練に参加しましょう。 ○自治会町内会や地域防災拠点の防災訓練に継続して参加しましょう。 ○近隣に障がい者がいたら、防災訓練への参加を勧めましょう。 ○自治会町内会は、障がい者も参加できる防災訓練を検討してください。 (5) 地域の災害時要援護者を把握し、支援を検討しましょう ○自治会町内会は、民生委員・児童委員と協力して、地域に住む障がい者など要援護者を把握しましょう。 ○そして要援護者の支援をしていただく人を、それぞれ検討してください。 ○支援者はできるだけ近隣の人で、複数で対応するようお願いします。 ○支援者が決まったら、要援護者やその家族を交え、どのように対応すればよいのか、相談してください。 22ページ 【参考:地域における災害時要援護者の把握方法について】 災害時要援護者支援の取組は、対象者を把握することから始まります。 災害時要援護者名簿の作成は、現在地域により様々な方法で行われていますが、主に3種類の方式があります。 ○手上げ方式 地域で災害時要援護者名簿への登録について周知し、自ら登録を希望する人を募ることにより名簿を作成する方式 ○同意方式 区役所から地域の自主防災組織等(自治会町内会など)に、「名簿提供について同意した対象者の名簿」を提供する方式 ○情報共有方式 区役所から地域の自主防災組織等に、「名簿提供に対し拒否の意思表示をしなかった対象者の名簿」を提供する方式 この他にも、複数の方式を併用している地域や独自の方法で災害時要援護者を把握している地域があります。 地域で要援護者の把握や支援方法について検討される場合は、区役所の所管部署へ御相談ください。(連絡先は裏表紙に記載) 2 その他の準備と心構え (1) 非常用持出品と備蓄品を準備しましょう。 ○自宅で生活できる食料や飲料水を、最低3日分は用意しておきましょう。 ○避難するときに持ち出す品物を、取り出しやすい場所に準備しておきましょう。 23ページ <非常持出品、備蓄品リスト>(表形式で掲載) ○非常持出品として必要最低限に用意すべきもの ・水(持出品として缶やペットボトルで用意しておきましょう。) ・ゼリー飲料などの簡易食料 ・紙やプラスチック製の皿・コップ ・帽子、ヘルメット ・トイレパック、洗面用具、タオル、ティッシュ、ウエットティッシュ、マスク ・常備薬(災害に備えるため、多めにもらっておく)、お薬手帳 ・携帯電話(スマートフォン)、携帯ラジオ、懐中電灯、携帯電話充電器、軍手、レジ袋、筆記用具、メモ帳、ホイッスル、電池 ・現金(小銭も)、マイナンバー通知カード、本人確認書類(運転免許証、保険証、マイナンバーカード) ○備蓄品として用意しておくべきもの ・水(一人1日3リットルの水が必要といわれています。家族の人数分を缶やペットボトルで用意しておきましょう。) ・インスタント・レトルト食品、缶詰(缶切り不要のもの)、乾パンなどの保存食 ・割ばし、フォーク、スプーン、缶切り、ナイフ、鍋、カセットコンロ ・上着類、下着類、毛布、傘などの雨具 ・トイレットペーパー、石けん、シャンプー、除菌スプレー、生理用品 ・風邪薬、胃薬、傷薬、目薬、消毒薬、ガーゼ、包帯、ばんそうこう、三角巾 ・使い捨てカイロ、マッチ、ライター、ポリタンク、スリッパ、上履き、ロープ、ガムテープ、ビニールシート、敷物、ごみ袋、ラップ、アルミホイル、予備のメガネ ・銀行などの通帳、印鑑、有価証券類 ・その他(小さな子どもがいれば乳幼児用品など) 24ページ ○食料や水は消費期限が切れていないか、持出品はきちんと作動するかを定期的に確認しておきましょう。 ○災害時は普段のかかりつけ医に受診できない場合もあります。他の医療機関も普段から知っておきましょう。 ○断水することも考えて、ふろの水は抜かずにためておき、トイレの水など生活用水として活用できるようにしておきましょう。また、水洗トイレが使えないことも想定して、トイレパックも備えておきましょう。 (2) 災害時の連絡方法を検討しましょう。 ○家族で災害時の連絡方法を、あらかじめ話し合いましょう。 ○地震があったときに、家族はどこへ集まるか、あらかじめ決めておきましょう。 ○災害用伝言ダイヤルの利用方法を家族で確認しておきましょう。 (3) 横浜市防災情報e-mailに登録しましょう。 ○携帯電話やスマートフォンで、横浜市防災情報サイトから防災情報e-mailを登録し、災害時の情報をいち早く受信しましょう。 ○このサイトでは、横浜市内の各区の地震情報の他、津波情報、気象警報、河川水位情報、土砂災害警戒情報、竜巻注意情報、熱中症予防情報などの最新情報を、閲覧できます。 ○さらに防災情報e-mailに登録すると、いち早く横浜市各区の地震情報などを自由に選択受信できます。 ○詳しくは「横浜市防災情報Eメール」 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/bosai/e-mail/email.htmlをご覧の上登録ください。 横浜市防災情報二次元コードあり 25ページ (4) 感震ブレーカーを設置しましょう。  ○過去の大震災における火災の出火原因の多くは、電気機器に関係するものです。電熱器具等や電気復旧時における断線したコード等からの出火が多いと言われています。 ○電気による出火を防ぐためには、避難時にブレーカーを遮断する事が効果的ですが、大地震発生時にとっさにそのような行動が取れるとは限りません。 ○感震ブレーカーは、設定値以上の震度の地震発生時に、自動的に電気の供給を遮断するもので、各家庭に設置する事で出火を防止し、他の住宅等への延焼を防ぐ事で被害を大きく軽減する事ができます。 ○感震ブレーカーの種類には次の3つがあります。 <分電盤タイプ> 分電盤に内蔵されたセンサーによって揺れを感知してブレーカーを落とします。 <簡易タイプ> 分電盤のスイッチにおもり玉やバネを接続し、揺れを関知してスイッチを落とすもので、比較的安価な物が多いです。 <コンセントタイプ> コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、コンセントからの電力供給のみ遮断します。 ○感震ブレーカーの設置の注意 感震ブレーカーは大きな揺れで家庭内の電気を遮断するので、医療機器を使用されている場合は、販売店に相談してください。 【分電盤タイプ】分電盤タイプのイラスト 【簡易タイプ】簡易タイプのイラスト 【コンセントタイプ】コンセントタイプのイラスト 懐中電灯もあわせて用意しましょう。 26ページ (5) 自宅の整理整頓と耐震対策なども考えましょう。 ○自宅はいつも整理整頓しておきましょう。家具は少なめの方がより安全です。 ○寝室には可能な限り、大きな家具を置くことを控えましょう。 ○家具やテレビなどが倒れると危険です。転倒防止器具などを使って倒れないように固定しておきましょう。 ○窓ガラスに破損防止フィルムを貼っておきましょう。地震で窓ガラスが割れ、飛び散ると危険です。 ○自宅の耐震診断をしましょう。 横浜市では、昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工された個人の木造住宅について、耐震診断を希望される方に専門の診断士を派遣して調査する制度があります。  <問合せ先> 横浜市役所建築局企画部建築防災課 TEL:045-671-2943 FAX:045-663-3255 27ページ 第3章 地震が発生したら 28ページ 第3章 地震が発生したら 地震が発生したとき、まずは自分の身の安全を確保したうえで、避難行動を開始することになります。改めて、発生直後から取るべき行動の流れを確認しておきましょう。 1 自宅で地震が発生したら <一般的な流れ> 自宅で強い地震が発生! ↓ いっとき避難場所等で安否情報や被害状況を確認 ↓               自宅建物に 被害がなければ帰宅 ↓ 自宅が壊れるなどして住めない人は、 地域防災拠点へ避難(市内で震度5強以上観測のとき開設される) ↓ 地域防災拠点で生活が困難な高齢者や障がい者は、 援護の必要性に応じて、福祉避難所【※3】で受け入れ    29ページ ※3 福祉避難所とは 地域防災拠点での避難生活が困難な高齢者や障がい者などのために、地域ケアプラザ、特別養護老人ホーム、障がい者生活支援施設、障がい者地域活動ホーム等を福祉避難所として指定し、援護の必要性の高い方を優先して受け入れます。 一覧はこのパンフレットの39ページに載っています。   (1) 自宅にて ○身の安全の確保をします。 大きな揺れを感じたら、まず家具や本棚の側から離れ、テーブルなどの下に潜るか、頭を座布団やヘルメットで守ります。 マンションなど高層階では、テーブルが左右に動くので、テーブルの下に潜り、テーブルの足を手で押さえます。 ○ガラスなど散乱物に注意し玄関へ移動します。 大きな揺れが収まったら、靴やスリッパを履いて、ガラスなどの散乱物に気をつけ玄関に移動します。 ○ドアを開け脱出ルートを確保します。 地震でドアが開かなくなる事があります。必ず玄関のドアを開けましょう。 一戸建て家屋であれば、一般的に玄関が一番倒れにくく安全な構造に作られていると言われています。 ○ラジオや携帯電話で震度や被災状況を確認しましょう。 停電時にはテレビは使えません。携帯型ラジオや、携帯電話の横浜市防災情報メールなどで、震度や被災状況を確認しましょう。 ○横浜市内で、最大震度5強以上の観測が、地域防災拠点開設の基準となります。 ○電源ブレーカーの遮断をしましょう。 避難する前に、利用していた電気のスイッチを切りましょう。 停電時でも電源ブレーカーを確実に落としましょう。通電時に火災発生のおそれがあります。 30ページ ○非常用持出袋と必需品を持って、必ず靴を履いて、落ち着いていっとき避難場所へ避難しましょう。 ○近所に障がい者がいたら、可能な限り声をかけて、一緒にいっとき避難場所へ避難してください。 ○ブロック塀の倒壊、屋根瓦の落下、道路の損壊に注意しましょう。 ○マンションなどではエレベーターの利用は控えましょう。停電などでエレベーター内で、閉じこめられる危険性があります。 ○建物や家具の倒壊で身動きが取れない場合は、ホイッスルや大声で助けを求めましょう。 【ガス漏れや火災の確認について】 都市ガスは震度5程度の大きな揺れで、マイコンガスメーターの安全装置が作動し、ガス使用時に自動的に供給をストップします。 ガス漏れやガスの臭いがしたら、電気のスイッチや換気扇には触れず、窓を開け、ガス栓や元栓を閉めます。 万が一火災が発生したら、落ち着いて消火器などで消火しましょう。火が天井まで及んで、消火が難しい時は消火をあきらめ避難しましょう。   31ページ (2) いっとき避難場所(公園、広場、ごみ集積所など)にて ○自治会町内会の防災役員や班長に安否確認の連絡をします。 ○自治会町内会の会長や役員の指示に従い、安否不明者の確認、救助や救命救急の活動に協力しましょう。 ○いっとき避難場所内でも、できるだけ障がい者の支援をお願いします。 自治会町内会の会長や役員はもちろん、一般の方も、障がい者を見かけたら、お手伝いをお願いします。 ○自治会町内会の会長や役員の指示に従い行動し、落ちついたら自宅へ帰宅し生活します。 ○自宅が倒壊などで居住困難な人は、指定の地域防災拠点へ避難します。   (3) 自宅に戻ったら ○ 自宅が全壊、半壊、倒壊のおそれがある人以外は、備蓄品を活用し自宅で生活します。 ○ 備蓄品が不足する場合、自治会町内会の会長や役員、地域防災拠点委員などに、配給物資の配付情報、スーパーなどの営業情報を確認しましょう。 ○ ラジオや携帯電話で、被災情報や復旧情報を確認しましょう。 ○ 停電時は懐中電灯を使い、できるだけローソクの使用は避けましょう。 火を使う時は、火災発生に十分注意しましょう。 32ページ  (4) 地域防災拠点(小・中学校)にて ○地域防災拠点は横浜市内のいずれかで、最大震度5強以上の地震が観測されたとき、開設されます。 ○避難したら、受付で避難者カードを記入します。 ○地域防災拠点運営委員の指示に従い、体育館や教室へ移動し生活を送ります。 ○家族や関係者に安否連絡をします。 携帯電話や避難所の特設公衆電話、災害用伝言ダイヤルなどで家族や関係者に安否連絡をしましょう。 ○掲示板や携帯型ラジオで、復旧復興状況を確認しましょう。 ○避難者は協力し助け合います。 ○避難所内では班を作り、避難者も各自役割分担を決めましょう。 ○規則正しい生活を心がけましょう。 ○適度な運動を心がけましょう。 ○水分補給に気をつけましょう。 ○衛生管理を心がけ、感染症や伝染病には十分注意しましょう。 ごみはきちんと処理し、トイレの清掃をしましょう。 ○地域防災拠点の生活が困難な高齢者や障がい者は、援護の必要性に応じて、福祉避難所に移動します。 ○防災拠点の受付では、それぞれの障がい者の話しをよく聞いてください。 ○一般の避難の人も近くに障がい者を見かけたら可能な支援をお願いします。   33ページ (5) 福祉避難所にて ○受付で避難カードを記入します。 ○それぞれ担当職員の指示に従い行動します。 ○避難者は協力し助け合いましょう。 ○適度な運動を心がけましょう。 ○水分補給に気をつけましょう。 ○担当職員の方は、それぞれの障がい者の話をよく聞いてください。 ○福祉避難所の開設期間は概ね7日間程度で、引き続きケアの必要な人は、職員が別途受入施設を調整します。    34ページ 2 外出時に地震が発生したら <一般的な流れ> 外出先で強い地震が発生! ↓ 周囲の頑丈な建物に避難 ↓ 自宅へ帰れるか判断 ↓           帰れるなら帰宅、帰れなければ、近くの帰宅困難者一時滞在施設【※4】で待機 ↓              自宅が壊れるなどして住めない人は、地域防災拠点へ避難 ↓ 地域防災拠点で生活が困難な高齢者や障がい者は、 援護の必要性に応じて、福祉避難所で受け入れ   ※4 帰宅困難者一時滞在施設とは 地震により多くの帰宅困難者の発生が予測される主要駅等を中心に、帰宅困難者の安全の確保と災害関連情報を提供するための一時避難場所及び一時滞在施設を指定します。港南区では6か所指定されています。 一覧はこのパンフレットの42ページに載っています。   35ページ (1) 路上で地震が発生したら ○危険な場所から退避しましょう。 路上で大きな揺れを感じたら、屋根瓦の落下の可能性のある家屋、倒壊の危険性のあるブロック塀、ガラスや看板の落下の可能性の高いビルから離れましょう ○身の安全を確保しましょう。できるだけ低い姿勢で、鞄などで頭を保護しましょう。 ○大きな揺れが収まったら、近くの安全な建物に避難します。 ○携帯型ラジオや、携帯電話の横浜市防災情報メールなどで、震度や被災状況を確認します。 ○交通機関が動いていたり、徒歩で帰れれば帰宅します。 ○交通機関がストップして帰宅できない人は、最寄りの帰宅困難者一時滞在施設に避難し、交通機関の復旧を待ちます。 ○沿岸部や河川の近くでは津波の発生に注意しましょう。 震源地が海底であると津波の発生のおそれがあります。その時はその場に留まらず、5メートル以上の高台か、3階以上の頑丈な建物を目安に早急に避難しましょう。 ○津波警報が発令された場合、解除されるまで避難場所に待避します。 ○路上や帰宅困難者一時滞在施設で、障がい者を見かけたら、可能な支援をお願いします。   (2) 自動車運転時に地震が発生したら ○慌てずにハンドルをしっかりと握ります。 ○急ブレーキはかけずに、ハザードランプを点滅させ、ゆっくりと減速します。 ○ビルなどからの落下物の危険のない安全な道路の左側に停車し、サイドブレーキをかけ、エンジンを止めます。 36ページ ○カーラジオで震度や被災状況を確認します。 ○揺れが収まったら、キーは抜かずにそのままにして、ドアを開け車から降ります。 ○最寄りの安全な建物に避難します。    (3) 職場で地震が発生したら ○机の下に潜るか、座布団や本などで頭を守ります。 ○揺れが収まったら、職場の指示に従い行動します。 ○ラジオや、携帯電話の横浜市防災情報メールなどで、震度や被災状況を確認します。 ○交通機関がストップしたら、帰宅を急がずにあせらず職場で復旧を待ちます。 ○災害用伝言ダイヤルなど活用し、家族に安否連絡します。    37ページ 第4章 資料編 38ページ 第4章 資料編 1 港南区地域防災拠点一覧(全施設とも耐震補強済) 番号 学校名 所在地 1 上大岡小学校 上大岡東3-11-1 2 日下小学校 笹下3-9-1 3 南台小学校 港南5-6-1 4 桜岡小学校 大久保1-6-43 5 吉原小学校 日野2-20-40 6 相武山小学校 上永谷1-7-5 7 丸山台小学校 丸山台3-8-1 8 下野庭小学校 野庭町602 9 芹が谷小学校 芹が谷3-32-1 10 芹が谷南小学校 芹が谷4-22-1 11 永谷小学校 下永谷5-48-15 12 永野小学校 上永谷2-21-10 13 下永谷小学校 東永谷1-36-1 14 野庭すずかけ小学校 野庭町346-2 15 港南台第一小学校 港南台6-7-1 16 港南台第二小学校 港南台5-4-1 17 港南台第三小学校 港南台2-14-1 18 日野南小学校 日野南6-35-1 19 小坪小学校 港南台4-11-1 20 日野小学校 日野7-11-1 21 日限山小学校 日限山2-16-1 22 笹下中学校 港南5-8-1 23 港南中学校 港南中央通6-1 24 丸山台中学校 丸山台4-1-1 39ページ 25 芹が谷中学校 芹が谷2-7-1 26 上永谷中学校 上永谷4-12-14 27 東永谷中学校 東永谷2-14-7 28 旧野庭中学校 野庭町630 29 港南台第一中学校 港南台6-6-1 30 日野南中学校 港南台4-37-1 31 日限山中学校 日限山4-33-1 32 洋光台第三小学校(磯子区) 磯子区洋光台2-4-1 2 港南区福祉避難所一覧【令和5年3月現在】 施設名、施設種別、所在地 1 港南台地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、港南台3‐3‐1 2 港南中央地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、港南4‐2‐7 3 下永谷地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、下永谷3‐33‐5 4 芹が谷地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、芹が谷2‐16‐12 5 野庭地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、野庭町612 6 東永谷地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、東永谷1‐1‐12 7 日限山地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、日限山1-66-55 8 日下地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、笹下3‐11‐1 9 日野南地域ケアプラザ、地域ケアプラザ、日野南3‐1‐11 10 蓬莱荘、老人福祉センター、港南台6‐22‐38 11 すずかけの郷、特別養護老人ホーム(従来型)、野庭町1688 12 野庭苑、特別養護老人ホーム(従来型)、日野南5‐56‐2 13 パラダイム港南、特別養護老人ホーム(従来型)、下永谷3‐10‐7 14 芙蓉苑、特別養護老人ホーム(従来型)、下永谷4‐21‐10 15 笹の風、特別養護老人ホーム(ユニット型)、笹下4-12-35 16 サンバレー、特別養護老人ホーム(ユニット型)、下永谷4‐24‐1 17 日野サザンポート、特別養護老人ホーム(ユニット型)、日野6-13-1 40ページ 18 ひまわり港南台、特別養護老人ホーム(ユニット型)、日野南3-7-10 19 泉の郷日野南 特別養護老人ホーム(ユニット型)、日野南4-29-9 20 ひぎり園 特別養護老人ホーム(ユニット型)、上永谷町4610−1 21 オアシス 介護老人保健施設、野庭町146‐1 22 港南あおぞら、介護老人保健施設、野庭町2187‐1 23 すこやか、介護老人保健施設、下永谷5-81-18 24 野庭風の丘、養護老人ホーム、野庭町631 25 港南地域活動ホームひの、障害者地域活動ホーム、日野8‐21‐12 26 港南中央地域活動ホームそよかぜの家、障害者地域活動ホーム、港南4‐2‐8 27 港南福祉ホーム、障害者地域活動ホーム、港南台7‐25‐22 28 港南区生活支援センター、精神障害者生活支援センター、港南4‐2‐7 29 シーダ日野学園、障害者支援施設、日野中央2‐25‐1 30 シーダひのき工房、障害福祉サービス事業所、日野中央2‐25‐1 31 横浜医療福祉センター港南、医療型障害児入所施設、港南台4-6-20 3 港南区災害時医療救護場所一覧 災害時の医療については、できる限り多くの命を救うため、また病院の混乱を避けるため、緊急度・重症度に応じて、受診先が異なります。災害時にけがをした場合は、御自身や周りの方が負傷者の緊急度・重症度を判断し、下表の受診先に行っていただきます。 災害時に診療を受けられる病院・診療所は、「診療中」を表す赤色又は黄色の旗を出すことになっていますので、この旗を目印に受診してください。 なお、医師の診察を必要としない極めて軽度の負傷は、周りの人と協力しながら、応急手当を行ってください。 (1) 災害拠点病院(重症者が対象) 生命の危険の可能性があるもの、又は生命の危険が切迫しているものが対象となります。 病院名 所在地 1 恩賜財団済生会 横浜市南部病院 港南台 3-2-10 41ページ (2) 災害時救急病院(中等症者が対象) 生命の危険はないが、入院を要するものが対象となります。 病院名 所在地 1 医療法人裕徳会 港南台病院 港南台 2-7-41 2 医療法人社団仁明会 秋山脳神経外科病院 上永谷2-10-36 3 医療法人社団嘉明会 横浜東邦病院 最戸 1-3-16 4 神奈川県立精神医療センター(注1) 芹が谷 2-5-1 5 医療法人社団成仁会 長田病院 丸山台 2-2-10 注1 災害時も精神科のみの診療を行います。 (3) 診療所・医療救護隊(軽症者が対象) 生命の危険がなく、入院を要しないものについては、負傷者の受入れが可能な診療所で治療します。また、医師、看護師、薬剤師等で構成される医療救護隊は、負傷者の発生状況や隊の編成数に応じて区で指定される場所に派遣され、軽症者に対する応急医療を行います。 42ページ 4 港南区帰宅困難者一時滞在施設一覧 施設名 所在地 1 横浜市港南スポーツセンター 日野1-2-30 2 上大岡SKホテル 最戸1-18-18 3 セントラルホール上大岡駅前式場 上大岡西1-2-2 4 港南公会堂 港南中央通10−1 5 港南地区センター 日野1-2-31 6 港南台地区センター 港南台5-3-1 5 港南区広域避難場所一覧 大規模な火災が発生したとき、火災から身を守るために一時的に避難する場所です。 広域避難場所名 所在地 1 汐見台団地及び久良岐公園一帯 港南区上大岡東三丁目、磯子区汐見台一〜三丁目 2 日野公園墓地及び日野中央公園一帯 日野中央一・二丁目 3 野庭団地 野庭町 4 こども医療センター一帯 港南区芹が谷二丁目、南区六ッ川二丁目 5 下永谷市民の森 下永谷町 6 港南台団地一帯 港南台二〜六丁目 43ページ 6 港南区新総合庁舎の紹介 平成29年3月、新しい港南区総合庁舎が完成しました。その主な特徴を紹介いたします。 ○免震構造で地震の揺れを軽減 もし大震災が発生しても区災害対策本部として機能できるように、被害を最小限に抑える免震構造を採用しました。 ○広々とした区民ホールでお出迎え 庁舎1階には、広々とした区民ホールがあります。天井には木材を活用し、温かい雰囲気で皆さんをお迎えします。このホールは、イベントなどで活用しています。 ○湧水の活用で省エネ 未利用エネルギーである地下鉄の湧水を、空調やトイレ、植栽への水やりに活用することで、省エネになります。これにより、電気・水道代を削減できます。 ○誰にでも分かりやすい庁舎づくり 初めて訪れた人でもスムーズに目的地に移動できるように、案内表示をより分かりやすいものにします。 44ページ 7 港南区プロジェクトR(レスキュー)について 港南区において災害時に援護が必要な方の支援策を検討する目的で、平成26年度からスタートしたプロジェクトです。(平成30年度に活動終了) 港南区の各障害者団体、福祉避難所に指定されている一部施設(障害者地域活動ホーム、障害者支援施設、地域ケアプラザ)、港南区社会福祉協議会、港南区役所により構成されています。   【構成メンバー】 ○港南区障害者団体連絡会 ・障害(児)者地域訓練会さんき会 ・港南区視覚障害者福祉協会 ・障害(児)者地域訓練会すずな会 ・港南区中途失聴・難聴者協会 ・障害(児)者地域訓練会なずな会 ○港南区聴覚障害者協会 ○港南中央地域活動ホーム そよかぜの家 ○港南福祉ホーム ○港南区生活支援センター ○下永谷地域ケアプラザ(港南区内の地域ケアプラザ代表) ○日野南地域ケアプラザ(同上) ○港南区社会福祉協議会 TEl:045-841-0256 Fax:045-846-4117 ○港南区役所(このパンフレットに関する問い合わせ先) ・総務課 TEl:045-847-8315 Fax:045-841-7030 ・福祉保健課     TEl:045-847-8432 Fax:045-846-5981 ・高齢・障害支援課   TEl:045-847-8454 Fax:045-845-9809 45ページ 8 啓発パンフレット「地震に備えて私たちができること」(障がい者編)の紹介 港南区プロジェクトRの取組として、平成27年度に、障がい者及びその御家族向けに、地震に対して日ごろから備えておくこと、いざ発災したとき取るべき行動など、知っておきたい内容を記載したパンフレットを作成しました。 作成にあたり、プロジェクトのメンバーである港南区内の障がい者及び御家族、関係機関、区役所との協働により、当事者の声をパンフレットに反映させていることが特徴です。 当事者だけでなく、区民の皆様にも広くお読みいただき、障がいに対する理解、啓発を進めるとともに、地域防災拠点や福祉避難所との連携訓練等で活用するなどして、災害時要援護者支援の取組を進めていただければ幸いです。 (※)港南区役所福祉保健課又は高齢・障害支援課の窓口で配付しています。 46ページ 9 啓発パンフレット作成委員会メンバー(敬称略) ○早坂 由美子(港南区障害者団体連絡会 会長) ○土山 由巳 (港南区障害者団体連絡会 副会長) ○浮須 秀男 (港南区視覚障害者福祉協会 副会長) ○野間 肇  (港南区中途失聴・難聴者協会 会長) ○内田 元久 (港南区聴覚障害者協会 会長) ○水野 潤子 (港南中央地域活動ホーム そよかぜの家職員) 【事務局メンバー】 ○粟竹 史明 (港南区役所 高齢・障害支援課福祉保健相談係長) ○嶋 美穗子(港南区役所 福祉保健課運営企画係長) ○本村 友希 (港南区役所 総務課危機管理・地域防災担当係長) ○金岩 悠造 (港南区役所 福祉保健課運営企画係) 47ページ  防災5箇条 (港南区防災計画より) 話し合おう! 家族の連絡どうするの? 備えよう! 最低でも、食料、飲み水3日分 圧死から身を守ろう! 家具の転倒防止と耐震対策 避難時は! 電気・ガスの元栓切って 地震だ! 隣近所に声かけて、まずは 「いっとき避難場所」 トイレパックも忘れずに!! 裏表紙 私の住む地区の地域防災拠点 私の住む地区のいっとき避難場所 【発行】港南区プロジェクトR(レスキュー)事務局 〒233-0003 港南区港南4−2−10  <総務課>      電話:045-847-8315 FAX:045-841-7030  <福祉保健課>    電話:045-847-8432 FAX:045-846-5981  <高齢・障害支援課> 電話:045-847-8454 FAX:045-845-9809 平成29年3月発行 令和5年3月改訂