第2章 港北区地域福祉保健計画。 1  計画の基本理念 誰もが安心して自分らしく健やかに暮らせるまち港北 すべての区民が人とのつながりをつくりながら、 できるだけ長く健康に自立して過ごすことを基本に、 助けあい、支えあいのある安心して自分らしく暮らせるまちを目指します 2 「ひっとプラン港北」について 港北区地域福祉保健計画の愛称です。 理解、参加が「ひろがる」、人、活動が「つながる」、支援の手が「とどく」を3つの推進の柱とし、柱の3つの頭文字「ひ」「つ」「と」をつなげた「ひっとプラン港北」を第2期計画から愛称としています。 さらに、コツコツとヒットを積み重ねることで確実に計画がつながり進んでいくという願いが込められています。 3 計画推進に参加する組織や団体 (1)計画推進におけるそれぞれの役割 区役所と区社協、地域ケアプラザは、様々な生活課題への住民の取組を支援します。 社会情勢の変化を踏まえて、それぞれが持つ事業との連動を意識しながら、地域住民とともに地域の特性にあわせた解決策を検討していきます。 区役所と区社協、地域ケアプラザの三者が「サポートスタッフ(地区別支援チーム)」として連携し、以下の役割をにないながら地域との連携を進めていきます。 ア  住民や民間活動団体、事業所等が行う福祉保健活動の支援 住民や地域活動団体、NPO法人、企業等との有機的な連携を進め、地域の状況に応じた福祉保健事業を展開します。 地域活動団体に対する企画、運営、広報等の支援を強化します。 イ  地域と民間事業者を含む多様な団体、専門機関のネットワーク構築 自治会町内会、福祉活動団体、ボランティア、事業所や専門機関等のネットワークを構築し、地域で支援を必要とする人を重層的に支える仕組みをつくります。 共通のテーマに基づく広域の活動団体や企業等と地縁組織の連携のきっかけをつくることにより、地域活動の活性化を図ります。 ウ  地域活動を推進するための環境や条件の整備 地域活動の円滑な推進のため、担い手の確保や財源的な支援、活動拠点となり得る場の検討、必要な情報等の整理を行います。 エ  福祉保健課題や地域の福祉保健活動に対する理解の促進 幅広い世代の住民に対して、福祉保健活動の理解普及啓発を進めます。 個別の支援に関する課題検討の中で明らかになった地域の課題を、地域の住民と共有し、解決に向けた検討を行う場を、小さなエリアごとにつくっていきます。 (2)各機関の機能 ア  区役所 区役所は区計画推進の総合的な調整や進行管理を行うとともに、高齢、障害、子ども等の分野ごとの個別支援や、地域、関係機関のネットワークづくり、社会資源の創出等、地域の福祉保健課題解決のために必要な施策を展開しています。また地域における協働を総合的に支援するため、地区担当を配置し、地区計画の推進支援、地域の課題解決連携支援をおこなっています。地区担当と専門職がサポートスタッフ(地区別支援チーム)として地区別計画を支援しています。 イ  区社協 区社協は、地域住民や様々な団体施設関係機関等の参画により、地域の生活課題の把握とその解決の仕組みづくりを進めていく地域福祉の推進役として法的に位置づけられた地域支援の専門性を有する組織です。高い公共性を持つ民間組織として、ネットワークや専門性を活かし、かつ状況の変化にも柔軟に対応しながら、地域福祉保健計画の推進に取り組みます。 ウ  地域ケアプラザ 地域ケアプラザは地域の身近な福祉保健活動の拠点、相談機関として、地域住民の福祉保健に関する様々な相談等から、個別課題やエリア内の地域情報を把握し、課題解決に向けた活動をおこなっています。 また、地域の様々な活動団体とともに、地域の状況に応じた見守り、支えあいの仕組みづくりを行う等、地区別計画の推進支援の中核的な役割を担います。さらに、区役所区社協と連携しながら、誰もが住み慣れた地域で生活を継続できるよう、「地域包括ケアシステム」の構築を推進します。 エ  地域組織 社会福祉団体 施設 企業 区民 組織・団体・個人は、それぞれ計画推進に向けての取組を行います。 連合町内会、自治会町内会、地区社会福祉協議会(地域の福祉保健活動等の中核となる組織)は、計画の進行状況を把握するとともに、福祉保健活動団体や事業者とも連携して計画を推進します。また、地域に計画を広く周知し、多くの区民が地域活動に関心を持つように働きかけ、参加を促します。 福祉保健活動団体(地域の活動団体、行政からの委嘱委員(民生委員・児童委員等)、NPO法人等)は、それぞれの活動を実施、充実していくことで計画を推進します。また、地域にある他の福祉保健活動団体等と連携し、計画の推進に取り組みます。 学校、保育園、医療・福祉関連施設は、地域の計画を理解し、その取組に協力します。 また、地域との交流や住民交流のきっかけづくりを積極的に行います。 さらに、活動場所や技術等の提供を行うことで、地域の福祉保健活動を支援します。 企業は、地域の計画を理解し、推進に協力します。 また、地域との交流を積極的に行います。 さらに、企業は、社会貢献活動の一つとして、地域活動の活動場所の提供や地域イベントへの協力等を行います。 また、福祉関連事業所は活動内容を地域に発信し、事業所としての得意分野を生かした地域支援を行います。 区民は、身近な計画である地区別計画を理解し、地域組織等が行う活動に関心を持ち、できることから参加します。 また、日頃から近所の方々と交流し、あいさつや声かけができる関係をつくります。 さらに、近隣で困っているかたに対してできることから行動します。 なお、医療福祉関連施設は、 基幹相談支援センター、後見的支援室、生活支援センター、地域子育て支援拠点、横浜市多機能型拠点、横浜市リハビリテーションセンター、障害者スポーツ文化センター、在宅医療相談室等 福祉関連事業所は、 障害福祉サービス事業所(地域活動支援センター、障害者地域作業所、地域活動ホーム等)、障害児通所支援事業(児童発達支援、放課後等デイサービス)、介護保険サービス事業所(きょたく介護、デイサービス、ショートステイ、認知症グループホーム、特別養護老人ホーム等)があります。 「ひっとプラン港北」における地域の考え方 福祉保健の取組を進めていく上では、取組の特性に応じて適切に地域の範囲を設定する必要があります。 4 三つの柱と重点目標 三つの柱 推進の柱1 理解、参加がひろがる 推進の柱2 ひと、活動がつながる 推進の柱3 支援の手がとどく 重点目標1 人と人とのつながりづくりを進め、幅広い住民が地域活動に参加・参画できるようにする 目指す姿 地域活動への関心が高まり、多くの人・団体等が参加している。 また、参加するだけでなく企画・運営に携わっている人が増え、活動が活発に行われている。 区役所、区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等が行うこと 概念、取組目標 1 地域活動の魅力を伝えることで、地域活動への参加のきっかけを増やします。 2 地域活動に関する情報を対象者に合わせて発信します。 3 地域活動に参加している住民を参加から参画へつなげます。 具体的な取組 円滑な福祉保健活動の推進のために、地域資源の活用を進め、住民が交流する機会と場を調整します。 多様な活動団体のネットワークづくりを進めます。 地域活動を始めたい個人や団体、多様な経験やスキルを持った人材が、地域の中で安定して活動できるまでの情報共有や支援を行います。 若年層や高齢者等の対象に合わせた媒体を用いて、地域活動の重要性や魅力を効果的に発信します。また地域の活動団体等が情報を発信する取組を支援します。 企業、施設等との協働した取組を支援します。 ひっとプラン港北の認知度向上に取り組みます。 地区別計画での取組例 地域活動に関する紙面やITを活用した情報発信(こうほうし、ホームページ等)、活用のための講座の開催 多様な世代が参加しやすい行事や活動の企画、運営 サロンや居場所の立ち上げ、運営(子育て、高齢者、異世代交流等) 重点目標2 支援が必要な人を取り残さない 目指す姿 住民同士がお互いを気にかけ合うことや関係機関との連携によって必要な人に情報が届き、いざというときに支援につながることが出来る。 区役所、区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等が行うこと 概念、取組目標 1  地域と専門機関の連携を強化することで、速やかな把握や適切な支援につなげます。 2  日常的な近隣関係や地域活動を通じた緩やかな見守りを推進します。 具体的な取組 医療・福祉関係者、関係施設等と連携し、認知症や障害、虐待予防、医療・ケアに関する意思決定等について、普及啓発を行います。 必要とする人が支援やサービスの情報を得られるよう対象に合わせた情報発信を工夫し取り組みます。 医療機関・福祉施設・学校と連携をとり高齢者や障害者、子育て等分野別の支援者ネットワークを強化します。 住み慣れた地域で自分らしい生活を送ることができるよう、医療と福祉の連携を強化します。 住民と活動団体、関係機関等が地域の課題について共有し、対応を検討する場を作ります。 民生委員・児童委員の活動を支援します。 権利擁護のための取組を進めます。 生活困窮者やひきこもり等、地域の中でつながりが希薄な人も気軽に行ける場所や困った時に相談ができる活動を支援します。 地区別計画での取組例 啓発講座、福祉教育、認知症サポーター養成講座等の実施 支援が必要なかたの緩やかな見守りや声掛け 地域型ボランティア(家事支援、育児支援、障害児の通学支援・余暇活動、学習支援等)の活動 重点目標3 子どもの健やかな成長を支える 目指す姿 地域活動に参加する子どもや子育て世代が増え、地域との交流が活発になることで、みんなで見守り安心して子育てできる地域になっている。 区役所、区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等が行うこと 概念、取組目標 1 地域全体で子どもを緩やかに見守り、相談できる環境を整えます。2 世代間交流を促進し、子育て世代と地域のつながりを強化します。 具体的な取組 子育てに関する情報発信等は、SNSや電子申請等のデジタル技術を積極的に活用します。 地域の子育て支援団体や学校、企業と連携を強化します。 高齢者から子どもまで幅広い世代が交流できるイベントを開催します。 育児に悩む子育て世代、不安や悩みを抱えた子どもも安心してあつまれる場所を作ります。 共働き世帯や父親の育児参加等、社会的な変化に合わせ、工夫した情報発信等を行います。 地区別計画での取組例 地域(子ども)食堂の運営、親子サークルの支援、地域イベントの開催 重点目標4 様々な年齢、立場、背景やかちかんの多様性を認め合う地域をつくる 目指す姿 高齢者や障害者、外国人、性的少数しゃ等、誰もが社会参加でき、交流や相互理解が進んでいる。 区役所、区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等が行うこと 概念、取組目標 1 地域には様々な人が暮らしていることへの住民の理解を深めます。 2 年齢、障害等にかかわらず、参加できる場を増やします。 3 立場が違ってもお互いにとって心地よい距離のかんけいせいを作ります。 具体的な取組 障害や病気、国籍等、地域に暮らす様々なかたへの理解を深める講演会等を実施します。 学校や企業、関係機関と連携して福祉への理解を深めます。 つどいの場づくりや社会参加の機会づくりをする際には、対象に合わせたアプローチができるように支援します。 障害者が利用する施設等と地域がつながるきっかけをつくります。 地区別計画での取組例 住民主体で実施する身近な地域での認知症カフェ、障害者等の居場所づくり 地域の福祉施設と協働した交流の機会づくり 地区単位での福祉講座の実施 やさしい日本語版を使った外国人へゴミの出しかた等の啓発 重点目標5 心身の健康の維持・増進を支援する 目指す姿 健康の維持・増進の大切さの理解が深まり、つながりづくりや身近な地域で生涯を通じて健康づくりを行う場が増えている。 区役所、区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等が行うこと 概念、取組目標 健康の維持・増進の大切さへの理解を深めます。 身近な地域で健康づくりを行う場、機会を増やします。 具体的な取組 健康づくり、介護予防(フレイル予防)への関心、意欲を高める講座等を行います。 適切な運動や社会参加等が健康を保つことを周知します。 保健活動推進員や食生活等改善推進員が、他の委嘱委員や活動団体と連携して取り組む健康づくり活動を支援します。 幅広い世代への食育活動を推進します。 身近な地域で介護予防の取組ができる場や機会を提供します。 生活習慣に大きく影響する就学・就業の有無等を考慮し、ライフステージに合わせた取組や環境づくりを進めます。 重点目標6 災害に関する自助・きょうじょ・こうじょを推進する 目指す姿 災害対策をきっかけとして住民同士の顔のみえる関係づくりが行われ、災害時に要援護者等の助け合いが行える準備ができている。 区役所、区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等が行うこと 概念、取組目標 災害時要援護者に関する取り組みを進めます。 様々な世代が関係する災害対策をきっかけとした地域の顔のみえる関係作りを進めます。 具体的な取組 個人備蓄の促進や、世代・国籍等対象者に合わせた防災啓発を行います。 要援護者の避難支援や安否確認等の必要性を啓発します。 配慮を要する人(高齢者や障害者、妊産婦・乳幼児等)が、安心して避難できるように、避難所や福祉避難所の運営支援や理解の促進に取り組みます。 様々な世代の人々が関係する防災をきっかけとした住民同士の顔のみえる関係づくりを支援します。 災害時のボランティア活動をスムーズに運営するため、災害ボランティアセンターの体制整備に取り組みます。 地区別計画の取組例 災害対策をきっかけにした地域のつながり作り、災害時の安否確認、助けあい、地域防災拠点訓練等と連携した要援護者支援訓練 5 推進体制と取組状況の振り返り 「ひっとプラン港北」第5期計画では、刻々と変化する地域社会を取り巻く情勢に応じた計画となるよう、計画の推進にPDCAサイクル(計画(Plan)→ 推進(Do) → 振り返り(Check)→ 計画継続追加修正(Act))を活用しながら、毎年度に計画の振り返りを行い、翌年度の活動に反映共有することで、様々な生活課題の解決に努めます。 また、福祉保健活動の取組の発表やひっとプラン港北の周知啓発の場として区民フォーラムを開催します。 区計画 <推進体制> 区内の自治会町内会、福祉保健活動団体等の代表者及び学識経験者で構成する「『ひっとプラン港北』策定推進会議」において計画の推進や振り返りを総合的に協議していきます。 <振り返り> 取組の確認を区役所、区社協、地域ケアプラザにて行い、その内容は「ひっとプラン港北」策定推進会議へ報告します。 地区別計画 <推進体制> 地区ごとに、連合町内会、地区社会福祉協議会等の地域の活動団体等が中心になり、地域の皆さん一人ひとりの参加を元に、活動取組を進めていきます。 区役所区社協地域ケアプラザがサポートスタッフとして連携して、地域の活動を支えていきます。 <振り返り> 振り返りの場等を設定し、じ年度の取組に反映させます。