【表紙】 横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画 素案 令和 年 月改定 横浜市 【はじめに】  「横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画」は、新型インフルエンザ等の新興感染症が発生した場合に、市民の生命・健康を保護し、市民生活・経済に及ぼす影響を最小にすることを目的に、新型インフルエンザ等対策特別措置法第8条の規定に基づき策定する計画です。  本市ではこれまでも、「横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画」や「横浜市業務継続計画(新型インフルエンザ等編)」を策定するなど、新型インフルエンザ等の新興感染症に対する取組を進めてきました。    2020(令和2)年1月に国内で初めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が確認されました。  本市では、同年2月に市内初の感染者が確認されるとともに、横浜港に入港したクルーズ船での集団感染対応を皮切りに、3年超にわたり対策に取り組んできました。この間、ウイルス株の変異などにより感染が拡大する中で、市民の生命や健康が脅かされ、市民生活や経済活動にも大きな影響が及びました。    2024(令和6)年7月、国は、新型コロナウイルス感染症への対応で明らかになった課題や、これまでの関連する法改正等も踏まえ、幅広い感染症による危機に対応できる社会を目指し、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の抜本的な改定を行いました。  本市においても、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定や、「感染症予防計画」(よこはま保健医療プラン2024)など関係する計画等と整合を図るとともに、本市を取り巻く状況を踏まえ、「横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画」の改定を行います。    本市は、国際港である横浜港を有し、羽田空港や成田空港とも近接しており、さらには企業や大学・研究機関等が集積し、多くの国際会議やイベント等が開催されるなど、海外と人や物の行き来が活発です。また、通勤や通学、観光等で、毎日多くの人々が市域内外を往来しており、感染症が持ち込まれるリスクが高く、新興感染症への対策・取組は必要不可欠です。  市立病院をはじめ高度な医療提供を行う病院や身近な医療機関、大学等の研究機関、企業・業界団体等が多数集積する、指定都市最大規模である本市は、次なる感染症危機に備え、横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画に基づき、自立的に、平時の備えを万全にし、有事には、感染症の特徴や科学的知見を踏まえ、様々な社会資源やインフラ等と連携しながら、迅速かつ着実に対策を実施します。 【目次1ページ】 第1章 新型インフルエンザ等対策特別措置法と行動計画   2ページ  1.感染症危機を取り巻く状況              2ページ  2.新型インフルエンザ等対策特別措置法と行動計画の策定 2ページ 第2章 対策の目的及び実施に関する基本的な考え方等  4ページ  1.対策の目的                  4ページ  2.基本的な考え方                  4ページ  3.対策の方向性                  5ページ  4.対策実施上の留意事項              6ページ  5.対策推進のための役割分担              7ページ  6.市行動計画の主な対策項目等          9ページ  7.市行動計画の実効性確保              10ページ 第3章 各対策項目の考え方及び取組          11ページ  1.実施体制                      11ページ  2.情報収集・分析                  16ページ  3.サーベイランス                  19ページ  4.情報提供・共有、リスクコミュニケーション      22ページ  5.水際対策                      26ページ  6.まん延防止                  28ページ  7.ワクチン                      32ページ  8.医療                      36ページ  9.治療薬・治療法                  41ページ  10.検査                      44ページ  11.保健(保健所・衛生研究所の役割)          47ページ  12.物資(個人防護具等)              53ページ  13.市民生活・経済の安定の確保          55ページ 用語集                          60ページ 【略称等一覧】横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画では、以下の略称を用います。 略称 横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画での正式名称・意味等 特措法         新型インフルエンザ等対策特別措置法 感染症法        感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 新型コロナ(COVID-19) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 政府行動計画      新型インフルエンザ等対策政府行動計画 政府対策本部      新型インフルエンザ等対策本部 JIHS          国立健康危機管理研究機構(Japan Institute for Health Security) 県           神奈川県 県対策本部       神奈川県新型インフルエンザ等対策本部 県対策協議会      神奈川県感染症対策協議会 市行動計画       横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画 市対策本部       横浜市新型インフルエンザ等対策本部 区対策本部       各区新型インフルエンザ等対策本部 予防計画        感染症予防計画 【2ページ】 第1章 新型インフルエンザ等対策特別措置法と行動計画 1.感染症危機を取り巻く状況  近年、地球規模での開発の進展により、開発途上国での都市化や人口密度の増加、未知のウイルスの宿主となっている動物との接触機会の拡大等が進んでおり、未知の感染症との接点が増大している。さらに、グローバル化により各国との往来が飛躍的に拡大しており、未知の感染症が発生した場合には、瞬く間に世界中に拡散するおそれがある。  しかし、感染症の発生時期を正確に予知することは困難であり、発生そのものを阻止することも不可能であるため、平時から感染症危機に備え、より万全な体制を整えることが重要である。  また、世界的な大流行(パンデミック)を引き起こす可能性のある病原体として動物由来感染症(人獣共通感染症)も考慮する必要がある。ヒト、動物、環境の分野横断的なワンヘルス・アプローチの推進により、これに対応することが求められる。  さらに、既知の感染症でも薬剤耐性(AMR)を獲得することで、将来的な感染拡大によるリスクが増大することがある。こうしたAMR対策の推進など、平時からの着実な取組により、将来的なリスクを軽減することも重要である。  特に、本市は国際都市として海外からの人や物の往来が活発であり、国内においても通勤・通学や観光等に伴う市域を越えての人流・物流が多いことから、こうした新興感染症等による健康危機に平時から備える必要がある。 2.新型インフルエンザ等対策特別措置法と行動計画の策定 (1)新型インフルエンザ等対策特別措置法  新型インフルエンザ等のほとんどの人が免疫を持たない新型のウイルスによる感染症は、発生すればパンデミックとなり、大きな健康被害と社会的影響をもたらすことが懸念されている。そのため、国家の危機として対応する必要があり、政府行動計画でもその重要性が示されている。  2012(平成24)年に制定された特措法は、病原性が高い新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症が発生した場合に、国民の生命と健康を保護し、国民生活や経済への影響を最小限に抑えることを目的としている。特措法は、国、地方公共団体、指定(地方)公共機関、事業者などの責務を定め、新型インフルエンザ等の発生時における措置、まん延防止等重点措置、緊急事態措置などの特別措置を規定し、感染症法等とともに、国全体としての万全の態勢を整備し、新型インフルエンザ等対策の強化を図るものである。   <市行動計画の対象となる感染症(特措法第2条第1号に規定する新型インフルエンザ等)> 新型インフルエンザ等感染症 感染症法第6条第7項に該当する感染症  ・新型インフルエンザ  ・再興型インフルエンザ  ・新型コロナウイルス感染症  ・再興型コロナウイルス感染症 指定感染症         感染症法第6条第8項に該当する感染症  既知の感染性の疾病※であって、病状の程度が重篤であり、全国的かつ急速なまん延のおそれがある感染症  ※一、二、三類感染症及び新型インフルエンザ等感染症を除く 新感染症          感染症法第6条第9項に該当する感染症  人から人へ伝染し、既知の感染性の疾病とは明らかに異なり、病状の程度が重篤で、全国的かつ急速なまん延のおそれがある感染症 (2)行動計画策定の経緯と改定の目的 @策定の経緯  国は、特措法制定以前の2005(平成17)年に、「世界保健機関(WHO)世界インフルエンザ事前対策計画」に準じて「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定し、本市においても同年12月に「横浜市新型インフルエンザ対策行動計画」を策定し、以降、数次の部分的な改定を行ってきた。  その後、2009(平成21)年の新型インフルエンザ(A/H1N1)対応の経験を経て、病原性の高い新型インフルエンザの発生及びまん延に備えるため、国は2011(平成23)年に「新型インフルエンザ対策行動計画」を改定し、2012(平成24)年には特措法が制定された。  同法第8条の規定により、本市もこれまでの計画を見直し、2013(平成25)年12月に「横浜市新型インフルエンザ等対策行動計画」(市行動計画)を策定した。 A改定の目的  2019(令和元)年に発生した新型コロナ(COVID-19)対応を踏まえ、国は、特定の感染症や過去の事例だけでなく、新たな呼吸器感染症等が流行する可能性も想定し、次の感染症危機に対してより万全な対応を行うことを目指して対策を充実させるため、2024(令和6)年に「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(政府行動計画)の全面改定を行った。  政府行動計画の改定内容等を踏まえ、市行動計画の全面改定を実施する。 【4ページ】 第2章 対策の目的及び実施に関する基本的な考え方等 【4ページ】 1.対策の目的  病原性が高くまん延のおそれがある新型インフルエンザ等が世界のどこかで発生した場合、我が国、そして本市への侵入は避けられず、市民の生命や健康、生活や経済に大きな影響を与える可能性がある。新型インフルエンザ等は、長期的には市民の多くがり患するおそれがあるが、患者の発生が一定の期間に偏ると、医療提供体制のキャパシティを超えてしまう事態が想定される。そのような事態を回避するため、感染拡大を可能な限り抑えることが必要である。  これを踏まえ、新型インフルエンザ等対策を本市の危機管理に関わる重要な課題と位置付け、次の2点を主たる目的として対策を講じていく。  (1)感染拡大を可能な限り抑制し、市民の生命及び健康を保護する。   ・ 感染拡大を抑えて、流行のピークを遅らせ、医療提供体制の整備やワクチン製造等のための時間を確保する。   ・ 流行のピーク時の患者数等をなるべく少なくして医療提供体制への負荷を軽減するとともに、医療提供体制の強化を図ることで、     患者数等が医療提供体制のキャパシティを超えないようにすることにより、治療が必要な患者が適切な医療を受けられるようにする。   ・ 適切な医療の提供により、重症者数や死亡者数を減らす。  (2)市民生活・経済に及ぼす影響が最小となるようにする。   ・ 感染拡大防止と社会経済活動のバランスを踏まえた対策の切替えを円滑に行うことにより、市民生活及び社会経済活動への影響を軽減する。   ・ 市民生活・経済の安定を確保する。   ・ 地域での感染対策等により、欠勤者等の数を減らす。   ・ 事業継続計画の作成や実施等により、医療の提供の業務又は市民生活・経済の安定に寄与する業務の維持に努める。 【4ページ】 2.基本的な考え方 (1)対策の選択的実施  新型インフルエンザ等対策は、発生の段階や状況の変化に応じて柔軟に対応していく必要がある。過去の新型インフルエンザや新型コロナ(COVID-19)のパンデミックの経験から、特定の事例に偏重して準備を行うことは、大きなリスクを伴う。  そのため、市行動計画は、特定の感染症や過去の事例だけでなく、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等以外の新たな呼吸器感染症が流行する可能性も考慮し、発生した新型インフルエンザ等の特性に応じて、様々な状況に対応できるよう対策の選択肢を示すものである。  実際に新型インフルエンザ等が発生した際には、国の対策を踏まえ、県等と連携し、感染症の特徴、病原体の性状(病原性、感染性、薬剤感受性等)(以下「病原体の性状」という。)、流行の状況などを考慮しつつ、人権への配慮や対策の有効性、実行可能性、市民生活・経済に与える影響等を総合的に勘案し、市行動計画等の中から実施すべきものを選択する。 (2)社会全体での取組  新型インフルエンザ等の対策は、不要不急の外出の自粛や施設の使用制限等の要請、事業者の業務縮小による接触機会の抑制など医療対応以外の感染対策と、ワクチンや治療薬等を含めた医療対応を組み合わせて総合的に行うことが必要である。  特に医療対応以外の感染対策は、社会全体で取り組むことで効果が期待される。事業者は職場での感染予防に努め、業務を絞り込むなどの対策を検討することが重要である。また、行政だけでなく、事業者や市民一人ひとりが感染予防や備蓄等の準備を行うことが必要である。なお、感染予防として新型インフルエンザ等対策は、日頃からの手洗いやマスク着用などの呼吸器感染症に対する対策が基本となる。 【5ページ】 3.対策の方向性 (1)基本的な対策の方向性  基本的な対策の方向性は以下のとおりである。 @特定の感染症や過去の事例に限らず、新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等以外の新たな呼吸器感染症が流行する可能性を考慮し、病原体の性状に応じた対策を検討する。 A限られた知見しかない発生初期には、感染拡大防止を徹底し、早期収束を目指す。 B科学的知見の集積による病原体の性状の把握、検査体制や医療提供体制の整備、ワクチンや治療薬の普及等の状況の変化や社会経済等の状況に合わせて、適切なタイミングで、柔軟かつ機動的に対策を切り替える。 C病原体の変異による性状変化を考慮し、感染拡大の繰り返しや対策の長期化も想定する。 (2)時期ごとの対策の考え方  時期ごとの基本的な対策の考え方は以下のとおりである。(時期ごとに必要となる対策の選択肢については、第3章に記載) @準備期(平時)  有事に想定される対策を的確に講じるために必要な訓練や人材育成、地域における医療提供体制の整備等、新型インフルエンザ等の発生に備えた事前の準備を行う。 A初動期 (感染症の急速なまん延及びその可能性のある事態を探知してから、政府対策本部が設置され基本的対処方針が実行されるまでの間)  初動体制を確立し庁内の情報共有を図るとともに、感染拡大のスピードをできる限り抑え、感染拡大に対する準備を行う時間を確保するため、新型インフルエンザ等の特徴や事態の推移に応じて迅速かつ柔軟に対応する。 B対応期  対応期については、以下の時期に区分される。 @)封じ込めを念頭に対応する時期 (政府対策本部の設置後、国内での新型インフルエンザ等の発生の初期段階)  病原体の性状について限られた知見しか得られていないため、海外での発生動向等も考慮しつつ、まずは封じ込めを念頭に対応する。なお、発生した感染症が新型インフルエンザであることが判明した場合、国の方針に基づき、抗インフルエンザウイルス薬やプレパンデミックワクチン等の対応を開始する。   A)病原体の性状等に応じて対応する時期  (感染の封じ込めが困難で、感染が拡大した段階)  知見の集積により明らかになる病原体の性状等を踏まえ、国のリスク評価等に基づき、医療提供体制維持のため、感染拡大の波を抑制するための対策を実施する。 B)ワクチンや治療薬等により対応力が高まる時期  ワクチンや治療薬の普及等により、新型インフルエンザ等への対応力が高まることを踏まえて、科学的知見に基づき対策を柔軟かつ機動的に切り替える。ただし、病原体の変異により再度対策を強化させる必要が生じる可能性も考慮する。 C)特措法によらない基本的な感染症対策に移行する時期  ワクチン等により免疫の獲得が進むこと、病原体の変異により病原性や感染性等が低下すること及び新型インフルエンザ等への対応力が一定水準を上回ることにより、国の方針に基づき、最終的に特措法によらない基本的な感染症対策へ移行する。   <時期区分(図)> 準備期 発生前の段階 初動期 新型インフルエンザ等に位置付けられる可能性がある感染症が発生した段階 ←発生の公表 対応期 封じ込めを念頭に対応する時期     病原体の性状等に 応じて対応する時期     ワクチンや治療薬等により対応力が高まる時期     特措法によらない 基本的な感染症対策に移行する時期 【6ページ】 4.対策実施上の留意事項  国、県、本市又は指定(地方)公共機関は、新型インフルエンザ等の発生時やその準備期に、特措法その他の法令、それぞれの行動計画又は業務計画に基づき、相互に連携協力し、的確かつ迅速な対策を実施する。この場合において、次の点に留意する。   (1)平時の備えの整理と拡充  感染症危機への対応には平時からの体制づくりが重要である。平時の備えを充実させ、訓練等により迅速な初動体制を確立できるようにするとともに、情報収集・共有・分析の基盤となるDXの推進等を行う。 (2)感染拡大防止と社会経済活動のバランスを踏まえた対策の切替え  市民の生命・健康を保護するとともに、市民生活・社会経済活動への影響が最小となるよう、感染拡大防止と社会経済活動のバランスを踏まえた対策の切替えを円滑に行う。   (3)基本的人権の尊重  基本的人権を尊重し、特措法による対策が市民の自由と権利に制限を加える場合、その制限は必要最小限にとどめる。また、市民等に対して十分な説明を行い、理解を得ることを基本とする。  また、感染者やその家族、医療従事者やその家族、医療機関等に対する誹謗中傷等の偏見・差別は人権侵害であり、あってはならないものである。これらの偏見・差別は、患者の受診行動を妨げ、感染拡大の抑制を遅らせる原因となる可能性があり、対応する医療従事者等の士気の維持の観点等からも、防止すべき課題である。  さらに、社会的弱者への配慮をしながら市民の安心を確保し、社会の分断が生じないよう取り組む。 (4)危機管理としての特措法の性格  特措法は、感染症危機における危機管理のための制度であり、緊急事態に備えて様々な措置が定められている。一方で、病原性の程度やワクチン・治療薬等の有効性により、必ずしもまん延防止等重点措置や緊急事態措置が講じられるものではないことに留意する。   (5)関係機関相互の連携協力の確保  市対策本部(「第3章1.実施体制」参照)は、政府対策本部や県対策本部等と相互に緊密な連携を図りつつ、対策を総合的に推進する。 (6)高齢者施設や障害者施設等の社会福祉施設等における対応  高齢者施設や障害者施設等の社会福祉施設等における医療提供体制等について、平時から検討し、感染症危機に備えた準備を行う。   (7)感染症危機下の災害対応  感染症危機下における地震等の災害対応についても想定し、避難所施設の確保等を進めることや、自宅療養者等の避難のための情報共有体制の整備などの準備を進める。  また、災害発生時は、国や県と連携し、状況を適切に把握し、必要に応じて避難所での感染対策の強化や、自宅療養者等への情報共有、避難の支援などを速やかに行う。 (8)記録の作成や保存  新型インフルエンザ等が発生した段階で、市対策本部における対策の実施に係る記録を作成し、保存・公表する。 【7ページ】 5.対策推進のための役割分担 (1)国  国は、新型インフルエンザ等が発生した場合、対策を的確かつ迅速に実施し、地方公共団体等を支援することにより、国全体として万全の態勢を整備する責務を有する。また、WHO等の国際機関や諸外国と連携し、対策に取り組む。  このため、平時から政府行動計画に基づく対策を実施し、定期的な訓練等により点検・改善に努める。  有事には、政府対策本部で基本的対処方針を決定し、対策を強力に推進する。また、国民や事業者等の理解や協力を得るため、感染症に関する情報提供・共有を行う。さらに、ワクチンや診断薬、治療薬等の早期開発や確保に向けた対策を推進する。  また、指定行政機関は、政府行動計画を踏まえ、相互に連携を図りつつ、発生段階に応じた具体的な対応を決定しておく。 (2)地方公共団体(県・市)  地方公共団体は、新型インフルエンザ等が発生した場合、国が決定した基本的対処方針に基づき区域に係る対策を的確かつ迅速に実施し、その区域において関係機関が実施する対策を総合的に推進する責務を有する。 【県】  県は、特措法及び感染症法に基づく措置の実施主体として、基本的対処方針に基づき、地域における医療提供体制の確保やまん延防止に関する判断と対応を行う。  平時から、医療機関と医療措置協定(病床確保、発熱外来、自宅療養者等への医療の提供、後方支援又は医療人材の派遣に関する協定)を締結し医療提供体制を整備することや、民間検査機関や医療機関と検査等措置協定を締結し検査体制を構築するなど、医療提供体制、検査体制、宿泊療養等の対応能力について、計画的に準備を行う。そして、有事には迅速に体制を移行し、対策を実行する。  また、感染症対策に係る関係行政機関や学識経験者からなる県対策協議会等を通じ、予防計画等について協議し、進捗確認を行いながら、関係者が一体となって平時からの取組を実施するとともに、改善を図る。 【市】  本市は、基本的対処方針及び「市行動計画」、「横浜市業務継続計画(新型インフルエンザ等編)」等を踏まえ、感染症法に基づく措置の実施主体として、まん延防止対策の実施等により市民の生命・健康を保護するとともに、市民生活・経済に及ぼす影響を最小限にするための様々な対策を行う。  平時から、県や他の保健所設置市等と連携しながら、保健所や検査体制等の対応能力を計画的に準備し、予防計画に基づく取組の進捗確認を行うとともに、各局区において、マニュアルを整備するなど対策の具体化を図る。また、関係機関等との連携を強化することで、有事に備えるとともに、発生時には迅速に体制を移行し、対策を実行する。 (3)医療機関  医療機関は、平時から、県と医療措置協定を締結し、院内感染対策の研修、訓練、個人防護具を始めとした感染症対策物資の確保等を推進する。また、新型インフルエンザ等の患者診療体制を含めた業務継続計画の策定及び県対策協議会等を活用した地域の関係機関との連携を進めることが重要である。  発生時には、感染症医療及び通常医療の提供体制を確保するため、医療措置協定に基づき、県の要請に応じて、病床確保、発熱外来、自宅療養者等への医療の提供、後方支援又は医療人材の派遣を行う。 (4)指定(地方)公共機関  指定(地方)公共機関(特措法第2条第7号又は8号に基づき、公共的機関及び公益的事業を営む法人のうち、防災行政上重要な役割を有するものとして内閣総理大臣又は都道府県知事が指定している機関)は、新型インフルエンザ等が発生した場合は、特措法第3条第5項に基づき、対策を実施する責務を有する。 (5)登録事業者  登録事業者(特措法第28条に規定する特定接種の対象となる医療の提供の業務又は市民生活・経済の安定のための業務を行う事業者)は、平時から、職場の感染対策や重要業務の事業継続等の準備を積極的に行い、発生時には重要業務の継続に努める。 (6)一般の事業者  平時から、新型インフルエンザ等の発生に備え職場の感染対策に努め、特に多数の者が集まる事業を行う者についてはマスクや消毒薬等の衛生用品の備蓄を行うよう努める。発生時には、感染防止の観点から、一部の事業を縮小することも想定する。 (7)市民  平時から、新型インフルエンザ等に関する情報や発生時に取るべき行動など対策に関する知識を得るとともに、基本的な感染対策(換気、マスク着用等の咳エチケット、手洗い、人混みを避ける等の個人レベルでの感染対策)を実践するよう努める。また、マスクや消毒薬等の衛生用品、食料品や生活必需品等を備蓄するよう努める。  発生時は、発生状況や予防接種等の対策についての情報を得て、個人でも可能な感染対策を実践し、り患が疑われる場合は医療機関の受診ルールを守るなど、感染拡大防止に努める。また、感染症に関する正しい知識を得て、患者等の人権を損なうことのないよう努める。 【9ページ】 6.市行動計画の主な対策項目等 (1)主な対策項目  新型インフルエンザ等対策の主たる目的は、「感染拡大を可能な限り抑制し、市民の生命及び健康を保護すること」及び「市民生活・経済に及ぼす影響が最小となるようにすること」であり、これを達成するための主な対策は以下の13項目である。  なお、それぞれの項目は関連しており、対策の全体像や相互の連携を意識し対策を行うことが重要である。 ※各項目の詳細は第3章で説明  @実施体制  A情報収集・分析  Bサーベイランス  C情報提供・共有、リスクコミュニケーション  D水際対策  Eまん延防止  Fワクチン  G医療  H治療薬・治療法  I検査  J保健  K物資   L市民生活・経済の安定の確保 (2)複数の対策項目に共通する横断的な視点  対策の実効性を向上させるために共通して考慮すべき視点は、以下の3点である。 @人材育成 A国と地方公共団体との連携 BDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進 @人材育成 ○感染症危機管理対応人材の育成  感染症危機管理の対応能力を向上させるためには、平時から、中長期的な視野に立って人材育成を継続的に行うことが不可欠である。特に専門性の高い人材の育成を進める※とともに、多くの人が感染症危機管理に携わる可能性を考慮し、幅広い人材を対象とした訓練や研修等の実施により、感染症危機対応の人材の裾野を広げることが重要である。また、平時から感染症対応部門と危機管理部門との連携や連動等を図る。 ※国等の研修やJIHSの「実地疫学専門家養成コース(FETP)」等を積極的に活用し、感染症対策に関して専門的な知見を有し、情報収集や対応策の検討を担い、現場での活躍ができる人材を育成する。 ○その他 ・災害・感染症医療業務従事者(DMAT、DPAT先遣隊及び災害支援ナース)や、有事に保健所等の業務を支援する「IHEAT要員」の継続的な確保・育成を行う。 ・本市を含め関係機関等が連携した訓練・研修等により、地域の医療機関等において、感染症を専門とする医療職等の人材を育成する。 A国と地方公共団体との連携  新型インフルエンザ等の発生時には、国が基本的な方針を定め、それをもとに県と連携し、感染拡大防止や医療提供体制の確保などの対策を実施する。そのため、平時から国や県、県内保健所設置市等との広域的な連携に努めることが必要である。  また、相互に意見交換を行うことで、本市の意見を国や県等の対策へ反映させていく。 BDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進  医療DXをはじめDXの推進は、発生状況の迅速な把握や関係者間でのリアルタイムな情報共有、業務負担の軽減や関係者の連携強化など、感染症危機対応能力の強化につながるものである。国が整備する基盤の活用や医療機関等への活用促進など、DXを推進する。 【10ページ】  7.市行動計画の実効性確保 (1)EBPM※(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング)の考え方に基づく対策の推進  市行動計画の実効性を確保し、新型インフルエンザ等への対応を万全にするため、平時から有事までを通じて、対策の効果測定に重要な関連を持つ情報や統計データを活用し、EBPMの考え方に基づいて対策を実施する。そのためには、適切なデータの収集とその分析体制が重要である。 ※EBPMとは、対策をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠に基づくものとすること。 (2)新型インフルエンザ等への備えの機運の維持  新型インフルエンザ等の発生時期は予測できないため、自然災害への備えと同様に、平時からの備えと意識を高める取組を継続することが重要である。  新型コロナ(COVID-19)対応の経験を踏まえ、訓練や研修、啓発活動等を通じて、新型インフルエンザ等への備えを充実させる機運の維持を図る。 (3)関係機関における実践的な訓練の実施  医療機関等の関係機関において訓練を通じた対策等の点検・改善が継続的に取り組まれるよう働き掛ける。 (4)定期的な見直し  原則として年に一度、取組状況の確認を行う。  また、予防計画や政府行動計画の見直し状況等も踏まえ、必要に応じ、概ね6年ごとに市行動計画を改定する。   (5)関連マニュアルの策定等による対策の具体化  各局区は、市行動計画に基づく活動に必要な事項をマニュアルに定めるなど、対策の具体化を図る。 【11ページ】 第3章 各対策項目の考え方及び取組 「新型インフルエンザ等対策政府行動計画ガイドライン」(内閣感染症危機管理統括庁)も参照 1.実施体制 ■ 概要  感染症危機は市民の生命・健康や市民生活・経済に広く大きな被害を及ぼすことから、全庁的な危機管理として取り組む必要があり、国等と連携しながら、実効的な対策を実施することが重要である。  そのため平時には、関係局区の役割を整理し、有事に機能する組織・応援体制の構築、縮小可能業務の整理、研修・訓練等を行い、行動計画の見直しも行う。  有事には、市対策本部及び区対策本部を設置し、総合的・効果的な対策を強力に推進しつつ、流行収束まで長期にわたることも想定し、持続可能な体制となるよう状況の変化に応じ柔軟・機動的に見直しを図る。  なお、市対策本部設置前であっても、情報共有や対策検討が必要な場合は、横浜市新型インフルエンザ等警戒体制(横浜市新型インフルエンザ等対策推進会議)で対応する。  ○横浜市新型インフルエンザ等警戒体制(横浜市新型インフルエンザ等対策推進会議)   副市長を責任者として設置し、平時には、新型インフルエンザ等対策を総合的に推進するための方策を検討するなど発生時に備えた準備を進める。  また、発生疑い段階で対策本部設置までの間等には、警戒体制として情報共有や対策検討を行う。  ○横浜市新型インフルエンザ等対策本部及び区対策本部   厚生労働大臣が、新型インフルエンザ等の発生を公表し、政府対策本部や県対策本部が設置された場合、市長を本部長とする市対策本部及び区長を本部長とする各区対策本部を  設置し、新型インフルエンザ等の対応方針や対策等を決定・実施する。なお、緊急事態宣言がなされた場合は、市対策本部は特措法に基づく法定設置となる。 ■ 国や県の主な動き (1)平時(準備期) 【国】政府行動計画等の見直し、各主体の役割分担と対策の選択肢の整理、実践的な訓練の実施、JIHS等関係機関と連携した人材育成等による体制整備、関係機関の連携強化、国際的な連携体制の整備・強化 【県】県行動計画等の作成・変更、実践的な訓練の実施、人材確保・育成、関係機関間の連携体制の構築 (2)有事(初動期・対応期) 【国】政府対策本部の設置、関係省庁会議や関係閣僚会議の開催による対処方針の決定、有事体制への移行・体制強化、事態の迅速・的確な把握、状況の変化に応じた対策の柔軟・機動的な切替え 【県】県対策本部の設置、必要な人員体制の強化、感染症法に基づく措置に関する必要な総合調整、他都道府県への医療従事者の応援要請、市町村からの応援要求への対応 <体制の移行>  新型インフルエンザ等対策において、市及び区は、規模や被害等の状況に応じて、以下の応急活動体制を設置し、対策を実施する。  新型インフルエンザ等発生  市警戒体制 横浜市新型インフルエンザ等対策推進会議  市・区対策本部 横浜市新型インフルエンザ等対策本部、○○区新型インフルエンザ等対策本部 (1)警戒体制 名称 横浜市新型インフルエンザ等警戒体制(横浜市新型インフルエンザ等対策推進会議) 責任者 副市長 事務局 医療局及び総務局 関係局区 区(議長区)、脱炭素・GREEN×EXPO推進局、政策経営局、総務局、デジタル統括本部、財政局、国際局、市民局、にぎわいスポーツ文化局、経済局、      こども青少年局、健康福祉局、医療局、医療局病院経営本部、みどり環境局、下水道河川局、資源循環局、建築局、都市整備局、道路局、港湾局、消防局、水道局、      交通局、教育委員会事務局      ※本会議構成員は、横浜市新型インフルエンザ等対策推進会議設置要綱による 確立基準  1 鳥との接触歴がなく、持続的なヒト−ヒト感染の可能性が確認されるなど、国内外で新型インフルエンザ等の発生の疑いがある事態を把握した場合  2 市対策本部が廃止され、引き続き、警戒活動のために必要と認められる場合 廃止基準  1 上位体制へ移行する場合  2 国等から再発懸念の状況が払しょくされた場合 (2)対策本部体制(特措法に基づかない体制) 名称 横浜市新型インフルエンザ等対策本部    ○○区新型インフルエンザ等対策本部 本部長 市長     区長 事務局 総務局及び医療局     区本部長の指定する課等 組織構成 全局      区本部長の指定する職員及び地区隊長等 設置基準  1 WHOが新型インフルエンザの発生を宣言するなどし、厚生労働大臣が法に基づく発生の公表を行い、政府対策本部が設置された場合  2 その他、市本部長が必要と認める場合 廃止基準  1 他の体制へ移行する場合  2 政府対策本部等が廃止された場合    市本部体制が廃止され、又は他の体制へ移行した場合 (3)対策本部体制(法定設置)(特措法に基づく体制) 名称 横浜市新型インフルエンザ等対策本部    ○○区新型インフルエンザ等対策本部 本部長 市長      区長 事務局 総務局及び医療局     区本部長の指定する課等 組織構成 全局      区本部長の指定する職員及び地区隊長等 根拠法令 特措法、横浜市新型インフルエンザ等対策本部条例 設置基準 特措法第32条による新型インフルエンザ等緊急事態宣言がなされたとき、同法第34条に基づき、直ちに設置する。 廃止基準 特措法第32条第5項による新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言がされたとき、同法第37条において準用する同法第25条に基づき、遅滞なく廃止する。 〈新型インフルエンザ等対策事務分掌〉関係局については、対策の中心となる部署を記載。  関係局・区 事務分掌   政策経営局    1 関連情報の報道、発表及び広報等並びにこれらの総合調整に関すること。    2 報道機関等関係機関との連絡調整に関すること。    3 広報計画の立案及び総合調整に関すること   総務局    1 市対策本部等の設置及び運営に関すること。    2 区本部及び関係機関等との連絡調整に関すること。    3 関連情報及び活動情報の収集、集約及び伝達に関すること。    4 各局間・チームの総合調整及び統制に関すること(医療局の事務を除く)。    5 区局の対応状況の把握及び記録に関すること。    6 本部会議、幹部会議及び連絡調整会議の開催並びに会議に関すること。    7 業務継続に関すること。    8 緊急事態宣言、まん延防止等重点措置及び市民の社会活動の自粛要請に関すること。    9 職員の健康・感染予防に関すること。    10 職員応援の総合調整に関すること(区内・局内応援は除く)。    11 横浜市立大学との連絡調整に関すること。   財政局   1 地方債の発行等の財源確保等に関すること。    2 契約・調達等に係る連絡調整及び各区局の支援に関すること。   国際局   1 外国語の通訳・翻訳に係る調整に関すること。   市民局    1 区本部の支援及び連絡調整・情報収集とそれに伴う各局調整に関すること。    2 新型インフルエンザ等に関する広聴に関すること。   にぎわいスポーツ文化局    1 観光MICEの状況の把握に関すること。    2 影響を受けた事業者等への支援に関すること。   経済局    1 市内経済状況、市場、消費経済・雇用等の把握に関すること。    2 影響を受けた事業者等への支援等に関すること。    3 医薬品、食料品等の流通に関すること。    4 生活関連物資等の価格の安定等の措置に関すること。   こども青少年局    1 妊産婦、乳幼児、児童、障害児等に係る対策に関すること(他局の所管に属するものを除く)。   健康福祉局    1 高齢者、障害者等に係る対策に関すること(他局の所管に属するものを除く)。 2 遺体取扱に係る調整及び火葬・埋葬に関すること。    3 生活支援・セーフティーネットに関すること。    4 医療(他の局の所管に属するものを除く)に関すること。      医療局    1 医療機関及び医療関係団体、関係機関等との連絡調整に関すること(他の局の所管に属するものを除く)。    2 新型インフルエンザ等に関する健康危機管理に関すること。    3 新型インフルエンザ等に関する医学的な情報の収集に関すること。    4 療養者に対する支援に関すること。    5 市民からの新型インフルエンザ等感染症に関する相談等の対応に関すること。    6 検査に関すること。    7 保健所業務の総合調整に関すること。   医療局病院経営本部    1 市立病院における医療活動に関すること。   資源循環局    1 汚染物品等の収集・処理に関すること。   都市整備局    1 在日米軍との連絡調整に関すること。  港湾局    1 港湾施設等の感染及び感染拡大防止対策の実施に関すること。    2 横浜検疫所との連携による水際対策に関すること。   消防局    1 緊急事態発生の通報受理及び危機管理室への伝達に関すること。    2 新型インフルエンザ等に関連した救急に関すること。   水道局    1 水道水の安定供給維持のための対策の実施等に関すること。   交通局    1 地下鉄車両・駅及びバスにおける感染及び感染拡大防止対策(運行調整を含む)の実施に関すること。   教育委員会事務局    1 市立学校における感染及び感染拡大防止対策(応急教育を含む)の実施及び教育の確保に関すること。   区    1 区本部等の設置及び運営に関すること。    2 関連情報の収集及び伝達に関すること。    3 区民からの新型インフルエンザ等感染症に関する相談等の対応に関すること。    4 区医療関係団体への協力依頼及び連絡調整に関すること。    5 区民への広報に関すること。  上記の他、次に掲げる事項については必要に応じて全区局が協力して実施する。  ○対策本部等と連携した感染拡大防止対策の実施に関すること。  ○関連情報の収集・提供に関すること。  ○関連する広報・相談に関すること。  ○影響を受けることが予想される所管事業の調整に関すること。  ○所管施設等における感染及び感染拡大防止対策の実施に関すること。  ○所管施設の新型インフルエンザ等に関連した運用・管理に関すること。  ○関係機関・団体等との連絡調整、区局内の連絡調整に関すること。  ○新型インフルエンザ等の発生時における他の局区の応援に関すること。  ○関係省庁等通知の受理・発出に関すること。 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)体制整備、市行動計画等の作成等 ・ 「横浜市新型インフルエンザ等対策推進会議」等を設置し、関係局等が連携して新型インフルエンザ等対策を総合的に推進するための方策を検討するなど、発生時に備えた準備を進める。【医療局、総務局、関係局区】 ・ 市行動計画を作成し必要に応じて見直し・変更する。その際には、感染症に関する専門知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴く。【医療局、総務局、関係局区】 ・ 発生時に強化・拡充・維持すべき業務を実施・継続するため、業務継続計画を作成し、必要に応じて変更する。【総務局、各局区】 ・ 発生時に全庁対応体制を構築できるよう、応受援手順を整理・確認し、広く研修・訓練等を実施するとともに、感染症対策部門と危機管理部門の連携強化や役割分担を調整する。【医療局、総務局、各局区】 ・ 本市や県、医療機関は対策に携わる医療従事者や専門人材、行政職員等の人材育成を行う。特に本市は、国等主催の研修等を積極的に活用し、地域の感染症対策の中核となる保健所や衛生研究所等の人材確保・育成に努める。【医療局、総務局】 (2)関係機関等との連携 ・ 国等と連携し、平時からの情報共有、連携体制の確認・訓練等を実施する。【医療局、総務局】 ・ 平時から市内業界団体等の関係機関との情報交換や連携を図る。【医療局、各局区】 ・ 県対策協議会等を活用し、入院調整の方法や医療人材の確保、保健所体制、検査体制や検査実施の方針、情報共有の在り方等について協議するとともに、県や県内保健所設置市、医療機関等との連携強化に努める。【医療局】   初動期 (1)市対策本部・各区対策本部の設置 ・ 政府対策本部や県対策本部が設置された場合、直ちに市対策本部及び各区対策本部を設置し、情報の集約、共有、分析等を行うとともに、市行動計画及び国が示す基本的対処方針等に基づき、対応方針を決定し、全庁一丸となって対策を推進する。なお、新型インフルエンザ等の発生が疑われ全庁的対応が必要な場合、対策本部が設置される前であっても、横浜市新型インフルエンザ等警戒体制(横浜市新型インフルエンザ等対策推進会議)で情報共有や対策の検討等を行う。【総務局、医療局、各局区】 ・ 保健所等の業務状況・体制を常に確認・把握し、業務がひっ迫する前に必要な応援体制の構築が可能となるよう、全庁的な準備を進める。【総務局、市民局、医療局、各局区】 (2)迅速な対策の実施に必要な予算の確保、適切な執行 ・ 国の財政支援を有効に活用することを検討するとともに、必要に応じて、対策経費について地方債の発行を検討し、所要の準備を行う。また、予算及び事務の執行にあたっては手順及び法令を確認しながら、市会報告等必要な手続きを確実に行う。【財政局、総務局、各局区】   対応期 (1)基本となる実施体制  対策本部設置後も、感染拡大状況や市民生活・経済状況等に応じ適切な体制となるよう見直しながら、速やかに以下の対応を行う。 ・ 初動期に引き続き、保健所等の業務状況・体制を常に確認・把握し、業務がひっ迫する前に必要な体制強化がはかられるよう、全庁的な応援体制の構築・強化に取り組む。【総務局、市民局、医療局、各局区】 ・ 対策に携わる職員の心身への影響を考慮し、必要な対応を行う。【総務局、各局区】 ・ 新型インフルエンザ等のまん延により、全部又は大部分の事務を行うことができなくなった場合には、県に対し特定新型インフルエンザ等対策(特措法第2条第2号の2)の事務の代行要請を行う。【医療局】 ・ 国の財政支援を有効に活用するとともに、必要に応じて地方債を発行して財源を確保し、必要な対策を実施する。また、予算及び事務の執行にあたっては、手順及び法令等を確認しながら、市会報告等必要な手続を確実に行う。【財政局、総務局、各局区】 (2)緊急事態宣言発出時の体制 ※「第3章6.まん延防止」も参照 ・ 県を区域として特措法に基づく緊急事態宣言がなされた場合、市対策本部は特措法第34条第1項に基づく対策本部(法定設置)となる。また、緊急事態措置を的確・迅速に実施するため、必要があるときは、市域内における緊急事態措置に関する総合調整を行う。【総務局】 (3)特措法によらない基本的な感染症対策に移行する時期の体制 ・ 政府対策本部及び県対策本部が廃止されたときは、遅滞なく市対策本部及び区対策本部を廃止する。【総務局、医療局、各区】 【16ページ】 2.情報収集・分析 ■ 概要  感染症や医療の状況等の情報収集・分析とそれに基づくリスク評価は、感染症対策と社会経済活動の両立を見据えた政策上の意思決定や実務上の判断のために重要である。  そのため平時には、効率的な情報収集・分析体制を整備し、定期的な情報収集・分析を行う。また、有事に備えて収集する情報を整理するとともに把握手段を確保する。  有事には、感染症や医療の状況等の情報収集・分析とリスク評価を行うとともに、市民生活・経済に関する情報等を収集し、感染症対策と社会経済活動の両立を見据えた対策の判断に活用する。    <情報収集・分析とサーベイランスの関係性>    情報収集・分析(例)     ・国内外の感染症の発生動向に関する情報     ・国内外の病原体の発生動向に関する情報     ・疫学的特徴、リスク等に関する情報     ・臨床に関する情報     ・政策動向に関する情報     ・研究開発に関する情報     ・医療のひっ迫状況や医療提供体制の状況等に関する情報     ・ワンヘルス・アプローチによる動物における感染に関する情報     ・雇用、消費、景気、生活保護、出生・婚姻、自殺の状況に関する情報 等        サーベイランス(例)     ・疑似症サーベイランス     ・入国者サーベイランス     ・インフルエンザ様疾患発生報告     ・クラスターサーベイランス     ・患者発生サーベイランス     ・下水サーベイランス     ・入院者サーベイランス     ・病原体ゲノムサーベイランス     ・抗体保有割合調査     ・感染症流行予測調査事業 等    ※情報収集・分析に関するガイドライン(令和6年8月30日内閣感染症危機管理監決裁)より抜粋    ※サーベイランスは、「第3章3.サーベイランス」で記載 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】感染症インテリジェンス体制の整備、国内外の関係機関・専門家とのネットワークの形成・維持・向上、発生状況・リスクに関する情報収集・分析・リスク評価、情報収集等に係る専門人材の育成・確保及び訓練の実施、迅速な情報収集・分析に向けたDXの推進 【県】情報収集・分析・リスク評価体制の整備、国等と連携した訓練による情報収集・分析体制の確認、情報収集等に係る感染症専門人材の育成・確保 (2)有事 【国】当該感染症のリスク評価体制の確立・強化、情報収集・分析に基づくリスク評価及び国民生活・経済に関する情報の収集、感染症対策の判断・実施 【県】リスク評価等を踏まえた医療提供体制等の有事体制への移行、感染症対策の迅速な判断・実施及び柔軟かつ機動的な対策の切替え ■ 本市の対策行動   準備期 (1)実施体制 ・ 衛生研究所を中心に、国やJIHS等からの情報を含めた感染症情報を収集・分析するとともに、医療の状況等も踏まえたリスク評価ができるよう、手法や体制など検討する。また、有事の際に情報が迅速かつ効率的に集約されるよう、平時から関係機関等との人的・組織的な関係性を築き、連携を強化する。【医療局】 ・ 有事に備え、衛生研究所を中心に積極的疫学調査や臨床研究に資する情報の収集体制を整備する。【医療局】 ・ 市民生活・経済や社会的影響等に関する情報収集・分析に備え、収集すべき情報の整理など、平時から準備を進める。【関係局】 (2)平時に行う情報収集・分析 ・ 情報収集・分析の結果をもとに、必要な対策について検討を行う。【医療局】 (3)人材育成・体制の確保 ・ 情報収集・分析を円滑に行うため、国主催の訓練・研修に参加し、感染症専門人材の育成や確保を行うとともに、有事に向けた訓練・研修の実施に努める。また、情報収集・分析に係る必要な人員規模等を確認して、体制について調整等を行う。【医療局】   初動期 (1)実施体制 ・ 国やJIHS等と連携し、衛生研究所が中心となり、速やかに情報収集・分析及びリスク評価ができるよう、体制を整える。【医療局】 (2)情報収集・分析に基づくリスク評価等 ・ 国やJIHS等と連携し、迅速かつ継続的に情報収集・分析を行い、リスク評価を実施する。【医療局】 ・ リスク評価等を踏まえ、検査体制や保健所等の各体制を迅速に有事体制へ移行し、必要な準備・調整のうえ対策を実施する。【医療局、各区】 ・ 市民生活・経済や社会的影響等に関する情報収集を開始する。【関係局】 (3)情報収集・分析から得られた情報の共有 ・ 国等からの情報や対策、本市が収集・分析した情報等を市民等に迅速かつ分かりやすく提供する。また、情報公表時には、個人情報やプライバシーの保護等に十分留意する。【医療局、関係局、各区】   対応期 (1)実施体制 ・ 情報収集・分析及びリスク評価の体制を強化する。また、感染症危機の経過や状況の変化、これらを踏まえた政策上の意思決定及び実務上の判断の必要性に応じ、情報収集・分析方法や実施体制を柔軟に見直す。【医療局】 (2)情報収集・分析に基づくリスク評価等 ・ 市内発生状況等について情報収集・分析し、国等の情報や対策、感染症危機の経過や状況の変化等を踏まえてリスク評価を行うとともに、市民生活・経済に関する情報や社会的影響等を収集・分析する。これにより、感染症対策の見直しや、各種対策の判断につなげる。【医療局、関係局】 (3)情報収集・分析から得られた情報の共有 ・ 国等の情報や対策、市が収集・分析した情報等を市民等に迅速に分かりやすく提供する。また、情報公表時には、個人情報やプライバシーの保護等に十分留意する。【医療局、関係局、各区】 【19ページ】 3.サーベイランス ■ 概要  感染症危機管理上の判断に資するよう、感染症の発生を探知する疑似症サーベイランスや入国者サーベイランス、国内の感染症の発生動向を把握するための患者発生サーベイランス、病原体の動向を把握するための病原体ゲノムサーベイランスを始めとした複数の感染症サーベイランスを実施し、新型インフルエンザ等の早期探知、発生動向の把握及びリスク評価を迅速かつ適切に行うことが重要である。  そのため平時には、感染症サーベイランス体制の構築やシステムの活用・推進を行うとともに、感染症の発生動向の把握等の平時のサーベイランスを実施する。  有事には、有事の感染症サーベイランスを実施し、感染症対策の強化又は緩和の判断につなげられるようにする。 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】関係機関との連携を含む実施体制の構築、DXの推進、平時の感染症サーベイランスの実施 【県】実施体制の整備、平時の感染症サーベイランスの実施、人材育成・確保 (2)有事 【国】有事の感染症サーベイランスの実施、リスク評価に基づく体制の強化 【県】有事の感染症サーベイランスの実施、流行状況や地域の感染動向等に応じたサーベイランスの実施 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)実施体制 ・ 平時から感染症の発生動向等を把握できるよう、衛生研究所は国が整備する情報基盤を活用し、病原体の検出状況等の報告を行う体制を整備する。【医療局】 ・ 国の方針やリスク評価等に基づき、有事の感染症サーベイランス体制に速やかに移行できるよう準備する。【医療局】 ・ 有事には大幅な業務量の増加が想定されるため、体制や役割分担を確認し、速やかに体制を拡大できるよう準備する。【医療局】 ・ 国・JIHS等からサーベイランスに係る技術的な指導・支援を受けるとともに、訓練等を通じて有事のサーベイランス体制を整備する。【医療局】 (2)平時に行う感染症サーベイランス ・ 季節性インフルエンザや新型コロナ(COVID-19)等の急性呼吸器感染症について、指定届出機関の患者発生動向や入院患者の発生動向等から市内の流行状況を把握する。また、インフルエンザウイルスの型・亜型、特徴や性状を把握するとともに、発生状況を国等と共有する。【医療局、関係局、各区】 ・ 国等から提供される家きんや豚、野生動物のインフルエンザウイルス等の保有状況や新型インフルエンザ等の発生状況等の情報、また医療機関から鳥インフルエンザ等の動物由来インフルエンザに感染したおそれのある者について情報提供があった場合には、関係者間で速やかに共有を行う。【医療局、医療局病院経営本部、みどり環境局、総務局、各区】 ・ 国・JIHS等と連携し、発生を想定した訓練等を通じ、感染症サーベイランスシステムを活用した疑似症サーベイランスで早期探知した場合の運用について習熟する。【医療局】 (3)人材育成 ・ 感染症サーベイランスに関係する人材の育成・確保のため、国が主催する研修等に保健所・衛生研究所等の職員を積極的に派遣する。【医療局】 (4)DXの推進 ・ 国の感染症サーベイランスシステムを使用した電磁的方法による発生届出等が必要になったことを踏まえ、平時から医療機関等に対して電磁的方法による届出等について周知するとともに、医師等が感染症サーベイランスシステムで円滑に報告ができるよう必要に応じて促す。【医療局、各区】 (5)情報の共有・分析結果の公表 ・ 国から共有された感染症の特徴や病原体の性状、ゲノム情報、臨床像の情報等のサーベイランスの分析結果や地域のサーベイランスの分析結果に基づく正確な情報を市民等に分かりやすく提供する。また、情報公表時には、個人情報やプライバシーの保護等に十分留意する。【医療局、各区】   初動期 (1)実施体制 ・ 国等の方針も踏まえたリスク評価に基づき、有事の感染症サーベイランスの実施体制の移行について判断・実施し、必要に応じて強化する。【医療局】 (2)有事の感染症サーベイランスの開始 ・ 平時からの感染症サーベイランスを継続しつつ、国の疑似症の症例定義に基づき当該感染症の疑似症サーベイランスを開始する。また、国の方針に基づき、患者の全数把握を始めとする患者発生サーベイランス等を強化し、発生動向等を迅速かつ的確に把握する。【医療局、各区】 ・ 国の方針に基づき、感染症の特徴や病原体の性状等の知見を得るため、入院者数や重症者数の収集(入院サーベイランス)及びウイルスゲノム情報の収集(病原体ゲノムサーベイランス)等を開始する。【医療局、各区】 ・ 感染したおそれのある者から採取した検体を衛生研究所等において、亜型等の同定を行い、JIHSへ報告する。【医療局】 (3)情報の共有・分析結果の公表 ・ 市内の感染症発生状況等を迅速に把握し、国が公表したサーベイランスの分析結果及び市のサーベイランスから得られた分析結果に基づく正確な情報を市民等へ迅速に提供する。また、情報公表時には、個人情報やプライバシーの保護等に十分留意する。【医療局、各区】   対応期 (1)実施体制 ・ 国等の方針も踏まえたリスク評価に基づき、有事の感染症サーベイランスの実施体制を整備するとともに、発生状況に応じて見直し等を検討する。【医療局】 (2)有事の感染症サーベイランスの実施 ・ 原則平時からの感染症サーベイランスを継続するとともに、引き続き有事の感染症サーベイランスを実施する。なお、全数把握から定点把握への移行など国の方針が示された場合、これに基づき対応を切り替える。【医療局、各区】 ・ 必要に応じ、県等と連携し、地域の感染動向等に応じた独自のサーベイランスを実施する。【医療局】 (3)情報の共有・分析結果の公表 ・ 引き続き、市内の感染症発生状況等を迅速に把握するとともに、国や地域のサーベイランス分析結果に基づく正確な情報を市民等へ迅速に提供する。また、情報公表時には、個人情報やプライバシーの保護等に十分留意する。【医療局、各区】 【22ページ】  4.情報提供・共有、リスクコミュニケーション ■ 概要  感染症危機発生時は、情報の錯綜や不安と共に偏見・差別等が発生したり、いわゆるフェイクニュースや真偽不明の誤った情報等(偽・誤情報)が流布されたりするおそれがある。  こうした中で対策を効果的に行うためには、科学的根拠等に基づく正確な情報を迅速に提供・共有するとともに、行政と市民等との双方向のコミュニケーションを通じてリスク情報とその見方の共有を図り、市民等が適切に判断・行動できるようにする「リスクコミュニケーション」の取組が重要である。  そのため平時には、市民等の感染症に対する意識を把握し、感染症危機に対する理解を深めるとともに、情報提供・共有方法を整理しておく。  有事には、その時点で把握している科学的根拠等に基づいて、市民等が適切に判断・行動ができるよう、分かりやすく正確な情報提供を行い、リスクの共有等を図るとともに、偽・誤情報への対応を行う。   ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】感染症等に関する情報提供・共有、偏見・差別等に関する啓発、偽・誤情報に関する啓発、情報提供・共有方法の整理、リスクコミュニケーション体制の整備 【県】感染症等に関する情報提供・共有、偏見・差別等に関する啓発、偽・誤情報に関する啓発、情報提供・共有方法の整理、リスクコミュニケーションの取組推進 (2)有事 【国】迅速かつ一体的な情報提供・共有、可能な限り双方向のコミュニケーションの実施、偏見・差別等や偽・誤情報への対応、科学的根拠等に基づく分かりやすい情報提供 【県】迅速かつ一体的な情報提供・共有、可能な限り双方向のコミュニケーションの実施、偏見・差別等や偽・誤情報への対応、科学的根拠等に基づく分かりやすい情報提供 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)発生前における市民等への情報提供・共有  本市による情報提供・共有が、市民等にとって有用な情報源となり、その認知度・信頼度が一層向上するよう取り組む。 @感染症に関する情報提供・共有 ・ 国やJIHS等と連携し、新型インフルエンザ等を含む感染症情報や発生時にとるべき行動等について、様々な媒体で、高齢者、障害者、こども、日本語能力が十分でない外国人等の対象者に合わせて、継続的に分かりやすく情報提供・共有する。その際、個人の感染対策が社会全体の感染拡大を防ぐために重要であることを啓発する。【医療局、関係局、各区】 ・ 保育施設や学校、高齢者施設等での集団感染を防ぐため、福祉、教育、保健部門等が相互に連携して、     丁寧に情報提供・共有を行う。【医療局、健康福祉局、こども青少年局、教育委員会事務局、関係局、各   区】 A偏見・差別等に関する啓発 ・ 感染症は誰でも感染する可能性があること、感染者や医療従事者及びその家族、医療機関等に対する偏見・差別等は許されるものではなく法的責任を伴い得ること、また、偏見・差別等により患者が受診行動を控えるなど感染症対策の妨げにもなること等について啓発する。【医療局、市民局、関係局、各区】 B偽・誤情報に関する啓発 ・ 偽・誤情報の流布、さらにSNS等によって増幅される等の問題が生じ得ることから、市民等のメディアや情報に関するリテラシーの向上がはかられるように、各種媒体を活用して偽・誤情報に関する啓発を行う。【医療局、関係局、各区】 ・ 科学的根拠が不確かな偽・誤情報に対しては、科学的知見等に基づいた情報を繰り返し提供するなど、市民等が正しい情報を円滑に得られるようにする。【医療局、関係局、各区】 (2)発生時に備えた情報提供・共有体制の整備等 @迅速かつ一体的な情報提供・共有 ・ 発生時に、業界団体等を通じた情報提供・共有を円滑に行うことができるよう、情報提供・共有の方法等を整理する。【医療局、各局区】 ・ 感染症の発生状況等に関する国の公表基準等について確認し、有事の公表に備える。【医療局】 ・ 平時から患者等の人権を尊重し、誤った情報や不適当な報道がなされないよう、報道対応部門を通じて、日頃から報道機関との信頼関係の確立に努める。【医療局、政策経営局】  A双方向のコミュニケーション   ・ 発生時に、国の要請を踏まえ設置するコールセンターについて、必要な準備を行う。【医療局】 ・ 市民等に分かりやすい情報提供・共有ができるよう、市民の感染症への理解や意識の把握に努めるなどリスクコミュニケーションの取組を進める。【医療局、各区】   初動期  国やJIHS等から提供される科学的知見等に基づき、新型インフルエンザ等の特性、発生状況、有効な感染防止対策等の全体像が分かるよう、市民等に対し、以下のとおり情報提供・共有する。 (1)迅速かつ一体的な情報提供・共有 ・ 対象者に合わせて、利用可能なあらゆる媒体を活用し、迅速かつ一体的に情報提供・共有を行う。その際、個人の感染対策が社会全体の感染拡大を防ぐために重要であることを含めて啓発するとともに、冷静な対応を促す。【医療局、関係局、各区】 ・ 準備期に整理された情報提供・共有の方法等を踏まえ、業界団体等を通じて情報提供・共有を行う。【医療局、各局区】 ・ 国の公表基準等に従い、発生状況等について、個人情報やプライバシーの保護に留意しつつ、情報提供・共有を行う。【医療局、各区】 (2)双方向のコミュニケーションの実施 ・ 国の要請を踏まえ、新型インフルエンザ等に関するコールセンターを設置する。【医療局】 ・ 市民等に分かりやすい情報提供・共有ができるよう、SNSや寄せられた意見等をもとに情報の受取手の反応や関心を把握するなど、リスクコミュニケーションの取組を行う。【医療局、市民局、政策経営局、各区】 (3)偏見・差別等や偽・誤情報への対応 ・ 引き続き偏見・差別や偽・誤情報に関する啓発を実施する。【医療局、市民局、関係局、各区】   対応期  国やJIHS等から提供される科学的知見等に基づき、国内外の新型インフルエンザ等の発生状況や感染対策等について、市民等に情報提供を行う。この際、対策の決定プロセスや理由(どのような科学的知見を考慮して判断がなされたのかなど)、及び実施主体を明確にする。 (1)基本的方針 ・ 引き続き、対象者に合わせ、あらゆる媒体を活用した迅速かつ一体的な情報提供・共有、双方向のコミュニケーション、偏見・差別等や偽・誤情報への対応を継続する。また、SNSを活用した積極的な広報やアクセシビリティの高いウェブサイトの構築、データの可視化など、市民等の分かりやすさを意識した情報提供を行う。【医療局、政策経営局、市民局、関係局、各区】 (2)時期に応じた方針の決定・見直し @封じ込めを念頭に対応する時期 ・ 不要不急の外出自粛などを含め、市民等の感染拡大防止措置に対する理解・協力を得るため、限られた知見しかない場合はその旨を含めて、政策判断の根拠を説明する。【医療局、総務局、各局区】 ・ 市民の不安から偏見や差別が助長される可能性があるため、改めて、偏見や差別は許されず、感染症対策の妨げにもなること、そして個人や事業者の感染拡大防止対策の取組が早期の感染拡大防止に必要であることを説明する。【医療局、市民局、各局区】 A病原体の性状等に応じて対応する時期 ・ 感染拡大防止措置等を見直す際には、市民等が適切に対応できるよう、その時点で把握している科学的知見等を踏まえ、変更点や理由を分かりやすく説明する。【医療局、総務局、各局区】 ・ こどもや高齢者等が重症化しやすいなど、年齢層に応じて措置等が異なる場合、当該層に対し、可能な限り科学的根拠に基づいた重点的なリスクコミュニケーションを行い、対策の理解・協力を得る。【医療局、関係局、各区】 B特措法によらない基本的な感染症対策に移行する時期 ・ 個人の判断に委ねる感染症対策への移行に不安を感じる市民等がいることを念頭に、移行に伴う留意点(医療提供体制や感染対策の見直し等)についてリスクコミュニケーションを行い、理解・協力を得る。【医療局、総務局、各局区】 【26ページ】 5.水際対策 ■ 概要  海外で新型インフルエンザ等が発生した場合、その特性や海外の感染拡大状況等を踏まえ、水際対策を講じて国内への病原体の侵入をできる限り遅らせ、医療提供体制の整備等の準備時間を確保することが必要である。  そのため平時には、国が主体となって水際対策の体制整備や研修・訓練、物資の確保等を行う。なお、本市においては、横浜港や近隣の羽田空港からの感染症侵入の可能性が高いため、検疫所など関係機関との十分な連携を図る。  有事には、国が主体となり、検疫措置の強化や入国制限、入国者に対する検査・隔離・停留、宿泊施設での待機要請・健康監視などの水際対策を実施し、本市も国等と連携して必要な対応を行う。  【参考】国際クルーズ船内での新型コロナ(COVID-19)への対応(2020(令和2)年)      船内で患者が発生した場合、船内での感染拡大による多数の患者発生が予想される。新型コロナ(COVID-19)対応では、着岸までは国が受入可否の検討や      検疫法による検疫  措置、船内患者への医療支援を行い、横浜港に着岸後は、本市も国や県と連携して対応した。    <本市各局(当時)の主な対応>     ・総務局:現地へのリエゾン派遣、警戒本部の運営、警戒対策会議の開催     ・健康福祉局:入院調整、陽性者対応、下船者(陰性)の健康フォローアップ、国との情報連絡、県DMAT(災害派遣医療チーム)へ職員派遣、保健師の現地派遣     ・医療局:県対策本部へ職員派遣     ・環境創造局:船内の排水の受入、処理     ・資源循環局:船内の廃棄物受入、処理、感染者が使用したトイレの汲み取り     ・港湾局:現地対応(マスコミ対応、自衛隊の支援)、港湾の安全管理、入港調整、下船調整     ・消防局:現地へのリエゾン派遣、陽性者等の救急搬送・移送     ・交通局:下船者の輸送対応     出典:横浜市新型コロナウイルス対策本部対応記録(令和6年11月) ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】水際対策の実施体制の整備、研修・訓練の実施、対策物資の備蓄・施設確保・システム整備、海外における感染症情報の収集・提供体制の整備 【県】訓練等を通じた検疫所との連携体制の構築 (2)有事 【国】海外における水際対策に関する情報収集、対策の有効性や国民生活・社会経済活動への影響を総合的に勘案した水際対策の決定・実施、必要性の低下した対策の縮小・中止等を含む新たな情報や状況を踏まえた適切な水際対策への切替え 【県】検疫所との連携強化等 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)検疫所等との連携 ・ 横浜検疫所等の訓練への参加や情報共有など、国等との連携を強化する。また、検疫所が検疫法の規定に基づく隔離、停留や施設待機のために締結する医療機関、宿泊施設や搬送機関との協定について状況を確認し、必要に応じ、対策に協力する。【医療局、港湾局、消防局、関係局区】 ・ 横浜港保健衛生管理運営協議会(横浜港感染症対策担当会議)等に参加し、横浜港における新型インフルエンザ等対策について検討する。【医療局、港湾局、消防局、関係局】 ・ 検疫法等に基づき横浜検疫所が行う港湾施設からの感染及び感染の拡大防止等の対応に協力する。【医療局、港湾局、消防局、関係局区】   初動期 (1)検疫所等との連携 ・ 検疫法等に基づき横浜検疫所が行う港湾施設からの感染及び感染の拡大防止等の対応に協力する。【医療局、港湾局、消防局、関係局区】 ・ 船舶を着岸させる必要が生じた場合のバースの指定など、検疫の実施に協力する。【港湾局】 ・ 港湾管理者として、関係機関を本船まで案内するなど検疫所、入国管理局と連携し必要な措置を講じる。【港湾局】 ・ 発生地域から日本に向かう航空機・船舶から、インフルエンザ様症状を有する患者や死者がいた場合等に備え、検疫所など関係機関との役割分担や検疫所の対応を確認するとともに、連携を強化する。【医療局、港湾局、消防局、関係局】 ・ 症状を有する入国者に対する検疫所の具体的な対応について、情報収集する。また、検疫所から通知があった場合、国等と連携して居宅待機者等の健康監視を行い、発症時には医療機関への受診につなげるなど保健所が対応する。【医療局、各区】   対応期 (1)検疫所等との連携 ・ 引き続き、検疫法等に基づき横浜検疫所が行う港湾施設からの感染及び感染の拡大防止等の対応に協力するなど、各種水際対策において検疫所との連携を継続する。【医療局、港湾局、消防局、関係局区】 ・ 引き続き、船舶を着岸させる必要が生じた場合のバースの指定など、検疫の実施に協力する。【港湾局】 ・ 引き続き、港湾管理者として、関係機関を本船まで案内するなど検疫所、入国管理局と連携し必要な措置を講じる。【港湾局】 ・ 引き続き、症状を有する入国者や患者である入国者に対する検疫所の具体的な対応について、情報収集する。また、検疫所から通知があった場合、国と連携して居宅待機者等の健康監視を行い、発症時には医療機関への受診につなげるなど保健所が対応する。なお、健康監視対象者が増加し、国による健康監視の一元化が実施された場合でも、発症者への対応を行う。【医療局、各区】 【28ページ】 6.まん延防止 ■ 概要  適切な医療の提供等とあわせて、必要なまん延防止対策により感染拡大のスピードやピークを抑制し、医療ひっ迫を回避する。特に有効な治療薬やワクチンがない場合は、感染者をできる限り少なくするため、まん延防止対策は重要である。  まん延防止対策として、個人での感染対策の推進をはじめ、感染症法に基づく患者や濃厚接触者に対する措置等を講じてもなお、医療がひっ迫する水準の感染拡大が生じるおそれがある場合には、特措法に基づいて、県知事がまん延防止等重点措置や緊急事態措置を講じる。  そのため、平時には基本的な感染対策を普及し、有事の対応について市民等の理解促進を図る。  有事には、感染症法に基づいた患者や濃厚接触者へのまん延防止対策や緊急事態措置を始めとする対策の効果や影響を総合的に勘案し、対策を柔軟かつ機動的に切り替えることで、市民生活・経済への影響を軽減する。  なお、まん延防止対策は、市民の自由と権利を制限する可能性があるため、必要最小限とし、対策の拡大・縮小や中止等の見直しを機動的に行う必要がある。   <まん延防止等重点措置/緊急事態措置の概要> まん延防止等重点措置(特措法第31条の6)  実施主体     国が期間・区域を公示し、都道府県知事が期間・区域(市町村単位等)を定め実施  実施のタイミング 緊急事態宣言の前段階または解除後で未だ国民生活等に甚大な影響を及ぼすおそれが継続している段階  対象地域     都道府県知事が指定する市町村単位や一部区域  期間       6か月(延長する際の期限なし)  主な要請内容   事業者への時短要請、命令 緊急事態措置(特措法第32条)  実施主体     国が期間・区域を公示し、都道府県知事が実施  実施のタイミング 国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある新型インフルエンザ等が国内で発生し、全国的かつ急速なまん延により、           国民生活及び国民経済に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき  対象地域     都道府県単位  期間       2年以内(1年以内で延長可)  主な要請内容   ・住民への外出自粛要請           ・事業者への休業・時短要請、命令           ・催物の開催制限 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】対策実施時に考慮する指標やデータの検討、まん延防止対策強化に向けた国民等の理解促進 【県】想定される対策の内容や意義に関する周知広報・県民の理解促進、基本的感染対策の普及 (2)有事 【国】まん延防止等重点措置・緊急事態措置の検討、公示 【県】県民生活・社会経済活動への影響を踏まえた適切なまん延防止対策の実施、まん延防止等重点措置・緊急事態措置による県民・事業者への要請等 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)発生時の対策強化に向けた理解や準備の促進等 ・ 換気、マスク着用等の咳エチケット、手洗い、人混みを避けるなどの基本的な感染対策の普及や、有事の対応について、市民の理解促進を図る。【医療局、関係局、各区】 ・ 公共交通機関においては適切な運送を図る観点から、有事には当該感染症の症状のある者の乗車自粛や、マスク着用等の咳エチケットの徹底、時差出勤や自転車等の活用の呼び掛け等が想定される。国の通知等を確認し、必要に応じて想定に基づいた対応を検討する。【交通局、関係局】   初動期 (1)市内でのまん延防止対策の準備 ・ 市内患者の発生に備え、感染症法に基づく患者対応(入院勧告・措置等)や、濃厚接触者への対応の確認を行う。【医療局】 ・ 検疫所から感染疑いの帰国者等に関する情報の通知を受けた場合は、国等と連携し、まん延防止対策に活用する。【医療局】   対応期  まん延防止対策の主な内容や時期に応じた実施の考え方は次のとおりである。  なお、県によるまん延防止等重点措置や緊急事態措置を含め、各種のまん延防止対策により、市民生活・経済に少なからず影響が与えられることから、市民等に理解・協力を求めるなど必要な対応を行う。また、まん延防止等重点措置は、県が市町村単位または一部区域を指定して実施することから、市は県と緊密な連携・情報共有を行う。【総務局、医療局】 (1)まん延防止対策の内容 @患者や濃厚接触者への対応 ・ 国や県、保健所設置市と連携し、地域の感染状況等に応じて、感染症法に基づく患者への対応(入院勧告・措置等)や患者の同居者等の濃厚接触者への対応(外出自粛要請等)等の措置を行う。【医療局、各区】 ・ 病原体の性状等についての最新の知見等により、積極的疫学調査等による感染源の推定や濃厚接触者の特定による感染拡大防止対策等の有効と考えられる措置がある場合には、そうした対応も上記と組み合わせて実施する。【医療局】 A患者や濃厚接触者以外への対応 ・ 市民等に対し、換気、マスク着用等の咳エチケット、手洗い、人混みを避ける等の基本的な感染対策や、人との接触を避ける取組(時差出勤、テレワーク、オンライン会議の活用等)を勧奨する。【医療局、各局区】 B施設等の使用制限 ・ 緊急事態措置が行われた場合、措置内容を踏まえ、市立学校や市施設等の多数の者が利用する施設について、使用制限(人数制限や無観客開催)や停止等の対応を行う。また、使用制限に伴う市施設等の運用の整理・対応を行う。【政策経営局、教育委員会事務局、関係局区】 C施設等における感染対策の強化 ・ 国の要請を受け、病院や高齢者施設、障害者施設等の基礎疾患を有する者が集まる施設や、多数の者が居住する施設等における感染対策の強化やその要請を行う。【医療局、医療局病院経営本部、健康福祉局、こども青少年局】 D学級閉鎖・休校等 ・ 国等からの情報を踏まえ、学校・保育施設等における感染対策に資する情報の提供・共有を行うとともに、対策を実施する。なお、学校において、学校保健安全法(昭和33年法律第56号)に基づく臨時休業(学級閉鎖、学年閉鎖、休校)等を地域の感染状況等に鑑み適切に行う。また、保育施設等の運営・運用の基準等を検討・整理するなど、適切に対応する。【教育委員会事務局、こども青少年局】 E公共交通機関の対応 ・ 利用者へのマスク着用の呼び掛けなど、適切な感染対策を講じる。【交通局、関係局】 ・ 国等の要請を踏まえ、夜間の滞留人口を減少させ、人と人との接触機会を減らすため、必要に応じて運行方法の変更等を行う。【交通局】 (2)時期に応じたまん延防止対策の実施の考え方 @封じ込めを念頭に対応する時期 ・ 医療資源の限界や効果的な治療法が確立されていないこと、市民の免疫獲得が不十分なことなどを踏まえて対応する。具体的には医療のひっ迫を回避し、市民の生命・健康を保護するため、必要な検査を実施し、患者や濃厚接触者への対応、人との接触機会を減らすなどの強度の高いまん延防止対策を講ずる。【医療局、総務局、関係局、各区】 A病原体の性状等に応じて対応する時期 @)病原性及び感染性がいずれも高い場合 ・ り患した場合の重症化リスクが非常に高く、感染者数が増大するため、医療ひっ迫につながる可能性がある。多数の市民の生命・健康に影響を与えるおそれがあるため、「封じ込めを念頭に対応する時期」と同様に、強度の高いまん延防止対策を講ずる。【医療局、総務局、関係局、各区】 A)病原性が高く、感染性が高くない場合 ・ り患した場合の重症化リスクが非常に高いが、感染拡大のスピードが比較的緩やかな場合、患者や濃厚接触者への対応を徹底し、感染拡大防止を図る。【医療局、総務局、関係局、各区】 B)病原性が高くなく、感染性が高い場合 ・ り患した場合のリスクは比較的低いが、感染拡大のスピードが速い場合、強度の低いまん延防止対策を実施しつつ、県と連携して宿泊療養や自宅療養の体制を確保するとともに、医療機関の役割分担の見直しを行うことで対応する。【医療局、総務局、関係局、各区】 C)こどもや若者、高齢者等が感染・重症化しやすい場合 ・ こどもや高齢者、特定の既往症や現病歴を有する者が感染・重症化しやすいなど、特定のグループへのリスクが高い場合は、その対象に対する重点的な感染症対策の実施を検討する。【医療局、健康福祉局、こども青少年局、教育委員会事務局】 ・ 例えば、こどもの生命・健康を保護するため、学校や保育所等での対策がこどもに与える影響に留意しつつ、保護者や同居者からの感染リスクにも配慮した対策を講じる。また、地域の感染状況等に応じて、学級閉鎖や休校等の実施・要請を行う。それでもなお、こどもの感染・重症化リスクが高い状態にある場合、学校施設等の使用制限等を実施・要請することで学校等での感染拡大を防止することも検討する。【医療局、こども青少年局、教育委員会事務局】  Bワクチンや治療薬等により対応力が高まる時期 ・ ワクチンや治療薬の普及により、感染拡大のリスクが低下した場合、強度の低いまん延防止対策を実施しつつ、基本的な感染症対策への移行について、国等の検討状況を確認する。【医療局、総務局】 ・ 病原体の変異等により病原性や感染性が高まる場合には再度対策を強化する。【医療局、総務局、関係局、各区】 C特措法によらない基本的な感染症対策に移行する時期 ・ ワクチン等により免疫の獲得が進むこと、病原体の変異により病原性や感染性等が低下すること及び新型インフルエンザ等への対応力が一定水準を上回ることにより、最終的に国の方針に基づき、特措法によらない基本的な感染症対策へ移行する。【医療局、総務局】 ・ これまでに実施したまん延防止対策の評価を行い、必要に応じ、病原体の変異や次の感染症危機に備えた対策の改善等を行う。【医療局、総務局、関係局、各区】 【32ページ】 7.ワクチン ■ 概要  ワクチン接種を行うことで、個人の感染や発症、重症化を防ぎ、市民の健康を守るとともに、患者数を減少させ、医療提供体制の維持を図り、新型インフルエンザ等による健康被害や社会経済活動への影響を最小限に留めることにつながる。  そのため平時には、国や医療機関等の関係機関と協力し、ワクチン接種の体制整備等の準備をする。また、国において、平時からワクチンの研究開発を推進する。  有事には、あらかじめ計画した体制に基づき接種を実施する。    <接種体制等>  ●接種体制  ・特定接種   新型インフルエンザ等が発生した場合、医療提供や国民生活・経済の安定に寄与する業務を行う事業者で国に登録したもの(登録事業者)や、   対策の実施に携わる公務員※に対して必要に応じ行う予防接種。基本的に住民接種に先立ち行う。接種対象、総数、順位は、国が基本的対処方針で定める。   国が実施:登録事業者の従業員、国家公務員  都道府県・市町村が実施:地方公務員   ※特定接種の対象となり得る業種・職務についての考え方は「予防接種(ワクチン)に関するガイドライン(内閣感染症危機管理監決裁)」のとおり  ・住民接種   新型インフルエンザ等が国民の生命や健康に著しく重大な被害を与え、国民生活や経済の安定が損なわれないようにするため、国民に対して行う予防接種。   接種対象、期間、順位については、国が基本的対処方針で定める。  ●ワクチン  ・ワクチンの特性   パンデミックが発生した際には、国の責任の下、地方公共団体や医療機関等の関係機関、そして国民の協力を得て、可能な限り速やかにワクチンの接種を行う。   ワクチンの接種には、発症や重症化の予防効果などがある一方、副反応による健康被害のリスクが存在する。   このため、ワクチン接種の実施にあたっては、予防接種の有効性と副反応による健康被害のリスクを、利用可能な疫学情報を含めた科学的根拠に基づいて評価する必要がある。   国は、新型インフルエンザ等対策の実施に際し、予防接種の必要性やリスクについて国民に十分説明し、理解を得るよう努める。   また、医学的理由などで未接種者がいることについて配慮が必要であることに留意する。  ・パンデミックワクチン   新型インフルエンザ等の発生後にその病原体をもとに製造されるワクチン。  ・プレパンデミックワクチン(新型インフルエンザのみに適用される)   新型インフルエンザが発生する前に、鳥インフルエンザの発生状況等を踏まえ、パンデミックを引き起こす可能性のあるインフルエンザウイルスをもとに製造されるワクチン。   プレパンデミックワクチンの有効性は、新型インフルエンザ流行前には評価できない。 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づく重点感染症を対象としたワクチンの研究開発の推進・研究基盤の強化、大学等研究機関や製薬関連企業における研究開発の推進・支援、予防接種事務等のDXの推進、接種体制の構築 【県】国からの要請を踏まえたワクチン流通体制の整備、医療従事者等と連携した接種体制の構築に向けた訓練の実施 (2)有事 【国】速やかなワクチン開発・製造・確保、円滑なワクチン接種の実施、ワクチンに関する科学的根拠に基づく正しい情報の提供による国民の理解促進 【県】円滑なワクチン流通体制の構築、接種に携わる医療従事者の確保の検討、ワクチンへの理解を深めるための啓発 ■ 本市の対策行動 詳細について「新型インフルエンザ等対策政府行動計画ガイドライン」(内閣感染症危機管理統括庁)も参照   準備期 (1)ワクチンの流通体制等の確認 ・ ワクチンの流通体制や供給方法等について、適宜、国等から情報収集する。【医療局】 (2)基準に該当する事業者の登録等(特定接種の場合) ・ 特定接種に関し、国が登録事業者の登録及びその周知を行うにあたり、必要な協力を行う。【医療局、関係局】 (3)接種体制の構築 ・ 平時から、医師会等の医療関係団体等と連携して、接種に必要な人員、会場、資材等を含めた有事の接種体制の構築に備えたシミュレーションを行っておく。【関係局】 @特定接種 ・ 新型インフルエンザ等対策の実施に携わる本市職員への特定接種について、集団接種を原則とした体制の構築を図る。【関係局】 A住民接種 ・ 市民に速やかにワクチン接種ができるよう、医師会等の医療関係団体等や学校関係者等と協力し、医療従事者等の体制や接種場所、接種時期の周知・予約等の実施方法を検討し、体制の構築を図る。その際、高齢者や障害者等の要配慮者、小児に対しても円滑に接種を実施できるよう検討を行う。【医療局、関係局】 ・ 円滑な接種の実施のため、国が準備期に整備するシステムを活用して、居住地以外の地方公共団体における接種を可能にするよう取組を進める。【医療局】     (4)ワクチンの研究開発に係る人材の育成及び活用 ・ 国等が行う研究開発に係る人材育成や人材活用に関し、必要に応じ連携・協力を行う。【医療局】   初動期 (1)接種体制 @国からの早期の情報収集 ・ ワクチンの供給量、接種の実施方法、予算措置などの国からの情報を把握し、必要な対応を行う。【医療局】 ・ 国等による大規模接種会場の設置や職域接種等の検討状況について、情報収集する。【医療局】 A接種体制の構築 ・ 国の方針を踏まえ、接種会場や医療従事者の確保、全庁横断的な人員や施設の確保など、接種体制を構築する。【関係局】   対応期 (1)ワクチンの流通体制等の把握 ・ 初動期に引き続き、ワクチンの流通体制や納入量について情報を把握する。【医療局】 (2)接種体制 ・ 国の方針を踏まえ、接種を行う。また、初回接種時や、流行株が変異し、国が追加接種を決定した場合など、円滑に接種が進められるよう国や医療機関等と連携しながら、全庁横断的に継続的な接種体制の構築に努める。【関係局】 @特定接種 ・ 国と連携し、新型インフルエンザ等対策の実施に従事する本市職員に対し、本人の同意を得て集団接種を基本とした特定接種を行う。【関係局】 A住民接種 @)接種の準備 ・ 国における住民への接種順位の決定を踏まえ、医療機関等と連携し、接種体制の準備を行う。【医療局】 A)接種に関する情報提供・共有 ・ 予約受付体制を構築し、接種を開始する。また、国に対して接種に関する情報を提供・共有する。【医療局】 B)接種体制の拡充 ・ 必要に応じて医療機関以外の接種会場の増設や、深夜対応など生活スタイルに合わせた会場の設置等を検討する。また、高齢者施設の入所者等の接種会場での接種が困難な者が接種を受けられるよう、医師会等の関係団体と連携し、接種体制を確保する。【医療局、健康福祉局、関係局】 C)接種記録の管理 ・ 誤接種防止と接種を受けた人が接種記録を閲覧できるよう、準備期に国が整備したシステムを活用し、接種記録を適切に管理する。【医療局】 D)健康被害に対する速やかな救済 ・ 予防接種の実施により健康被害が生じたと国が認定した者について、速やかに救済を受けられるように、救済制度の周知を徹底するとともに、申請を受け付ける。【医療局】 (3)情報提供・共有 ・ 予防接種の意義や制度の仕組みなど、予防接種やワクチンへの理解を深めるための啓発を行う。また、接種スケジュール、接種対象者、接種頻度、使用ワクチンの種類、有効性や安全性、副反応、健康被害救済制度などの情報を市民へ周知する。【医療局、各区】 【36ページ】 8.医療 ■ 概要  新型インフルエンザ等が発生した場合、全国的かつ急速にまん延し、市民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、医療は、健康被害を最小限にとどめ、市民が安心して生活を送るために不可欠である。  そのため平時には、医療機関との協定(医療措置協定)の締結、医療機関等との情報共有や対策協議、研修や訓練等を通じた対応の確認や連携強化など、有事に適切に医療が提供できるよう、医療提供体制の強化・充実に努める。  有事には、通常医療との両立を図りつつ、感染症医療の提供体制を確保し、病原性や感染性等に応じて変化する状況に柔軟かつ機動的に対応することで、市民の生命・健康を守る。    ●相談センター   新型インフルエンザ等の発生を把握した段階で、国の指示に基づき市が整備する。   発生国・地域からの帰国者等や有症状者等からの相談を受け、受診先となる医療機関等の案内を行う。  ●感染症指定医療機関   新興感染症等の患者や疑い患者の対応を行う医療機関で、発生等の公表前に中心的に対応し、公表後も地域の感染症医療提供体制の中核として役割を果たす。   横浜市立市民病院(以下「市民病院」という。)が指定されている。  ●協定締結医療機関   病床や発熱外来等の医療提供体制の確保及び自宅療養者等の対応を確実に行うため、医療措置協定を締結した医療機関。   新興感染症の発生・まん延時、県との協定に基づく要請を受け体制を整備する。   ・ 病床確保を行う協定締結医療機関(第一種協定指定医療機関)    有事に病床を確保し、入院医療を提供する。    流行初期(発生等の公表から約3か月を想定)には、流行初期医療確保措置の対象となる協定締結医療機関(以下「流行初期医療確保措置協定締結医療機関」という。)が    対応し、その後、順次その他の協定締結医療機関も対応する。   ・ 発熱外来を行う協定締結医療機関(第二種協定指定医療機関)    全国的に検査の実施環境が整備される中で、発熱患者等専用の診察室(簡易テント等で診療する場合を含む)を設け、発熱患者の診療を行う。    流行初期には、流行初期医療確保措置協定締結医療機関が対応を行い、その後、順次その他の協定締結医療機関も対応する。   ・ 自宅療養者等への医療の提供を行う協定締結医療機関(第二種協定指定医療機関)    病院、診療所、薬局、訪問看護事業所において、自宅療養者、宿泊療養者、高齢者施設等の療養者に対して、往診、電話・オンライン診療、調剤・医薬品等交付・服薬指導、    訪問看護等を行う。   ・ 後方支援を行う協定締結医療機関    新型インフルエンザ等以外の患者や新型インフルエンザ等から回復後の患者の受入れを行う。   ・ 医療人材の派遣を行う協定締結医療機関    新型インフルエンザ等に対応するため、医療人材を医療機関等に派遣する。 ■ 国や県等の主な動き (1)平時 【国】予防計画・医療計画に基づく体制整備、医療機関等情報支援システム(G-MIS)の改善等DXの推進、研修・訓練等による医療人材・専門人材の育成 【県】予防計画等に基づく医療提供体制の整備、医療機関等との研修・訓練の実施、県対策協議会等の活用による医療の提供等についての整理・随時更新 【医療機関】院内感染対策や患者の受入体制等の訓練・研修の実施、職員のシフトやメンタルヘルス支援等の準備 (2)有事 【国】都道府県に対する医療提供体制の確保等の要請、感染症の情報収集・分析による症例定義や入退院基準・濃厚接触者の基準等の見直し 【県】協定締結医療機関等に対する医療提供の要請等による医療提供体制の適切な確保 【医療機関】感染症指定医療機関での患者受入、協定締結医療機関の病床確保や発熱外来の開設、自宅療養者への診察等の実施 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)基本的な医療提供体制 ・ 有事の際に、相談センター、感染症指定医療機関、協定締結医療機関等が連携し、必要な医療を提供できるよう、あらかじめ県と役割分担を整理しておく。【医療局】 (2)予防計画に基づく医療提供体制の整備 ・ 感染症指定医療機関(市民病院)及び市内の協定締結医療機関との情報共有や連携の強化を行い、県と連携した市内の医療提供体制の整備に努める。【医療局、医療局病院経営本部】 ・ 民間宿泊施設事業者との協定締結状況や運営方法等について、関係機関で確認・調整する。【医療局】 (3)研修や訓練の実施を通じた人材の育成等 ・ 研修や訓練等を通じて、人工呼吸器やECMO等を扱う医療人材や感染症専門人材の育成について、国に協力する。【医療局、医療局病院経営本部】 ・ 新型インフルエンザ等への対応力を向上させ、有事の対応体制へ円滑に移行できるよう、訓練や研修を実施する。【医療局、医療局病院経営本部】 (4)DXの推進 ・ 国が行う医療機関等情報支援システム(G-MIS)の改善、感染症サーベイランスシステムの活用、電子カルテ情報の標準化等のDXの推進状況を確認し、活用を促進する。【医療局、医療局病院経営本部】 (5)医療提供体制等の協議、調整・整理 ・ 県対策協議会等において、関係機関(医療機関や他自治体の保健所、消防機関、高齢者施設、医師会や病院協会等の医療関係団体等)と円滑な医療提供体制等について協議し、調整・整理を行う。【医療局】 (6)特に配慮が必要な患者に関する医療提供体制の確認 ・ 患者の特性に応じた受入医療機関の設定及び病床の確保や、関係機関との連携体制の状況を県に確認するとともに、必要に応じ、福祉施設等と連携し、介護等が必要な患者が療養できる仕組みを構築するなど検討する。【医療局、関係局】 ・ 小児や妊産婦等の医療がひっ迫した場合の広域的な感染症患者の移送や、他の疾患の傷病者の搬送手段の確保等について、関係機関等で協議する。【医療局】   初動期 (1)新型インフルエンザ等に位置付けられる可能性がある感染症に関する知見の共有等 ・ 国・JIHS等から提供された診断・治療等に関する情報や衛生研究所等での検査により得られる情報を、市内医療機関、消防部門、高齢者施設等に周知する。【医療局、関係局】 (2)医療提供体制の確保等 ・ 市内医療機関に適時の情報提供・共有を行い、県と連携し、医療提供体制の整備を進める。【医療局】 ・ 早期の体制整備のため、国の要請に基づき、以下の事項について県に協力する。【医療局、医療局病院経営本部】 > 市民病院における感染症患者の受入体制の確保 > 入院調整の体制構築や相談・受診から入退院までの流れの整備 > 医療機関に対する、医療機関等情報支援システム(G-MIS)への確実な入力の要請 > 流行初期医療確保措置協定締結医療機関による対応の準備の要請 ・ 感染のおそれがある者を診療した場合は、直ちに保健所へ連絡するよう医療機関へ周知する。【医療局、各区】 ・ 医療提供体制や医療機関への受診方法等について、市民等へ周知する。【医療局、各区】 ・ 国の要請を踏まえ、発熱外来の体制確保のため、検査等措置協定締結機関等における検査体制を速やかに整備する。【医療局】 ・ 入院調整に係る県の体制構築状況を踏まえ、市における入院調整の体制整備を早急に行う。【医療局】 ・ 県等関係機関、医療関係団体や患者対応する医療機関等との協議を行う場に参加するなど、迅速に対策が実行できるようにする。【医療局】 (3)相談センターの整備 ・ 国の要請を踏まえ、有症状者等からの相談を受ける相談センターを整備し、症例定義に該当する症状がある場合には相談センターに相談するよう、市民へ周知する。【医療局、各区】 ・ 相談センターは、感染したおそれがある者を必要に応じて市民病院の受診につなげる。【医療局】 ・ 市民病院以外の医療機関に対して、症例定義に該当する有症状者等から相談等があった場合は、相談センターを通じて市民病院の受診につなげるよう周知する。【医療局、各区】   対応期 (1)新型インフルエンザ等に関する基本の対応 ・ 引き続き、国・JIHS等から提供された診断・治療等に関する情報を、市民、市内医療機関、高齢者施設等へ周知する。【医療局、関係局】 ・ 段階的な医療提供体制の拡充や患者の療養先の振り分けを県と連携して実施する。【医療局】 ・ 市民病院や協定締結医療機関における医療提供の状況などの情報収集を行うほか、円滑な医療提供ができるよう、休日の診療体制の強化や臨時の医療施設の開設等も含め必要な対応を行う。また、病床の使用状況等を踏まえ、必要に応じ、福祉施設等と連携し、介護等が必要な患者が療養できる仕組みを実施する。【医療局、医療局病院経営本部、関係局】 ・ 医療機関等情報支援システム(G-MIS)の情報を把握して入院調整を行う。【医療局】 ・ 民間搬送事業者等と連携し、患者及び症状が回復した者の移動手段を確保する。また、軽症者の救急車両の利用を控えるなど、救急車両の適正利用を周知する。【医療局、消防局】 ・ 医療提供体制や相談センター及び医療機関への受診方法等を市民等に周知する。また、患者からの相談内容に応じて相談センター又は受診先として適切な発熱外来を案内するよう医療機関に周知する。【医療局、各区】 (2)時期に応じた医療提供体制の構築 @流行初期(新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表(以下「発生等の公表」という。)から約3か月) @)協定に基づく医療提供体制の確保等 ・ 患者が発生した場合、迅速に入院調整を行い、感染症法に基づき市民病院又は流行初期医療確保措置協定締結医療機関に移送する。入院の優先度や入院先医療機関の判断は、事前の役割分担に基づき、医療機関等と連携して実施する。【医療局、医療局病院経営本部、消防局】 ・ 状況に応じて、市における入院調整の体制整備を行う。【医療局】 A)相談センターの強化 ・ 症例定義に該当する有症状者は、相談センターを通じて発熱外来を受診するよう市民等に周知する。【医療局、各区】 ・ 地域の実情や国の要請を踏まえ、相談センターを強化し、感染のおそれがある者を速やかに発熱外来の受診につなげる。【医療局】 A流行初期以降(発生等の公表から3か月以降) @)協定に基づく医療提供体制の確保等 ・ 移送先を第一種協定指定医療機関とし、流行初期と同様に入院調整を行う。【医療局】 ・ 病床使用率が高まった場合、重症化する可能性が高い患者を判断するため作成された国の指標を踏まえ、県と連携して以下の対応を行う。【医療局、関係局】 > 重症化する可能性が高い患者の優先的入院 > 自宅療養、宿泊療養、高齢者施設等での療養の体制強化 > 症状が回復した者について、後方支援を行う協定締結医療機関への転院促進 A)相談センターの強化 ・ 引き続き、流行初期の取組を継続する。【医療局、各区】 Bワクチンや治療薬等により対応力が高まる時期 ・ 相談センターを通じて発熱外来を受診する仕組みから、有症状者が直接発熱外来を受診する仕組みに変更された場合は、市民等へ周知する。【医療局、各区】 C特措法によらない基本的な感染症対策に移行する時期 ・ 発生前の通常の医療提供体制への段階的な移行に伴い必要な対応を行う。【医療局】 (3)予防計画の想定と大きく異なる場合や医療提供体制を上回るおそれがある場合の対応方針 ・ 予防計画上の想定と大きく異なる場合や想定の医療提供体制を上回るおそれがある場合は、国の方針に基づき適切に対応する。【医療局】 【41ページ】 9.治療薬・治療法 ■ 概要  新型インフルエンザ等が発生し、全国的かつ急速にまん延した場合、市民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、健康被害や社会経済活動への影響を最小限にとどめるために、治療薬・治療法が重要な役割を担う。  そのため平時には、国は治療薬の研究開発を推進し、基盤を強化するとともに、国等で備蓄した抗インフルエンザウイルス薬を含め治療薬の配送等の体制について訓練を実施し、実効性を担保する。  有事には、国は速やかに有効な治療薬を確保し、治療法を確立して全国へ普及させる。また、新型インフルエンザの場合、抗インフルエンザウイルス薬を活用する。 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】重点感染症を対象とする研究開発の推進、有事の薬事承認・配分の優先順位に関する検討、備蓄・流通体制の整備、抗インフルエンザウイルス薬の計画的かつ安定的な備蓄 【県】感染症の診療医療機関等を通じた臨床研究の実施協力、抗インフルエンザウイルス薬の計画的かつ安定的な備蓄 (2)有事 【国】基礎研究から臨床・薬事承認・生産・配分・流通管理・確保等の取組推進による治療薬の公平な普及、中長期的な予後の把握・合併症に対する治療法の研究、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与 【県】国が示す診療指針等に基づいた治療薬・治療法の医療機関等への情報提供・共有、治療薬の適正使用の要請及び適切な流通指導、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)研究開発支援 ・ 国等が行う研究開発に係る人材育成や人材活用に関し、必要に応じ連携・協力を行う。【医療局】 ・ 国が主導する治療薬・治療法の研究開発について、市民病院など感染症診療を行う医療機関等を通じた臨床研究の実施に積極的に協力する。【医療局、医療局病院経営本部】 (2)活用に向けた準備 ・ 国及び県の抗インフルエンザウイルス薬の備蓄状況及び流通体制を把握するとともに、本市における備蓄量等を検討する。【医療局】   初動期 (1)国内外の研究開発動向等の情報収集及び共有 ・ 国等から共有された国内外の治療薬・治療法の研究開発動向や臨床情報を、必要に応じて医療機関等に周知する。【医療局】 (2)活用に向けた取組 @医療機関等への情報提供・共有 ・ 国が示す診断・治療情報や診療指針等を、必要に応じて医療機関等に周知する。【医療局】 A治療薬の適正使用等 ・ 国等と連携し、医療機関や薬局に対して治療薬の適正使用等を促す。【医療局】 (3)抗インフルエンザウイルス薬の使用(新型インフルエンザの場合) ・ 国等と連携し、医療機関に対し、国等が備蓄している抗インフルエンザウイルス薬を活用し、患者の同居者、医療従事者、救急隊員、搬送従事者等に対し、必要に応じ予防投与を行うよう促す。【医療局】 ・ 国等と連携し、医療機関の協力を得て、患者の同居者等の濃厚接触者や、医療従事者や救急隊員等のうち十分な防御なくばく露した者に対し、必要に応じて予防投与の実施や有症時の対応を指導する。【医療局】 ・ 国等と連携し、市内での感染拡大に備え、医療機関や薬局に対して抗インフルエンザウイルス薬の適正使用を促す。【医療局】   対応期 (1)活用に向けた取組 @国内外の研究開発動向等の情報収集及び共有 ・ 引き続き、国等から共有された国内外の治療薬・治療法の研究開発動向や臨床情報を、必要に応じて医療機関等に周知する。【医療局】 A適正な治療薬・治療法の活用 @)医療機関等への情報提供・共有等 ・ 引き続き、国が示す診断・治療情報や診療指針等を、必要に応じ医療機関等に周知するとともに、その活用について必要な調整を行う。【医療局】 A)治療薬の適正使用等 ・ 引き続き、国等と連携し、医療機関や薬局に対して治療薬の適正使用等を促す。【医療局】 B中長期的予後の把握と合併症に対する治療法等の研究 ・ 国が示す中長期的な予後や合併症に対する治療法等について、必要に応じ医療機関や市民等に周知する。【医療局】  C抗インフルエンザウイルス薬の備蓄及び使用(新型インフルエンザの場合) ・ 感染拡大時には患者の治療を優先するため、国等と連携し、医療機関に対して患者との濃厚接触者(同居者を除く)への抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を原則中止するよう促す。また、患者の同居者に対する予防投与は、国が効果を評価した上で継続の有無を決定する。【医療局】 (2)リスク評価に基づく方針の決定・見直し ・ ワクチン接種による免疫獲得や病原体の変異による病原性や感染性の低下など、感染症危機の状況や地域の実情を総合的に考慮し、県等と連携して必要な対応・情報収集を行う。【医療局】 【44ページ】 10.検査 ■ 概要  検査により、患者の早期発見によるまん延防止、早期治療、流行の実態把握等が可能となる。適切な検査の実施は、柔軟かつ機動的な対策の切替えにも重要であり、感染拡大防止と社会経済活動の両立にも寄与する。  そのため平時には、検査機器の維持や検査物資、人材の確保を含めた準備を着実に進める。  有事には、迅速な検査拡充等の体制整備を行うとともに、状況の変化に応じて、病原体の性状や検査の特性等を踏まえ、検査体制を見直す。 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】検査体制の整備・関係機関の役割分担の確認、検査体制・検体・病原体搬送等に関する研修・訓練の実施 【県】予防計画に基づく衛生研究所や民間検査機関等の検査体制の状況把握、訓練等を通じた検査体制の維持・強化 (2)有事 【国】検査診断技術の確立・普及 【県】検査等措置協定等に基づく検査体制の拡充と検査実施 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)検査体制の整備 ・ 衛生研究所は、検査の精度管理、検査物資の備蓄、検査用試薬の入手ルートの確認を行う。また国、検疫所、民間検査機関、医療機関、研究機関、流通事業者等の有事に検査の実施に関与する機関との役割分担を確認し、有事における検査体制の整備を進める。【医療局】 ・ 衛生研究所の検査実施能力の確保状況を予防計画に基づき毎年度国へ報告するとともに、県等と連携し、民間検査機関等からの相談等に対応する。【医療局】 (2)訓練等による検査体制の維持及び強化 ・ 衛生研究所は国やJIHS等が実施する訓練への参加や自ら実施する訓練等により、検査体制の維持に努め、検体や病原体の搬送体制、及び初動体制の構築の確認を行う。【医療局】 ・ 衛生研究所は、民間検査機関等の検査能力及び精度管理の向上に向け、民間検査機関等に対して情報を提供するとともに、研修等による技術的指導を行う。【医療局】 (3)検査診断技術の研究開発への協力 ・ 国及びJIHSが主導する検査診断技術の研究開発について、医療機関等を通じた臨床研究の実施に積極的に協力する。【医療局】   初動期 (1)検査体制の構築 ・ 国の要請を踏まえ、予防計画に基づき、衛生研究所の検査実施能力の確保状況を確認し、速やかに検査体制を拡充する。また、検査実施能力の確保状況を国へ報告する。【医療局】 ・ 衛生研究所は、JIHSの検査手法を活用して検査実務を行うほか、保健所や他の地方衛生研究所等と連携して、迅速かつ適確に検査を行う。【医療局】 ・ 検査等措置協定締結機関の実施能力を把握するとともに、県等と連携して検査需要に対応可能な体制とする。【医療局】 ・ 衛生研究所は、民間検査機関等の検査能力及び精度管理の向上に向け、民間検査機関等に対して情報を提供するとともに、研修等による技術的指導を行う。【医療局】 (2)研究開発企業等による検査診断技術の確立と普及 ・ 衛生研究所は、国及びJIHSが開発した検査診断技術について評価するとともに、医療機関等を通じた臨床研究の実施に積極的に協力する。【医療局】 (3)検査の実施方針の検討 ・ 感染症の特徴や病原体の性状、流行状況、医療提供体制等も踏まえ、国による検査実施の方針検討等について国等と連携する。【医療局】 ・ 検査の目的や検査体制を含む検査実施の方針等に関する情報を、必要に応じ市民等に分かりやすく提供・共有する。【医療局、各区】     対応期 (1)検査体制の拡充 ・ 引き続き、予防計画に基づき、衛生研究所における検査体制の充実・強化に係る検査実施能力の確保状況を確認し、確保状況について国へ報告する。【医療局】 (2)研究開発企業等による検査診断技術の確立と普及 ・ 引き続き、国及びJIHSが主導する検査診断技術の研究開発について、医療機関等を通じた臨床研究の実施に積極的に協力する。【医療局】 (3)検査実施の方針の決定・見直し ・ 感染症の特徴や病原体の性状、流行状況、医療提供体制等も踏まえ、国による段階的な検査実施の方針見直しの検討等について国等と連携するとともに、方針に従って検査を実施する。また状況に応じて、医療のひっ迫緩和のため、薬事承認を取得した迅速検査キット等も活用する。【医療局】 ・ 引き続き、検査の目的や検査体制を含む検査実施の方針等に関する情報を、必要に応じ市民等に分かりやすく提供・共有する。【医療局、各区】 ・ 市民生活・経済との両立を目的とする検査の利活用※について、国の方針を参考にしながら、地域における検査キャパシティやニーズ等を考慮して判断する。【医療局、関係局】 ※例えば、新型コロナ(COVID-19)対応においては、ワクチン接種歴や陰性検査結果を示すことで、全国旅行支援等の適用を可能とする“旅行前検査”や、イベント等における行動制限の緩和を可能とする“ワクチン検査パッケージ”などが実施された。 【47ページ】 11.保健(保健所・衛生研究所の役割) ■ 概要  地域の感染状況や医療提供体制等に応じた対策において、保健所や衛生研究所はその中心的な役割を担っており、感染拡大時の業務急増にも対応できるよう準備しておくことが重要である。  そのため平時には、有事における体制の検討・調整、優先業務の整理、ICTの活用等を通じた業務効率化・省力化を行う。また、研修・訓練等を通じた人材育成や有事の対応確認、関係機関との連携強化を進める。  有事には、平時の取組を踏まえ、地域の実情に応じた効果的な対策を実施し市民の生命・健康を保護する。 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】都道府県の区域を越えた応援職員の派遣の仕組みの整備、研修・訓練等を通じた人材育成・連携体制の構築、保健所や衛生研究所の体制整備、DXの推進、双方向のコミュニケーションに基づくリスクコミュニケーションの実施 【県】流行開始から1か月間において想定される業務量に対応する感染症有事体制の確保、業務継続計画の策定、研修・訓練等を通じた人材育成・連携体制の構築、地域における情報提供・共有、リスクコミュニケーションの実施 (2)有事 【国】平時に構築した有事体制への移行、住民への情報提供、感染状況に応じた保健所体制の見直しや検査体制の拡充 【県】予防計画に基づく保健所や衛生研究所の有事体制への移行、住民への情報提供・共有、患者の健康観察・生活支援、感染状況に応じた取組 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)体制の準備等 @体制の検討・準備 ・ 保健所は、相談センター、医療機関からの届出の把握、積極的疫学調査、移送、健康観察などの実施体制や応援職員やアウトソーシングで対応する業務の仕分けなどを検討するとともに、県や医療機関など関係機関との連携を強化する。また、休日・夜間の適切な対応体制の検討等を行う。【医療局】 ・ 衛生研究所は検査の精度管理の向上、感染症情報の管理等のためのシステムの活用、調査及び研究の充実等を図るとともに、JIHSなど関係機関との連携を強化する。また、休日・夜間の適切な対応体制の検討等を行う。【医療局】 ・ 積極的疫学調査、病原体の収集・分析などの専門的業務を適切に実施するため、効率的に情報を集約し、柔軟に連携・調整できるよう備える。【医療局】 ・ 従事する職員等のメンタルヘルス支援等の必要な対策を講ずる。【医療局、総務局】 A人材確保 ・ 流行開始(発生等の公表)から1か月間に想定※される保健所業務に対応するための体制を平時から想定しておくとともに、受援体制についても検討しておく。また、保健所業務を支援する人材としてIHEAT要員の確保を進めるほか、外部人材の活用について検討する。これらについて、毎年度状況を確認する。【医療局】 ※新型コロナ(COVID-19)の第6波(2022(令和4)年1月頃)と同規模の感染が流行開始から1か月間に発生すると想定 B業務整理や業務継続計画の策定 ・ 有事に円滑に業務を遂行できるよう、平時から業務の整理やデジタル部門等と連携してICTの活用等による効率化を行うとともに、保健所及び衛生研究所の業務継続計画を策定する。【医療局、デジタル統括本部】 C研修・訓練等 ・ 国の研修等も活用しつつ、保健所や衛生研究所の人材育成のための研修や訓練を実施し、発生及びまん延を想定した業務内容に対応できる体制の準備や確認を行う。【医療局】 ・ 年1回以上の保健所有事体制を構成する人員(IHEAT要員を含む)への研修や、全庁的な研修等を行う。【医療局】 D多様な主体との連携 ・ 新型インフルエンザ等の発生に備え、県対策協議会等を活用し、平時から、他自治体、医療機関等の関係機関や関係団体等と意見交換や必要な調整等を行い、連携を強化する。【医療局】 ・ 自宅や宿泊療養施設の療養者に対する日常生活を営むために必要なサービスの提供や宿泊施設の確保等のため、協定を締結した民間宿泊事業者等との連携体制を強化するとともに、必要に応じ、福祉施設等と連携し、介護等が必要な患者が療養できる仕組みを構築するなど検討する。【医療局、関係局】 (2)平時の対応 ・ 保健所及び衛生研究所等は、感染症サーベイランスシステムを活用し、季節性インフルエンザや新型コロナ(COVID-19)等の急性呼吸器感染症の流行状況(病原体ゲノムサーベイランスを含む)を迅速に把握する。【医療局】 ・ 保健所は、医療機関等情報支援システム(G-MIS)を活用し、協定締結医療機関の準備状況(病床確保・発熱外来等の措置内容、研修・訓練、各物資の備蓄状況等)を把握する。【医療局】 ・ 医療機関等に対し、感染症サーベイランスシステムや医療機関等情報支援システム(G-MIS)の活用を推進する。【医療局、医療局病院経営本部】 ・ 保健所は、感染症法若しくは家畜伝染病予防法に基づく獣医師からの届出又は野鳥調査等に基づき、鳥インフルエンザの発生状況等を把握する。また、医療機関から鳥インフルエンザの感染が疑われる者の報告があった場合の情報提供・共有体制を整備する。【医療局、みどり環境局】 ・ 保健所及び衛生研究所は、国及びJIHSが主導する感染症の調査研究や治療薬等の研究開発に積極的に協力する。【医療局】 (3)情報提供・共有、リスクコミュニケーション ・ 平時から、市民等に対し、感染症に関する基本情報、基本的な感染対策、発生状況、新型インフルエンザ等の情報や発生時の行動等について情報提供・共有を行う。また、感染症に係る偏見や差別等を防ぐための啓発を行う。なお、様々な媒体を利用し、高齢者、障害者、こども、日本語能力が十分でない外国人等の対象者に合わせて継続的かつ適時に分かりやすい情報提供・共有を行うよう留意する。【医療局、関係局、各区】 ・ 市民等に分かりやすい情報提供・共有ができるよう、市民の感染症への理解や意識の把握に努めるなどリスクコミュニケーションの取組を進める。【医療局、各区】 ・ 有事における市民等が必要とする情報の把握と効果的な提供・共有方法など、コールセンター等の相談体制の整備方法、有事のリスクコミュニケーションの在り方について検討する。【医療局】   初動期 (1)有事体制への移行準備等 ・ 国の要請や助言を踏まえ、流行開始から1か月間において想定される業務量に対応する人員確保、物資・資機材の調達準備、検査体制等の整備など、保健所・衛生研究所における有事体制への移行準備を行う。横浜港があり羽田空港にも近い本市は、入国者の健康監視や疑似症患者対応等を行う可能性があることにも留意する。【医療局、各区】 ・ 保健所等の業務状況・体制を常に確認・把握し、業務がひっ迫する前に必要な応援体制の構築が可能となるよう、全庁的な準備を進める。【総務局、市民局、医療局、各局区】 ・ 発生等の公表に備え、国からの要請や助言を踏まえ、以下の対応の準備を行う。【医療局、各区】 > 医師の届出等で患者を把握した場合の患者や濃厚接触者への対応 > 積極的疫学調査等による集団感染(クラスター)の発生状況把握 > IHEAT要員など外部人材の活用 > 感染拡大時における業務の一元化や外部委託等による保健所の業務効率化 > 衛生研究所、医療機関、検査等措置協定を締結している民間検査機関などの検査体制整備 > 組織横断的な入院調整を行う部門の設置【医療局】 ・ 衛生研究所はJIHS等と連携した感染症の情報収集を行う。【医療局】 ・ 国及びJIHSが主導する感染症の特徴や病原体の性状等を明らかにするための調査研究や、治療薬等の研究開発について、積極的に協力する。【医療局】 (2)情報提供・共有、リスクコミュニケーション ・ 国の要請に基づき相談センターを整備し、発生国・地域からの帰国者や有症状者等に対して、必要に応じて適時に市民病院への受診につながるよう周知する。【医療局】 ・ 新型インフルエンザ等に位置付けられる可能性がある感染症の発生状況、特性、有効な感染防止対策など、国から提供される情報を活用し、市のウェブサイトでの発信やQ&Aの公表、市民向けコールセンターの設置を通じて、市民等に対する速やかな情報提供・共有体制を構築し、行政と市民等との双方向的なリスクコミュニケーションを行う。【医療局、市民局、関係局、各区】 (3)発生等の公表前に疑似症患者が確認された場合の対応 ・ 発生等の公表前に、疑似症サーベイランス等により疑似症患者の発生を確認した場合、保健所は積極的疫学調査及び検体採取を実施し、必要に応じて市民病院への入院協力を求める。【医療局】   対応期 (1)有事体制への移行 ・ 保健所の感染症有事体制を確立するとともに、衛生研究所の検査体制を速やかに拡充する。【医療局、各区】 ・ 引き続き、国及びJIHSが主導する感染症の特徴や病原体の性状等を明らかにするための調査研究や、治療薬等の研究開発について、積極的に協力する。【医療局】 (2)主な対応業務の実施  保健所、衛生研究所を含む医療局、区福祉保健センターは、消防部門や市内医療機関・団体と相互に連携し、以下の感染症対応業務を実施する。 @相談対応 ・ 有症状者等からの相談に対応する相談センターを強化し、必要に応じて速やかに発熱外来の受診につなげる。相談センターの運営に当たっては、業務効率化のため、適時に外部委託等を検討する。【医療局】  A検査・サーベイランス ・ 衛生研究所は、国の段階的な検査実施方針の見直しに従って検査を実施する。【医療局】 ・ 国からの検査の目的や検査体制を含む検査実施方針等に関する情報を、必要に応じて市民等に分かりやすく提供・共有する。【医療局、各区】 ・ 地域の実情に応じて、感染症対策上の必要性、衛生研究所や検査等措置協定締結機関における検査体制等を踏まえ、検査の実施範囲を判断する。【医療局】 ・ 衛生研究所は、保健所と連携して、検査等措置協定締結機関を含めた検査体制が十分に拡充されるまでの間の必要な検査を実施する。【医療局】 ・ 衛生研究所は、新型インフルエンザ等に関する知見の収集や市内の感染状況等のJIHSへの報告等、地域の変異株の状況の分析、民間検査機関等に対する技術支援や精度管理等を通じ、地域におけるサーベイランス機能を発揮する。【医療局】 ・ 必要に応じ、地域の感染動向等に応じて、独自に判断して感染症サーベイランスを実施する。【医療局】 ・ 国が患者の全数把握の必要性を再評価し、定点把握を含めた感染症サーベイランスへの移行を実施した際には、国の方針にあわせたサーベイランスを実施する。【医療局】 B積極的疫学調査 ・ 保健所は感染源の推定や濃厚接触者等の特定を行うため、JIHSが示す指針等に基づき積極的疫学調査を行う。【医療局、各区】 ・ 感染症の特徴を踏まえた、国の対象範囲の見直しに応じ、積極的疫学調査の内容を変更する。【医療局】 ・ 流行初期以降(発生等の公表後おおむね1か月以降)、感染症の特徴や流行状況、保健所の業務負荷を勘案し、国が示す方針も踏まえながら、県と連携し地域の実情に応じて調査対象や項目を見直す。【医療局】 C入院勧告・措置、入院調整、自宅・宿泊療養の調整及び移送 ・ 保健所は、患者等を把握した場合、病床の状況や感染の特徴等を踏まえ、療養先を判断し、入院勧告・措置及び入院調整、自宅・宿泊療養の調整、必要な移送を行う。【医療局】 ・ 感染が拡大し、入院・転院調整が困難と予測された場合は、組織横断的に調整を行う部門を設置し、病床使用状況の把握や判断基準に基づいた入院・転院調整を行う。【医療局】 D健康観察及び生活支援 ・ 医師からの届出により患者等を把握し、当該患者等に対して自宅又は宿泊療養施設で療養するよう協力を求める場合、当該患者等やその濃厚接触者に対して、外出自粛要請や就業制限を行うとともに、定められた期間の健康観察を行う。【医療局、各区】 ・ 必要に応じて、患者や濃厚接触者に対する、日常生活に必要なサービスの提供やパルスオキシメーター等の物品の支給に努める。また、必要に応じ、福祉施設等と連携し、介護等が必要な患者が療養できる仕組みを実施する。【医療局、関係局、各区】 ・ 軽症患者や無症状病原体保有者、濃厚接触者への健康観察について、感染症サーベイランスシステムの健康状態報告機能を活用するなどで、保健所の業務効率化と負荷軽減を図る。【医療局】 E健康監視 ・ 検疫所から通知があったときは、感染のおそれがある居宅等待機者等に対し健康監視を実施する。【医療局、各区】 ・ 感染者が増加し業務がひっ迫する場合、感染症法に基づき国に健康監視の代行を要請する。なお、国による健康監視の一元化が実施された場合も、発症者への対応を行う。【医療局、各区】 F情報提供・共有、リスクコミュニケーション ・ 区と連携し、対象者に合わせて、利用可能なあらゆる媒体を活用し、分かりやすい内容や方法で感染症対策や支援策の広報・周知を行う。【医療局、関係局、各区】 (3)時期に応じた取組 @流行初期(発生等の公表からおおむね1か月まで) @)迅速な対応体制への移行 ・ 保健所は流行開始を目途に感染症有事体制へ切り替え、関係機関と連携して疫学調査や健康観察等の感染症対応業務を行う。【医療局、各区】 ・ 引き続き、保健所等の業務状況・体制を常に確認・把握し、業務がひっ迫する前に必要な体制強化がはかられるよう、全庁的な応援体制の構築に取り組む。【総務局、市民局、医療局、各局区】 ・ 感染症サーベイランスシステム等のICTツールの活用や業務の一元化・外部委託等により、保健所及び衛生研究所の業務の効率化を推進する。【医療局】 ・ 国及びJIHSが主導する調査研究や治療薬等の研究開発に協力する。【医療局、医療局病院経営本部】 A)検査体制の拡充 ・ 感染症の特徴や病原体の性状、流行状況等に基づき国が決定した検査実施の方針や地域の流行状況等の実情を踏まえ、衛生研究所や検査等措置協定締結機関等における検査体制を拡充する。【医療局】 ・ 衛生研究所は、検査実施の方針等を踏まえて検査を実施する。【医療局】 ・ 感染症の特徴や病原体の性状等の評価を踏まえ、無症状病原体保有者への検査が必要と判断された場合は、検査対象者等を関係機関へ周知する。【医療局】 A流行初期以降(発生等の公表後おおむね1か月以降) @)流行状況や業務負荷に応じた体制の見直し ・ 感染症の特徴、病原体の性状や感染状況等を踏まえ、国が対応方針を変更した場合、地域の実情や業務負荷等も踏まえて、人員体制や検査体制等を見直し、全数把握や積極的疫学調査の重点化や見直しなど対応の変更を適時適切に行う。【医療局】 ・ 引き続き、保健所等の業務状況・体制を常に確認・把握し、業務がひっ迫する前に必要な体制強化がはかられるよう、全庁的な応援体制の強化に取り組む。【総務局、市民局、医療局、各局区】 ・ 引き続き、業務効率化を進める。【医療局】 ・ 病床使用率が高まってきた場合、基礎疾患がある患者など、重症化の可能性が高い患者を優先的に入院させるとともに、自宅療養、宿泊療養、高齢者施設等での療養体制を強化する。また、症状が回復した者は、後方支援を行う協定締結医療機関への転院を進める。【医療局、健康福祉局、こども青少年局】 ・ 自宅療養の実施に当たっては、日常生活を営むために必要なサービスを提供するとともに、福祉施設等と連携した介護等が必要な患者が療養できる仕組みなどを必要に応じて実施する。【医療局、関係局、各区】 A)安定的な検査・サーベイランス機能の確保 ・ ワクチンによる免疫獲得や、病原体の変異により病原性や感染性が低下した場合など、感染症危機の状況や地域の実情を総合的に考慮し、リスク評価に基づいて国が検査実施や検査体制の方針を見直した場合、その方針に従って対応する。【医療局】 ・ 衛生研究所は、対応期を通じて拡充した検査体制を維持しつつ、地域の変異株の状況を分析し、保健所等に情報を提供・共有する。【医療局】  B特措法によらない基本的な感染症対策に移行する時期   ・ 国からの要請を踏まえ、地域の実情に応じて保健所や衛生研究所の有事体制を段階的に縮小する。    また、特措法によらない基本的な感染症対策への移行に伴い、感染対策の見直しや保健所での対応の      縮小等について、市民に丁寧に情報提供・共有を行い、理解・協力を得る。【医療局、各区】 【53ページ】 12.物資(個人防護具等) ■ 概要  個人防護具や医療資器材などの物資は、有事に医療や検査等を円滑に実施するために欠かせないため、物資の不足により医療等が滞り、市民の生命・健康に影響が生じることを防ぐことが重要である。また、感染を防ぎ市民生活の維持に必要不可欠な業務を継続するためにも欠かせないものである。  そのため平時から、医療機関及び国・地方公共団体で、個人防護具等の備蓄を推進するとともに、国等において円滑な供給に向けた対策等を行う。  有事には、まずは、医療機関等が自ら備蓄した物資を活用しつつ、国等において流通調整や生産要請などにより市場供給の安定を図る。その上でなお不足する場合、必要に応じ、国・地方公共団体の備蓄も有効に活用しながら、適切な医療等の提供につなげる。  ※検査物資などその他の備蓄については、各対策項目参照  <新型インフルエンザ対応の個人防護具>   発生時に患者及び接触者の調査に従事する職員等の感染防御を目的として、個人防護具を着用。  <品目例>   ・つなぎ型防護服   ・ガウン   ・キャップ   ・フェイスシールド   ・ゴーグル   ・N95マスク   ・ニトリル手袋   ・シューカバー ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】感染症対策物資等の需給状況の把握、関係事業者に対する生産等の有事に必要な体制整備、物資の備蓄目標の策定・備蓄 【県】協定締結医療機関等における個人防護具の備蓄等推進、備蓄状況の確認、国が定める備蓄品目・水準を踏まえた個人防護具の備蓄 (2)有事 【国】感染症対策物資等の備蓄状況・需給状況の確認、円滑な供給のための生産等の要請、緊急物資の運送、生産要請等してもなお不足するおそれがある場合の医療機関等への配布 【県】感染症対策物資等の備蓄状況・需給状況の確認、円滑な供給に向けた準備、 緊急事態措置の実施に必要な医薬品等の特定物資の売渡要請、協定締結医療機関等で不足するおそれがある場合の物資の配布 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)個人防護具等の備蓄 ・ 市行動計画に基づき、その所掌事務・業務に係る新型インフルエンザ等対策の実施に必要な個人防護具等(マスクや消毒用アルコール等を含む)を備蓄し、定期的に確認する。なお、この備蓄は、災害対策基本法第49条第1項の規定による物資及び資材の備蓄と相互に兼ねることができる。【総務局、各局区】 ・ 特に保健所職員や救急隊員など最初に感染者へ接触する可能性がある職員のための個人防護具等について、必要な備蓄を進める。【医療局、消防局、総務局、各区】 ・ 市内医療機関等の備蓄状況を踏まえつつ、有事に医療が適切に提供できるよう必要な個人防護具等の備蓄を進める。【医療局】 (2)医療機関等における個人防護具等の備蓄  医療機関等における備蓄について、県と連携し以下のとおり進める。 ・ 市内の協定締結医療機関における個人防護具等の備蓄等を推進するほか、個人防護具等以外の必要な対策物資の備蓄・配置を勧奨する。【医療局】 ・ 市内の協定を締結していない医療機関等に対しても、必要な対策物資の備蓄・配置を勧奨する。【医療局】 ・ 市内の社会福祉施設に対して、可能な限り必要な対策物資の備蓄を勧奨する。【健康福祉局、こども青少年局】   初動期・対応期 (1)個人防護具等の備蓄状況の確認等 ・ 個人防護具等の使用状況や、在庫・配置状況を随時確認し、確保する。また、緊急事態において必要な個人防護具等や資材が不足するときは、区局間で相互に融通し、協力するよう努める。【総務局、各局区】 ・ 特に、保健所職員や救急隊員等の個人防護具等の配置状況については十分な管理を行う。【医療局、消防局、総務局、各区】 ・ 新型インフルエンザ等の特徴を踏まえ、新たに必要となった個人防護具等についても随時必要量の確保に努める。【各局区】 (2)個人防護具等 ・ 医療機関等において個人防護具等が不足し医療提供体制等に支障が生じるおそれがある場合、国等と連携しながら、必要な対応を行う。【医療局、関係局】   【55ページ】 13.市民生活・経済の安定の確保 ■ 概要  新型インフルエンザ等の発生時には、市民の生命・健康への被害とともに、まん延防止措置により、市民生活・社会経済活動に対して大きな影響が及ぶ可能性がある。  そのため平時には、本市において自ら必要な準備を行いながら、市民や事業者等に対して適切な情報提供・共有を行い、必要な準備を行うことを勧奨する。  有事には、市民生活・社会経済活動の安定を確保するための取組を行うとともに、市民や事業者等が事業継続や自発的な感染防止対策を実施できるようにする。 ■ 国や県の主な動き (1)平時 【国】県等との情報共有体制の整備、緊急物資運送等の体制整備、関係業界団体への業務継続計画の策定の勧奨、食料品や生活必需品等の備蓄、国民への衛生用品等の備蓄勧奨等 【県】国や市町村等との情報共有体制の整備、緊急物資運送等の体制整備、火葬能力の把握や体制の整備等 (2)有事 【国】生活の安定確保のための対応(物資の安定供給、要支援者への支援、価格の安定、火葬・埋葬の特例等)、社会経済活動の安定確保のための対応(事業継続に係る要請、事業者支援等)、生活・社会経済活動の両方の安定確保のための対応(法令等の弾力的運用、債務の支払い猶予、金融措置等)等  【県】物資の安定供給・価格の安定・売渡しの要請、犯罪の予防・取締り、広域火葬の実施等 ■ 本市の対策行動   準備期 (1)情報共有体制の構築 ・ 市民生活・社会経済活動に関する対策実施等に当たって必要な情報共有ができるよう、関係機関等との連携を図る。【総務局、各局区】 (2)業務継続に向けた準備 @業務継続計画の策定 ・ 有事において維持すべき行政サービスを提供できるよう「横浜市業務継続計画(新型インフルエンザ等編)」を策定する。 【総務局、各局区】  A物資の備蓄 ・ 「12 物資」で備蓄する感染症対策物資のほか、その所掌事務・業務に係る新型インフルエンザ等対策の実施に当たり、必要な食料品や生活必需品等を備蓄する。なお、この備蓄は、災害対策基本法第49条第1項の規定による物資及び資材の備蓄と相互に兼ねることができる。【総務局、各局区】 (3)市民、事業者に対する準備の勧奨 ・ 市民や事業者に対して、平時から、マスクや消毒薬等の衛生用品、食料品や生活必需品等の備蓄を行うよう勧奨する。【医療局、各局区】 ・ 新型インフルエンザ等に有効と考えられる感染防止策(換気、マスク着用等の咳エチケット、手洗い、人混みを避ける等)を広報する。【医療局、各区】 (4)生活支援を要する者への支援等の準備 ・ 有事における高齢者や障害者等の要配慮者への生活支援(見回り、介護、訪問診療、食事の提供等)、搬送、死亡時の対応等について、県と連携し、要配慮者の把握や具体的な手続を決める。【健康福祉局、こども青少年局、各区、医療局】 (5)火葬能力等の把握、火葬体制の整備 ・ 県等と連携して、火葬場の火葬能力及び一時的に遺体を安置できる施設等について把握・検討し、火葬又は埋葬を円滑に行うための体制を整備する。【健康福祉局、にぎわいスポーツ文化局、各区】   初動期 (1)事業継続に向けた準備 ・ 「横浜市業務継続計画(新型インフルエンザ等編)」等に基づき、事業継続に向けた準備を行う。【総務局、各局区】 (2)市民、事業者に対する準備の周知 ・ 新型インフルエンザ等に有効と考えられる感染防止策(換気、マスク着用等の咳エチケット、手洗い、人混みを避ける等)について、あらためて市民や事業者へ周知を行う。【医療局、 各局区】 ・ 市民等に対し、食料品や生活必需品等の生活関連物資の購入に当たっての消費者としての適切な行動を呼び掛けるとともに、事業者に対しても、生活関連物資の価格が高騰しないよう、また買占め及び売惜しみを生じさせないよう要請する。【経済局】 ・ 事業者に対して、新型インフルエンザ等の発生状況を踏まえ、職場での感染防止策及び事業の継続又は自粛の準備等を行うよう周知する。【各局区】 ・ 登録事業者に対し、事業継続に向けた準備等を行うよう要請する。【関係局】 (3)法令等の弾力的な運用 ・ 国から示された、市民生活・社会経済活動の安定を確保するための法令の弾力的な運用について、必要に応じて市民や事業者へ周知し、必要な対応策を速やかに検討する。【各局区】 (4)遺体の火葬・安置 ・ 国の要請を受けて、火葬場の火葬能力の限界を超える事態が起こった場合に備え、一時的に遺体を安置できる施設等の確保ができるよう準備を行う。【健康福祉局、にぎわいスポーツ文化局、各区】 ・ 多数遺体発生時には「神奈川県広域火葬計画」に基づく広域火葬が行えるよう、関係機関と調整する。【健康福祉局】 (5)水道水の監視体制の強化 ・ 水道水の安全性確保のため、水道水への塩素注入量、残留塩素量の監視体制を強化する。【水道局】   対応期 (1)事業継続に関する体制の整備 @業務継続計画の実行 ・ 「横浜市業務継続計画(新型インフルエンザ等編)」等に基づき対応する。【総務局、各局区】 A事業者に対する支援 ・ まん延の防止に関する措置等により影響を受けた事業者を支援するため、必要な財政上の措置その他の必要な支援を、公平性にも留意し、効果的に行う。【経済局、関係局】 (2)生活関連物資等の安定供給に関する市民、事業者への呼び掛け @物資等の価格の安定等 ・ 市民等に対し、食料品や生活必需品等の生活関連物資の購入に当たっての消費者としての適切な行動を呼び掛ける。【経済局】 ・ 市民生活・経済の安定のため、物価の安定及び生活関連物資等の適切な供給を図る必要があることから、生活関連物資等の価格高騰や買占め・売惜しみが生じないよう、調査・監視を行うとともに、必要に応じ、関係業界団体等に対して供給の確保や便乗値上げの防止等を要請する。【経済局】 ・ 生活関連物資等の需給・価格動向や実施した措置の内容について、市民への迅速かつ的確な情報共有に努め、必要に応じ、市民からの相談窓口等の充実を図る。【経済局】 ・ 生活関連物資等の価格高騰又は供給不足が生じ、又はそのおそれがあるときは、必要な措置を講ずる。【経済局】 ・ 新型インフルエンザ等緊急事態において、市民生活との関連性が高い若しくは市民経済上重要な物資や役務の価格の高騰又は供給不足が生じ、又はそのおそれがあるときは、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律、国民生活安定緊急措置法、物価統制令その他法令の規定に基づく措置を講ずる。【経済局】 (3)法令等の弾力的な運用 ・ 国から示された市民生活・社会経済活動の安定を確保するための法令等の弾力的な運用等について、必要に応じて市民へ周知する。また、その他新型インフルエンザ等の発生により、法令等への対応が困難となった制度につき、必要な対応策を速やかに検討し、所要の措置を講ずる。【各局区】 (4)市民生活の安定の確保のための対応 @心身への影響に関する施策 ・ まん延の防止に関する措置により生じる心身への影響を考慮し、必要な施策(自殺対策、メンタルヘルス対策、孤独・孤立対策、高齢者のフレイル予防、こどもの発達・発育に関する影響への対応等)を行う。【健康福祉局、こども青少年局、教育委員会事務局、関係局、各区】 A生活支援を要する者への支援 ・ 関係団体等の協力を得ながら、高齢者や障害者等の要配慮者に対し、必要に応じて生活支援(見回り、介護、訪問診療、食事の提供等)、搬送、死亡時の対応などを行う。【健康福祉局、こども青少年局、各区】 B教育及び学びの継続に関する支援 ・ 学校の使用制限やその他長期間の学校の臨時休業の要請等がなされた場合は、必要に応じて、教育及び学びの継続に関する取組等の支援を行う。【教育委員会事務局】 C犯罪の予防・取締り ・ 新型インフルエンザ等発生による混乱に乗じて起こることが予想される各種犯罪を防止するため、広報啓発を図るとともに、適宜神奈川県警察に取締りの徹底を要請する。【市民局】 (5)埋葬・火葬の特例等  初動期の対応を継続するとともに、以下のとおり実施する。【健康福祉局、にぎわいスポーツ文化局、各区】 ・ 国の要請を踏まえ、火葬場に対して、可能な限り、火葬炉を稼働させる。また、死亡者が増加した場合、市内火葬場において緊急時の増枠体制で対応できるよう調整する。 ・ 国の要請を踏まえ、死亡者が増加し、火葬能力の限界を超えることが明らかになった場合、一時的に遺体を安置する施設等を直ちに確保する。 ・ 国が埋火葬の特例を定めた場合、当該特例に基づき埋火葬に係る手続きを行う。 ・ 墓地、火葬場等に関連する情報を広域的かつ速やかに収集し、遺体の搬送の手配等を実施する。 ・ 死亡者が増加し、広域火葬の実施が必要となった場合、「神奈川県広域火葬計画」に基づき、県と協力して、広域火葬参加機関との連絡調整のもと広域火葬を実施する。 (6)水の安定供給 ・ 初動期に引き続き、水道水の安全性確保のため、水道水への塩素注入量、残留塩素量の監視体制を強化する。【水道局】 ・ 新型インフルエンザ等緊急事態において、水を安定的かつ適切に供給するため必要な措置を講ずる。【水道局】 (7)その他、市民生活・経済に及ぼす影響を緩和する支援 ・ 本章の各支援策のほか、まん延の防止に関する措置により生じた市民生活・社会経済活動への影響に対し、国の方針に基づき、必要に応じた支援を行う。なお、支援策の検討に当たっては、生活基盤が脆弱な者等が特に大きな影響を受けることに留意する。【各局区】 【60ページ】 用語集 用語 内容 医療機関等情報支援システム(G-MIS)  G-MIS(Gathering Medical Information Systemの略)は、全国の医療機関等から、医療機関等の稼働状況、病床や医療スタッフの状況、受診者数、検査数、  医療機器(人工呼吸器等)や医療資材(マスクや防護服等)の確保状況等を一元的に把握・支援するシステム。 医療計画  医療法第30条の4第1項の規定に基づき都道府県が定める医療提供体制の確保を図るための計画。なお、本市では、医療計画に準じ、よこはま保健医療プランを策定。 医療措置協定  感染症法第36条の3第1項に規定する都道府県と当該都道府県知事が管轄する区域内にある医療機関との間で締結される協定。 疫学  健康に関連する状態や事象の集団中の分布や決定要因を研究し、かつ、その研究成果を健康問題の予防やコントロールのために適用する学問。 隔離  検疫法第14条第1項第1号及び第15条第1項(これらの規定を同法第34条第1項の規定に基づく政令によって準用し、又は同法第34条の2第3項の規定により実施する場合を  含む。)の規定に基づき、患者を医療機関に収容し、新型インフルエンザ等のまん延を防止するため、ほかからの分離を図ること。 神奈川県感染症対策協議会(県対策協議会)  感染症法第10条の2に規定する都道府県連携協議会のこと。主に神奈川県と保健所設置市の連携強化を目的に、管内の保健所設置市、感染症指定医療機関、  消防機関その他関係機関を構成員として、神奈川県が設置する組織。 患者  新型インフルエンザ等感染症の患者(新型インフルエンザ等感染症の疑似症患者であって当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のあるもの  及び無症状病原体保有者を含む。)、指定感染症の患者又は新感染症の所見がある者。 感染症危機  国民の大部分が現在その免疫を獲得していないこと等から、新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、国民の生命及び健康並びに国民生活及び国民経済に重大な影響が  及ぶ事態。 感染症サーベイランスシステム  感染症法第12条や第14条等の規定に基づき届け出られた情報等を集計・還元するために活用されているシステム。  なお、新型コロナ(COVID-19)対応で活用した健康観察機能も有している。 感染症指定医療機関  市行動計画においては、感染症法第6条第12項に規定する感染症指定医療機関のうち、「特定感染症指定医療機関」、「第一種感染症指定医療機関」  及び「第二種感染症指定医療機関」に限るものを指す。※「第3章8.医療」も参照 感染症対策物資等  感染症法第53条の16第1項に規定する医薬品(薬機法第2条第1項に規定する医薬品)、医療機器(同条第4項に規定する医療機器)、個人防護具(着用することによって  病原体等にばく露することを防止するための個人用の道具)、その他の物資並びにこれらの物資の生産に必要不可欠であると認められる物資及び資材。 帰国者等  帰国者及び入国者。 季節性インフルエンザ  インフルエンザウイルスのうち抗原性が小さく変化しながら毎年国内で冬季を中心に流行を引き起こすA型又はA型のような毎年の抗原変異が起こらないB型により  引き起こされる呼吸器症状を主とした感染症。 基本的対処方針  特措法第18条の規定に基づき、新型インフルエンザ等への基本的な対処の方針を定めたもの。 協定締結医療機関  感染症法第36条の3第1項に規定する医療措置協定を締結する医療機関。「病床確保」、「発熱外来」、「自宅療養者等への医療の提供」、「後方支援」、  「医療人材の派遣」のいずれか1つ以上の医療措置を実施する。※「第3章8.医療」も参照 業務継続計画(BCP)  不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、又は中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画。 緊急事態宣言  特措法第32条第1項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態宣言のこと。新型インフルエンザ等が国内で初生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に  甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態が発生したと認めるときに、同項の規定に基づき、当該事態が発生した旨及び緊急事態措置を実施すべき期間、  区域及びその内容を公示すること。 緊急事態措置  特措法第32条第4号に規定する新型インフルエンザ等緊急事態措置のこと。国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるように  するため、国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が特措法の規定により実施する措置。例えば、生活の維持に必要な場合を除きみだりに居宅等から  外出しないことを要請することや、多数の者が利用する施設の使用の制限又は停止等を要請すること等が含まれる。 緊急物資  特措法第54条に規定する、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な物資及び資材。 ゲノム情報  病原体の保有する全ての遺伝情報を指す。ゲノム情報を解析することで、変異状況の把握等が可能となる。 健康観察  感染症法第44条の3第1項又は第2項の規定に基づき、都道府県知事又は保健所設置市等の長が、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者  又は当該感染症の患者に対し、健康状態について報告を求めること。 健康監視  検疫法第18条第2項(同法第34条第1項の規定に基づく政令によって準用し、又は同法第34条の2第3項の規定により実施する場合を含む。)の規定に基づき、  検疫所長が、又は感染症法第15条の3第1項(感染症法第44条の9第1項の規定に基づく政令によって準用する場合を含む。)の規定に基づき、  都道府県知事又は保健所設置市等の長が、対象者の体温その他の健康状態等について報告を求め、又は質問を行うこと。 検査等措置協定  感染症法第36条の6第1項に規定する新型インフルエンザ等に係る検査を提供する体制の確保や宿泊施設の確保等を迅速かつ適確に講じるため、  病原体等の検査を行っている機関や宿泊施設等と締結する協定。 検査等措置協定締結機関等  感染症法第36条の6に規定する検査等措置協定を締結している、病原体等の検査を行う機関(民間検査機関や医療機関等)や宿泊施設等を指す。 国立健康危機管理研究機構(JIHS)  JIHS(Japan Institute for Health Securityの略)は、国立健康危機管理研究機構法に基づき、内閣感染症危機管理統括庁や厚生労働省に質の高い科学的知見を提供するため、  国立感染症研究所と国立研究開発法人国立国際医療研究センターを統合し、2025年4月に設立された組織。感染症等の情報分析・研究・危機対応、人材育成、国際協力、  医療提供等を一体的・包括的に行う。 個人防護具  マスク、ゴーグル、ガウン、手袋などのように、各種の病原体、化学物質、放射性物質、その他の危険有害要因との接触による障害から個人を守るために作成・考案された防護具。 災害派遣医療チーム(DMAT)  DMAT(Disaster Medical Assistance Teamの略)は、災害発生時や新興感染症等の発生・まん延時に、地域において必要な医療提供体制を支援し、傷病者の生命を守るため、  専門的な研修・訓練を受けた医療チーム。大規模災害や多くの傷病者が発生した事故等の現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持つほか、  新興感染症に係る患者が増加し、通常の都道府県内の医療提供体制の機能維持が困難な場合に、都道府県の要請に基づき、感染症の専門家とともに、入院調整、  集団感染が発生した高齢者施設等の感染制御や業務継続の支援等を行う。 災害派遣精神医療チーム(DPAT)  DPAT (Disaster Psychiatric Assistance Teamの略)は、災害発生時や新興感染症等の発生・まん延時に、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、  各種関係機関等とのマネジメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援を行う、専門的な研修・訓練を受けた災害派遣精神医療チーム。  感染症に係る患者が増加し、通常の都道府県内の精神保健医療提供体制の機能維持が困難な場合に、都道府県の要請に基づき、感染症の専門家とともに、  精神疾患を有する患者の入院調整、集団感染が発生した精神科医療機関等の感染制御や業務継続の支援等を行う。 実地疫学専門家養成コース(FETP)  FETP (Field Epidemiology Training Programの略)は、感染症危機管理事例を迅速に探知して適切な対応を実施するための中核となる実地疫学者を養成し、  その全国規模ネットワークを確立することを目的として、JIHSが実施している実務研修。 指定行政機関  災害対策基本法第2条第3号に基づき、国の行政機関のうち、防災行政上重要な役割を有するものとして内閣総理大臣が指定している機関。 指定(地方)公共機関  特措法第2条第7号に規定する指定公共機関及び同条第8号に規定する指定地方公共機関。  電気、ガス、鉄道等の社会インフラや医療、金融、通信等に関連する事業者が指定されている。 重点感染症  公衆衛生危機管理において、救命、流行の抑制、社会活動の維持等、危機への医療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品等(MCM)の利用可能性を確保することが  必要な感染症で、厚生労働省において指定されたものを指す。 住民接種  特措法第27条の2の規定に基づき、新型インフルエンザ等が国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与え、国民生活及び国民経済の安定が損なわれることのないようにするため  緊急の必要があると認めるときに、対象者及び期間を定め、予防接種法第6条第3項の規定に基づき実施する予防接種のこと。 宿泊施設での待機要請  検疫所長が、  ・検疫法第14条第1項第3号及び第16条の2第1項(これらの規定を同法第34条第1項の規定に基づく政令によって準用する場合を含む。)の規定に基づき、患者に対し、   新型インフルエンザ等の病原体を保有していないことが確認されるまでの間、  又は  ・検疫法第14条第1項第3号及び第16条の2第2項(これらの規定を同法第34条第1項の規定に基づく政令によって準用する場合を含む。)の規定に基づき、   感染したおそれのある者に対し、一定期間(当該感染症の潜伏期間を考慮して定める期間)、宿泊施設から外出しないことを求めること。 新型インフルエンザ等  感染症法第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症、同条第8項に規定する指定感染症(感染症法第14条の報告に係るものに限る。)  及び感染症法第6条第9項に規定する新感染症(全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。)をいう。  市行動計画においては、新型インフルエンザ等に位置付けられる可能性がある感染症について、その発生の情報を探知した段階より、本用語を用いる。 新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表  感染症法第44条の2第1項、第44条の7第1項又は第44条の10第1項の規定に基づき、厚生労働大臣が感染症法第16条第1項に定める情報等を公表すること。 新型インフルエンザ等緊急事態  特措法第32条に規定する新型インフルエンザ等が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、  又は及ぼすおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態。 新興感染症  かつて知られていなかった、新しく認識された感染症で、局地的あるいは国際的に、公衆衛生上問題となる感染症。 迅速検査キット  簡便に実施し速やかに結果を判断可能な検査キット。一般に抗原定性検査が用いられており、PCR検査や抗原定量検査に比べると、簡易かつ迅速に結果を得ることが可能である。 積極的疫学調査  感染症法第15条の規定に基づき、患者、疑似症患者、無症状病原体保有者等に対し、感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするために行う調査。 全数把握  感染症法第12条の規定に基づき、全ての医師が届出を行う必要のある感染症(全数把握)について患者の発生の届出を行うもの。 相談センター  新型インフルエンザ等の発生国・地域からの帰国者等又は患者への濃厚接触者であって、発熱・呼吸器症状等がある方からの相談に応じるための電話窓口。  ※「第3章8.医療」も参照 双方向のコミュニケーション  地方公共団体、医療機関、事業者等を含む市民等が適切に判断・行動することができるよう、市による一方向の情報提供だけでなく、  多様な手段を活用して情報の受取手の反応や関心を把握・共有して行うコミュニケーション。 (地方)衛生研究所等  地域保健法第26 条に規定する調査・研究、試験・検査、情報収集・分析・提供、研修・指導等の業務を行う都道府県等の機関をいう。 停留  検疫法第14条第1項第2号及び第16条第2項(これらの規定を同法第34条第1項の規定に基づく政令によって準用し、又は同法第34条の2第3項の規定により実施する場合を  含む。)の規定に基づき、検疫所長が、感染したおそれのある者について、一定期間(当該感染症ごとにそれぞれの潜伏期間を考慮して政令で定める期間)、医療機関、  宿泊施設や船舶内に収容すること。 統括庁  内閣感染症危機管理統括庁。感染症危機に係る有事においては、政府対策本部の下で各省庁等の対応を強力に統括しつつ、JIHSから提供される科学的知見を活用しながら、  感染症危機の対応に係る政府全体の方針を策定し、各省庁の総合調整を実施する。 登録事業者  特措法第28条に規定する医療の提供の業務又は国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を行う事業者であって厚生労働大臣の定めるところにより厚生労働大臣の登録を  受けているもの。 特定新型インフルエンザ等対策  特措法第2条第2の2号に規定する特定新型インフルエンザ等対策のこと。地方公共団体が特措法及び感染症法の規定により実施する措置であって、  新型インフルエンザ等のまん延を防止するため特に必要があるものとして新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令第1条に規定するもの。 特定接種  特措法第28条の規定に基づき、医療の提供並びに国民生活及び国民経済の安定を確保するため、国が緊急の必要があると認めるときに、臨時に行われる予防接種のこと。 特定物資  生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律第2条第1項の規定により、価格の異常な上昇や買占め又は売惜しみが行われる(あるいは、  そのおそれがある)場合に政令で特別の調査を要する物資として指定されるもの。 濃厚接触者  感染した人と近距離で接触したり、長時間接触したりして新型インフルエンザ等にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者。 パルスオキシメーター  皮膚を通した光の吸収値で酸素飽和度を測定する医療機器。 パンデミックワクチン  流行した新型インフルエンザ等による発症・重症化を予防するために開発・製造されるワクチン。 フレイル  身体性脆弱性のみならず精神・心理的脆弱性や社会的脆弱性等の多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。 プレパンデミックワクチン  将来パンデミックを生じるおそれが高くあらかじめワクチンを備蓄しておくことが望まれるウイルス株を用いて開発・製造するワクチン。  新型インフルエンザのプレパンデミックワクチンについては、新型インフルエンザが発生する前の段階で、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が高い  鳥インフルエンザウイルスをもとに製造されるワクチン。 まん延防止等重点措置  特措法第2条第3号に規定する新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置のこと。第31条の8第1項の規定に基づき、新型インフルエンザ等が国内で発生し、  特定の区域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある当該区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため、まん延防止等重点措置を  集中的に実施する必要があるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるとき、国が公示した期間において、当該区域を管轄する都道府県が講じる措置。  例えば、措置を講じる必要があると認める業態に属する事業を行う者に対し、営業時間の変更等を要請すること等が含まれる。 無症状病原体保有者  感染症法第6条第11項に規定する感染症の病原体を保有している者であって当該感染症の症状を呈していないものをいう。 薬事承認  薬機法第14条等の規定に基づき、医薬品等について厚生労働大臣が品目ごとにその製造販売について与える承認。 有事  新型インフルエンザ等に位置付けられる可能性のある感染症の発生の情報を探知した段階から特措法第21条に規定する政府対策本部の廃止までをいう。 予防計画  感染症法第10条に規定する都道府県及び保健所設置市等が定める感染症の予防のための施策の実施に関する計画。 リスクコミュニケーション  個人、機関、集団間での情報や意見のやりとりを通じて、リスク情報とその見方の共有を目指す活動であり、  適切なリスク対応(必要な情報に基づく意思決定・行動変容・信頼構築等)のため、多様な関与者の相互作用等を重視した概念。 流行初期医療確保措置  感染症法第36条の9第1項に規定する、都道府県が病床確保により患者等を入院させ必要な医療を提供する医療機関又は発熱外来において患者等の診療を行う医療機関に対し、  流行初期における医療の確保に要する費用を支給する措置。 臨床像  潜伏期間、感染経路、感染性のある期間、症状、合併症等の総称。 ワンヘルス・アプローチ  人間及び動物の健康並びに環境に関する分野横断的な課題に対し、関係者が連携してその解決に向けて取り組むこと。 EBPM  エビデンスに基づく政策立案(Evidence-Based Policy Makingの略)。@政策目的を明確化させ、Aその目的達成のため本当に効果が上がる政策手段は何か等、  政策手段と目的の論理的なつながり(ロジック)を明確にし、Bこのつながりの裏付けとなるようなデータ等のエビデンス(根拠)を可能な限り求め、  「政策の基本的な枠組み」を明確にする取組。 ICT  Information and Communication Technologyの略。  情報(information)や通信(communication)に関する技術の総称。利用者の接点となる機器・端末、電気通信事業者や放送事業者等が提供するネットワーク、  クラウド・データセンター、動画・音楽配信等のコンテンツ・サービス、さらにセキュリティやAI等が含まれる。 IHEAT要員  地域保健法第21条に規定する業務支援員。  ※「IHEAT(アイヒート)」はInfectious disease Health Emergency Assistance Teamの略。  感染症のまん延時等に地域の保健師等の専門職が保健所等の業務を支援する仕組みのこと。 【裏表紙】 横浜市医療局健康安全課 令和 年 月改定 〒231-0005 横浜市中区本町6丁目50番地の10 TEL 045-671-2445 FAX 045-664-7296 E-mail ir-influ@city.yokohama.lg.jp