第5章、計画の推進体制 1、関係主体に期待される役割 本計画を推進するためには、身近な支援者、民間支援団体等、医療機関、行政などの多くの関係主体がそれぞれの役割を果たしながら、連携し、一体となって取り組むことが必要です。 また、個々の団体・機関等ごとに一次支援・二次支援・三次支援の各フェーズにおいて取り組めることがあり、それぞれの専門性を発揮して支援を行うとともに、自団体・機関が専門とする支援領域以外でも可能な支援・活動のあり方を模索していくことが重要になります。 カッコ、1、行政(依存症関連施策の実施者として) ア、こころの健康相談センター(依存症相談拠点)、健康福祉局精神保健福祉課 こころの健康相談センター(依存症相談拠点)や健康福祉局精神保健福祉課においては、専門的な医療機関や民間支援団体等と緊密な連携を図りながら、依存症に関する普及啓発、依存症の本人や家族等を対象とする相談対応や回復支援、依存症の本人や家族等と民間支援団体等がつながるためのサポート、民間支援団体等の職員や身近な支援者を対象とする人材育成、関係機関同士の連携促進、民間支援団体等の運営支援、事業者に対する協力の要請など、依存症の問題解決に向けた幅広い施策を立案し、実行する役割を担います。 イ、 区役所、 精神保健福祉相談 区役所の精神保健福祉相談において、依存症の本人やその家族等からの相談に対して、区役所の関係各課(高齢・障害支援課、生活支援課、こども家庭支援課、福祉保健課等)や身近な支援者と連携して、回復に向けた支援、適切に専門的な医療機関や民間支援団体等へのつなぎを行うことがもとめられます。 また、区内における依存症に関する普及啓発を実施するとともに、民間支援団体等と連携して施策を実施する役割を担います。 ウ、依存症に関連した施策を実施する部署 ほんしの依存症に関連した施策を実施する各部署においては、担当する領域において依存症の予防等に向けた関連施策を展開することが求められます。 また、依存症への対応は、福祉・医療・法律・教育などの幅広い領域における連携が重要であることから、庁内外の関係機関・団体と連携を図り、施策を展開していく役割をにないます。 カッコ2、 身近な支援者 ア、 身近な支援者としての行政 身近な支援者としての行政については、依存症に関する情報収集・理解促進によって啓発の担い手になるとともに、所管する業務に関連して依存症の本人とうが相談に訪れた際には、依存症の問題に気付き、適切に専門的な支援者へのつなぎを行うことが期待されます。このため、依存症への理解を深め、対応することが求められます。 また、ほんし連携会議等により依存症の回復支援を行う専門的な支援者と連携を図りながら、各種福祉サービスの利用に向けた調整、生活困窮やDVからの保護など、本人が社会生活を送る上で必要な支援を提供する役割を担います。 イ、 福祉 福祉団体・機関、福祉事業所などについては、依存症に関する情報収集・理解促進により、啓発の担い手となるとともに、実施する福祉サービスに関連して対象者の依存症の問題に対して気付き、適切に専門的な支援者へのつなぎを行うことが求められます。 また、ほんし連携会議等により依存症の回復支援を行う専門的な支援者と連携しながら、相談支援や福祉サービスの提供などを通じ、依存症の本人が社会生活を送る上で必要な支援を提供する役割を担うことが期待されます。 ウ、 医療(一般医療機関) 一般医療機関については、依存症に関する情報収集・理解促進により、依存症の本人等が診療・相談に訪れた際には、依存症の問題に対して気付き、適切に専門的な支援者へのつなぎを行うことが求められます。 また、依存症の回復支援を行う専門的な支援者と連携しながら、本人の障害や疾患などの治療を行う役割を担うことが期待されます。 エ、 法律 法律関係の団体・機関については、依存症に関する情報収集・理解促進により、啓発の担い手となるとともに、依存症の本人とうが相談に訪れた際には、依存症の問題に対して気付き、適切に専門的な支援者へのつなぎを行うことが求められます。 また、依存症の回復支援を行う専門的な支援者と連携しながら、法律相談や多重債務問題への対応、再犯防止支援など、法律の観点から本人が社会生活を送る上で必要な支援を提供する役割を担うことが期待されます。 オ、 教育 教育機関においては、教職員等が依存症について学ぶとともに、学びを踏まえて児童・生徒・学生に対して依存症の予防教育を実施することが求められます。 また、児童・生徒・学生やその保護者等に依存症の問題が見られた場合には、教員が異変に気付き、適切な相談支援機関へ情報共有などを行う役割が期待されます。 カッコ、3、専門的な医療機関 専門的な医療機関においては、身近な支援者や民間支援団体等と連携しながら、依存症の本人に対する治療に取り組むほか、民間支援団体等や身近な支援者、一般医療機関、市民などを対象とした、依存症の問題に関する普及啓発や支援者のスキル向上などにも積極的に関与していく役割が期待されます。 カッコ、4、民間支援団体等(回復支援施設、自助グループ・家族会) ア、回復支援施設 回復支援施設においては、依存症の本人や家族等に対し、専門性と各団体の特性を生かしながら、「その人に合った回復支援」を提供していくことが求められます。 また、市民や身近な支援者、一般医療機関等を対象として依存症に関する理解促進に向けた啓発活動を行うことや、ほんし連携会議等を通じて、他の民間支援団体等及び行政や身近な支援者との連携を通じた情報共有を行うことも重要な役割になります。 イ、自助グループ・家族会 自助グループ・家族会においては、同じ問題や悩みなどを抱えた人たち同士が出会い、相互に援助し、分かち合うことで、それらの問題からの回復を目指します。 また、市民等に向けた啓発活動を行うことや、ほんし連携会議等により他の民間支援団体等及び行政や身近な支援者との連携を通じた情報共有を行う役割も期待されます。 図表ごのいち:依存症の本人等の支援者と期待される役割 (図表ここから) 期待される役割のうち主要なものに二重丸、それ以外に一定の役割を担うことが期待されるものに丸を記載しています。 支援者として期待される役割として、一次支援では、依存症の情報収集、支援施策の企画・立案、依存症啓発の担い手が該当します。 支援者として期待される役割として、二次支援では、依存症の情報収集、支援施策の企画・立案、依存症啓発の担い手、依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、依存症周辺問題への支援が該当します。 支援者として期待される役割として、三次支援では、依存症の情報収集、支援施策の企画・立案、依存症周辺問題への支援、治療・回復支援が該当します。 主体、行政(依存症関連施策の実施者として) こころの健康相談センター(依存症相談拠点)、精神保健福祉課 役割 依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、二重丸 依存症啓発の担い手、二重丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、二重丸 依存症周辺問題への支援、丸 治療・回復支援、丸 主体、行政(依存症関連施策の実施者として) 区役所 精神保健福祉相談 役割、依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、丸 依存症啓発の担い手、二重丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、二重丸 依存症周辺問題への支援、丸 治療・回復支援、丸 主体、行政(依存症関連施策の実施者として)  依存症に関連した施策を実施する部署、役割 依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、丸 依存症啓発の担い手、丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、該当なし 依存症周辺問題への支援、丸 治療・回復支援、該当なし 主体、身近な支援者 身近な支援者としての行政(高齢・障害支援課、生活支援課、こども家庭支援課、福祉保健課など) 役割、依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、該当なし 依存症啓発の担い手、丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、二重丸 依存症周辺問題への支援、二重丸 治療・回復支援、丸 主体 身近な支援者、福祉 役割、 依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、該当なし 依存症啓発の担い手、丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、二重丸 依存症周辺問題への支援、二重丸 治療・回復支援、丸 主体 身近な支援者、医療(一般医療機関) 役割 依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、該当なし 依存症啓発の担い手、該当なし 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、二重丸 依存症周辺問題への支援、二重丸 治療・回復支援、丸 主体 身近な支援者、法律 役割 依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、該当なし 依存症啓発の担い手、丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、二重丸 依存症周辺問題への支援、二重丸 治療・回復支援、丸 主体 身近な支援者、教育 役割 依存症の情報収集、二重丸 支援施策の企画・立案、丸 依存症啓発の担い手、二重丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、丸 依存症周辺問題への支援、二重丸 治療・回復支援、丸 主体 専門的な医療機関 役割、 依存症の情報収集、丸 支援施策の企画・立案、該当なし 依存症啓発の担い手、二重丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、丸 依存症周辺問題への支援、丸 治療・回復支援、二重丸 主体、民間支援団体等 回復支援施設 役割 依存症の情報収集、丸 支援施策の企画・立案、該当なし 依存症啓発の担い手、二重丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、丸 依存症周辺問題への支援、丸 治療・回復支援、二重丸 主体、民間支援団体等 自助グループ・家族会 依存症の情報収集、丸 支援施策の企画・立案、該当なし 依存症啓発の担い手、二重丸 依存症の問題への気付き・治療・回復支援等の専門的な支援へのつなぎ、該当なし 依存症周辺問題への支援、丸 治療・回復支援、二重丸 (図表ここまで) 2、計画の進行管理 カッコ、1、PDCAサイクルの考え方に基づく進行管理 本計画では、計画に位置付けられている各施策の効果を検証し、定期的な見直しにつなげていくため、PDCAサイクルの手法を活用し、計画全体の進行管理を行います。 計画期間中の年度ごとに、個々の施策の進捗状況を把握・確認するとともに、検討部会に報告し、そこでの議論を通じて事業の達成状況や計画の進捗状況などの点検や評価を行います。 また、点検や評価の結果を踏まえ、計画期間中であっても必要に応じて事業の見直しや改善、新規事業の追加などを実施していきます。 図表ごのに:PDCAサイクルに基づく進行管理 (図表ここから) 、PLAN(計画の策定) ○目標の設定、○目標の実現のための計画の設定 、DO(計画の実行) ○計画に基づき各施策の事業を推進 、CHECK(点検・評価) ○事業の実施状況を点検・評価 、ACTION(見直し・改善) ○計画の点検・評価を踏まえ、計画の見直しや改善を実施 プランに戻る のサイクルを繰り返すことが示されています。 (図表ここまで) カッコ、2、施策の効果の点検・評価 施策の効果の点検・評価に当たっては、取組内容ごとに実績等の振り返りを定期的に行います。 カッコ、3、継続的な現状把握 依存症の本人を取り巻く環境や本人が置かれた状況は、目まぐるしく変化することが予想されます。また、それに伴い、国や県における政策なども見直しが行われるものと考えられます。 ほんしにおいては、国や県における最新の政策動向や研究動向を常に把握するとともに、依存症の問題に関する調査研究を継続的に行い、必要に応じて計画内容の見直し等に活用していきます。 資料編 1 計画の検討過程 本計画の策定に当たって、以下のとおり検討部会を開催しました。 図表1:検討部会の開催状況 (図表ここから) 日程:令和7年6月18日(水) 議題: 第2期横浜市依存症対策地域支援計画(案)について 日程:令和7年8月22日(金) 議題:第2期横浜市依存症対策地域支援計画素案について 日程:令和8年1月23日(金) 議題:第2期横浜市依存症対策地域支援計画原案について (図表ここまで) 2 検討部会の構成員名簿 本計画の策定に当たって、設置した依存症対策検討部会の構成員は以下のとおりです。 図表2:検討部会の委員一覧(令和8年3月時点) (図表ここから) 審議会委員(依存症対策検討部会部会長)いとう ひでゆき 役職:田園調布学園大学 人間科学部心理学科 教授 審議会委員(依存症対策検討部会副部会長)はせがわ よしお 役職:神奈川県精神科病院協会 監事/ひなただい病院 院長 審議会委員、あまがい とおる 役職:横浜市医師会常任理事(あまがいメンタルクリニック院長) 審議会委員、いいじま ともこ 役職:神奈川県弁護士会/横浜あかり法律事務所 審議会委員、さえき たかし 役職:医療法人 誠心会 理事長/神奈川病院 臨時委員、うえはら のりあき 役職:神奈川県司法書士会 臨時委員、おおいし まさゆき 役職:医療法人社団 祐和会/大石クリニック 院長 臨時委員、おかだ みつお 役職:NPO法人 横浜ひまわり家族会 理事長 臨時委員、くぼい なおみ 役職:NPO法人RDP、RDP横浜マネージャー 臨時委員、くりす じろう 役職:一般社団法人HOPE 代表理事 臨時委員、こばやし おうじ 役職:地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立精神医療センター所長 臨時委員、あかつか ひでのり 役職:神奈川県精神神経科診療所協会 会長(公益財団法人柿葉会神奈川診療所 所長) 臨時委員、さとう しのぶ 役職:NFCRノンファミリー カウンセリングルーム 臨時委員、すだ あきら 役職:横浜市立大学附属市民総合医療センター 精神医療センター部長 臨時委員、なかむら つとむ 役職:NPO法人 ワンデーポート 理事・施設長 臨時委員、ひえだ りか 役職:東京通信大学人間福祉学部教授 臨時委員、ひぐち あつこ 役職:横浜断酒新生会 臨時委員、まつざき たかのぶ 役職:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター精神科 診療部長 (図表ここまで) 3 各種実態把握調査の実施概要 かっこ1:依存症に関する市民意識調査 ア:調査の目的 市民の依存症に関する考えや意識を明らかにすることで、「横浜市依存症対策地域支援計画(令和3年度から令和7年度)」の実施状況を評価し、また今後の依存症対策施策の立案及び第2期横浜市依存症対策支援計画策定のための基礎資料として活用することを目的とする。 イ:調査対象数 横浜市に居住する満16歳以上の男女5000人(住民基本台帳から無作為抽出) ウ:調査期間 令和6年9月7日から令和6年10月6日 エ:回収状況 センハッピャクサンジュッケン (インターネット回答702件、郵送回答1128件) (回収率36.6%) オ:主な調査項目 依存症に対する知識や考え、意識について 自身の依存症の問題について 家族の依存症の問題について 横浜市の依存症対策について かっこ2:依存症の疑いがある方の受診状況等に関するアンケート調査 ア:調査の目的 第2期計画への改定を行うに当たり、市内の医療機関における依存症の対応状況が、第1期計画時点からどのように変化しているのか、依存症対応においてどのようなことが問題になっているのか等について明らかにし、依存症対策に資する施策を検討するための基礎資料とすることを目的とする。 イ:調査対象数 依存症治療を専門としていない病院・診療所を対象とし、下記の2調査を計3000件配布。 精神科・心療内科向け調査:362件(精神科・心療内科を標ぼうする病院・診療所全数) その他診療科目向け調査:2638件(精神科・心療内科以外を標ぼうする病院・診療所から、一定の条件に基づき無作為抽出) ウ:調査期間 令和7年7月18日から令和7年8月8日 エ:回収状況(不着等は分母から除く) 精神科・心療内科向け調査:150件(回収率:41.6%) その他診療科目向け調査:986件(回収率:37.4%) オ:主な調査項目 所在地 標ぼうしている診療科目 依存症が疑われる患者の来院・入院頻度 疑われる依存症の種類 依存症が疑われる患者の増減状況 依存症が疑われる患者に実施している、または今後実施したい対応 依存症が疑われる患者への対応においてつなぎ・紹介を行った、または行いたい機関・団体 依存症が疑われる患者への対応に関する課題 依存症が疑われる患者への対応においてふそくしている情報 依存症が疑われる患者への対応を進める上で、行政に期待すること かっこ3:市内民間支援団体等における依存症支援の実態に関するヒアリング ア:調査の目的 横浜市における依存症対策の課題や必要な施策等を把握することを目的とする。 様々な観点から課題や必要な施策を把握するため、家族会や回復支援施設、自助グループ、依存症と関連性の深い業界の企業や団体に対してヒアリングを実施した。 イ:調査対象数 14か所 ウ:調査期間 令和7年7月から令和7年12月 エ:主な調査項目 依存症の人や依存症の疑いのある人の近年の動向 支援の実施状況と課題(連携状況等を含む) 一般市民向けの普及啓発活動の状況と課題等 オ:民間支援団体等へのヒアリング調査結果要旨 @一般市民への普及啓発のポイント 依存症に関する正しい知識の普及啓発が求められており、主に下記のような点について普及啓発を進める必要があるとの意見が聞かれました。特に、普及啓発に当たっては、若年層の予防教育が極めて重要であるとの意見が複数聞かれました。 よくある誤解 「意思が弱い」、「ダメな人間」、「自分の責任」、「自己中心的」、「厄介で迷惑」、「依存対象そのものが悪い」など 知ってほしい正しい知識 「脳の病気であること、または病気であるということ」、「誰でもなり得る・誰にでも起こり得るということ」、「気持ちの問題だけでやめられるものではないということ」、「回復できるということ」、「回復の場が多く存在していること」など 家族等の理解不足により、本人の回復が妨げられたり共依存に陥ったりすることがあるため、家族等の依存症理解を促進する重要性も聞かれました。また、家庭環境が本人の依存症の背景にあり、家族等が自分自身を見直さないといけない場合もあること、保護者も苦しんでいる場合も多く支援が必要なこと、親が救われればおのずと本人も救われる可能性が出てくることなど、家族等を支援することの重要性も指摘されていました。 そして、女性の場合は、幼少期の逆境体験があり自己治療として依存症になっていることが多いことから、依存症を悪として捉えるのではなく、施設や病院に行くよう女性に伝えていく必要があるとの意見も聞かれました。 A身近な支援者の育成のポイント 本人や家族等を支援につなげていくために、行政等の相談機関の担当者の理解促進が重要であることはもちろんのこと、そのうえで、以下のような観点について支援者間で共通認識を持つことが求められていました。 利用者優先や自立を支援するという支援方針を理解して実践すること 再発・再使用した場合であっても、利用可能なサービスを検討すること 具体的な相談先の情報を伝えること B専門的な支援者の育成のポイント 依存症の専門機関においても、支援者の一層の育成が求められていました。特に、下記の点について留意することが求められていました。 民間支援団体等につなぐ際の、専門的な支援者の説明の仕方が本人の動機づけに影響を与えるということ 身近な支援者(例:保健師等)の啓発をすることで、相談された場合に対応できる可能性が拡大すること 中断リスクや利用者の動機づけの難しさはあるものの、中断後も相談があれば再度受け入れることが本人の成長につながる、という認識を支援者が共有すること C多機関連携のポイント 近年、統合失調症や躁鬱病、摂食障害などの精神障害とのちょうふく障害の人、知的障害や発達障害のある人、幼少期に虐待やネグレクト、いじめなどつらい経験をした人、愛着形成に課題がある人や他人への基本的な信頼を持てない人、家庭環境の困難を抱える人など、様々な背景課題が複雑に絡み合っているケースが増加しています。そのため、下記の観点から連携を促進するための施策を検討することが求められています。 施設間の連携について 障害福祉サービス事業所等との連携の必要性 行政が施設の間に入ってネットワーク強化を促進する必要性 医療機関との連携について 知的障害、精神障害、発達障害で対応が難しい場合における医療機関との連携の必要性 発達障害やパーソナリティ障害等の精神障害がちょうふくしている場合も対応が可能であることを医療機関等に周知する必要性 その他の連携について こどもがいる女性の場合は、回復プロセスにある間、こどもや家族等の支援も連携して実施する必要性 家族等自身が見直さないといけない点も見えてきた場合に家族会へつなぐことの必要性 カ:関連業界団体・企業へのヒアリング調査結果要旨 @各関連業界団体・企業における依存症等関連問題への取組 今回ヒアリング調査の対象とした各団体等においては、いずれも依存症等関連問題に対する何らかの取組を実施していました。 特に、一次支援に位置付けられる普及啓発活動については多くの団体が実施しており、国や自治体といった行政と連携している場合のほか、業界内の他団体や地域の団体と連携している場合も見られました。 中でも、こども・若者向けの普及啓発活動については、小中高等学校への出前講座や、大学や大学のサークル・ゼミから依頼を受けてのセミナーの開催、保護者も含めた家族を対象としたイベントなど、各団体・企業の独自のリーフレットやコンテンツ等を活用しながら実施されていました。 A行政との連携状況や連携可能性 ほんしとの連携については、各団体が作成しているリーフレットやWebサイト等の普及啓発資材の活用や紹介、各団体が独自に開設している依存症相談窓口の周知、ほんしが実施する普及啓発イベントやセミナー等の場への専門家派遣や講演の依頼、ほんしが主催する会議体への参画などが挙げられていました。 かっこ4:こども・若者へのヒアリング ア:調査の目的 本計画の策定に当たり、こども・若者の意見を把握するためにヒアリング調査を実施した。 イ:調査対象 山元小学校、平楽中学校、みなと総合高校ほか ウ:調査期間 令和7年11月〜令和7年12月 エ:主な調査項目 依存症に関する知識や認知度 こども・若者の相談相手 こども・若者への普及啓発のポイント オ こども・若者へのヒアリング調査結果要旨 @依存症に関する知識や認知度 依存症については、中学校及び高等学校において保健の授業で扱われており、中学生・高校生・大学生は一定の知識を有していました。例えば、依存症に対するイメージとして、「抜け出したくても抜け出せない」、「誰でもなり得るもの」、「あらゆるものが依存対象になる」、「多くの人が、自分なら大丈夫・たとえ手を出しても自分ならすぐにやめられる、と思っている」、「頑張り過ぎる人や抱え込んでしまう人、人に頼りたくても頼れない人、息抜きの方法や愚痴をこぼす場所がない人等が依存症になりやすい」、「一度依存症になると抜け出しにくく、回復はするが完治はしない」等といった意見が挙がりました。 また、小学校においても、授業でスマホ依存等について扱われており、小学生自身も薬物、たばこ、ギャンブル、ゲームなどの依存対象の種類のほか、「やめたくてもやめられない」といった依存症特有の症状について一定の知識を有していました。 Aこども・若者の相談相手 自身が依存症になった場合の相談相手として、まずは「親」又は「親しい友達」が挙げられていました。教員やスクールカウンセラーに対しては距離を感じていたり、自身の悩みが相談をするほどのことなのか自信が持てないことから、相談がしにくいとの意見が聞かれました。 一方で自身が相談を受けた場合、「ちゃんと話を聞くこと」や「(依存対象以外のことに)気を紛らわせること」が大切との意見が聞かれるとともに、通常の相談とは異なる難しい相談になるため、専門的な支援ができる人につなげる必要があるとの意見が挙がりました。しかしながら、大学生においても、必ずしも専門的な相談機関を知っているわけではなく、周知の必要性があることが分かりました。 相談方法として、こども・若者は、電話番号を打って知らない人に電話をすることに強い抵抗があるとの意見が挙がっていました。電話での相談は一般的ではなく、むしろメールやSNSでの相談の方がハードルが低いこと、また、たとえ電話であってもSNSアプリの電話を用いる方が良いなどの意見が聞かれました。 Bこども・若者への普及啓発のポイント 普及啓発のツールとして、動画、特にショート動画が望ましいとの意見が多数聞かれました。ただし、ショート動画を利用する場合であっても、冒頭にインパクトのあるコンテンツを配置することが重要との意見が多く聞かれました。例えば、有名な俳優やこども・若者の間で知名度の高いインフルエンサーを起用したり、流行のアニメとコラボレーションをするほか、依存症者の人数や相談者数が増加しているデータを提示する、などのアイディアが挙がっていました。 また、動画サイトにおける広告は基本的にスキップするものであり、冒頭によほど強いインパクトがあったり、有名な俳優等を起用したりするか、あるいはスキップできない設定としない限り、見ることはないとの意見が多数を占めました。 4 連携会議の実施状況(令和8年1月1日時点) かっこ1:参加機関数 50機関 かっこ2:令和7年度開催実績 図表3:連携会議の令和7年度開催状況 (図表ここから) 日程:令和7年7月18日(金) 議題: 『依存の問題を抱える若年層への支援等について考える』 2グループ(行動依存・物質依存)に分かれて現状の共有と課題の検討 全体での共有と意見交換 日程:令和8年1月13日(火) 議題: 『依存症の支援にかかる関係機関等の連携について』 2グループ(行動依存・物質依存)に分かれて現状の共有と課題の検討 全体での共有と意見交換 (図表ここまで) 5 パブリックコメントの実施状況 かっこ1:実施概要 令和7年10月14日〜令和7年11月13日 注釈 電子申請回答フォーム、電子メール、郵送、ファックスにてご意見を募集 かっこ2:意見総数及び意見提出方法 意見総数208件 提出方法と意見数は以下のとおりです。  電子申請:194件、電子メール:3件、郵送:11件、ファックス:0件、合計:208件 かっこ3:計画素案項目別意見数 項目と意見数は以下のとおりです。 素案全体:92件、 第1章 計画の概要:18件 第2章 ほんしにおける依存症に関連する状況と課題:22件 第3章 計画の目指すもの:12件 第4章 取り組むべき施策:57件 第5章 計画の推進体制:3件 その他:4件 合計:208件 かっこ4:提出されたご意見への対応の考え方 対応状況と意見数は以下のとおりです。 意見を踏まえ原案に反映するもの:28件 意見の趣旨が素案に含まれているもの、又は素案に賛同いただいたもの:76件 今後の検討の参考とさせていただくもの:60件 その他(質問・感想等):44件 合計:208件 かっこ5:その他 いただいたご意見を章別に見ると、第4章の取り組むべき施策に関連するものが最も多く寄せられました。ご意見の内容としては、オンラインギャンブルやこども・若者への依存症の広がりに関するご意見が多数寄せられ、関心の高さがうかがえました。本計画の策定により、予防の取組を進めるとともに、依存症に悩むご本人やご家族等への支援などの依存症対策の充実を進めていきます。 6 用語解説 あ行 用語:依存症相談拠点 意味:依存症に関する相談・治療・支援の体制強化のため、都道府県及び指定都市が「依存症対策地域支援事業」において設置している、依存症相談員を配置した専門機関のこと。 か行 ようご:かぞくきょうしつ 意味:依存症の問題で悩む家族を対象に、正しい知識や対応方法を学ぶ場を提供する教室。精神保健福祉センターや自助グループ等が実施している。 用語:基幹相談支援センター 意味:障害児・シャやその家族などのための総合相談支援機関として18区に1か所ずつ設置されている。区福祉保健センターや精神障害者生活支援センター等と連携し、障害児・シャやその家族などからの相談に応じるとともに、地域や関係機関等とも連携し、地域づくりに取り組んでいる。 ようご:こうせいほご 意味:犯罪をした者などに対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、またはその非行をなくし、これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けること。 用語:更生保護施設 意味:矯正施設から釈放された人や保護観察中のひとで、身寄りがないことや、現在住んでいるところでは更生が妨げられるおそれがあるなどの理由で、直ちに自立更生することが困難な人たちに対して、一定期間、宿泊場所や食事を提供するとともに、保護している期間、生活指導・職業補導などを行い、自立を援助する施設のこと。  用語:コホート調査 意味:特定の習慣や生活環境の影響を受けた集団(コホート)を追跡したり、影響を受けていない集団と比較したりすることにより、疾病の要因等を明らかにしようとする、疫学における調査研究手法のこと。 さ行 用語:産業保健総合支援センター 意味:企業などが「健康で安心して働ける職場づくり」を行う活動(産業保健)を支援する機関。企業などの産業保健スタッフ(産業医、保健師、衛生管理者、事業主、人事労務担当者等)を対象に産業保健に関する研修や相談などを行っている。 用語:社会資源 意味:社会福祉におけるニーズを満たすために用いられる各種の知識や技術等の資源(制度、専門機関、人材等)のこと。 用語:住宅確保要配慮者 意味:低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭、外国人、児童養護施設などを退所した人、その他住宅の確保に特に配慮を要する者のこと。 用語:ちょうふく受診・ちょうふく処方 意味:同じ病気で複数の医療機関を受診すること。また、ちょうふく受診に伴い、同じ病気に対してちょうふくする投薬が行われることをちょうふく処方という。 用語:場外券売り場 意味:競馬や競輪などの公営競技の投票券を、開催される競技場外で購入できる施設のこと。 用語:障害者就労支援センター 意味:障害者の就労に向けた支援、就労後の職場定着支援、事業主に対する障害者の雇用に関する相談など、障害者の就労に関する業務を行っている専門機関のこと。 用語:しょうがいしゃ総合支援法 意味:従来の「障害者自立支援法」を改正し、障害者が自立した生活を送れるよう、必要な福祉サービスを総合的に提供することを目的とした法律。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成25年4月1日に施行)」。 用語:障害福祉サービス 意味:障害者総合支援法に則し、個々の障害のある人々の障害程度や状況(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に支給決定が行われる支援で、入浴、排せつ、食事の介護等や自立した日常生活または社会生活、就労等に向け、一定期間、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練などがある。 用語:障害福祉サービス事業者(所) 意味:「障害福祉サービス」を行う者として県の指定を受けた事業者のこと。 用語:消費生活総合センター 意味:消費生活に関する相談の受付のほか、図書や雑誌などの閲覧やDVDなどの貸し出し、貸会議室の運用を通じた消費者の活動の場の提供などを行う施設のこと。 用語:スクリーニング 意味:疾患などにかかっている疑いのある対象者を選別するための検査のこと。通常は、比較的簡易な検査で実施され、選別された疾患等の可能性がある対象者をより精密な検査・診断と治療へつなげる目的で実施されることが多い。 用語:精神障害者生活支援センター 意味:地域で生活する精神障害者の社会復帰、自立、及び社会参加を促進することを目的として、日常生活相談、食事サービスなどの事業を行う機関。ほんしでは各区に1館ずつ設置されている。 用語:せいしん保健福祉相談 意味:こころの健康や精神障害について、専門職が相談を受け、助言や支援を行う制度のこと。横浜市では、「こころの健康相談センター」や各区の福祉保健センターで電話相談を受け付けている。 用語:セルフケア 意味:こころの健康づくりにおいて、自分自身のストレスに気付き、自分自身をケアすること。 た行 用語:大学・都市パートナーシップ協議会 意味:市、大学、企業、市民が連携し、活力と魅力あふれる都市を実現するために、平成17年3月に設立された協議会のこと。 用語:男女共同参画センター 意味:男女共同参画の推進に向け、横浜市では市内3館の男女共同参画センターを設置している。女性の就業支援や心とからだの健康に関する講座、各種相談事業、市民活動支援など、多分野にわたる事業を、専門性をいかして総合的に実施する施設として運営。 用語:地域活動支援センター 意味:在宅の障害者が、登録事業所に通所して地域において自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、創作てき活動や生産活動などのサービスを提供する施設のこと。 用語:地域ケアプラザ 意味:高齢者やこども、障害のある人など、誰もが地域で安心して暮らせるよう、身近な福祉・保健の拠点としてさまざまな取り組みを行っている、横浜市独自の施設。おおむね中学校区程度に1館設置されている。福祉・保健の行事や催しの開催、福祉や保健に関する相談や支援、施設の貸し出しなどを行っている。 は行 用語:発達障害者支援センター 意味:発達障害者に対し、社会福祉士・公認心理師など専門の相談員が相談支援を行う専門機関のこと。 用語:法テラス 意味:法制度や手続きについての関係機関の紹介や、経済的に余裕のないかたが法的トラブルに遭ったときに、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立て替えなどを行う、国が設立した法的トラブル解決の専門窓口のこと。 用語:保護観察 意味:犯罪をした人や、非行のある少年が社会の中で更生するように、保護観察官及び保護司による指導と支援を行うこと。 用語:保護観察しょ 意味:各地方裁判所の管轄区域ごとに全国50か所に置かれ、更生保護の第一線の実施機関として、保護観察、生活環境の調整、更生緊急保護、恩赦の上申、犯罪予防活動などの事務を行う専門機関のこと。医療観察制度による処遇の実施機関として、心神喪失などの状態で重大な他害行為をした人の生活環境の調査・生活環境の調整、精神保健観察などの事務も行っている。 ま行 用語:ミーティング 意味:自助グループ等で行われる、自身の体験などを話し合う会合のこと。依存症本人のみが参加する「クローズド・ミーティング」が原則であるが、本人以外も参加できる「オープン・ミーティング」等がある。 や行 用語:薬物乱用 意味:薬物を社会的許容から逸脱した目的や方法で自己使用すること。 用語:横浜市居住支援協議会 意味:「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(通称住宅セーフティネット法)」の第10条に基づき、住宅確保要配慮者の居住支援に向けて設立している協議会のこと。 ら行 用語:リカバリースタッフ 意味:自身のアルコール・薬物、ギャンブルなどの依存症からの回復の経験を生かし、依存症に悩む人の治療・回復をサポートするスタッフ。 わ行 用語:若者サポートステーション 意味:困難を抱える15歳から39歳までの若者およびその保護者を対象とした、社会的自立・職業的自立に向けた総合相談、ジョブトレーニング(就労訓練)、就労セミナー等を実施する若者自立支援機関のこと。令和2年度から、「サポステ・プラス」(愛称)として、40歳から49歳までの者及びその家族の支援も行っている。 第2期 横浜市依存症対策地域支援計画 令和8年3月発行 発行、横浜市健康福祉局精神保健福祉課 郵便番号 ニ、サン、イチ、の0005 横浜市中区本町2丁目22番地 京阪横浜ビル10階 電話:045-662-3554 ファックス:045-662-3525 メールアドレス: ケイエフ、ハイフン、i,z,o,n、 アット、c,i,t,y、ドット、y,o,k,o,h,a,ma、ドット、l,g、ドット、j,p