第3章 市民の行動目標と取組 1 市民の行動目標の設定 (1)取組の対象とするライフステージ  全ての市民を対象としつつ、ライフステージに合わせた取組を進めることには、取組テーマを横断したり、関係機関・団体同士が連携しやすくなるメリットがあります。  第2期計画の考え方を継承し、生活習慣に大きく影響する就学・就業の有無等を考慮した、3つのライフステージを設定します。   ○育ち・学びの世代(乳幼児期~青年期)   ○働き・子育て世代(成人・壮年期)   ○稔りの世代(高齢期)  加えて、取り巻く環境、その年代を対象に行われる健診・検診を踏まえて、取組の対象とする年齢のめやすを示します。  また、各ライフステージ別の取組には、特化した取組も必要な対象像として、妊婦、病気や障害がある人の状況やニーズを踏まえた取組を包摂します。 <育ち・学びの世代(乳幼児期~青年期)> 目指す市民像  生活習慣の獲得は子どもの時から。自分のからだは自分でつくるものという力の醸成を。 取組の対象とする年齢のめやす 乳幼児期 (0~6歳) 学齢期 (7~15歳) 青年期 (16~22歳頃) 取り巻く環境と主な健診・検診 健やかな成長と発達 幼稚園、保育園、乳幼児健診、小学校、中学校、学校健診、高等学校、大学等、学校健診 <働き・子育て世代(成人・壮年期)> 目指す市民像 体調に気を配らなくても無理が利く年齢からの生活習慣が高齢期の健康に大きく左右。生活習慣予防に向けた行動を。 取組の対象とする年齢のめやす 成人期 (20~39歳)法律上18歳に達すると成年だが、喫煙及び飲酒については20歳未満は制限されることから、20~39歳を成人期としている 壮年期 (40~64歳) 取り巻く環境と主な健診・検診 生活習慣の確立:雇用主の定期健康診断 メタボ・がん対策:雇用主の定期健康診断、医療保険者の特定健診、がん検診 <稔りの世代(高齢期)> 目指す市民像 第二の人生としてライフスタイルを再構築。自分に適した方法で健康状態の維持を。 取組の対象とする年齢のめやす 高齢前期 (65~74歳) 高齢後期 (75歳~) 取り巻く環境と主な健診・検診 フレイル対策 医療保険者の特定健診、後期高齢者健診、がん検診 <特化した取組も必要な対象像> 妊婦、病気や障害がある人に対する取組は、各ライフステージに対する取組の中に包摂 (2)ライフステージ別の市民の行動目標の設定  ライフステージと取組テーマを踏まえて、市民一人ひとりが、世代に応じた健康づくりに取り組めるように、親しみやすく、わかりやすい表現で20項目の「市民の行動目標」を設定し、その行動を取りやすくするための取組を行います。 栄養・食生活: ・1日3食、栄養バランスよく食べる(育ち・学びの世代、働き・子育て世代、稔りの世代) ・適正体重を維持する(育ち・学びの世代、働き・子育て世代、稔りの世代) 歯・口腔: ・しっかり噛んで食後は歯みがき(育ち・学びの世代) ・「口から食べる」を維持する(働き・子育て世代、稔りの世代) 喫煙: ・タバコの害を学ぶ・吸い始めない(育ち・学びの世代) ・禁煙にチャレンジ(働き・子育て世代、稔りの世代) 飲酒: ・飲酒のリスクを学ぶ・飲み始めない(育ち・学びの世代) ・適度な飲酒量を知る・「飲み過ぎない」を心がける(働き・子育て世代、稔りの世代) 運動: ・体を動かすことを楽しむ(育ち・学びの世代) ・日常の中で「こまめに」動く(働き・子育て世代、稔りの世代) ・定期的に「しっかり」運動する(働き・子育て世代、稔りの世代) 休養・こころ: ・早寝・早起き、ぐっすり睡眠(育ち・学びの世代) ・睡眠の質を高める・ストレスに気付き、対処する(働き・子育て世代、稔りの世代) ・つながりを大切にする(働き・子育て世代、稔りの世代) 暮らしの備え: ・自然災害等の「もしも」の健康リスクに備える(働き・子育て世代、稔りの世代) ・屋内で生じる「まさか」の事故を防ぐ(働き・子育て世代、稔りの世代) 健康診査: ・1年に1回、健診を受ける(働き・子育て世代、稔りの世代) がん検診: ・定期的にがん検診を受ける(働き・子育て世代、稔りの世代) 歯科健診: ・定期的に歯のチェック(育ち・学びの世代、働き・子育て世代、稔りの世代) 糖尿病等の疾患: ・検査結果に応じた生活習慣の改善・早期受診・治療継続(働き・子育て世代、稔りの世代)