令和４年度第２回横浜市障害者後見的支援制度検証委員会会議録
日時　令和５年２月８日（水）午後１時30分～午後３時38分
開催場所　市庁舎18階会議室　なみき16・17
出席者　麦倉委員長、坂田副委員長、佐伯委員、德田委員、浮貝委員、八木委員、荒木委員
欠席者　品川委員
開催形態　公開（傍聴者０人）
議題
（１）横浜市障害者後見的支援制度の現況について
（２）各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告について
	
議事
開会
（１）事務局あいさつ
（事務局）それでは時間になりましたので、今年度第２回目の横浜市障害者後見的支援制度検証委員会を開会したいと思います。本日、傍聴人はおりませんので、このまま進行してまいります。本会議は委員８名のうち、７名ご出席いただいておりますので、過半数を満たしております。
　開会に先立ちまして、健康福祉局障害福祉保健部長の西野よりご挨拶申し上げます。よろしくお願いいたします。
（西野部長）皆様、こんにちは。障害福祉保健部長の西野均と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今日はお忙しい中ご出席いただきまして本当にありがとうございます。
　この検証委員会は昨年９月に第１回目を開かせていただいております。その際に少し事務方から説明しましたけれども、この後見的支援制度につきましては、平成22年にあんしん施策ということでスタートいたしました。28年度に全区展開ということでございましたけれども、スタートして10年ぐらいの時点で、令和元年度から３年度まで、この制度のあり方検討会を開催させていただいておりまして、それの成果を踏まえまして昨年度、令和３年度に検討内容を集約し、制度の意義や目的を改めて明確にするという目的で業務運営指針、いわゆるガイドラインを策定させてきました。
　このガイドラインをつくる中で、改めて本制度がちゃんとできているのかどうかを含めて検証の仕組みというのを設けさせていただきました。その中には、各区の支援室自身が自己点検をしっかりやっていただくための仕組みや、本日お集まりいただいている委員の皆様方にお願いしております外部検証の仕組みを整理させていただき、こちらの両方をうまく連動するという形で体系的な検証を進めていくことを目指しております。
　ご案内のようにこの制度は全国的にも少し珍しいと思っておりますが、先ほど言いました横浜市のあんしん施策の中の重要な位置づけとしてやっているものでございますので、これはしっかり制度を運用していく責務があると我々も考えているところでございます。この検証委員会でその理念ですとか、運用の中で生かすことができているか、あるいはその運用上の課題等につきましても客観的に確認や検証を行っていただきたいと考えております。その取組の中で、委員の皆様には現場訪問という形で、今回は昨年12月に、年度末の大変お忙しい中、ご協力いただき本当にありがたく思っておりますが、３区実施していただきました。本当にありがとうございます。今日はその報告も含めて活発なご議論をいただけるといいかなと思っているところでございます。
　今日はご議論いただいて様々なご意見など頂ければと思いますが、それを各区の支援室にフィードバックしたり、18区全体に共有できるものは共有して進めていければと。そのことによって全体の質の向上につなげられたら幸いですので、今日は限られた時間ではございますが、活発なご意見、ご議論いただければと思います。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
（事務局）それでは、ここからの議事進行は麦倉委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

議題
（１）横浜市障害者後見的支援制度の現況について
（麦倉委員長）承りました。それでは、議題１に入ります。事務局から資料１の説明をお願いいたします。
（事務局）資料１についてご説明させていただきますが、今日は議題の数もそれほど多くございませんので、このデータを紹介するだけではなく、データからどういう課題が見えるか、あるいは区で実際どういう取組をしているかというような具体例を交えながらご説明していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
　それでは、資料１のまず１番の利用登録者についての情報からです。登録者数は昨年12月末の時点で、18区全体で1961人となっていました。これは半年前から28人増えたということで、増えた方も、逆に登録を解除したという方もいらっしゃいます。前回の上半期に報告したときは、その半年前と比べて100何人か増えたというご報告をしましたので、伸び率はそれほど大きくないかもしれません。今年度はいろいろな区を回る中で、制度が始まってまずは登録してみたが、この制度の趣旨がいま一つ理解できぬまま登録していて、その結果、話を進めていくと、実際にはグループホームに入るだとか、そういった何らかの課題解決をするためのマネジメントをしてほしい、調整をしてほしいということが望みだったので、この制度はちょっと違うというようなことも中にはありました。そういった方と話合いを進めながら、この制度にはどうしてもなじまなくて登録を解除した方もいらっしゃると伺っています。
　続きまして年代別です。この内訳は大きく変わっていません。20代から40代の方が全体の４分の３弱を占めております。半年前と比較すると、10代と70代を除く全世代の登録者数が増加しているという状況になります。
　続きまして（３）障害別です。これも前回と割合としては大きな変わりはありません。知的障害のある方が７割を占め、次いで精神障害のある方が２割弱を占めるという状況になっておりますが、この障害別に関して次のページで注釈をつけさせていただきました。この障害別はどのように選択しているかということを改めてまとめてみました。前回の検証委員会の中で、口頭でご説明していますが、それを改めて文章でまとめたものです。次の順番を基準とし、登録者ごとに１種類を選択しています。例えば、１人の方が知的と身体の手帳を持っていても、実際にカウントしているのは片方のみということになります。なので、手帳所持者に対して何人の方がこの制度を使っているというわけではないことをご承知おきいただければと思います。具体的な選択基準ですが、まずは、いわゆる重症心身障害の方。身体障害の肢体不自由の手帳１級または２級を18歳以前に取得しており、かつ、愛の手帳Ａ１またはＡ２を所持している方――いわゆる重症心身障害の方は、まずそれを最優先で選択していただきます。①に該当せず、愛の手帳を所持している場合は、知的を選択します。知的と身体を持っている場合は、愛の手帳を持っていれば知的を優先して選択するというルールになっています。③について、①と②に該当せず、精神保健福祉手帳または身体障害者手帳を所持している場合は、精神または身体を選択することになります。両方の手帳を所持している場合は、本人の状態像を鑑みて優先するものを選択していただいております。④について、①から③に該当せず、発達障害または高次脳機能障害の診断がある場合は、発達障害または高次脳機能障害を選択することになります。最後の⑤は、①から④のいずれにも該当しない場合です。一例としては、障害が疑われるが手帳を所持していない、障害の見極めが困難である、手帳を申請中の方もいらっしゃるかもしれませんが、こういった場合はその他を選択するという基準で選択しております。障害別については以上です。
　続きまして（４）の男女別です。男性は６割強、女性は４割弱ということで、この傾向は前回とほぼ同じです。
　（５）の居住別です。半年前と比較して親族との同居の割合がわずかに減り、単身やグループホームの入居の割合がわずかに増えているという、この傾向はずっと続いていると思います。
　（６）の日中活動先です。これも大きな変化はありません。６割弱の方が通所、2.5割の方が就労です。在宅の方も1.5割います。この間、委員長と事前に話をする中で、この在宅の方はどんな方なのかということで実際のデータを見ながら話をしたのですが、本当にこれはまちまちでした。高齢の方が多いということはなく、全世代、全障害にわたって様々な方が在宅で生活しており、日中活動先は特にないという方が1.5割程度ということでした。
　次のページに進みます。（７）障害福祉サービス利用の有無です。これも割合としては大きな変わりはなく、６割弱の方が障害福祉サービスを利用しています。ただ、人数としては、サービス利用なしの方がやや増えていました。ということで、どこにもつながっていない方は、この制度の定期的な関わりの中で支援機関とのつながりが続いていくというようなパターンも往々にしてあるかと思いますので、そういった層の方も今後さらに増えていく可能性もあると感じております。
　（８）計画相談利用の有無です。計画相談を利用している方は44％になりますが、これも注釈ですけれども、これはサービスの利用がある方もない方も問わず、サービスの利用があってもなくてもこの集計の対象にしています。なので、サービスを使っている人の中で計画相談を使っている人が44％ではなくて、基本的には（７）で障害福祉サービスの利用がありになっている1147人の方に対して計画相談を利用している方が854人ということです。ただし（７）では、移動支援等、計画相談をそもそも必要としないサービスだけを使っている方も含まれていると思われます。さらに、障害福祉サービスと介護保険のサービスの両方を一緒に使っており、介護保険のサービスで、ケアマネさんが障害福祉のサービスを含めて一体的にケアマネジメントをしている、そのために計画相談は導入していないという方もいらっしゃるかもしれません。そういう方もいるかもしれませんが、単純計算してこの854人を（７）の1147で割ると、74.4％の方が計画相談を使っていることになります。今、横浜市の全市平均で計画相談を導入している方の割合が65％ぐらいなので、それと比較すると大分高いかなと。10ポイント近く高い数字かなということが分かります。これは推測ですが、障害のある当事者の方やご家族の方は、サービスを自分から探し出して利用につなげる力のある方と、こうした力が弱い方と、両極化しがちな傾向があると思います。ですので、これだけ計画相談も後見的も両方使っているという状況を見ると、今言った前者の、自分からどんどんサービスを探すことができて使いたいという発信もできていろいろなサービスをたくさん使っている層の方が登録者の中に比較的多いのかもしれないと。そう考えると、今後は後者の層――自分からは発信できなかったりサービスを探すことが難しい層に対して、どのようにこの制度を知ってもらい、どのようにつなげていくかというアプローチが鍵になってくるのかもしれません。今回、現場訪問を実施した３区の中では、こうした課題も踏まえて支援者に向けた広報・周知活動を重視しているという区もありました。今言った後者の層に対して支援者からこの制度につないでもらうことを期待して支援者への広報・周知に力を入れているという区もありました。
　次のページに進みます。（９）です。成年後見制度の利用についてですが、利用者ですとかその他の割合について大きな変化はありませんでした。まず、利用者数は18区合計で138名、これは全く増減のない数でした。本当に全く変わりはなかったのか、それとも、成年後見制度を利用している方で後見的支援制度の登録は廃止したという方もいるのかもしれませんが、人数も変わりなく、その後のクロス集計の値も大きな変化はほぼないという状況でした。
　次のページに進みます。（10）のキーパーの有無です。キーパーありの方は26％という数字でした。実はこの部分に関しては、前回よりもキーパーありの人のパーセンテージが下がっています。これがなぜかということはこの後、次のページで詳しくご説明していきたいと思います。続きましてキーパーの種類です。キーパーありの人にマッチングされているキーパーのうち、56％が支援者、35％が地域の人、９％が支援者と地域の人の両方にマッチングされているという状況でした。
　（11）登録したきっかけですが、約５割の人が支援機関から本制度を紹介され登録に至っています。先ほど支援者に向けた広報・周知という話をしましたが、約５割の人が支援者を通して制度につながっていることを見ても、やはり支援者にもこの制度を知ってもらうことが重要ではないかと思います。どこから紹介されたかという内訳を見ると、通所系のサービス事業所という方が約４分の１でした。次いで基幹相談支援センターから紹介された方が約21％となっております。
　次のページの２番、あんしんキーパーについてです。まず、あんしんキーパーの登録者数は、18区合計で1453人でした。これは半年前と比べると107人も増えていまして、これほど増えたことは今までありません。かなり大幅な増加が見られました。これはどうしてかというと、幾つかの区で、例えば地域の店舗に丸ごとキーパーに登録してもらおうとか、そういったアプローチや取組を進めた結果、地域キーパーが特に大きく増えたという状況がありました。（２）を見ると、キーパー登録者のうち、地域の人が６割弱、支援者が４割強となっていて、半年前と比較すると、地域の人がキーパー登録しているというパターンが６％増加している状況です。支援者キーパーに関してはもう一点、幾つかの区で、制度開始当初に支援者にキーパーになってもらったけれども、その後、支援者が交代したり退職したりして、キーパーとしての活動が事実上困難になっている方がおり、そういった方を整理していった結果、支援者キーパーの登録を解除して、その分、支援者キーパーの数が減ったという区もあるので、こうした状況も反映しての結果かと思います。
　（３）の利用登録者とのマッチングの状況です。先ほどもお話ししたように、マッチングされている方の割合は、前回と比べて下がっております。今回、59％の方がマッチングされていますが、前回は61％でしたので、２％マッチング率は下がっているということになります。キーパーは107人も増えたけれどもマッチング率は下がったという状況で、これはどうしてかというと、先ほどお話ししたように、幾つかの区で店舗で丸ごとキーパーに登録してもらったりというようにキーパー開拓の裾野を拡大していったのですが、こうした層がまだ登録者とは具体的につながっていないという状況があることを反映してかと思います。今日の資料２にもつけておりますが、11ページの下の段の【参考】あんしんキーパーの開拓と地域づくりについてというところに図を載せています。キーパー開拓に際しては、地域の障害者全体を見守るという視点と、もう一点、登録者とキーパーを結びつけマッチングし、個々の登録者を見守ってもらうという視点の両方が必要になってくる、この２つの視点のいずれも必要になってくるかと思います。地域の障害者全体を見守ってくださいと言って開拓した新たな層のキーパーを、今後どのように登録者とつなげていくかということが、次のステップの課題となりつつあるかと思います。逆に、個々の登録者の周辺で、どなたかキーパーになってくださる方はいないかという視点でキーパーを探していった区も多くあります。個々の登録者と結びつけるという視点を重視して始めていった区です。そういう区は逆に、個々の登録者の見守りはするけれども、地域の障害者全体を見守るという視点が今までなかったということで、その視点をどのように持ってもらうかということが課題になっているという区も中にはあります。今日は実際の取組を見ていただこうと思います。ガイドラインに載せた取組事例ですとか、いろいろな区の広報誌をベースに、幾つかの区の取組を紹介していきたいと思います。
　まず、これはａ区の事例で、ガイドラインにも載せた事例です。この区はもともと、大半のあんしんキーパーさんが特定の個人へのあんしんキーパーとなることをきっかけに登録したという経緯があります。その一方で、あんしんキーパーには、特定の個人への見守りにとどまらず、地域で暮らす障害のある人を広く見守って支えるという意識を持ってほしいと考え、バッジを作成しました。このバッジをあんしんキーパーさんと、制度に登録した本人にも配付しています。非常に素敵なデザインですが、これは区内で活動するデザイナーさんにデザインしていただいたものということです。このバッジをつけていることで、あの人は地域の障害のある人を見守ってくれる人なんだということを地域に分かるようにしたり、キーパーさんがそのバッジをつけることで自分は地域全体の障害のある人を見守るんだという意識を持ってもらうことを目指して実施している取組になります。１年ほど前から始まったものです。こういった取組をしている区も中にはあります。
　資料に戻ります。（４）のキーパーのつどう会の実施です。キーパーのつどう会については、来年から全区で実施してくださいとお願いしています。今年度も基本的には全区で実施してくださいとお願いしていますが、まだ今年度は準備段階ということで、今年度中の実施が難しければ来年度に向けて検討してくださいと各区にお願いしています。そんな中で、令和４年度中に14区でキーパーのつどう会を開催しております。これはまだこれから予定しているという区も含みますが、14区が取組をしてくださっていまして、その中の幾つかの区の実際の様子をご紹介したいと思います。
　まず、ｂ区です（スクリーンに、Ｂ区の広報誌を表示）。今年度から初めて実施しています。
　続いてｃ区です。あんしんキーパーの皆さんも登録者の方もご家族の方も支援者の方も集まって、合計26名で実施していました。まず改めて制度説明をして、それから登録者の方にこの制度に登録してどうかという話をしていただいて、最後はグループに分かれての交流会という流れで進行していきました。その中で以下のようなお話が出ました。「担当者が替わるのは大変。自分の意見をまとめて発表できてすばらしい。目を合わせられなかった方が、地域キーパーとして声をかけるうち、安心されるようになった。同じ悩むにも、知っていてくれる人がいると悩みの度合いが違う。担当が替わるのは、関わる人が多くなると考えればいいと思う。」最後のアンケートの中では、「キーパーさんや登録者さん、ご家族の気持ちを聞けてよかった。時々こんな会があるといい。回数を重ねることが大事だと感じた。ほかのグループの方とももっと話ができたらよかった。」というような意見がありました。実際に登録者の方とキーパーさんが顔を合わせることで、地域の障害のある方もない方も顔の見える関係をつくるきっかけにもなったのではないかと感じています。
　続いてｄ区です。ｄ区も今年度６月に開催していて、その特集記事の広報誌をご紹介します。この区もキーパーだけではなく、登録者とそのご家族も合わせて13名で開催しました。最初に、登録者でキーパーのいる方にインタビューした動画を見ていただいて、その後、グループワークを実施しました。今回のテーマは「お互いの思いを知る」ということで、登録者とキーパーさんとの関わりや、それぞれにどういった困り事があるかということを話し合いました。その内容の一部としてはこんな感じですというのがここに載っております。幾つかご紹介しますと、「地域に気になる人がいるのだけれども声をかけていいか分からない」「近くに相談できる人がいなくて心配だけれど、アパートの住民同士に付き合いがないといった、関係づくりに難しさを感じる」という意見がありました。それから、「長年の付き合いがあったのでキーパー登録はしたけど大したことはしていません、やれることはやっています」という話だったり、「キーパーを引き受けた後に一緒に出かけるようになって登録者の職場をキーパーさんが見に行ったこともある」「地域の方に子供の障害を伝えたので、この前、うちのお店に来たよとか教えてもらった」といった実際の関わりについても伺うことができました。また、「放課後等デイサービスなどが増えて、それ以前の世代と比べて親子関係の変化を感じます」というような、環境の変化に関するご意見もありました。このように、やはり地域の方と登録者の方、それぞれがお互いを知るきっかけになった会だったと伺っています。つどう会については以上です。
資料１に戻りまして、次に３番です。制度の広報・周知先についてです。10、11、12月、３か月間の広報・周知先の内訳はこのような感じになっています。ここでも下の四角の中に書きましたが、複数種別の機関に向けて広報・周知を行った場合、例えば自立支援協議会の中で通所先施設と相談支援機関の両方に説明しましたというような場合であっても、いずれか片方のみをカウントするというルールとしております。その他が32件もあるのですが、内訳として一例をご紹介します。こういう傾向がありますとも言い難くて、非常に多様な取組がありました。その中の一例になりますが、「介護支援サービスに関わる事業者、団体の会議の場で制度説明会を実施」。地域の関係団体や企業などがそれぞれの得意分野を生かした街の相談所というものを地域のあちこちにつくり、住民の困り事を解決していこうというプロジェクト（街の相談所ネットワーク）があり、その定例の会議をやっていて、その中で広報したという区もありました。また、地域のショッピングモールに制度チラシの配架をしてもらったり、パネル展示を行ってもらったという区もありました。また、成年後見サポートネットの会議の中で制度の周知をした区や、地域の大規模なイベントの中でブースを出展した区というようなものが一例として挙げられます。
　最後は広報誌についてです。（２）の広報誌の発行ですが、これも今年度から18区全ての支援室に年１回以上作成してくださいというお願いをしています。
18区全てで広報誌またはそれに準ずるものを年１回以上発行していました。これについても一例をご紹介させていただきます。まず、これはｅ区の広報誌なのですが、今年度実施した行事の報告――交流会や、成年後見制度を学ぶ会を実施した、あんしんノートの書き方講座を実施したというような、実施した内容を報告する記事を載せています。あと、障害者支援センター長にインタビューした「成年後見人の探し方は」などの記事も掲載されており、障害のある人やその家族の疑問に対応するような内容の記事となっています。
　もう一区、中にはウェブ媒体を用いて発信を行っていた区もありますので、これについてもご紹介させていただきます。これはｆ区のブログです。ｆ区は、メールマガジンやこういったブログ記事を発信したりしています。記事の内容の一例をご紹介しますと、ｆ区では地域の商店街などに声をかけて協力店の方にキーパー登録をしてもらうというような取組を進めているのですが、その協力店の紹介をこういった形でしています。また、キーパー登録をしていただいた店舗に対して、障害のある方がどういう方に困っているかとか、どのように対応するとよいかということをまとめた冊子を配布しています。それから、「後見的支援室は、ご本人の自立を促してくれないのでしょうか」という記事も配信されていす。これは主にご家族向けの記事ですが、本人に言って聞かせてほしいとか、本人に自分でやるように言ってくださいということを親御さんはどうしても期待してしまうことがある。でも、後見的支援制度はそうではなくて本人に伴走する制度なんですよということを、こういった形で解説して発信するようなことをやっています。また、「成年後見制度を使わないで済む方法はありますか？」という記事です。成年後見制度はどういう制度なのかということを、こういった切り口で紹介しています。これも主にご家族向けの記事として配信されていますが、親御さんからよく聞かれる内容に対応した記事になっているのではないかと思います。こういったブログを定期的に発信している区も中にはあります。一方、やはりウェブ媒体だと全ての親御さんやご本人が見られるわけではないので、紙媒体のものの発行も続けつつ、ウェブ媒体での発信もしつつという感じで運営しているということです。
　また広報誌を発行したときに、それを手渡しでキーパーに配付しているという区もありました。先ほどもちらっと話が出ましたけれども、あんしんキーパーに登録してもらったけれども、その後そのままになってしまって、気がついたら担当が替わっていましたとか、もう引っ越していましたとか、そういうことが起きてしまいがちなので、やはりキーパーをつなぎとめておく工夫というのが今後必要になってくるという点については、ガイドラインにもまとめています。一例としてですが、例えばあんしんキーパーの登録を１年ごとの更新制にして、１年たった段階でキーパーさんに今年度も続けて登録してもらえるかどうかというようなアプローチをかけているという区も中にはあります。
　長くなりましたが、資料の説明は以上になります。
（麦倉委員長）ありがとうございます。最後のｆ区のｎｏｔｅの記事とか、今、文章を読みながら、素晴らしい文章力だなと思いながら読んでいました。これは他の区にも、後見的支援室の制度そのものの説明としてすごく役立つものだと思うので、区を超えてぜひ使ってもらいたいと思います。
　ただいま、議題１の内容につきましてご説明いただきました。現況の報告ということで、登録者数の変化、キーパー数の変化、内容の変化、成年後見制度の登録、利用の状況等も含めてご説明いただきましたが、全体に関してご意見やご質問、実績を見て感じたこと等がありましたらご意見をお願いいたします。いかがでしょうか。荒木委員、お願いいたします。
（荒木委員）委員の荒木です。ありがとうございます。精神障害者の当事者として少し感想を述べたいと思います。
　まず、この後見的支援制度は、何かの就労継続支援Ｂ型だったり作業所とかに通所している方が一番、あんしんキーパーを使われていると書かれていたのですが、精神障害者としてキーパーを使いたいなと思う瞬間はきっと、僕の意見としては就労したときに一番使いたいなと感じております。それは実際、いざ就労するとしたら、今まで就労継続支援Ｂ型とかの利用者として支援されていた立場から、就労すると今度は何かを提供する側に一気にがらっと変わるんですね。そういったときに、Ａさんはもう就労したんだから大丈夫だと周囲の人は思いがちなのです。でも、本当に精神障害は、知的もいろいろな障害における意見かもしれませんが、就労したときにもうこの人は大丈夫ではなくて、一番その人にとって支援というか、こういうあんしんキーパーで何か自分なりの課題とか、仕事の定着支援とかあるとは思いますが、就労継続支援Ｂ型に所属してから作業をちゃんとやっていって就労につながったピアスタッフだったりとか、Ｂ型から就労移行するのではなくてＢ型から直接就労したケースもあります。そういった場合に必要なのは、就労したときに一番その人に手が届く、キーパーも使えるんですよというあり方や方法があるべきだと思いました。実際、僕は現場で、ピアスタッフになったけど体調が悪くて辞めてしまって、利用者にも戻らずに姿を消してしまったピアスタッフも見てきました。そういった事例があるので、一度、ピアスタッフがスタッフになって体調が悪くなったらどこに相談すればいいのかという困り事とか問題は必ずあると思うので、そこが必要だと思いました。用事があってもなくてもスタッフが定期的に訪問というのはすごく魅力的な文章だと思うので、それはどんどん継続して発信してほしいと思います。
　あと、あんしんキーパーの地域の人における逆にマイナスな、いい意見はいいのですが、マイナスな、ネガティブな発言があったほうが、ネガティブな感想から本当に見えてくるものというか、逆に言えば差別的だったり、そういった意見というのは根に持っている根っこの問題だと思うので、それを明るみに出してみんなで共有して、こういう発言がなされてしまうのは一体どういう、何が問題でこういうネガティブな発言がなされてしまうのだろうという議論を共有するもっといい材料だと思うので、そういうのももっと知りたいと思いました。
（麦倉委員長）ありがとうございます。就労した方に対してあんしんキーパーを重点的につけるべきではないかというのが１つ目のご意見ですね。もう一つは、あんしんキーパーの方を通じて地域の人の本音を知りたいというか、耳触りがいいことばかりではなくて、ちょっと否定的な、差別なのかなと思うようなところをきちんと受け止めて、どうすればいいのか考えることも大事なのではないかということですね。どちらもすごく大事なことだと思います。これは、データとしては、就労している方のキーパーのマッチング率とか、そういうことも丁寧にデータを見れば分かるのかもしれませんが、今は分からないですよね。
（事務局）データを集計すればお示しできるかと思います。キーパーは望む方もいれば望まない方もいるという状況なので、就労している方に特にというような感じよりも、全体的に発信した中でぜひにと言った方にお願いしていくことが多いかなと思いますが、就労することにより支援機関との接点が途切れてしまう場合があると思うので、キーパーの仕組みを含めてこの制度を使っていただけると良いと思います。就労している方にキーパーを重点的につけると良いのではいうご意見については、今後の参考にさせていただきたいと思います。
　あと、地域の方の本音の部分ですが、来年度から全区で実施するキーパーのつどう会の中で、将来的にはキーパーに加えて登録者も入ってもらうことを考えている区も多いと聞いていますので、そこで交流する中でそういった本音の部分を含めた話を、意見交換ができるといいかもしれないなと思います。
（麦倉委員長）ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。坂田さん、どうぞ。
（坂田副委員長）私は先日、ｇ区のキーパーのつどいに参加しました。そこにはキーパーさんが６人と、支援室の方が３人と、社協の方がお一人入っていただきました。キーパーさんたちは、児童支援とかそういう、福祉制度が分からないということで、移動支援のお話をしていただいたら、皆さんこういうサービスもあるんだというのが分かったみたいです。参加された方のほとんどは民生委員さんとか、障害者の親も２人いまして、地域活動ホームの所長さんも来ました。そんな感じで、自アシ、自アシと言っていたら、その自アシって何ですかとか、そういう質問が出たり、計画相談と、地活でやっている基幹相談の区別が分からないとか、そういうお話をしてとてもよかったです。毎年１回ということで、コロナの関係でここ２年ぐらい開催しておりませんでしたが、久しぶりに開催してとてもよかったなと思っています。ｇ区は登録者のつどいというのもあると思います。今年はまだ分かりませんがそういうのも集って皆さんが言いたいというか、お母さんたちは登録してしまうとみんな安心して情報交換の場が急に少なくなるようなのです。だから、そこに行って情報交換をしたいという希望も多くありましたけれども、今回のキーパーさんのつどいはとてもよかったなと思っています。ありがとうございます。
（麦倉委員長）ありがとうございます。確かに障害福祉サービスもどんどん新しいものが出てきますし、まとまって知る機会がないので、キーパーのつどいなんかを通じてどういう制度があるのかというそのものを知ってもらうというのもすごく大事な点だと思いました。
（浮貝委員）２点ありまして、１点確認なのですが、６ページの（７）障害福祉サービスの利用ということで説明があったのですが、障害福祉サービスの定義というか範囲を教えていただきたいのです。要するに、基幹相談支援センターとかは障害福祉サービスに入れているのか入れていないのか。これでいうと入れていないわけですが、そこがどういう区分になっているのか、まず１点お伺いしたいです。
（事務局）これは受給者証を発行するサービスを利用しているかどうかというのが基準になります。
（浮貝委員）そうすると、なし630人の中に、基幹相談とか生活支援センターとか自アシとか使っている人もなしに含まれるということでよろしいですか。
（事務局）なしに含まれます。
（浮貝委員）もう一点は、ａ区のバッジの現物を僕も見たことがありますけれども、バッジとか、先ほどのｆ区のブログとか発信、広報という良い取組ですよね、そういった取組は各区にあると思うのですが・・・。これは１区でやることなのか、全区でやることなのかというのを、ある程度検討した上で導入したほうがいいのではないかと思っています。というのは、18区のばらばら感というのがいまだにあると思っていて、そのためにマネジャーもいるわけですし市マネもいるわけですし、ある意味、フランチャイズのような、セブン-イレブンだったら基本、置いてある商品は全部一緒だと。地域の特性によってちょっとしたプラスアルファはあるというイメージなので、いい取組というのを、うちの区はこれをやっていますというよりは、もしいいのであれば全区で吟味した上で、18区でそういったものをそろえてスタートするほうが足並みがそろうのではないかという印象を持っています。
　それから、先ほど荒木委員が就労した人のことをおっしゃっていましたけれども、いつも言っているようにこの制度というのは家族的な権利擁護機能だと思っているので、そういう意味では支援者というフレームでいくと支援者なのに何もやってくれないとなってしまうのですが、これは支援者ではなくて権利擁護なんですよということを明確に言って、障害福祉というよりは地域福祉ですというふうに銘を打ったほうが、我々支援者側からすると逆に入りやすいのです。支援者と言うと構えてしまうのです。何をやってくれるのみたいになるのですが、支援者ではなくて権利擁護ですとなるとチームに取り込まれていくし、就労した後であろうが、本人がどこに所属していようが、権利擁護の立場として寄り添うという意味では分かりやすいのかなと思っていて、伴走型とかそういった言葉がいろいろありますが、解釈が人によってすごく変わってくるので、そこで誤解のないような説明、キーワード、キラーワードみたいなものがあると、使う側も説明する側も分かりやすいのではないかといつも思っています。
（事務局）浮貝委員、ありがとうございます。確かに18区の広報とかキーパーへの働きかけにはかなりばらつきがあるという認識があって、だからこそガイドラインをつくったときに、つくった後もですけれども、今、各区にやっていただいている広報誌を年１回以上出してくださいとか、キーパーのつどう会のようなものを年１回はやってくださいということは、本当にベースのベースとして全区にやってもらいたいということで今年度から義務づけさせていただいています。この２つにプラスアルファ何を積んでいくかというのは、取りあえずこの２つを全区でやれた後に次のステップとして考えていく必要はすごくあると思いますし、今、本当にこういうＳＮＳとかを活用して、もちろん紙媒体も大切ですが、インターネットを活用して発信していく、それによる広がりというのはすごく大きな効果があると思っているので、こういう取組を、良いこと事例の共有ではないですが、そういうことは後見的支援室の会議やそういうものできちんと共有はしていきたいと思います。
　もう一点の、福祉サービス、福祉支援ではなく権利擁護であるというところは、理念としてきちんと伝え切れていないかもしれませんが伝えていきたい、伝え続けなければいけないと思っています。ちょっとキャッチコピーというか、言葉として権利擁護を、確かにガイドラインの中にはそんなに前面には出ていないかもしれませんが、ガイドラインをまとめるときに理念として、支援者ではなく本人と寄り添って一緒に考える人間であるということはちょっと書かせていただいたつもりですし、ガイドラインという冊子になったこともあって、ツールとしてこれを持ってもっときちんと理念をもう一度広めていく必要はあると思います。このガイドラインを支援センターで印刷して冊子化したので、各区の後見的支援室がこれを持って区内のいろいろなところに、我々はこういう人間ですと言っていただいています。それで少しずつ支援者だったり障害福祉以外の機関に、後見的支援室って何してるの？みたいなものが伝わるように、物ができたので物を持って挨拶とともに、我々はこういう者ですと回っているところなので、その辺は推進法人から、どんな状況で回ってどんな感じなのか、途中経過をご報告というかお伝えいただけるとありがたいなと思います。
（推進法人）ガイドラインができ、今、各支援室が関係機関等を回っている、そのやり方も様々です。例えばケアプラザの地域交流コーディネーターさんが集まる場面に出向いて、まずは区内のケアプラザ全体に改めて制度の概要を伝えながら配っているという支援室もあれば、登録者の関係で個別につながりのある計画相談の方に改めてこの制度のことを知ってもらおうと、お会いしたときに、この制度の役割と、ガイドラインに書いてある目的と意義について説明しているところもあります。また、地域に出てキーパーさんを広げていこう、地域の中でこの制度を多くの方に知ってもらおうというときの一つの拠点として地域ケアプラザが考えられますが、ガイドラインにケアプラザの役割と支援室との連携についてもまとめてあるので、そこを使いながら、改めて制度の説明や強みを伝えたりしています。また、ガイドラインを配布する中で、私たちの支援室はこういうことを地域に広げていきたいので協力いただきたいという周知のお願いだったり、具体的にこんな登録者がいるという具体例を持っていきながらキーパーを探すことに協力いただきたいというお願いをしたりなど、ガイドラインの活用は様々です。
　各区によってやり方の違いはありますが、ただ、何もなかったときよりは、ある程度まとまったガイドラインが出来上がったことで、各支援室の皆さんからは、地域に一歩出やすくなったという声は具体的に聞かれています。ガイドラインを配りに行ったときの話も、例えば、どんなところに配って、どんな反応があったか等、各支援室が集まる会議の場で実際に行った人がそれぞれ報告する形で共有もしています。当面の間、これを積み重ね、ある程度やってきたところで何か形としてまとめられることがあればまとめていければと思っています。
（事務局）今の件で補足といいますか考えたことです。浮貝委員がおっしゃった障害福祉より地域福祉のほうがしっくりくるということなのですが、例えば高齢者福祉の認知症施策の中でオレンジリングという、認知症サポーター養成講座を受けてお持ちになっていたりしますか。あれは施策として国全体で、講座を受けると認知症の方を見守る見守り隊になりましたという証拠のような形でオレンジリングが配られて一体的に進めているようなものですよね。一方で、例えばａ区のバッジの取組というのは、確かにどちらかというと障害施策というよりも地域福祉の取組活動なのだろうなと私は思っていて、この辺は社協さんのほうが詳しいかもしれませんが、地域福祉をやっていると、その地域独自に必要なものを考えて、町内会などその地域の小単位の中で、自分たちで見守るというバッジを独自につくってそれを掲げてつけて、何かあったらちょっと声をかけていくとか、専門の支援者に声をかけてつなげていくということが地域全体でできるようにやっているところはたくさん横浜市の中でもあると思っています。この後見的支援制度は横浜市独自の制度なので、それこそこの検証委員会の皆様とともに未来の制度をつくっていくのだろうなと思っていますので、そういったバッジの一つの区の取組を市全体でやっていくほうが絶対進んでいく、未来は明るくなるよねというご意見がここで議論されていくのであれば、それがまた一つのこの制度の方向性になっていくのかなと思いますし、その辺はぜひ皆様からもご意見を頂戴していきたいと思っています。八木委員は市社協でこういった地域福祉の取組もたくさんされているので、ぜひご意見等伺えたらうれしいなと思っています。
（麦倉委員長）ありがとうございます。オレンジリングも本当に、学生なんかもこれをもらってやりましたというふうに、登録というかちゃんと中身が分かりましたということを理解するのに動機としてはものすごくいいようなので、バッジというのもすごくいい取組ではないかと思います。なかなか各区にうまくデザイナーさんがいるかどうか、そういうのも難しいと思うので、例えばこういうａ区の取組をきっかけとして全市に広めていこうというのは私もすごく賛成なのですが、例えばａ区でやってくださったデザイナーの方にほかの区のデザインもしてもらうとか、そんなようなこともぜひ考えながら進めていくといいのではないかと思います。ただいまのご説明も含めて何かございますでしょうか。ガイドラインができたのは本当によかったですよね。持っていって説明しやすくなるということで。よろしいでしょうか。
（浮貝委員）しつこくてすみません。ちょっと話が広がってしまったのですが、僕が言いたいのは、いい取組であれば各区が単独で発信しないほうがいいのではないかと思うのです。市全体として、後見的支援室全体として発信する。だから、このブログの内容もｆ区だけがやっていますとかｆ区の考えですではなくて、全体の支援室、制度としての発信、全体としてのバッジとか、いいのであればそこに取り込んでやったほうがいいと思っているのです。というのは、横浜はいろいろなことが独自じゃないですか。良くも悪くも先進的にやっていたりする色が横浜にはすごくあって、外に出たときにそれをすごく感じるわけです。例えば基幹相談支援センター、生活支援センターも18区にありますと。でも、今、区縛りができていますと。後見的支援制度もその区でと回答いただきましたけれども、その区に住んでいる人はこの区の相談を使ってくださいという仕組みになっていますよね。そうすると、その区を使いたくない人とか、この区はこんないい取組をしているけれどもうちの区はこれ、やっていないのよねとかいうのが起こるじゃないですか。それが起こるからこそ、各区に委ねず全体でとしていったほうがいいのではないかと思っているのです。そうでないと、この区に住んでいる人は、さっき言ったみたいにあの区はこういうことをやっていていいなとか、あっちの区を使いたいのに使えないと言われたみたいなことが起きるとは思うのですが、なるべく起きないようにそういったシステムをつくったほうが18区に行き届くのではないかと思います。これは横浜の色だと思うのですが、横浜市自体も独自だけれども区でもそれぞれ独自になっていってしまうと、その区に縛られる人のことを考えると、ある程度統一できるところはしていったほうがいいのではないか。いい取組であればあるほどそう思いますという意見です。
（麦倉委員長）ありがとうございます。区というところに紐づけられて登録が行われているということは前の会議でもちょっと話題になって、そこは改善も考えられるのではないかというような意見が出たところですが、また今後の課題として検討していただけたらと思います。

（２）各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告について
（麦倉委員長）それでは、続いて議題の２に移りたいと思います。事務局から資料２の説明をお願いいたします。
（事務局）それでは、資料２を説明いたします。各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告についてでございます。令和４年度下半期、12月に皆さん、現場訪問に行っていただいてありがとうございました。訪問先の日時等は１番のところに記載がございます。（１）保土ケ谷区は、令和４年12月21日水曜日の午前中に実施しております。（２）の青葉区でございますが、令和４年12月22日木曜日の午前中に実施しております。港北区でございますが、令和４年12月26日月曜日の午後に実施しております。
　次のページからそれぞれの区のチェックシートの集計結果がございます。
　これから委員の皆様にご検討いただきたい、ご意見いただきたいポイントが３のところにまとめられております。まず、アです。各区後見的支援室の取組に関することをご議論いただきたいと思っております。具体的には、現場訪問にそれぞれ行っていただきました状況を踏まえて、良いと感じた点、課題と感じた点、そしてその課題と感じた点に対する対応方法、対応策のアイデア、ご助言を頂きたいと思っております。特にあんしんキーパーの開拓と地域づくりについての部分と、支援室全体でのチーム支援についての部分、成年後見制度の推進や、権利擁護に関する普及啓発についての部分などを中心にお話しいただけたらと思っております。
　それから、その下のイですけれども、今年度からこういう形で現場訪問を実施させていただいておりまして、ちょうど２回実施し終わったということですが、来年、再来年とあと２年間、このような形で現場訪問を残りの運営法人、区に実施していくのですが、今回、２回現場訪問に行ってみて委員の皆様から現場訪問の実施方法について、ちょっとこの部分がやりにくかったとか、この部分をもうちょっと整理したほうがやりやすいとか、そういったご意見を頂けたらと思っておりますので、よろしくお願いします。次のページからのチェックシートのチェックの仕方も、ここはちょっと迷ったとか、ここはもう少しはっきり丁寧に解説があるといいなとか、そんなご意見も頂戴できたらと思っております。
　よろしくお願いいたします。説明は以上となります。
（麦倉委員長）ありがとうございます。それでは検討に入りたいと思います。今ご説明いただきましたように別紙１から３に各委員の方が記載した現場訪問のチェックシートの内容がまとめられています。これに基づいて、実際に現場訪問に行かれた委員の皆様からそれぞれ、今ご説明いただいた件等のポイントを参考にしながら今回の現場訪問の所感等をお話しいただければと思います。なお、資料では区名がＡ区、Ｂ区、Ｃ区となっておりますので、実際の区名ではなくて、この表記に合わせてＡ区では、Ｂ区では等々、お話しいただければと思います。
　それでは、ここからお一人数分程度で構いませんので、順にお話しいただきたいと思います。まず、Ａ区に関してですが、Ａ区を訪問していただいたのは浮貝さんと品川さんですので、浮貝さんからお話しいただけますでしょうか。
（浮貝委員）「その他」に書いてあるとおりです。先ほどの発言とかぶることかなと思いますが、検証委員として現場訪問をする際に、聞き取りの内容をシステマチックにしていただいてやりやすくなったのは本当にありがたいと思っています。ただ、いつも個別支援会議とか会議の様子を１ケースとか２ケース、会議されているのを我々は見ているという感じなのですが、その個別のケースに関して、どこの区も非常に細かく丁寧にやられているというのはよく分かるのですが、そこから制度の運用がちゃんとできているかとか、どういう考えでそれぞれサポーター、マネジャー、担当職員がやっているのか、その個別支援会議から読み取るのが結構難しいです。ケースに関してつい焦点がいってしまうので、そこがこの制度の検証をするという視点としては、個別支援会議を見ても見えにくいのが正直、感想としてありますので、どういったところを各区支援室から聞き出せるといいのかなと考えているというか、考えたいところかなと思っています。
（麦倉委員長）ありがとうございます。それでは、次にＢ区につきまして、八木さん、坂田さんにご訪問いただきましたので、坂田さんからお願いできますでしょうか。
（坂田副委員長）とにかくチームで一生懸命やっているというのは分かりました。ただ１つ残念だったのは、支援室で作成した冊子を見て、一番最後のページに、つくった機関が書いてあった中に社協がなかったのです。社協はどういう関わりをしているのかと、ちょっと残念に思いました。八木さんと隣同士で社協がないよという話をして。皆さん本当によくやっていらっしゃって、お店をたくさん増やして、そこがみんなキーパーに登録してくれるのか、そんな感じでとてもよかったのですが。それと、Ｂ区で電話相談のピア相談に来られる方がおっしゃるには、高齢の施設はたくさんあるけど障害の施設がないという話をよくされるのです。だから、もうちょっとそういうところを広めていけたらというか、行っていただけたらいいかなという感じはします。
（八木委員）あんしんセンターの八木でございます。社協がなくて残念だったというのは確かにあるのですが、地域福祉の取組なのではないかという話も含めてＢ区のことを話しますと、市域でやったほうが効果的なことと、地域づくりの中で草の根的にやったほうがいいことがあると思います。ガイドラインを示して方針を示したりすることが市域の役割だと思いますし、一人お一人地域の顔の見える方にどうアプローチするのかという観点からすると、各区の特徴だったり社会資源の問題だったりする中で、各区の取組が必要で各々の役割を果たしていくのがいいのだろうと思いました。Ｂ区ではＳＮＳの活用がされていましたが、障害理解講座等を各ケアプラザと相談しながら個別に進めているような取組もされています。そうした関わりで、爆発的にキーパーが増加するということはではないですが、丁寧に理解を促進していく必要な取組と思います。
　あとは、商店もたくさん登録されているということが分かったのですが、これからの取組なのだろうと思います。冊子にはどのように対応をしたらよいがが分かりやすく、障害種別ごとに記載されていますが、実際にお店に障害の方がお見えになったときにどんな対応をするのか。少しずつこれを重ねていく中で、いろいろな方と関わり合いを増やしていくことが必要なのだろうと思いました。
　あと、現場訪問の実施方法です。浮貝さんがおっしゃるように個別のケースを２ケースぐらい見ている中では、どちらかというとそのケースの内容が中心になってしまい、この制度の検証なのだろうかということがあります。確かに拝見したケースでは意思に基づく生活支援の中での取組だったり、後見の必要性を検討されているのですが、全体的にそれがそうなのかどうなのかというのが判別しづらいというのはあると思いました。
（事務局）事務局からＢ区について補足させていただきます。（６）あんしんキーパーの開拓及び活動定着で委員③から、一番下の行、つどう会に類するものについては今後開催予定のため未評価としますと書いていただいております。これについてちょっと補足すると、当日、あんしんキーパー登録店のシンポジウムを今後実施する予定ですという話があったので、それについて書いてくださったのかなと思いますが、これとは別にケアプラザ単位で、地域住民に向けた「あんしんキーパー養成講座」を実施し、今年度は８名の方にご参加いただいています。こうした講座を実施しつつ、協力店として登録していただいた方のシンポジウムをまた別途やろうと考えているという状況です。
（麦倉委員長）ありがございます。それでは、続きましてＣ区につきまして、これは德田先生と私で行ったのですが、德田先生、お願いできますでしょうか。
（德田委員）まず、先ほど浮貝委員から話もありましたが、このチェックシートの項目ごとに何かこのような取組があるとかそういうご報告やご説明があるわけではなくて、個別事例に基づいて意見交換や情報共有しているところにお伺いしているので、分からないというか、個別事例に対してはすごく一生懸命やっていらっしゃるのが伝わってくるのですが、このチェックシートの項目でどのような取組をしているのかいまいちよく分からないということで、この委員⑤は私だと思いますが、評価を入れていないところが多数出てきてしまいました。でも、本当は評価を全部入れなければいけないということらしくて、ちょっとその点は申し訳なかったです。そういう点でチェックシートが記入しにくいというか、チェックシートに合わせたようなご報告、ご説明を頂くと、よりよく分かるかなと思ったのが１点です。
　あとは、何か評価の基準とかそういう、ここまで達成できたらこのぐらいだとか、評価の基準とか目標とかそんなのがあると評価しやすいかなと、ばらつきが少なくなってくるのかもしれないなと思いました。僕も成年後見についてはもっと具体的にやるべきだみたいなことを常々言っているのでどうしても評価が厳しくなってしまうのですが、評価の基礎となる前提が違ってくるとあまり意味のないことになってしまうのかなと思いまして、その点が気がついたところとしてあります。
（麦倉委員長）ありがとうございます。私もＣ区でお話を聞かせていただきましたが、チェックシートにはあるけれども実際に伺う中で話が出なかったものもあって、聞けなかったことは自己点検に書いてあるものを参考にして書けた部分もありますが、最後の事業推進体制に関することは、自己点検には書いてあっても実際に現場訪問した印象とは違っていたりして、連携できているのかどうか分からないなということもあったりしました。だから、自己点検はいいのですが、自己点検した後、それを本当にやっているかどうかということの参考資料とかエビデンスとか言い出すと書類仕事がすごく多くなってしまって大変申し訳ないのですが、自己点検がちゃんと機能しているということの証明というか、そういうものも必要なのではないかと思いました。
　個別支援会議を私も見させていただいて、これはこれでどの区もすごく面白いところなのでこれはぜひ続けてお伺いしたいと思っているのですが、やや気になったのは、例えば１の（２）登録者の意思に基づく生活の実現に向けた支援ということで、お話を伺う中で、後見的支援計画の作成においてご本人が女性の方で結婚したいという意思を持っているのだけれども、それよりも優先して親亡き後ということが前面に出てきてしまっているような計画も見られたりしています。これは、そもそも制度自体のスタートで親亡き後というのがすごく重要な課題として出てきていますので、支援室でもやはりここに事業の主眼を置いているのだから前に出すのだということになってくるのだと思いますが、この辺はもっと柔軟に考えて、例えばジェンダーやライフステージなどに応じて柔軟に計画されるべきということは、18区全体を通して今後の支援のあり方では重要な共有すべき課題になるのではないかと思いました。
　あと、あんしんキーパーの開拓及び活動定着では、地域の事業所とかそういうところにどんどん訪問して積極的に開拓してくださっていて、こういうところは行動力があってすばらしいなと思いました。
（事務局）事務局からちょっとお聞きしたいことと補足説明したいことを付け加えます。このチェックシートに関して、改めて今回まとめる中で気がついたのですが、特に最後に２の事業推進体制に関することの部分で、後見的支援室内における情報共有と連携、関係機関との連携とありますが、この連携という言葉は定義がとても曖昧ですし、何をもって連携できているか、非常にチェックしにくいのではないかということに気がつきまして、もうちょっとこれを具体的な取組ベースのものにこれから作り替えていきたいと考えております。
　それから、最後に今、委員長にお話しいただいたＣ区について伺いたいのですが、本人の希望より優先して親亡き後が前面に押し出されているというこの親亡き後というのは、親の意思が前面に先立ってしまっているという、そんな意味合いでしょうか。本人の意思ではなくて家族の意思が優先してしまっているとか、そういうことですか。
（麦倉委員長）というよりも、一般的にそうなのであろうというような思い込みというか、そういう前提の下に計画がつくられているのかなという印象です。この制度ってそういうものでしょうという思い込みが先にあって、まず親亡き後というのが１行目に来てしまうことになっているのかなという印象です。
（事務局）もちろん、親亡き後の備えとしてできたという経緯がある制度なのですが、本人の意思を考える前にその制度の前提が強く出過ぎてしまっているということですか。
（麦倉委員長）そうですね。だから、本人の意思やご希望を聞いていく中で出てきたような、例えば将来、結婚生活をしたいとか、そういう声が計画の中に入ってきていないということです。消えてしまっているのはなぜかということで、ご本人の中で優先順位がどれぐらいあるのかよく分からない親亡き後というのが一番頭に来てしまっている形だったので、それは計画のつくり方としてどうなのかと疑問を感じた次第です。
（事務局）ありがとうございます。それからもう一点、皆様にこの後の意見交換で伺えたらありがたいのですが、個別のケースを見るだけでは判断し難いという状況は改善したいと考え、後半の時間にこの事業計画書兼自己点検シートを見ながら取組全体を見る時間を設けたという経緯があります。もちろんこのシートを見るだけでは全ての項目は埋まらないので、そういう部分は話を進めていく中で引き出していけるといいのかなと思いますが、このシートを入れて取組全体について話し合う時間を設けてもなおチェックしづらい部分があれば教えていただけるとありがたいです。
（麦倉委員長）それでは、今の補足説明も踏まえてここから各支援室の取組に関して良いと感じた点、課題と感じた点、課題への対応方法、チェックシート全体の改善等も含めてご意見・ご質問等頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。佐伯さん、お願いいたします。
（佐伯委員）佐伯です。諸事情により現場のほうには行けませんでした。ですので、現場の評価については私は今回言えないのですが、チェックシートのチェックの仕方ですよね。今、○、×、△でやっていると思うのですが、これを点数評価にしたほうが見やすいのではないかと。例えば１から５段階にして、例えばの話ですが、計画どおり進んでいたら３番ですと。すごく進んでいるとか評価してトータルで何点になりましたと。この事業所は何点ですから、次回、何年後にはもう少し上げてくださいと。事業所によってはこのゾーン、このゾーンと、強いところと弱いところがあるはずなので、ここは強いからそのままやってください、弱いところはこういうふうにやっていったほうがいいですよ、ほかの区ではこのようにやっていますというようなことでステップアップできるのではないかと考えます。すぐにはできないと思いますが、今年度からこのチェックシートが初めてですから、一回りして次回のときぐらいまでに準備してやっていったほうが分かりやすいかなと。それには当然、我々の判断基準も統一しないとそこら辺はまちまちになってしまいますので、そういった方法にしたほうがお互いに分かりやすいのではないかと思います。
（麦倉委員長）ありがとうございます。私も今のお話をお伺いして、点数評価で例えば１から５まで尺度を用意しておいて、ここはまあまあできている、とてもできているとか未達成というふうにしていくと、各区ごとにそれがレーダーチャートの形にできるので、どこが強くてどこが弱いというのが見た目で分かるようになりますよね。それは非常に良い取組だと思います。
（佐伯委員）○、×、△を数字にしただけなのですけどね。
（麦倉委員長）そうですね。確かにこれを１、２、３で入れていけばなりますけれども、今回のこの評価項目もやろうと思えば点数化はできるのです。例えばチェックがついていないところはゼロで換算すればいいので、４段階でできるといえばできます。ありがとうございます。各区の強み・弱みというのですか、それぞれの地域性もあるでしょうけれども、特性はすごく出てくるとは思います。ほかにはいかがでしょうか。
（德田委員）先ほどの事務局のご質問は、このチェックシートの項目に基づいて意見交換してもなかなか出てこない、評価が難しいところはどうかというご質問だったと思いますが、まずそういった意見交換、この項目に基づいてここはどうかと聞けるような時間が設けられればそれはそれでいいとは思います。ただ、個別の事例の説明というか事例の検討でばたばたして、チェックシートに基づいてここはどうなのかと確認する時間が設けられる場合と設けられない場合が結構あるのかなと思うのが１つです。
　あと、私の行ったＣ区のチェックシートで言うと、（１）の①とか（２）の③については、事例の中でいろいろ相談内容に応じて適切な支援機関等が結びつけられるかどうかということが問題になっているような事例であれば分かるし、（２）の③についてもそうですよね、緊急事態等が生じた場合が検討されているような事例検討だったら評価が入れられるのですが、そういった事例の話でもないところでそういったケースはありますかみたいな、そういう質問をするのはなかなか難しいのではないかと思うのです。なので私は空欄になっている、ということだったと記憶しています。（２）の①については、先ほど麦倉委員長の話にもあったように、本人の結婚希望があるのにそれに対する計画を立てていないということで、私もそれは印象に残っていて、チェックに迷っているうちにそのまま出してしまったと。だから、これは私のうっかりの空欄だったことを思い出しました。確かに（３）の③とか（６）の②についてはその場で確認したり資料なんかを見れば埋められたのかなと思います。
（麦倉委員長）ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
（浮貝委員）そういった５段階にしろ何にしろ評価基準をつくってというのは大事だと思いますし、点数化してという、評価基準を明確につくるのも大変だと思いますが、それがあると、どの委員が行ったとしても同じように評価ができるという意味では、委員によって厳しい人、厳しくない人という差をなくさなければいけないと思うので、基準があったほうが絶対いいというのは賛成です。
　あと、先ほどもお伝えしたように、個別のケースで判断すると、このケースについては連携していますという判断しかできなくなってしまいます。たまたま出したケースが連携していないケースでほかが連携していた場合、その１件だけで連携していないと判断してしまうのはどうかと思うのです。連携しようと思っているけど実質難しくてできていないということもあるでしょうし、そうすると、こういう評価を点数化すると多分、できているケースばかり出してくると思います。それで評価するという不毛なやり取りになってしまうと思うので、個別のケースはこんな感じで進めているんだなというのが分かればよくて、この区の支援室全体の中で、例えばカテゴリーに分けているようなところで知的障害のある人が何人いて、どのようにどれだけの頻度で関わっていて、どういう関わりをマネジャーがしていて、担当職員がしていて、サポーターがしていてという全体が見えると、その支援室全体の評価ができると思うので、個別の部分と、全体を見て支援室としての動きが判断できる部分という二軸があるといいのかなと、感想ですが思いました。この評価をするというのは非常に難しいです。
（麦倉委員長）ありがとうございます。個別のケースに加えて自己点検シートというのが出ているので、ちょっと悩みどころではありますね。今おっしゃられたように自己点検シートの中には多分、できている事例がたくさん書かれているので、それで実際できているのかどうかを評価するのはちょっと難しくて、どうしたらいいですか。評価基準をつくるということで、明確な基準に関しては、ほかに例えば事業評価をするときなんかは何かあったりするのですか。大学の自己点検とかだと本当に細かく、これを証明する証票書類を全部つけろみたいなことをやっているのですが、それをやると本当にペーパーワークで死んでしまうので、それも不毛だなと思います。八木さん、社協なんかではこういう自己点検とかはどうされているのでしょうか。
（八木委員）各支援室に負担をかけてしまうのですが、自己点検で中間期とかの振り返りを頂いている中で、ご本人たちができていると思っているのか、できていないと思っているのかという自己評価みたいなものがあるとよいと思いました。書いていないと、できていないと、德田さんみたいに横棒が入る感じになってしまうのであれば、自己点検結果と聞き取りの中で判断というか、ここは△がついているけどどういう状況で、今後どのように展開するのかを聞いていくことはあってもいいかと思いました。初年度でたくさんいい取組をしてくださって、それを書いてくださっているのはとてもありがたいと思いますが、個別のサポーターとの関わりなどはどこもご苦労されていらっしゃることについてもご自身の区でどうお考えになっていて今後どうしていきたいのか聞けるといいなと。
（麦倉委員長）ありがとうございます。今、検証委員会で今後、点数化するという議論も出ていますが、これを自己点検する場合にも各区支援室の中で同じように自己採点してもらうというようなやり方ということですかね。これは非常にいいやり方だと思います。今は特にＡ、Ｂ、Ｃとか◎とか、そういうのはないですよね。事柄だけで書かれていますが、これもとても大事な仕組みとして有効だと思います。ほかにはいかがでしょうか。荒木委員、お願いします。
（荒木委員）荒木です。Ｃ区における親亡き後が前面に押し出されている事例についてです。精神障害において自分の希望、例えば結婚したいというのが尊重されるべきだと思います。でも、就労継続支援Ｂ型とかいろいろな作業所だと、そんなことできないよと否定されるケースが非常に多くて、そんなことより早く仕事しないととか、ネガティブ意見がかなり多いので、こういうあんしんキーパーにおいてはそういった切なる願いというか、こうしたいとか、何かしたいとか、僕が思ったのは支援者という言葉が硬い気がして、もっとほかに代わるべき言葉がないのかなと思っています。支援者となると硬いやり取りになってしまって、趣味とかささいな、でも、それって当事者にとってはすごい動機づけになると思うのです。これがあるから自分は頑張ろうとか、これがあるからもっと就労して頑張ろうという、そういう小さな動機づけは意外に、継続的なものと言ってはあれですけれども、すごくささいな欲って大事だと思うので、そういった柔軟性というか、もっと何だろうな、柔らかくなってほしいなといつも思っています。
（麦倉委員長）ありがとうございます。確かにこのチェックシートを見ても漢字が多くて、柔らかさというところではとっつきにくいというか、それは非常にあると思います。そうですね、支援者に代わるような言葉というのもなかなか難しいのですが、日常的な小さな希望とか、こういうものが好きとか趣味とか、そういうところについては各区を回ると本当に丁寧にサポーターさんが聞いてくださっていて、それは非常に実践してくださっていると思います。ほかにはいかがでしょうか。坂田委員、お願いします。
（坂田副委員長）その他の意見のところで、「担当職員がなかなか定着しない」と「マネジャーが孤立しやすい」というのをお聞きしたいのですが。
（麦倉委員長）これはどの区でしょうか。Ａ区は浮貝さんですか。
（浮貝委員）と言っていたのです。担当職員とマネジャーがそう言っていた。私の感想ではないです。
（坂田副委員長）そうなんですか。
（麦倉委員長）マネジャーが孤立しやすいというのはマネジャーの方のご意見ですか。
（浮貝委員）そうですね、はい。そういうふうに、実際に定着していなかったり、孤立しやすいんですよねと言われていたことをそのまま書いたという感じです。
（麦倉委員長）では、補足の説明を頂ければと思います。
（推進法人）マネジャーの孤立のことですが、雇われている法人が違う者が一人、支援室にいるという意味では、恐らく孤立というか、最初のうちはなじむまでに時間がかかるというのは当然あるものだと思っています。それはマネジャーを採用した後の研修の中でもそういったところの大変さというのがどうしてもあるということはお話はしています。ただ、そうは言っても、支援室というチームとして現場で動いていかなければならないので、ガイドラインにも記載されていますように、チームとして関わるといったときに、それぞれの役割はありますけれども、支援室の一員としては同じメンバーで横並びの関係だと思っています。チームづくりがうまくいっているところは、孤立を感じる場面というのは少ないかもしれませんが、そこがうまく馴染んでいないようなときに、多分それはお互いさまなのかもしれませんが、ちょっととしたことで、孤立というか、うまくなじめていない自分を実感するというのがきっとあるのだろうと思います。
　また、担当職員さんの定着は、運営法人それぞれで大きく違います。現在、この制度が始まって一番長い担当職員さんは先ほど出ていたＢ区の担当職員さんで、Ｂ区が始まったときにこの制度に関わり始めたという方です。あとは１年未満の方もいます。担当職員さんになったばかりの方たちに、この制度をまずは理解してもらって、そして地域にどう出ていくかというところを話して実際動くにはかなり時間がかかるのではないかと、日々関わっている中では感じています。また、つどう会の開催について、既にやっている支援室もいくつかあり、そこでどんな結果が出たかなども情報共有しているので、今年度、初めて開催する支援室も多かったですが、自分たちのところでどうやっていくのか、キーパーだけでまずは始めてみるとか、登録者やご家族も呼んでみるのか、どんなことをテーマに参加者で話し合ったらいいのかということなどをいろいろ話合いを重ねて、ようやく秋以降にそれぞれの支援室が取りかかれたというのが現状です。これを多分、２年、３年と続けていくことで、地域ごとの独自性も出てくるのかと思います。今年度も、音楽会のような形でつどう会を行った支援室もあれば、登録者の方が体操の講師をされていて、つどう会のときに前に出てみんなの前で体操をやって、それをウォーミングアップのような形で取り入れた支援室もありました。人の入れ替わりなどで、なかなかチームづくりがうまくいかないところは、推進法人としてもうまくいくように運営法人と一緒に取り組んでいこうと思っています。
（麦倉委員長）ありがとうございます。今お話しいただいた内容は結構、本質的なところではないかと思っていて、２の事業推進体制に関することで①に情報共有と連携というのが、連携というと具体的なイメージが湧かないという話がありましたけれども、やはりチームづくりとか、長くいらっしゃる方が、今、Ｂ区の話も聞いて、だからあんなふうに分かりやすく書いていただけるのかとすごく腑に落ちたのですが、とはいえ、いろいろな立場の人がフラットに対等な関係で話をしてチームワークを進めていくことがすごく大事だと思いますので、そういうことも含めてのチーム支援、チームワーク、そういうことが分かるような項目の文章になっているといいのかなと思いました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

その他
（麦倉委員長）それでは、本日の議題は以上をもちまして終了となりますが、特に全体を通してご意見等ございますでしょうか。
（德田委員）（１）の議題のときに申し上げればよかったのですが、資料１の１の（１）登録者数は毎回ご報告いただいて、今回、1961人ということなのですが、これだけだと果たしてこれが多いのか多くないのかというのが分からなくて、潜在的なニーズがどのぐらいあって、どのぐらい市としては需要を見込んでいるのかとか、そういったものもないと、1961人でニーズに応えられているのかどうか、多いのか少ないのかというのがちょっと分かりにくいなと思いました。
　それとの関係というか、むしろ広報との関係なのか、僕の理解が違っているところもあるかもしれませんが、この制度は、例えば障害福祉サービスに結びついていない方なんかにすごくいい制度なのかなと思います。ただ、これを見ると、障害福祉サービスに結びついている方のパーセンテージのほうが多いので、そこら辺のニーズにどうやって応えるのかということも検討していく必要があるかなと。例えば病院とかが広報先に入っていなかったりとか、その他に入っているのかもしれませんが、ハローワークなんかは各区にないのかもしれませんが、そういった日頃、障害福祉サービスに結びついていない方でもいろいろ、日常生活とか仕事先で生きづらさとか違和感を感じていらっしゃる方に目が触れるような、そんなところに広報していくといいのかなと思いました。
（麦倉委員長）ありがとうございます。広報先に病院を入れるというのは、例えば高次脳機能障害の問題なんかでもすごく効果的だと思います。あと、全体のニーズと登録者の関係については、例えばＢ２の方の利用が多いということですが、Ｂ２の方が横浜市全体で何人いらっしゃるのかとか、そのあたりはまた、統計としてはあると思いますので、検討したものを次回以降、示していただければと思います。
（荒木委員）うちのＹＰＳ協会は2015年に設立して今度の２月17日に７回目となるイベントを行います。そのイベントの中で、「今夜は恋愛７（セブン）」という恋愛にちなんだ定例会みたいなものを行うのですが、こういう恋愛について行うと毎回60～70人ぐらい当事者の方とかに来ていただけるんですね。そういった、主にプライベートなことは、精神とか、今まで話してこなかった人は結構多いのではないかと。だから、あえて切り込んでやるのですが、そういったこともやっているので、よかったらよろしくお願いします。
（麦倉委員長）ありがとうございます。ぜひ情報も後で下さい。ほかによろしいでしょうか。それでは、事務局に進行をお返しいたします。
（事務局）皆様、今日は活発なご議論をいただきありがとうございました。現場訪問につきましては次年度以降も続きますので、このチェックシートのチェックの仕方も、少しチェックしやすいような工夫を次の現場訪問までにこちらでもんで考えて対応してまいりたいと思います。
　次回は令和５年度になります。検証委員会につきましてはまた改めてご連絡申し上げますので、よろしくお願いいたします。
（事務局）先ほど德田先生からちょっとお話があった手帳の統計の関係ですが、直近といいますか、３年度末、令和４年３月末の交付状況をお話ししますと、知的の愛の手帳ですね、Ｂ２の交付者数は、全市で１万6434人です。非常に増えてきておりまして、愛の手帳全体では３万4859人の方が手帳を持っています。第４期の障害者プランをつくったときに、これにも書いてありますが、31年度には３万2281人でしたので、31年３月末でこれなので２年の間に何千人と増えている状況になっております。特にＢ１、Ｂ２の方が非常に増えているという状況ではあります。この1961人というのが多いのか少ないのかというのはなかなか事務局としても判断は難しいところかなと思っていて、手帳を持っている方、手帳がなくても困難を抱えている方、全てがこの制度を使いたいと思っていらっしゃるかどうかというところは非常に判断が難しいと思いますが、長く活動されている支援者の方、何人かにお話を聞くと、使いたい方はもっといるはずではないかと。先ほどの荒木委員の話もありますが。なので、広報についてはしっかり、こういう制度があるということをしっかり伝えていくというのは、各後見的支援室とともに我々がやっていかなければいけないと思っているところです。
　今日も活発なご意見をいろいろ頂きありがとうございました。荒木委員の、就労したときこそ、いわゆる福祉サービスの支援者ではなく、そばにいてくれる人がいたほうがいいというお話もそうですし、佐伯委員から、○、×、△ではなくて点数のほうがより評価が分かりやすいのではないかというご意見も頂き、ありがとうございました。また、まだまだブラッシュアップしていきたいと思っています。
（事務局）それでは、以上をもちまして本検証委員会を終了したいと思います。皆様、どうもありがとうございました。

資料
・資料１：障害者後見的支援制度の現況について（令和４年６月末時点）
・資料２：各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告について