令和4年度第1回横浜市障害者後見的支援制度検証委員会会議録 日時 令和4年9月7日(水)午後3時00分〜午後5時00分 開催場所 港南公会堂1号会議室 出席者 麦倉委員長、坂田副委員長、佐伯委員、浮貝委員、八木委員、品川委員、荒木委員 欠席者 徳田委員 開催形態 公開 議題 (1)横浜市障害者後見的支援制度検証委員会について (2)横浜市障害者後見的支援制度の現況について (3)各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告について 議事 開会 (1)事務局あいさつ (事務局)それでは、令和4年度第1回目の横浜市障害者後見的支援制度検証委員会を開会いたします。本日の進行を務めます、健康福祉局障害施策推進課相談支援推進係長の渡辺でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  開会に先立ちまして、障害施策推進課長の佐渡よりご挨拶申し上げます。 (事務局)健康福祉局障害施策推進課の佐渡です。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。座らせていただきます。本日は今年度第1回目ということで、本来であれば、この春に障害福祉保健部長が上條から西野という者に替わりましたので、西野がご挨拶をさせていただく予定でいたのですが、今、議会開会中で急遽来られなくなり、部長から挨拶メモをお預かりしてきましたので、読み上げさせていただきます。  今回から新たな任期での検証委員会開催となります。今期は2名の方に新任の委員としてご就任いただいております。新たな委員の皆様も、前期から引き続きの委員の皆様にも、どうぞよろしくお願いいたします。  本年度については、令和元年度から3年度までの2年間、制度に係るあり方検討会を実施してまいりました。そして、昨年度、あり方検討会での検討内容を集約し、制度の意義や目的を明確化することを目的とした業務運営指針(ガイドライン)を策定しました。この策定に伴って、改めて本制度に係る検証の仕組みを見直しさせていただいたところです。後ほど私からもご説明させていただきますけれども、自己点検の仕組みですとか、外部検証の仕組み――この委員会ですね――それぞれを整理して、両者を連動させることで体系的な検証を行っていくことを目指しております。このことに伴って、検証委員会に先だって実施する現場訪問の実施内容についても大きく見直しをさせていただき、前年までよりもお時間が長くかかるようにはなりましたが、皆様にしっかり検証いただいているところでございます。なお、上半期は7月から8月にかけて3区で実施させていただきました。委員の皆様にはお忙しい中、また、酷暑の中、ご出席いただきまして本当にありがとうございます。心から御礼申し上げます。  本制度は全国的にほかには類を見ない、横浜市が独自に築き上げてきた制度でございます。言い換えれば、横浜市固有の運営上の課題に対応していくことが常に求められる制度でもございます。それゆえに、この検証委員会の場を通じて、理念を運用の中でどのように生かしていくかということ、あるいは運営上の課題にどのように対応していくかということの、客観的な確認や検証を皆様とともに行っていくことが重要だと考えております。委員の皆様におかれましては、本日もどうか活発にご議論いただき、それぞれのお立場から貴重なご意見賜りますようお願い申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。と、部長からメモを頂いております。どうぞ本日もよろしくお願いいたします。 (2)委員・事務局の紹介 (事務局)続きまして、委員と事務局を紹介させていただきます。委員の皆様へは7月15日付で委嘱させていただいたことをご報告申し上げます。本来ならば、全ての委員の皆様お一人お一人に就任のお礼とご挨拶を行うべきところですが、お名前を紹介する形で代えさせていただきたいと思います。それでは、委嘱後、初回の検討委員会ということで、名簿順にご紹介させていただきます。  関東学院大学社会学部現代社会学科の麦倉泰子委員、再任でございます。  横浜市心身障害児者を守る会連盟の坂田信子委員、再任でございます。  横浜市心身障害児者を守る会連盟の佐伯滋委員、再任でございます。  本日ご欠席となっておりますが、神奈川県弁護士会のコ田暁委員、再任でございます。  横浜市グループホーム連絡会の浮貝明典委員、再任でございます。  横浜生活あんしんセンターの八木克賢委員、新任でございます。  横浜市本牧原地域ケアプラザの品川エミリー委員、再任でございます。  YPS横浜ピアスタッフ協会の荒木雅也委員、新任でございます。よろしくお願いいたします。  続きまして、出席委員数の確認をいたします。本日の会議は、委員8名のうち7名の皆様がご出席となっておりますので、横浜市障害者後見的支援制度検証委員会設置運営要領第6条第3項に規定されております委員の過半数を満たしていることをご報告いたします。  そして、ここで事務局を紹介してまいりたいと思います。今年度初の、そしてまた、委員が新しくなって今季初の委員会となりますので、先ほどご挨拶申し上げましたけれども、まず障害施策推進課長の佐渡でございます。そして、私、相談支援推進係長の渡辺でございます。よろしくお願いします。  また、本制度の推進法人であります横浜市社会福祉協議会障害者支援センターの皆様にも本日ご出席をいただいております。ご紹介したいと思います。障害者支援センターの大貫事務室長です。同じく、星野後見的支援担当課長でございます。同じく、市のあんしんマネジャーの市さんです。よろしくお願いいたします。 (3)委員長及び職務代理者の選出 (事務局)続きまして、本委員会は、設置運営要領第5条に基づきまして、委員長と副委員長を置くことが定められております。委員長は委員の皆様の互選により、副委員長は委員長の指名により、これを定めることとなっております。今年度、委員が委嘱されてから第1回目の委員会となりますので、まずは委員長の選出を行います。どなたかご意見もしくはご推薦ございますでしょうか。 (八木委員)麦倉委員が前期も委員長を務められたと伺っておりますので、引き続きがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。 (異議なし) (事務局)ありがとうございます。ただいま八木委員から麦倉委員をご推薦いただきましたので、麦倉委員を本委員会の委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  では、副委員長については麦倉委員長からご指名をお願いいたします。 (麦倉委員長)前年度まで本委員会の副委員長を務めておられた坂田委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 (事務局)坂田委員、今、ご指名がありましたが、いかがでしょうか。 (坂田副委員長)分かりました。よろしくお願いします。 (事務局)ありがとうございます。では、早速ではございますが、麦倉委員長と坂田副委員長から一言ご挨拶いただきたいと思います。まず、麦倉委員長からお願いします。 (麦倉委員長)今年度も委員長ということで承りました。この制度は、横浜市で地域に暮らすいろいろな障害のある方の自宅を訪問したり、最寄りの相談室に足を運んでもらったりとか、緩やかなつながりを維持するという、ほかに類を見ないというご紹介がありましたけれども、非常に珍しく、望ましい制度だと思います。特にこのコロナ禍で非常に孤立の問題が浮き彫りになっております。障害のある方でなくても、例えば自殺の問題とか、特に神奈川では非常にクローズアップされているところであります。この現場検証の際に、ある支援室に伺った際に、実際にマネジャーをされている方が、自分にもこんな制度が欲しいと思うとおっしゃって、本当にそのとおりだなと思いました。コロナ真っ盛りの頃は、親戚であってもなかなか会えないという状態が続きまして、そうした相互扶助に代わるものとして、コミュニティというものもはっきりと目に見える形ではないと。コロナ禍でなかなかそうしたつながりを維持することも難しくなっている。そうしたところで、この後見的支援の制度の重要性というのがますます明らかになってきたかなと思っています。よりよい運用を目指して皆様と忌憚のない意見交換をさせていただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 (事務局)ありがとうございます。続いて坂田副委員長、一言ご挨拶いただけたらと思います。 (坂田副委員長)坂田と申します。どうぞよろしくお願いします。私に務まりますかどうか心配ですけれども、この制度はもう12年目でしょうかね、この制度のよさがだんだんよく分かってきています。この制度はずっと続けてほしいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 (事務局)ありがとうございました。それでは、ここから議事進行を麦倉委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 議題 (1)横浜市障害者後見的支援制度検証委員会について (麦倉委員長)まずは議題1に入りたいと思います。横浜市障害者後見的支援制度検証委員会についてということで、事務局から資料1の説明をお願いいたします。 (事務局)障害施策推進課佐渡です。それでは、資料1をご覧ください。この検証委員会について、改めて概要、内容等をご説明させていただきたいと思います。  1番、概要にありますとおり、障害者後見的支援制度の理念に基づいて、制度を円滑かつ効率的、効果的に機能するために、検証を行うことを目的とした委員会になっております。この委員会の親会議である横浜市障害者施策推進協議会については、条例に基づいて設置されている附属機関ですが、その条例の第3条に専門委員会を置くことができるとなっており、その専門委員会としてこの検証委員会が設置されているということになっております。  2番の内容ですが、先ほど部長挨拶でもご紹介して、皆様にももう既に取りかかっていただいておりますが、現場訪問をまずやっていただくことと、この委員会という形の会議を開催することになっております。  (1)「現場訪問」の実施については、上半期・下半期に分けて1回ずつ訪問を原則とさせていただいております。実施内容のところにありますとおり、まず@として、各区の支援室が主催する会議へ皆様に参加いただいて、どのように支援室の皆さんが取り組んでいるのかを確認いただきます。もう一つは、これは今年度からスタートしておりますけれども、事業計画書兼自己点検シートに基づいて、各区支援室と推進法人の取組状況や課題を、ヒアリング等を通じて確認していただくのが約90分ということで、昨年度に比べてかなり時間をかけて丁寧に見ていただき、チェックシートに記載していただくような形になりました。年間6か所ということで、3年間で18区18か所を全て回れるように、定期的に予定してやっていきたいと思います。コロナがまだまだ感染が拡大したりしている中ではございますが、感染対策をしっかり取った上で現場に皆様とともに伺う必要性を感じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  (2)の検証委員会は、本日が今年度1回目になりますけれども、現場訪問をしていただいた上で、取組状況に関する共有や検証――後ほどご報告しますが――をやっていただいた上で、その中で見えてきた課題や方向性についてご議論いただくということで、全市的な課題などを皆さんでご議論いただく場ということになっております。  今年度、令和4年度の開催日程は、下期については下半期の現場訪問を終えた後ということで、一応皆様のご都合も伺わせていただいているかと思いますが、年明け2月8日水曜日の午後を予定しているところでございます。  次のページの別紙1、別紙2等につきましては、昨年度から継続の再任の委員の皆様には繰り返しになりますが、新任の委員もいらっしゃるので、簡単にご紹介させていただきたいと思います。  今回、2年間かけてこのガイドラインをつくりましたと、先ほど部長の言葉にもありましたけれども、このガイドラインは、後見的支援制度がどのような理念で作られているのか、どのように各区の関係機関と連携を取って進めていくのかということをまとめたものでございます。先ほど麦倉委員長からもご紹介いただきましたけれども、本人を中心に、地域の中で本人の生活を支えていくということで、本人を中心に据えているということであったり、地域の人が参加する、参画する仕組みであるということを踏まえて、それをどのように実行しているか、していけるかということを具体的にチェックするための仕組みをつくりました。まず、自己点検をした上で、この検証委員会による外部からの点検という仕組みを回していきたいと思っておりますので、自己点検の仕組みでは、上半期に行かれた委員の皆様はご覧いただいているかと思いますが、自己点検シートを今年度から新しく活用させていただいて、まず自分でチェックするということをやっていただいております。  裏面、外部検証の仕組みということで、検証委員会の皆様に現場訪問で、このチェックシートに基づいてヒアリング等していただいてチェックするという形で、効果的で理念どおりに動いているか定期的に見ていただくという仕組みになっております。このページの下のほうにそのイメージを書いてありますけれども、当然、自己点検は点検するだけではなく、いわゆるPDCAサイクルということで、計画したら実行していただいて、自己評価という形でチェックし、改善していく、アクションしていくということを自ら回しながら、検証ということで、この委員会の皆様に外部からの目で客観的に見たご意見を頂いて、このPDCAサイクルがよりうまく回っていくように皆様のお力をかりるという仕組みになっているということでございます。  資料1の説明は以上でございます。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問等ありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。私個人としては、自己点検シートができて、現場に伺ったときに情報が非常によく分かるようになって、現場訪問はなかなか回数は行けないのですが、非常に質の高いものができるようになったなと感じております。  ほかの委員の皆様からよろしいでしょうか。それでは、また何かお気づきの点がありましたら、最後にでも質疑応答の時間がございますので、その際にご指摘いただければと思います。 (2)横浜市障害者後見的支援制度の現況について (麦倉委員長)それでは、引き続きまして議題2に移ります。事務局から資料2の説明をお願いいたします。 (事務局)資料2、13ページになるかと思いますが、お開きいただけたらと思います。本市の後見的支援制度の現況ということで、令和4年6月末時点のご報告となります。  まず、利用登録者についてですが、登録者数は、18区合計で1933人となっております。令和3年12月末からですと106人増加しております。  その下、年代別ですが、グラフを見ていただくとよくお分かりかと思いますが、20代から40代の登録者が全体の8割を占めております。令和3年12月末と比較しますと、30代、50代、60代、70代の登録者が増加して、80代の登録者も見られるという形になっております。  続きまして(3)の障害別の内訳ですが、知的障害のある人が全体の7割を占めておりまして、次いで精神障害のある人が2割弱を占めております。その下、障害の手帳等級別のグラフも出ていますが、知的障害の手帳をお持ちの方は、B2の手帳所持者が最多、最も多くて、A1の手帳所持者が最少となっております。精神障害の手帳をお持ちの方ですと、2級の手帳所持者が突出して多いという形になっております。身体障害の手帳ですと、ここも突出していますが、肢体不自由の手帳をお持ちの方が最多という結果となっております。  次のページをめくっていただきまして14ページになりますが、(4)の男女別のグラフです。男性が6割強、女性が4割弱といった割合で登録されています。  その下の居住別、居住形態別のグラフを見ていただきますと、令和3年12月末と比較して親族との同居の割合がやや下がり、単身の方、グループホーム入居の方の割合がやや上がっているといった結果が今回出ております。  その下の日中活動先、ふだんどこに通われているかという統計ですと、6割弱の人が通所、何かしらに通所していて、2.5割の方が就労中の方、在宅の方も1.5割いらっしゃいます。  その下の(7)障害福祉サービスの利用の有無ですが、6割弱の人が利用中となっています。  その下、計画相談利用の有無は、4割強の方が利用しています。  隣の15ページ、成年後見制度の利用についてです。18区合計で138人の方が利用しているという結果になっています。こちらは、令和3年12月末と比較しますと8人増加しています。  以下、成年後見人の内訳ですとか類型、障害種別の表が出ておりますが、ここの説明は時間の関係で割愛しますので、ご覧いただけたらと思います。  次のページをおめくりいただいて16ページになります。(10)キーパーの有無は、利用登録者のうち3割弱がキーパーありという結果となりました。キーパーありの人にマッチングされているキーパーさんのうち、57%が支援者キーパー、36%が地域キーパー、8%が支援者キーパーと地域キーパーの両方といった結果が出ております。  その下、登録したきっかけです。こちらは、約5割の人が、何かしらの支援機関からこの制度を紹介されて登録に至ったといった結果となります。次いで、研修会や説明会に参加して、制度を知って登録したといった方が2割強となっています。その下に、支援機関名も詳しく伺っておりますが、ご覧いただけたらと思います。  次の17ページ、ここからはあんしんキーパーについてになります。登録者数は18区合計で1346人となっておりまして、令和3年12月末から26人増加しております。  キーパー登録者の内訳でございますが、登録者のうち、支援者と地域の人の占める割合はほぼ半々となっています。地域の方が若干多いかなというぐらいです。  その下(3)利用登録者とのマッチングの状況ですが、キーパー登録者全体のうち、約6割の方が利用登録者とマッチングされているという結果が出ております。キーパー登録者が地域の方の場合は4割強マッチングされていて、キーパー登録者が支援者の場合は8割強マッチングされているといった内訳になります。  最後にその下3番、制度の広報・周知先についてということで、これは令和4年4月から6月、3か月分の結果となります。一番多いのが相談支援機関、次いで通所系サービス事業所、あと同じぐらいで民生委員・児童委員、地域ケアプラザ、当事者・家族といった形で続いております。  資料2の報告は以上となります。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは、ただいまの説明につきまして、質問やご意見、実績を見て感じたこと等がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。 (坂田副委員長)14ページの8番で、計画相談につながっていない人がすごく多いのでびっくりしたのですが、これは何でしょうね。事業者が少ないからですか。 (事務局)障害福祉サービスを使っている方が6割程度ということで、基本的にはこの方たちが計画相談支援の対象になってくるかと思います。この6割弱の方のうち、例えば介護保険でケアマネジャーが入っている方は対象外であったり、自分でセルフプランをつくるからという方も対象外だったりします。ただ、それ以外に、横浜市ではやはり計画相談の事業所数がまだ不足しているという状況があって、本人は計画相談をつけたいと希望しているけれどもつけられないという方が一定数いらっしゃるのも事実です。ということで、6割弱の方が障害福祉サービスを利用しているけれども、計画相談が入っている方は4割強であるという差が生まれている状況になっております。 (麦倉委員長)よろしいでしょうか。 (佐伯委員)ちょっと教えてください。その前の13ページの下から3つ、知的障害、精神障害、身体障害の人数は書いてあるのですが、例えば知的障害のB2で421人というのは、知的障害のB2が全体で何人いて、そのうちの何%ぐらいが登録しているとか、A1の人が何人いて、そのうちの何%ぐらいというデータはありますか。障害等級によって、登録者数が多い・少ない等の傾向が出るのではないかと思います。精神、身体でもそういうことがあるのではないかと思いまして、そういうデータが、今でなくても次回にも資料づくりの中でちょっとやってもらえれば、障害者全体の中でどのゾーンの人が最も多く、比率的にも利用しているかということが明確になり、広報するに当たってどのゾーンをターゲットに広報していこうかというやり方も出てくるのではないかと思うので、そこら辺のところをできたら調べておいてください。 (事務局)ありがとうございます。ちょっと年度が違うので傾向だけのお話をさせていただきますと、平成31年度で愛の手帳を持っていらっしゃる方が3万2300人ぐらいいらっしゃるのですが、そのうちの約1万5000人弱がB2の方で、圧倒的にB2の方が多いです。なので、この後見的支援制度もB2の方のご利用が多いのかなと思いますが、それに対して、B1の方が6700人ぐらい、A2の方が5300人ぐらい、A1の方が5400人ぐらいというような状況になっておりますので、全体の中のパーセンテージ的にいうと、B1やA2の方が使っていらっしゃる割合は高くなるのかなと思います。 (佐伯委員)ありがとうございます。 (麦倉委員長)よろしいでしょうか。B2の方は障害福祉サービスにつながっていない方が出てくるのがすごく多いゾーンですので、そこで代わりにどこがつながって支援するのかといったときに、この後見的支援ぐらいしかないというケースも非常に多いのではないかと思います。また、年代でB2の方の割合がどれぐらい増えているかというと、日本では捕捉していないのですが、世界的に見ると捕捉率が上がるに従ってB2の人口――軽度の方が上がってくるということも言われていますので、これから本当に大事な支援制度になってくるのではないかと思っています。 (坂田副委員長)福祉パス、あれは障害福祉サービスにはならないのですか。福祉パスは今、B2の人も配布されていますよね。あれは障害福祉サービスにはならないのですか。 (事務局)ならないです。ここで言っている、この資料の障害福祉サービスは、総合支援法に基づくサービスを言っていますので、手当や特別乗車券等は入れていません。 (坂田副委員長)分かりました。 (浮貝委員)ちょっと細かいのですが、同じく(3)障害別のところで、重複の場合はどちらに取っているのか。例えばB2で発達障害とかというのは。 (事務局)まず、重症心身障害の場合は、それを最優先に選択しています。重心ではない方で知的障害のある方は、それを最優先に選択しています。知的障害がない方で精神ないしは身体の手帳を持っている方は、その手帳種別を優先しています。精神と身体の両方を持っているという方は、その方の状況に応じてより特性の強いものをピックアップしています。それがない方は、発達障害だったり、高次脳機能障害だったりがある場合は、それをピックアップしているという順番です。なので、例えば知的と精神の両方の手帳をお持ちの方の場合は精神のほうでも拾えるのですが、そこを拾うことができていないというのが今の統計の数字となっております。 (浮貝委員)そうすると、例えば発達障害39人(2%)となっていますけれども、手帳を持っていない、診断のみということですか。 (事務局)診断のみの方をピックアップしたものです。 (浮貝委員)診断のみで手帳のない発達障害の人が39人ということですか。 (事務局)手帳がなくて発達障害の診断がついている方がこの人数ということです。 (浮貝委員)では、この下の手帳と障害別というのは、別で考えたほうがいいということですね。 (事務局)そうですね。逆に、上の知的障害の中にカウントされている人でも発達障害があるという方はいらっしゃいます。 (坂田副委員長)発達障害のみの人は精神しか手帳を取れないですよね。 (浮貝委員)精神も取れないで、だから、手帳がなくて発達障害の診断だけで障害福祉サービスを利用している人もいるので。 (坂田副委員長)この制度は手帳がなくても使えますよね。登録できますよね。 (浮貝委員)はい。 (坂田副委員長)では、この「その他」がそうですか。36人というのは手帳がない人ですか。 (事務局)はい。そうなります。 (坂田副委員長)分かりました。 (事務局)あとは手帳の申請中だとか、そういった方です。 (麦倉委員長)今お話を聞いていて思ったのですが、単純集計なので、例えば障害の種別と居住別がどうなっているかとか、もう少し多重クロスをして、どういうニーズがあるのか深掘りしていくこともできるのではないかと思います。これだけ統計的にも非常に価値のあるデータなので、もうちょっとニーズを明らかにするような分析ができるのではないかと思っています。 (事務局)報告資料としてはちょっと、これ以上たくさんの掛け合わせをすると資料として膨大になってしまうので、今日はこの集計データのみを載せておりますが、もし、例えば検討テーマに合わせてこれとこれをクロスさせたデータがあるといいなという場合にはお示しすることは可能ですので、また今後の検討内容に合わせてお示しの仕方を検討していきたいと思います。 (麦倉委員長)ありがとうございます。検討テーマに関しては、これは検証委員会ということでやることがはっきりしているので、ある程度こういうことがやりたいということでイニシアチブを取っていかないと出ないところかなと思いますので、またそのあたりでいろいろご相談するかもしれません。皆様からもご意見がありましたら、ぜひどうぞお寄せください。 (事務局)委員の皆様からも、こういう掛け合わせのクロス集計を見てみたいというご要望がありましたら、ぜひ教えていただけるとありがたいなと思います。 (事務局)今、委員長がおっしゃった、例えば種別と居住というのは、居住地ということではなく、居住形態ということでしょうか。 (麦倉委員長)在宅なのかグループホームなのか、そうですね、それから、日中活動先は、想定としてB2、B1の方で、就労で、在宅で、という方が多いのではないかという想定はできるのですが、実際そうなのかは分からないところですし、あとは単身なのかそうではないのかとか、年代に関しても50代ぐらいまでは出ていますが、そこと居住形態みたいな形は出ていないので、例えば後見人の必要性というのがどれぐらいあるかとか、もうちょっと明確に出るのではないかと思います。  ほかにちょっと気になったのは、17ページのあんしんキーパーの登録者数が、18区合計で1346人ということで、利用登録者数よりも少ないですよね。ここをキーパーさんのほうが多い状態に持っていくようにしないと、本来想定しているこの制度の運用を実現していくのはなかなか難しいのではないかという感想も抱いております。  ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。ご意見がありましたらぜひどうぞ。 (荒木委員)先ほどもあったと思いますが、13ページの精神障害のところで、何人中3級が75人で2級が234人なのかというのが知りたいです。多分これは、登録している人がめちゃくちゃ少ないと思います。僕個人の話で言うと、この制度をそもそも知ったのが委員になったからというのがありまして、委員にならなかったらこのことは知らなかったです。だから、周知というか広報というかそういうのを、やられているとは思いますが、なかなか障害者当本人にも検索しにくい。そして、名前として成年後見制度と間違えやすいというのが非常にあると思っていて、後見的支援制度といったときに、実際、それは知的障害者のための制度なんじゃないの?と言われたり、精神障害者でも使えるの?とか、手帳を持っていないと駄目なんでしょ?とか、どういう人がそういったことを受けられるのか、実は分かっていない人が多くて、しかもその存在すらそもそも知らないというのがあって、そこがすごく課題だなと思っています。 (麦倉委員長)大事な点をご指摘いただいたと思います。周知に関してはいろいろ課題もあるかと思いますが、どうしていったらいいでしょうね。 (荒木委員)本当に知らなかったです。計画相談というのは、例えば僕が通所先を選んだときに、一緒に計画相談もあるけど利用してみない?と言われたときに、あ、計画相談というものがあるんだと知ったのですが、誰かに相談したいなとか、誰かに話したいなというときに、例えば近くの生活支援センターの職員さんに相談するとか、あとはそれこそ最終的にいのちの電話とかになっちゃうのか。病院の中でカウンセリングを使うといっても、自費なので6000円ぐらいかかってしまうんですね。そういうデメリットがあったりとか、こういった制度があったら救われる人はかなりいると思うのですが、なかなか、僕も検証委員になって初めて知ったぐらいなので、いろいろほかの事業者さんと交流したりとかして情報は入るようにしていたのですが、それでも、こういう制度が横浜市にあったんだという驚きで今いるので、本当に周知というか、何かすごく難しく思えてしまうので、簡単に入りやすいというか、入りを浅くして中身を濃いものにしていったら、すごく素敵なものになるのではないかと思っています。 (麦倉委員長)ありがとうございます。障害者後見的支援制度と、非常に漢字が多くて、授業でも話すのですが、学生に覚えさせるのに、そもそも漢字が並んでいると読む気がしないみたいな感覚もあるようで、ただ、この制度でこの名称でずっとやってきているので、あ、あれね、というふうに分かってくれる人はいるというところまで来ていると思いますが、なかなか新しいところに浸透していきづらいというのはあると思います。 (坂田副委員長)YouTubeを見るといいですね。 (荒木委員)実際、YouTubeはやられているんですよね。 (事務局)今日、皆様の机に置かせていただいていると思いますが、これ(制度PR動画のチラシを提示)は手作りの動画なのですが、後見的支援室の皆さんにお手伝いいただいて作ったものです。職員がこの制度はどんなものかというのを説明しているバージョンと、実際にお使いになっている方や担当職員の方がどんなふうにやっているかというのを栄区にご協力いただいて作っているのと2本ありますので、ぜひ後ほど見ていただければと思います。  荒木委員から先ほど、手帳を取っていらっしゃる方の中でも精神でお使いになっている方は少ないのではないかというお話がありました。確かに、これもちょっと年代がずれているので正確ではありませんが、令和元年で約4万人の方が精神保健福祉手帳をお持ちになっています。ちなみに、一番多い2級で234人の方がお使いになっていますけれども、手帳でもやはり2級の方が一番多くて2万2300人ぐらいの方がいらっしゃいます。ぜひ、広報のアイデアを頂ければと思います。 (推進法人)推進法人の後見的支援担当課長の星野でございます。周知の点に関しましてご説明させていただきます。このガイドライン(横浜市障害者後見的支援制度業務運営指針)だけの周知ということではないのですが、ガイドラインが新しくでき、各区の支援室を中心に配布していただいています。今お話にも出ました障害のある方の支援を主にされている機関、日頃から連携しているところになりますけれども、基幹相談支援センター、生活支援センター、自立生活アシスタントの方々の事業所などに支援室の方が出向いて配布させていただいております。  それから、地域のあんしんキーパーの関係にもなりますが、各区の社会福祉協議会、140か所以上あります地域ケアプラザの方々にもこのガイドラインをお持ちして、実際にこの制度の意義や目的というものを改めてご紹介させていただいています。実際、支援室の方と区社協の方、ケアプラザの方が顔の見える関係ができて、障害の方でこういうお悩みを持たれた方がいらっしゃったときに支援室におつなぎいただくこともあります。当然、区役所の高齢・障害支援課、各区の社会福祉協議会の中にありますあんしんセンターにも、このガイドラインをお配りさせていただきながら、この制度の説明をさせていただいています。  実際に、なかなかそれだけでは制度が十分に届かない方も、正直、たくさんいらっしゃるかと思います。ケアプラザは基本的には高齢の方を中心にご支援されています。今、8050という言葉もあるように、高齢者のご支援をしている中で、実際にひきこもりになられている子どもさんがいらっしゃったり、親御さんが悩まれているときにケアプラザから支援室におつなぎいただくこともあり、それで全てが解決できるわけではありませんが、少しずつご支援ができるような形を取らせていただいています。  それから、先日精神障害の各区の家族会の会長様がお集まりになっている理事に出席させていただいて改めてご説明させていただきました。その後、一部の家族会から支援室に、以前も聞いたことはあるのだけど新しいメンバーが入ったので制度の説明をしてほしいというご要望もあり、少しずつですが各区でも周知活動をさせていただいているところです。以上です。 (麦倉委員長)ありがとうございます。非常に有益な情報を頂きましてありがとうございます。去年の8月、9月のこの検証委員会では、こういうもの(動画やガイドライン)があったらいいねぐらいの話をしていた記憶があるのですが、こういうものが実際に出てきて本当に素晴らしいと思います。それでは、そろそろ次の次第に進みたいと思います。 (3)各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告について (麦倉委員長)続いて議題3に移ります。事務局から資料3の説明をお願いいたします。 (事務局)資料3についてご説明させていただきます。各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告についてということで、先ほど課長が代読してくださった部長挨拶の中でもありましたけれども、真夏の一番暑い時期に3か所の支援室を現場訪問いたしました。委員の皆様には本当にお忙しい中、お暑い中、足をお運びいただきご協力いただきましてありがとうございました。  今回実施したのはここに書いた(1)から(3)の3区です。南区と戸塚区と旭区です。先ほど議題1の説明の中でお話ししたように、今回から皆様にチェックシートというシートにチェックをしていただくことになりました。このチェックシートをまとめたものが、20ページから始まります別紙1、別紙2、別紙3になります。この資料に関しては、区の名前と委員名は匿名とさせていただいております。まずは委員の皆様から実際に現場訪問に行ってどうだったかということ――各区後見的支援室の取組に関すること、新しい実施方法に関することについて、持たれたご意見・感想などをぜひ伺いたいと思って、検討のポイントの1つ目とさせていただいております。  一旦、委員長にお返しいたします。 (麦倉委員長)それでは、1点目の検討のポイントに入ります。別紙1から3に、各委員が記載したチェックシートの内容がまとめられていますが、これに基づいて、実際に現場訪問に行かれた委員の皆様からそれぞれ、当日の様子を簡単にお話しいただければと思います。その際、資料の「検討のポイント」欄に記載されている後見的支援室の取組、今年度からの現場訪問の実施方法について、ご意見等あれば盛り込んでいただきたいと思います。なお、資料では、区名がA区、B区、C区となっておりますので、実際の区名ではなく、この表記に合わせてお話しいただければと思います。お一人3分ぐらいで順にお話をいただきたいと思います。まず、A区からということで、浮貝委員さん、お願いできますでしょうか。 (浮貝委員)コロナで担当職員の方がいなかったというのもあって、担当職員さんからお話を伺うことができませんでした。A区だけではないと思いますが、今回のテーマでもあるかもしれない、21ページの一番最後の全体を通した感想のところで、キーパーさんですね。先ほども数字的にどうなんだろうという話も出ていましたが、ここは少し議論というか意見交換をする時間を多く設けさせていただいた現場訪問になりました。やはり支援者キーパーありかなしか、結構まだ定まっていない部分なので、グループホーム連絡会としては、グループホームという立場では、グループホームの職員にあんしんキーパーさんになってくださいというお願いがあるのです。しかも、対象の方が知的障害の重い方とかのあんしんキーパーをグループホーム世話人、生活支援員にやってくださいと、実際、利用しているホームの利用者さんのキーパーに登録してくださいと言われても、やる意味あるんですかとなってしまうんですね。どの立場で支援室と連絡を取るのか。あんしんキーパーの立場として連絡するのって変な感じだよねということで、これもまだ全区、意見が定まっていなくて、何年か前に行ったところなんかは、支援者キーパーは基本的に作らないようにしているという考えの支援室もあれば、支援者キーパーも必要でしょという区もあって、その温度差があったりするので、本当にキーパーの部分ですよね。そこについてはどうしていったらいいのかということです。  あと、このA区だけではないのですが、うちの事業所がある区でもそうなのですが、原則、区縛りがあるじゃないですか。この区の人が使えると。18区にあるのだからその区に使ってくださいという事情で、各区でも起きていると思いますが、やはり何かしらの事情でその区の後見的支援室を使いたくないというのがあるのです。例えば、その後見的支援室をやっていた法人で働いていたと。自身の障害を伏せて働いていて、退職した。その後障害福祉サービスを使っていなくて、でも後見的支援室が必要だとなったときに、自分が元働いていたところの支援室にお願いするのはとてもやりにくいと。でも使いたいとなったときに、隣の区では登録できないのです。そういう話は多分、支援室の中でちょこちょこあると思います。なので、これを今、基幹相談も生活支援センターも含めて同区でというふうになってきていると思いますが、そこの例外をつくるともう歯止めが利かないという問題もありますが、その部分についても課題というか検討すべきことなのかなと思っています。これはずっと続いていると思うので、どっちだ、どっちだと。やっちゃっている区もあるかもしれないし、原則やりませんという区もあるしというので、その辺も少し整理していくべきことなのかなと思いました。以上です。 (麦倉委員長)ありがとうございます。最後の、例外をつくるかつくらないかというのは、区をまたいだような利用に関してありかなしかということですか。 (浮貝委員)はい。 (麦倉委員長)分かりました。原則駄目なんですね。 (浮貝委員)原則駄目だと。 (麦倉委員長)隣の区ぐらいは利用オーケーにしてもいいのではないかと思うのですが。 (浮貝委員)原則駄目だと。その支援室がやりたいやりたくないの話ではなくて、原則では一応駄目だという建付けなので、受けたいんですけどねというところで止まるというのが多いかなと。 (麦倉委員長)そうですね、それはまさに運用の部分で改善すべき点かなとは思います。ありがとうございます。では、まずは各委員の皆様方からの話を伺っていきたいと思います。一人一人の委員の方のご意見に回答という形ではなくて、まずまとめてのほうがよろしいですかね。それでは、次にB区ということで、すみません、全てが匿名になっていて非常に茫漠としていて申し訳ないのですが、B区に現場訪問された佐伯委員からお願いいたします。 (佐伯委員)B区に行ってきました。実際の会議を見て、こういう場合もあるんだなと思ったのが、後見的支援室を利用している本人とその家族、親御さんですね、親御さんが大分高齢になって親御さんの支援も必要だというようなケースがありました。本人はこの制度を利用しているのですが、親御さんをどうしようかということでケアマネさんと結びつけたり、ちょっと仕事の範囲を超えているのかもしれませんが、先ほどの8050ということもあるし、今後、利用者も親も年代が上がってくるので、こういった場合も出てくるかなと。だから、そういった知識を持って動いたのはすごく良かったなというふうに、私はこのB区で思いました。  あと、同じようにキーパーさんの問題で、いろいろとやっていく間にキーパーさんを育てないと、少ないので育てなければいけないということで、見守り体制を構築するためには、やはりキーパーさんの育成が大事だということで、それを今すごく展開されているということでした。どのぐらいキーパーさんが増えるか、半分楽しみにはしていますが、大変だなというふうに感じました。  今回、訪問して評価するということで行ったのですが、あくまでも年度当初の計画に対しての評価しかできなくて、本来であれば計画したものを実施して、それについての評価をするべきなのですが、今年度からということで当然実施されていないので、計画についての評価という形になったのですが、次回からは半年間やったものに対しての評価ができるのかなというふうに感じました。その評価も、半年間で具体的に何をやるかというところは、もう少し数値化したほうがいいのではないかと。何か文章で書いてあるのですが、ちょっと具体性がないのかなというふうに私は感じました。  あと、広報なんかも、私はこの施設に関して立ち上げから第三者として見ていたのですが、いろいろなところに行って勧めたりしたというのも聞いていますので、依頼があったところは嫌がらずにお願いしたい、それを継続してくださいと。広報というのはすごく難しくて、一遍に広がるものではなくて、徐々にヒットしていくような形になると思いますので、日頃の地道な活動というのがやはり大事になるのではないかと思いました。以上です。 (麦倉委員長)ありがとうございます。1つだけ、数値化したほうがよいというのは、具体的にどの部分でしょうか。 (佐伯委員)今年度の具体的な取組です。ですから、例えばこのB区は、制度説明の際にある程度の需要別に3パターン程度確定して理解・実践するということなのですが、その3パターンはどういうパターンにして、理解・実践のための取組を月1回行いますとか、この具体的な取組の内容が、2の1の、今年度の目標の間ぐらいの内容だと思うのです。検討したものについてどういったパターンに分けてどのように理解していくかというのがあると、我々も次回行ったときに、計画は3回だったけど4回できましたねという評価と、2回しかできませんでしたという評価ができて、それはなぜですかと。今だったらコロナ禍と重なってできなかったとか、いろいろなことがあって、では、次の半年間はこうしましょうというような、具体的な方法案が出てくると思います。 (麦倉委員長)分かりました。ありがとうございます。回数とか、パターンの数とか、そういうことですね。それでは、もうお一方、坂田委員、お願いします。 (坂田副委員長)私もB区に行ってまいりました。マネジャーさんもサポーターさんも皆さんとても優秀な方ばかりで、人数が少ない割には登録者数が結構多いなと思って、どのように対応されているのかとちょっと興味深かったのですが、やはり面接の回数とかをきちんと考えてやっていらっしゃるのかなと思いました。  それと、コロナのせいもあってなかなか広報活動ができなかったのかなと思います。広報誌は全区で出すようにと決められたのですか。そうなのですか。何か広報誌を出しておられました。  それと、登録人数に対してサポーターさんが少ないとすごく感じました。面接する間隔が長くなると、登録されている方があまりにも長くてどうしたんだろうとか思わないのかなと私は内心思って帰ってきました。それと、サポーターさんが新しく入ったときにどのようにしてあの人たちを育成されるのかなと。今いる方たちが非常に何でもできそうな方だったので驚きました。5人ぐらい、もっと少なかったか、でも、登録者がすごく多いのです。驚きました。私はそういう感想で、行ってまいりましたが、非常に暑かったです。 (麦倉委員長)今年は身の危険を感じる暑さでした。ありがとうございます。周知が進むと利用登録者が増える一方で、サポーターの数というのはそんなにすぐには増えないので、非常に悩ましい点かなと思います。それでは、C区につきまして、八木さん、お願いできますでしょうか。 (八木委員)C区に伺いました。モニタリングの会議を見させていただきましたが、内容としては適切にご本人の課題を説明してお話をされていて、本人に寄り添った対応をしていたり、ご本人に足りないものが何なのかをアセスメントしながら職員間同士で話合いが進められていて、その事実の中でのチームとしての動きがとてもよく考えられていたように感じました。また、足りないところは他機関をきちんとつなげる意識を持って所長もアドバイスされていて、全体的にはとても良い感じかなと思いました。  2点だけ、皆さんもおっしゃっていたキーパーの話で、伺った一部でしかないのですが、当初登録いただいた地域のキーパーの方がどうしても、なかなか結びつけられていない。どこの区でもそれなりに課題があるかと思いますが、広報誌を毎回手渡して持っていって関わりを持ち続けてくださって、新たな取組として大事なことだなと思う一方で、どうやってこの制度として本来あるべきつなぎにしていくのがよいのか、考えさせられるようなことだったと思っています。それが1つです。  あともう一つは、佐伯委員からもお話があった評価の仕方のことです。私も同じように感じていて、今年度のプランに対して評価するというのが、何ができていてこれを進めるんですというお話を伺って、そうだねというお話にとどまったように思います。前年度の取組状況があって、だから今年はこれをするという内容を検証するのであれば意味があるのですが。○、△、◎の評価項目のもちょっと悩みました。私は今年度初めてということもあるのかもしれませんが、次年度と下半期にはご検討いただければありがたいと思います。以上です。(麦倉委員長)ありがとうございます。C区については私も訪問しました。皆様のお手元にある資料に沿ってご説明したいと思います。24、25ページですね。取組事項に関するところでは、キーパー登録の問題というのがやはり大きいかなと。マッチングの割合が低いということが課題として存在するだろうと。キーパーの集う会などにご本人も参加してもらうなどしてマッチングの工夫をしていくことが必要かなと。それで自然と顔が見える関係をつくっていくことで、この人にキーパーをお願いできるのだったらこの制度を利用してもいいかなという形で関係をつくっていくほうがよいのではないかと思っております。  それから、(2)の登録者の意思に基づく生活の実現に向けた支援というところで、非常にいろいろな努力をサポーターの方がされていて、本人と家族との信頼関係を非常に深めていて、サポーターの方の努力というか研修というか力量が非常にすばらしいなと思いました。ご本人のケースの検討を聞いたのですが、ご本人が一人暮らしをされたいと言っていて、親御さんはグループホームとおっしゃられていたのですが、その中でご本人の希望に近いグループホームの見学を計画するということで、浮貝さんのお名前もちらっと出ていました。ご案内しているんですという話も出ましたが、今後の生活を見通す上で選択肢を十分に提供しようとしているところが見えたかなと思います。  それから、課題としてやはり大きいなと思ったのは、その他の全体を通した感想とか意見というところになりますが、特に地域ケアプラザとの連携に非常に難しさがあるという印象が強かったです。ケアプラザはそれぞれ力を入れている分野が異なっていて、障害分野に関しては必ずしも力点を置いていないとか明るくないところもあると。成年後見に関わる具体的な相談があったときに、ケアプラザ側にうまく引き継がれなかったというケースもあって、ケアプラザ側からもそれで何をしてくれるんだろうというような、何もしてくれないのではないかというような疑問が寄せられているところで、その信頼回復が課題というような話もありました。特に支援室とケアプラザ、基幹相談支援センターも含めて、多職種・多機関連携を進める上で支援の核になるのがどこかということをもう一度再確認する必要があるのかなと思いました。ケアプラザから制度説明しても、1度だけだと何をしてくれるか分からないというような声が上がっていることも課題かなと思います。あと、あんしんキーパーの方からも、何もしていなくてごめんなさいというような気遣いの声も寄せられたということで、ちょっと大変ではあるのですが、キーパーの方が具体的な活動を提案していくことが必要かなと思います。例えば広報誌をつくるときに、キーパーの方に編集に参加してもらうというようなことがあってもいいのかなと。それで、こういうことをやっているという実感があれば、キーパーの方経由でスノーボール式に、こういう活動があるのだけど参加してみない?ということで広がっていくのではないかということです。  それから、このC区で非常によい取組、よい視点だな思ったのが、緊急時などに丁寧な支援が求められるようなハイリスクな状態にある世帯がどういうところか、分析というか評価するという取組をしていて、こうした部分はほかの支援室ともノウハウを共有できるのではないかと思いました。  C区につきましては以上です。 (事務局)事務局から1点だけよろしいでしょうか。皆さん、ご意見をいろいろ頂きましてありがとうございました。その中で、浮貝委員から頂いた対象者の登録先に関することについて、事務局から補足させていただきます。もし今日、ガイドラインをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ガイドラインの22ページをご覧いただきたいと思います。このガイドラインの中で対象者の登録先に関することを整理しております。あり方検討会でこの対象者の登録先というテーマを上げて検討した中でまとめた内容ということになります。やはり浮貝委員がおっしゃるとおりで、登録対象者は実施区内に居住する方ということになっております。例えば鶴見区の方は鶴見区で登録する、神奈川区の方は神奈川区で登録するというのをルールとして定めております。これはどうしてかというと、この制度は、地域の中での見守り体制を構築し、地域住民とともに本人を支える仕組みをつくるという特色を有していることに準拠しております。地域の中で地域住民とともに本人を支えていくためには、本人が現に居住している場所で見守り体制をつくっていくことが前提となるから、実施居住区で登録していただくということです。とても極端な話をすれば、例えば青葉区に住んでいる方が全くエリアの違う栄区の後見的支援室に登録しても、栄区の後見的支援室に青葉区の情報は基本的にないと思います。青葉区に民生委員さんはどんな方がいらっしゃるだとか、青葉区にはどういう社会的資源があるという情報がない。そういった中で、栄区の支援室が青葉区での見守り体制をつくっていくことは困難である。だから、やはり自分の住んでいる区で登録して、その区で社会資源なり地域の人の情報を一番把握している、その居住区の支援室で見守り体制をつくっていくことが原則になってくるので、実施区内に居住する方を登録対象者としているということになります。以上です。 (浮貝委員)生活支援センターも基幹も何でもそうなのですが、そこで悪い印象を持ってしまった人はそこが使えないんですよね。そこが駄目だから隣の区に行ったのに、嫌だから来たんですという人は使いたくても使えないという現象が起きるのです。だから、その問題は割とあると思っていて、それをどうしようと思っているのですが。 (佐伯委員)隣の区ぐらいだったらあるんじゃないですかね。今みたいな青葉区と栄区だとこんなに離れているからまずあり得ないと思いますけど。隣の区だったら歩いて10分で行けるけど、自分の区だとバスを乗り継いで30分かかっちゃうとか、そういったいろいろな条件はあると思います。 (事務局)あり方検討会のときには、もちろん実際に運営している運営法人の方にもご参加いただいで、どう思いますかという話を率直に伺ったのですが、そこで例外を認めていると、やはりきりがなくなってしまうという意見が圧倒的に多かったのです。ということで、やはり居住区でやるということをこのときに改めて定めたという経緯がございます。 (麦倉委員長)ありがとうございます。非常に難しいところだなとは思うのですが、自分が住んでいるところで相談しづらいという事情があるときに、せっかく横浜市にこういう制度があるのに使えないというのは、何とか運用上でクリアできないかなと思います。何でも認めるということではなくて、例えば区の後見的支援室同士で相談して認めるというような手続を1個加えるとかいうことにすれば、例えば今ご説明いただいた22ページの実施区内に居住するということも、「原則的に」というような一言を加えて柔軟に運用できる方向に変えていったほうがよいのではないかと思います。 (浮貝委員)後見的支援制度を使う側からしたときに、あんしんキーパーは要らないという人もいると思います。でも、月に1回、2回来て話をしてくれる、家族的にサポートしてくれる、横並びにいてくれる人は欲しいけど、キーパーは要りませんというニーズも絶対あると思います。なので、その人の場合は地域に見守ってもらう必要はない。本人のニーズとしては。となると、別にその区でなくてもいいのではないかという話になるのです。だから、キーパーをつけることが前提の制度というのも違うと思いますし、そうやって本人のニーズに合わせてというのが一番いいんだろうなと思います。そういう意味では、少なくとも北部とか南部とか、エリアでは一応ありにして、キーパーを使いたいのであればお住まいの区でというのだったらまだ本人は納得してくれるかなと思います。その辺の運用とかをどこまでというのは考えなくてはいけないと思います。 (麦倉委員長)すぐには回答できないと思いますが、こういう課題が出ているということで検討していただければと思います。ありがとうございます。  ほかに委員の皆様でお気づきになった点などございますでしょうか。 (品川委員)訪問のときにやむなき事態が発生し、行くことができず申し訳ありませんでした。今いろいろお話を聞いていて、私はケアプラザに勤めているので、ケアプラザはもっともっとやるべきことがあるんだろうなと思いつつ、私もこの委員にさせていただいて初めて知った言葉がたくさんあるんですね。さっき荒木委員がおっしゃっていたように。介護保険のことはたくさん知っていて介護保険の言葉はいろいろ分かっているのですが、障害のことも少しは分かっていたのです。昔、ヘルパー派遣したりとかそういうことをしていたので。ヘルパー派遣とまた全然違う分野で、ヘルパーという言葉は恐らくたくさんの人が知っているけど、キーパーという言葉は、違う意味でのキーパーは知っているかもしれないけどこの意味でのキーパーは知らないとか、サポーターさんもほかのサポーターという意味は知っていても、この制度のサポーターさんは知らないという人は本当に多いのではないかと思うのです。  先ほどC区でしたっけ、ケアプラザとうまくいかなかったというのは。成年後見のことで相談に行ったという。各ケアプラザは、基本的に包括支援センターと名前はすごいですけど、主任ケアマネジャー、保健師、社会福祉士の3人だけなんですね。そこの地域の65歳以上の人数が多くなるごとに1人増え、1人増えというぐらいのもので、基本的にはほとんど3人しかいないのです。そこでいろいろな地域の相談を受けるのですが、うまくいかなかったという事例になってしまって、両方が気の毒だったし申し訳なかったなと。どこのことか分かりませんがそう思ったりするのと、この資料を読んでいて、ケアプラザが民生委員さんを呼んで説明会をするとか、私のケアプラザは中区なので、らるごという後見的支援室なのですが、年に1回、所長会のときに説明に来てくれたりとかあるのです。あるのですが、ほんのわずか5分かそこらの説明をして、資料をもらってもすぐ頭から飛んじゃう。何回見たって何だっけってなるくらいなのに、というところで、もっともっと、実際、ケアプラザで説明会をしたりとか、人が来なかろうと何回も何回もやるというのと、もっと言葉を周知させるというのが本当に必要だなと。介護保険のことは、私はたくさん知っている、ケアプラザも知っている、だけど、介護保険に初めて関わる人は全然知らないのです。それと一緒で、障害に関わる人たち、中にいる人たちはいっぱい色々なことを知っているけど、まるっきり関わらない人は全く、言葉一つも、2回、3回聞いたって分からないというぐらいの感じだと思うのです。それをケアプラザとして何かできないかなと、今回すごく痛感しました。  私は前回8月のとき市庁舎で、去年かおととしか忘れましたが、ケアプラザは運営委員会というのを年に2回やるのです。そこで坂田委員が、そういうところに参加させてもらったらというお話をしてくださって、それ、いいなと思ったのですが、この2年間、コロナ禍で一回もその委員会自体できなくて、ということもあったりとか、このコロナ禍でそこが足を引っ張られてしまっているところはあるのですが、改めて、少なくとももう少し、まずは自分の区からという感じになってしまいますが、後見的支援室と連絡を取り合って何かやっていったりとか、実際、ケアプラザとうまくやっています、うまくいきましたというところもありましたよね。なので、それをもっともっと広めていけたらいいなと思います。私は、自分の法人は大きいところなので全区にケアプラザがあるので、そこから自分がまず何かやって、法人の会議でそれを発信していって、みんなに分かってもらうということをしていけたらなというふうに、改めて思いました。ありがとうございました。 (麦倉委員長)ありがとうございます。言葉というか概念自体が多分、ほかにない制度なので、何をやっているんだろうというふうに理解することも非常に難しいと思いますが、本当に制度の周知を工夫していかなければいけないなと思っております。  それでは、次の2点目の検討ポイントに入りたいと思いますが、まずは事務局から資料3の後半部分についてご説明いただきたいと思います。 (事務局)それでは、続きまして検討のポイント2点目です。あんしんキーパーの開拓と地域づくりについて、今日はご意見を頂きたいと考えております。資料、一度戻りまして16ページで、あんしんキーパーに関する数字的なものを改めて確認したいと思います。16ページの(10)ですけれども、キーパーの有無という項目があるかと思います。キーパーがいる方は今、全体の3割弱ということになっております。それから、その右隣の17ページに進みまして、あんしんキーパーとして登録しておられる方ですけれども、18区の合計で1346人となっていて、そのうち、地域の方と支援者の方が半々となっております。ただ、地域の人のほうが増加傾向にあるということになります。利用登録者とのマッチングの状況ですけれども、あんしんキーパーとして登録している方のうち、利用登録者とマッチングされている方が6割ということになります。ここで、登録者とマッチングしている人は826人となっていますが、16ページのキーパーの有無のところで、登録者のうち、キーパーがいる人の数は512人となっています。なぜこの数が一致していないかというと、例えば登録者Aさんに対してキーパーが2人ついていることもあります。逆に、キーパーとして登録している方が、登録者AさんとBさん2人の方とマッチングされているということもあります。なので、この数字は一致していないということになります。それから、地域の人と支援者のそれぞれのマッチングされている率はここに書かれているとおりとなっております。  ページを戻りまして18ページです。【参考】あんしんキーパーの開拓と地域づくりについてというところに、基本的な視点というのを入れております。ここで(業務運営指針11ページ)となっておりますが、ガイドラインをお持ちの方は、この11ページよりも、40ページ・41ページであんしんキーパーの開拓と地域づくりについてまとめております。この項目が含まれている第4章というのは、この制度を持続的・効果的に運用していくことに向けたポイントとなる視点についてまとめたところですが、その中の一つとして、あんしんキーパーの開拓と地域づくりを入れております。ここの中にも、あんしんキーパーを通した障害がある人の地域生活を支える仕組みづくりは、本制度の推進における柱の一つであるというふうにまとめております。  このようにガイドラインの上でも定めているのですが、あんしんキーパーを開拓するにあたり、これまで各区ではそれぞれバラエティーに富んだ色々なやり方であんしんキーパーの開拓を進めてきてくださっています。本当にやり方は色々で、登録者のAさん、Bさんがいて、まずそのAさんに近い人であんしんキーパーになってくれそうな人はいないかなというのを本人から引き出していって、例えばよく行くあのお店の方がいいのではないか、あの方にキーパーになってもらおうというようにアプローチをかけて、キーパーになってもらったというやり方をしている区もあれば、Aさんが住んでいる区の民生委員さんに声かけをして、その中からいい人を探してもらったりというように、民生委員さんにアプローチしてAさんのキーパーを探していくようなやり方で開拓してきた区もあります。逆に、登録者のAさんありきではなくて、キーパーになりたい方が地域の中にいらっしゃって、その方にまずキーパーバンクのようなものに登録していただくことから始まったという区も中にはあります。  ただ、それぞれのやり方はそれぞれの課題を持っておりまして、例えば今申し上げたような、キーパーになりたいという地域の方がいて、キーパーバンクに登録していただくというやり方の場合、そこから登録者のAさん、Bさんとマッチングしていくことがなかなか難しいというような課題があります。あるいは、取りあえずキーパーバンクに登録したけれどもそのままになってしまっていて、その後なかなかフォローができていないので、キーパーさんとしても、私はキーパーとして何をすればいいんでしょうかと感じているような課題を抱えている区もあります。逆に、登録者Aさん、Bさんの周りで適任者を探しマッチングしていったというやり方の場合は、その登録してくださったキーパーさんが登録者Aさんにだけ見守り視点を持って、それ以外の、地域の障害のある人全体を見守るという視点がこれまでなかったという区もあったりします。  ということで、各区色々なやり方でキーパー開拓を進めてきてくださったのですが、それぞれのやり方、それぞれいい面も課題もあるというところです。これらを踏まえ、このガイドラインでは、基本的な視点を図にまとめて、キーパー開拓を進める上では、ここを目指していかなければいけないという目指す先、方向性を整理したということになります。まずは左側の図1ですけれども、登録者一人ひとりへの見守り体制の構築、これが登録者とキーパーをマッチングするというような形で、登録者Aさん、Bさんを見守ってくれる人、見守り体制をつくっていこうという視点です。それから、右側が図2で、障害のある人を見守る、地域のネットワークの拡充・強化。いわゆる地域づくりというものです。障害のある人全体を見守る、地域のネットワークを広げて、それを強めていくという、この2つの視点が必要であると。どちらかだけではいけない、この2つを両方大事にしていかなければいけないし、この2つの視点を循環させていかなければいけないというような、これがキーパー開拓に当たって目指す先だというふうにガイドラインでは整理しております。  各区の実際の取組状況ですが、それぞれ現場訪問した区のキーパー開拓の取組状況をご覧いただいたかと思いますが、18区全体の状況としてはどうかということを19ページにまとめています。これは、各区の事業計画や、横浜市と18区とのヒアリングの中で聞き取ったご意見の中から抜粋したものになります。まず取組として、キーパーの集う会の実施、広報誌の発行、この2つに関しては、今年度から必ず実施してくださいと18区にお願いしていることになります。  まずそのうちの1点目、キーパーの集う会ですけれども、キーパーさんが登録したままほったらかしという感じを持ってしまわないように、キーパーさんが集まってそれぞれの活動状況を報告し合って、モチベーション、意識を高めていくような集いを実施してくださいということを、今年度から18区にお願いしています。18区それぞれでもう既に取組を実施していたり、あるいは実施に向けた調整を進めてくださったりしているところですが、これに関しては、キーパーさんだけではなく、登録者やご家族にも参加してもらっている区が結構たくさんありました。その中で、地域の方と登録者との顔の見える関係を構築して相互理解を促進している区が複数ありました。  それから2点目、広報誌の発行、これに関しても、今年度から必ず取り組んでくださいというふうにお願いしているものになります。この広報誌の発行については、例えば集う会の開催報告を記事にするなど、支援室の取組と連動性を持たせて地域への広報を行うことを心がけているというような区もありました。また、この広報誌の配布をきっかけに、キーパーさんと連絡を取って顔の見える関係性を維持したり、広報誌を手渡しして配っている中で、地域の人から声をかけてもらって地域の回覧板に入れてもらったという区もありました。  それから3点目、民生委員、町内会等へのアプローチです。区社協の協力を得て、民生委員や自治会の人たちにキーパーになってもらうよう働きかけている。地域ケアプラザと連携した民生委員・児童委員向けの制度説明会を実施する。民生委員さんに制度説明し、キーパー登録もしてもらう。チラシや広報誌等、町内会の掲示板へ掲示してもらう。モデル地域、これは以前から関係の深い地域をモデル地域として設定し、町会にキーパーバンクへの登録を呼びかける。事業所所在地区の地区社協の会合に毎月参加して、そこでチラシを配布している。民生委員や地域ケアプラザの方などが参加する防災座談会で、登録者やキーパーさんから話をしてもらって、障害のある方の暮らしを知ってもらうきっかけとした。基幹相談支援センターなどが同行すると受け入れられやすい。やはり後見的支援制度が何をやっているところなのか分かりづらいため、なかなか後見的支援制度単独で行っても上手く行かない場合もあって、基幹相談支援センターなどが同行すると受け入れられやすいことがある。そのために、基幹とコラボした取組を推進している。団地内のサロンで基幹や生活支援センターと一緒に普及啓発の出前講座を行った。地域ケアプラザでのあんしんキーパー養成講座の開催。登録者が定期的に買い物に行っている商店街にキーパーの依頼、地域の見守りの依頼をする。地区センターのイベントなどに出向いて地域との関係性をつくっている。ということで、18区いろいろな取組をそれぞれ行っているというような状況です。  それから4点目、地域ケアプラザや区社協との連携です。これに関しては一例として、地域生活支援拠点の取組として、区社協、基幹相談支援センター、区役所、モデル地区の地域ケアプラザ、こういった機関とともに地域づくり会議というものを開催している区もありました。  それからその他、まず地域の人にあんしんキーパーになってくださいと依頼すると、やはりちょっとハードルが高いと受け止められる場合があると。なので、まずは見守り応援隊として登録してくださいというふうに依頼して、それはキーパーの一歩手前のようなイメージですね。まず見守り応援隊として登録してもらって、その後、キーパーのイメージが湧いたからキーパーになってもいいわということであんしんキーパーに登録してくださる方もいるという区もありました。それから、自立支援協議会の事務局や部会などに参画しているという区も複数ありました。地域福祉計画の策定会議に参加している区もありました。  1行空いて、ここから先は、各区で課題だなと感じていることをピックアップしたものです。まず、キーパーになりたいと立候補してくださってキーパーバンクに登録したけれども、なかなかその先に進めないのが課題であるという区がありました。それから、本人とキーパーさんがマッチングしたけれども、どのように本人に関わっていけばよいか分からないという声があるという区もありました。これも複数区から聞かれたのですが、地域の人が、自分の住んでいる地域には障害者はいませんというふうに考えてしまっている場合があるという区もありました。それから、これは本人や家族の意識面で、登録者がキーパーを持つイメージが湧かない、あるいはメリットが分からないという声があると。これはかなり多くの区から聞かれました。特にお若い方に関しては、やはりなかなか将来のことに目が向いていかないと。お若い方は障害があってもなくてもどなたでもそうだと思いますが、今現在の例えば通所先であった出来事などを話して面談が終わってしまったりして、なかなか先の将来のことに目が向いていかない。あるいは、地域の人とつながっていくというイメージがなかなか湧かない。今は困っていないからいいですということで、キーパーさんをという話をしても、いや、今はいいですというふうになってしまうことがあるというご意見がありました。また、障害を地域に知られたくないと考えている人もいる。特にこれは精神障害の方に多いというご意見が多かったです。それで、ある区からは、地域づくりは障害をクローズにしなくてよくすることも目的であり、そのために集う会を有効活用していくというご意見を頂いています。  先ほどの図に戻りますと、まさに今の最後の話はこの図に当てはめて考えると分かりやすいかなと思いますけれども、右側の、障害のある人を見守る、地域のネットワークの拡充・強化を進めることで、それが結果的に、障害のある人が地域につながっていこうという意識を持ってくださって、その方の見守り体制を構築していくことにつながるというふうに循環させていく、こういうことが必要なのかなというようなご意見もありました。  こういった各区の取組状況に基づいて、あんしんキーパーの開拓と地域づくりに関して、各区の取組状況などで良いと感じた点、課題と感じた点、課題への対応方法などについてご意見を伺えればと思います。説明は以上です。 (麦倉委員長)ありがとうございます。それでは、これから検討を行いたいと思います。あんしんキーパーの開拓と地域づくりについて、現場訪問とか今のご説明もあり、その取組状況や内容に関して良いと感じた点、課題と感じた点、課題への対応方法についてご意見頂ければと思います。いかがでしょうか。 (坂田副委員長)キーパーさんがなかなか見つからないという意見はよく聞きますが、私も一応2人のキーパーをやっています。毎年その時期になるとこれを送ってくるのです。あ、私、キーパーやっているんだっけと。ふだんは忘れているのですが。あと、キーパーの集いと利用者の集いというのがやはり大事かなと思いました。そこに来た人がお友達を誘ったりというのも結構ありますよね。今までコロナで自立支援協議会とかそういうのもなかなか、Zoomでしかやっていないということも多いので、やはり人が集まらないと難しいのかなと私は思います。 (麦倉委員長)ありがとうございます。初めて拝見しました。ちゃんと有効期限というのがついているんですね。 (坂田副委員長)そう、1年ごとにちゃんと送ってきています。 (麦倉委員長)集いが大事ということで、私も非常に顔の見える関係性が大事だなと思います。ほかにはいかがでしょうか。 (浮貝委員)最後の意見というか課題といいますかに対して、キーパーバンクの良い例とか良かった例とか、このキーパーバンクがあることによって何していいか分からないとかいうのが起きているような気がするのです。そもそも、本人を知っている人とか、近所の人とか、ああ、あの人ねとかってなってくると、何をすればいいか割と明確になると思うのですが、とにかくキーパー登録してください、応援してくださいというのは、登録して何やっていいか、誰だか分からないという人だとこういう問題が起きると思うのです。逆に、バンクに登録してよかった例とか、だからバンクが必要だみたいな例があったら教えていただきたいのですが。 (麦倉委員長)もしご存じのことがあればお願いいたします。 (推進法人)最初に始まった4区の中の、栄区のとんぼという支援室で、登録者Aさんの希望に基づき、あんしんキーパーを見つけていくという形ではなく、地域の中で障害のある方を気にかけてくれる方にあんしんキーパーになってくださいと呼びかけて、いわゆるバンクキーパーという、地域全体を見守ってくださる方を沢山広げていった支援室があります。バンクキーパーとして登録した後、彼らに対してどのようなことができるか支援室で考え、障害のある人が利用している施設の見学会を実施しました。その後、地区ごとにキーパーが集まって横のつながりを持ちたいという声から、地区別の「つどう会」を開始しました。 回を重ねていくうちに、キーパーさんから、自分たちだけでなく家族や本人の話を聞きたい、もっと知りたいという声が出てきて、その集う会に本人や家族が参加するようになりました。現在は、各中学校区にある地域ケアプラザを会場として使わせてもらい、そのエリアに住んでいる人たちが集まって一緒に話すという形で実施しています。このような経過の中で、先ほど委員の皆さんのお話にもありましたが、今までキーパーさんがいなかった登録者が集う会に参加して、バンクキーパーの方とたまたまグループが一緒になってお話が弾んだのか、「私、この人にキーパーになってもらいたい」という声があがり、そこでキーパーが見つかった方がいらっしゃいました。また、ずっと何かできるお手伝いはやりたいと思っているけどなかなかキーパーとして登録者とつながる機会がなく、集う会に参加するなどを通して支援室とつながっていたバンクキーパーがいました。最近になり、ご近所に住んでいる方でキーパーを探している登録者がいて、その方のキーパーをお願いしたという話もあります。バンクキーパーと支援室が長く付き合ったからこそ、支援室もこのバンクキーパーならこの登録者を見守ってくれるだろうかなどと考え、お互いのことを分かった上で登録者に紹介できたので、うまくつながったとのではないかと思います。  あと、広い意味で、障害のある方のことを気にかけてくれる人が自分たちの暮らす街に増えていることが、登録者やそのご家族からすると安心ということもあるようです。自分が暮らす区にはこれだけ気にかけてくれる人が「あんしんキーパー」として登録してくれている、その数とお住まいのエリアが目に見える形でわかることで、直接自分に何かしてくれるわけではないですが、障害のある人たちのことを気にかけてくれる人がこれだけ区にいるのだったら安心して過ごすことができるという声をご本人から聞いたこともあります。 (事務局)今の前半部分の話に関しては、まさにこの動画の第2部で取り上げている内容なのですが、バンクキーパーをつくってよかったことというよりも、バンクキーパーとして登録した方が、キーパーの集う会、登録者とキーパーの集う会を通してうまく本人の見守り体制につながっていき、さらにそれが地域づくりにもつながっていった好事例なのかなと思います。 (麦倉委員長)ありがとうございます。マップ化はすばらしいなと思いました。 (事務局)すごく大きい模造紙に区の地図を書いて、丸いシールをキーパーの数だけ貼ってあるのです。それをご家族の方や当事者が見ると、僕たちのことを気にしてくれる人がこんなにたくさんいるんだという、それも安心感につながるのかなと思いました。 (麦倉委員長)見えるというのがやはりすごく大きいなと思います。一方で、知られたくないという気持ちも大事にしなければいけないので、本人だということを知られないで、キーパーか本人か分からないけど集う会に参加しているとか、そういう状態もありなのかなと。地域住民の一人として参加するという。そういうことを将来的に考えていくと、本人キーパーとかそういうのもありなのかなとか、横のつながりというようなことで、ピアのつながりということもあり得るのかなと思いました。 その他 (麦倉委員長)それでは、本日の議題は以上をもちまして終了となりますが、最後に全体を通して委員の皆様からご意見ございますでしょうか。 (荒木委員)最後に、精神障害でクローズで知られたくないってあったと思うのですが、その知られたくないという理由も様々あると思うのです。例えば、言ってしまったら何か言われてしまうのだろうかというパターンと、将来的なビジョンをちゃんと持っているから言いたくないという人とかいろいろな人がいて、地域の人がもし心を開いてくれて大丈夫だったら、それだったら言ってもいいという人もきっと中にはいると思うのです。だから、知られたくないという中にも様々な感想とか持っている人がいるので、それをもっと広げていけたらいいなと思います。 (麦倉委員長)ありがとうございます。知られたくない理由を深掘りするということですね。大事な視点だったと思います。  それでは、議題としては以上をもちまして終了となります。活発なご意見を頂きましてどうもありがとうございました。事務局に進行をお返しいたします。 (事務局)皆様、本日は本当に様々なご意見を頂戴しましてありがとうございます。また事務局内で本日頂いた意見を検証・検討しながら、皆様と一緒により良い制度にしていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。  それでは、これをもちまして令和4年度第1回検証委員会を終了させていただきます。次回は令和5年2月8日水曜日1時半から3時半を予定しております。改めまして日にちが近づきましたら通知文にてご連絡を差し上げたいと思います。以上をもちまして会議を終了いたします。本当にありがとうございました。 資料 ・資料1:横浜市障害者後見的支援制度検証委員会について ・資料2:障害者後見的支援制度の現況について(令和4年6月末時点) ・資料3:各区障害者後見的支援室の現場訪問に係る報告について