第8回横浜市障害者差別解消検討部会 日 時:平成27年8月20日(木)10時〜12時 会場:市庁舎5階 関係機関執務室 次第 1 開会 (配付資料の確認、説明) 2 議題 (1)市が行うべき取組について(前回の継続) (2)市内の事業者が取り組むべきことについて (3)市民に取り組んでほしいことについて (4)「市への提言」の案について 3 その他(連絡事項等) 本日の進行(予定) 次第 10:00 1 開会 (配付資料の確認、説明) 10:05 2 議題 (1)市が行うべき取組について(前回の継続) 各委員から事前にいただいたご意見は資料1のとおりです。補足説明、意見、質問のある方はお願いします。 休憩(10分くらい) 11:00 (2)市内の事業者が取り組むべきことについて 意見のある方はお願いします。 11:30 (3)市民に取り組んでほしいことについて 意見のある方はお願いします。 11:45 (4)「市への提言」の案について 資料3により「市への提言」の案を説明。意見、質問のある方はお願いします。 11:55 3 その他(連絡事項等)  ※進行の予定時間は、審議の状況によって変わることがあります。 資料1 各委員からの意見 項目 p1 (1)横浜市が取り組むべきこと 各委員の意見 委員名 B会議、イベント等の開催に関すること 会議資料 分かりやすい資料にしてほしい。 永田委員 可能であれば、資料の電子データを事前に送付してほしい。 神崎委員 その場で読んでわかる点字、拡大文字などの資料の準備をお願いしたい(事前申込の際などに何が必要かを確認)。 神崎委員 会議等で、パワーポイントによる説明自体は否定しないが、画面を読まずに「これが」、「上半分の」などの説明は不可。 神崎委員 みんなで写真を見て話をしている場面なども含め、視覚障害者で疎外感を感じる人は多い。 神崎委員 資料には、グラフや図を入れて分かりやすくしてほしい。 井上委員 分かりやすい資料で会議に参加できるように、作成の段階から情報提供してほしい。 奈良ア委員 会議案内 分かりやすい地図をのせる。 和田委員 分からない人のために案内の人を出す。 和田委員 案内の人に紙をもたせて、案内の人だと分かるようにする。 和田委員 企画 さまざまな障害者が参加することを前提に(障害者がいないことを前提にせず)、参加して不便を感じることのないように、障害特性に応じた配慮をする。例えば下記。 大羽委員 障がいを持たれている方が参加しやすい場所・会場を指定する。 場所 … 交通の便が良い 会場 … バリアフリー、エレベーター、多目的トイレ、休憩室(個室) 中瀬委員 p2 UD(ユニバーサル・デザイン)タクシーについての会議があるので参加して欲しいとの依頼があり参加を伝えていたら、直前になって会議場がエレベーターの設置されていない建物の4階だと分かりキャンセルした例がある。 車いす利用者が参加するケースでは駐車場・障害者用トイレの有無や玄関から会場のアプローチ、段差などに支障がないかのチェックが必須になり下見する場合が多々ある。 浜崎委員 介助者 介助者も付き添えるようにしてほしい。 永田委員 本人がまだ点字が読めないなど、資料の事前準備ができない場合は、資料を読み上げてくれるアシスタントを配置してほしい(2人分の席の用意を)。 神崎委員 バリアフリー関係の「まちの点検活動」で、区からの案内に「ガイドヘルパーを使ってお越しください」との記載があったと人から聞いた。生活の中で上限の時間に達してしまうので、配慮がないと言っていた。 神崎委員 聴覚障害に手話の派遣制度があるように、視覚障害にも制度が欲しい。3年前から移動のみでない同行援護ができたが、目に見えたものをそのまま言うのは誰でもできる。守秘義務も課して、代筆代読サービスの制度が必要。函館、東京などでは代読者養成講座を実施している。 神崎委員 浜視協で昨年度から音訳者講習を実施しているが、講師も小説を上手に読むなどの内容。また、人気のある講習、ボランティア活動であるが、個人情報の保護に関心のない人が多い印象があり課題である。 神崎委員 聴覚障害者のために手話通訳と筆記通訳をつける。 大羽委員 災害など非常時に、聴覚障害者と視覚障害者とがいずれも困らない情報保障をする。 大羽委員 映像や演劇などのイベントに視覚障害者が参加できるよう、音声ガイドをつける(音声ガイドの存在についてはほとんど知られていないが、横浜市には音声ガイドボランティア団体「よこはまライブシネマ」がある)。 大羽委員 必要に応じて、視覚障害者、聴覚障害者、肢体障害者、脳性まひの方などのガイドヘルパーを用意する。 大羽委員 介助者を選べるようにしてほしい。 奈良ア委員 p3 会議日程 内部障害者の中で、腎不全=血液透析をする者は、月水金、又は火水木のように週3回、朝から5〜7時間透析をしなければならない。この透析の時間と曜日は、原則として変えることはできません。なお、重要な会議が透析とぶつかり、会議事務局から1回くらい透析を休めないかと打診されることがあるが休めない。透析患者は、透析が3日以上できないと深刻な生理的ダメージが生じ、5日以上で生命の危険が生じる。従って、会議や公聴会、イベント、などについては、月水金パターンの開催と、火水木パターンの開催と、ふたつのパターンで実施していただくことが血液透析をしなければならない障害者にとっては必須である。実際には、まず、そのような重複実施のようなケースはありえず、2週間以上の余裕があれば、あらかじめ透析間隔2日を限度として調整するか、できなければ諦めるというのが実情だが、現実問題として、同じものを2回行うこと(例えば月曜日と火曜日に)は、多くの会議イベントにおいて、難しい(あり得ない)。これは、仕方のないことである。できるもの=勉強会のようなもの=は複数回実施していただくことをお願いし、後は何らかの形で情報を入手することで、妥協するしかない、ということだと考えている。 佐藤委員 送迎 区市主催の講演会やイベント(音楽会など)は重度障害者は参加したいと思っている人がたくさんいる。しかし、外出することができない、送迎を頼んでも区や市ではできませんと言われ断られてしまう。結局あきらめてしまうケースがある。行政でも送迎サービスをおこなっていただきたい。 松島委員 会議進行 話し方のルールとしては、発言者はまず名乗ってほしい。 神崎委員 避難場所 避難所のうち、何部屋かは高齢者、障害者のために分けてほしい。また、特別避難場所は当初から開設してほしい。帰宅困難者の対応についても同じ。担当の人もいるとよい。 神崎委員 C区役所等の設備の改善に関すること 非常設備 廊下に設置する非常時の誘導装置で、避難の方向に音や光が流れていき、避難すべき方向に誘導するものがある。サイレンの大きな音を持続的に出されると、必要な音を感覚的に聞き分けられず、パニックに陥ってしまう。  神崎委員 p4 トイレ 多目的トイレが使いにくい、何とかしてほしい。扉を開けるとベッドが有ったり、小さなベビー椅子が備え付けられているから、車いすが入りにくい。誰でも利用するのは当たりだと思っているが備え付ける位置を考えてもらいたい。20年前の車いすトイレ(専用)は小さかったが、車いすしか利用しなかったので、何とか使用できましたが、いつの間にか、広さを変えることなく名前だけ「専用」から「多目的トイレ」に変えて、無理矢理ベッドや椅子、あるいはオストミー耐用まで突っ込んである状態で、車いすの方が入れないし、オストミーの方も困ると思う。昔、車いすトイレが階段と階段の間の踊り場に設置してあるのを見たとき、怒るより呆れて笑うしかなかったが、それとあまり変わらないと思う。設置する場所とか全然考える気がなく、ただ作ればいいやという発想である。 松島委員 トイレの仕様(ボタンの位置など)もできれば共通仕様にしてほしい。せめて決まった場所に音声案内があるとよい。 神崎委員 新市庁舎には、盲導犬、聴導犬のトイレを作ってほしい。トイレの場所があまりなくて困る。 神崎委員 障害者用のトイレを整備する。 大羽委員 窓口等配置 区役所等の一般型をつくってほしい(入り口を入ると案内が決まった位置にあるなど)。又は入り口を入ると音声の案内がある、職員が声をかけてくれるなど。 神崎委員 窓口表示 部屋番号等について、触って分かる凹凸のある表示(浮き出している表示)は助かる。アルファベットと数字くらいは分かると思う。 神崎委員 区役所内の案内表示・看板(矢印等)が分かりづらい。 奈良ア委員 窓口を待つ際の番号札について、自分がどの番号札を取ればよいのか分かりづらい。 奈良ア委員 案内図 分かりやすい地図をつくる。 和田委員 p5 点字ブロック 設計上のデザイン、見た目も否定しないが、それだけでは困る。階段部分の色を変えるなど、弱視の方への配慮を。また、デザイン上の事だと思うが、屋外の誘導ブロックとアスファルトの色が似ていると分かりにくい。 10年くらい前までは、屋外の誘導ブロックと屋内の誘導ブロックは同じものにしてほしいと要望していたが、肢体不自由の方への配慮も考慮し、屋内は凹凸の少ない者でも良いと考えている(健康福祉センター8・9階廊下が参考事例)。 神崎委員 市内の公道や公の施設内外、交通機関の段差解消、点字ブロック整備などを行う。 大羽委員 掲示物 掲示物は目の高さに、比較的大きな文字で。 神崎委員 色弱の方のユニバーサルデザイン、色の組合せに注意。 神崎委員 施設内の担当部署への案内標識や音声ガイドを視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者発達障害者用に整備する。 大羽委員 障がい特性に応じた情報提供手段を確保する。 中瀬委員 庁内環境 東日本大震災以降、節電のことはあるが、暗くて一層見えにくいことがある。光量の確保を。 神崎委員 車止めの配置 講演で入り口や遊歩道(散歩道)に車止めが設置されていると車いすでは通行ができない場所がある。 近くにある郵便局に行くには公園内を通ると早くて安全だが、出入り口に自転車やオートバイなどの進入を禁止する車止めがあり、また、近くの遊歩道にも車止めが同様にあり大型の電動車いすは通行できない。  浜崎委員 Dその他 情報の保障 手話、筆談等の対応 耳が聞こえない人は手話で対応してもらいたい。 永田委員 分かりやすいコミュニケーション 分かりやすい版をつくってほしい。 永田委員 知的障害者、発達障害者、精神障害者、脳性まひなどの言語障害者に対して、コミュニケーションボードカードでの補助ツールを使用し、また丁寧かつわかりやすい対応をする。 大羽委員 ウェブサイト ホームページには、画像データ(PDFデータ)のみでなく、テキストデータなども併せて掲載してほしい。 神崎委員 国のパブコメで、送信の際に画像認証があること対応ができない。 神崎委員 p6 市民対応 障害理解 家族や介助者と一緒にいても、本人のことは本人と話をすべきである。 永田委員 私たち脳性まひ者の特徴の一つは言語障害があること。外出先では幼児語で話しかけられることが多々あり、その中に役人もいる。腹が立って「今、僕に向かってしゃべった幼児語を僕と同じ50代の健常者に使ってみろ、どうなるかわかるか」と言ってやりたくなる。とにかく普通に話を聞くことが重要である。 松島委員 可哀想がらないでほしい。 神崎委員 窓口対応 ちゃんと説明をわかりやすくしてもらいたい。 永田委員 障害の種類はさまざまですので、窓口対応で、すべての障害の方に、またすべての状況に、オールOKというわけには(現実問題として)いかないだろうと思う。 ただし、担当者の方々の、無思慮、無配慮、無関心、又は忙しい中での面倒くさい対応をしなければならないことへのいらつき、などは、繰り返し、教育を実施することで正しい理解と対処に結び付けること、加えて、お助けマン的なサポート部隊の配置、で十分な配慮が必要なケースに対しては対応する仕組みとする、ことが必要と思う。 一部の区役所では、実際にお助けマン的な動き回っている案内係を配置しているようだが、対障害者という面では、十分機能しているとはいえない。 佐藤委員 車イス利用者の話を「しっかり」と聞いてほしい。聞く態度が良くない。 松島委員 幼稚語は止めてほしい。 神崎委員 必要以上に障害のことをほじくって聞かないでほしい。 神崎委員 (電話対応時に)「2年も前から心配してんだってアッハハハー」なんて言語道断。聞こえてなけりゃいいなんてんなわけではない。 和田委員 開庁時間 単身で働いている者が、担当のワーカーに連絡をとることが難しい。時間を指定されてもなかなか行けない。土日に開庁して対応してくれると助かる。 神崎委員 p7 職員教育 継続的な、障害者に係る教育の実施をお願いしたい。事例を見る限り、様々な問題を引き起こしている要因は、障害に対する知識不足、障害者との対応に対するスキルの不足、障害に対する無関心、障害者だからといって特別扱いはしない的な誤った意識、面倒な対応をせまられる障害者に対する嫌悪感などがあるわけで、これらに対するきちんとした理解、自分たちの立場の見つめ直し、対処するために必要なスキルのトレーニングなどを繰り返し行っていただく必要があると思う。 たとえば、窓口を例にとると、ここですべてを処理しきれるとまで要求するものではなく、必要かつ適切な対処ができればいいので、市・区の組織的対処を理解した上で、うまく割り振りできればいいわけであり、そのためには、知識とコミュニケーションスキルの習得機会が用意されていることが必要と考える。 佐藤委員 差別事例募集の結果、市(市職員、区も含む)による差別的取扱いや合理的配慮の欠如の事例が少なくなかったことを、具体的に伝えることが必要。全職員が関連事例を読むよう指示する。 大羽委員 職員に、さまざまな障害の理解、障害者の特性に応じた対応方法を教育訓練する。 大羽委員 職員に、国連の障害者権利条約の精神に則った障害者の人権に関する啓発教育を行う。 大羽委員 その他 市営のノンステップバス(路線バス)に乗車、降車する段階になって混んできたので降りるのに気を使うなと思っていたら、運転手の方がマイクで「車いすの方が降りますので車内の皆様にはご協力をお願いします」との放送をしたことによって、周りの方々が敏速に通路を空けてくれ、運転手の方もスロープ板の設置や安全ベルトの着脱等などもスムーズに進み無事降車でき、この一言で明るい気持ちになった。 浜崎委員 p8 E市民への啓発に関すること 啓発手法 取り組みの基本は、市民の皆さんに知ってもらうことだと理解している。 このような法ができ、このような取組を行おうとしている、その現状としてこのような実態がある、ということをご理解いただくことである。ここでも、完全を期そうとするのは無理があるので、まずは実態を知る、そこからの取り組みを考える、ぐらいのところから進めるのがいいと思う。そこで、実態だが、集まった約1,000の事例には、偏りがあるので、まずは、この偏りの是正=事例の集まりが少ない障害者団体の方に、もう一度ご意見を聞く機会を持つ、事が必要では。特に、これ以上、なければないでいいのだが、隠れているところもあるのではないかという気がする。 市民の皆さんに実態を知っていただくことは重要だが、知っていただくには、目につく、見る気になる(見ようと思う)ことが必要です。現在、事例が公表されているが、ひとつには、このようなホームページの中から知りたいものを見つけだすことに慣れている人はいいとして、そうでない人(多くの市民の方々)には、公表されているはずの事例を見つけだすことが結構難しい。これでは、見ようとしてくれない。 また、見つけ出せても、エクセルの操作に不慣れな人は、うまく使うことができない。 今の公表の仕方がすべてダメなのではなく、現状に加えて、トップページの見やすいところに簡単版があることが必要である。(記者発表資料のデータも含めたもので、概略版)これは、さらにその概略の概略を、市・区の広報にも掲載したい。" 佐藤委員 ラジオやテレビを活用したり、ポスターを作成してバスや駅など人がたくさん通るところに掲示したりしたほうがよい。 井上委員 民生委員に対して、障害理解を深めるための研修をやってほしい。 奈良ア委員 テレビのCMを活用したり、ポスターを作成したりするのがよいだろう。 奈良ア委員 啓発内容 市民への啓発は大切だが、障害者に全く関心がない市民に啓発していくことは非常に困難だが、粘り強くやるしかないと思う。 松島委員 長期的に考えていく必要がある。 神崎委員 障害者である前に一人の人間であるコト あなただっていつなるかわかりませんよ。 和田委員 p9 個人の考えや主張を否定することはできないが、一人ひとりの意識づけ・啓発は重要である。 山下委員 健常者と障害者との間で、「〜してあげる」「〜してくれる」という上下関係となる考えではなく、同じ目線の共存であり、片方だけがどちらかに歩み寄るだけでなく、お互いの歩み寄りが大切という考え方が健常者と障害者の物理的なもの以前の心の隔たり(差別)を軽減させることになるのではないか?  山下委員 困っている人を助けるのは障害者だからではなく、人と人との生活では当たり前のことである。 山下委員 現状では、「自分が発達障害者である」ことを言わなければまわりからの配慮がないので、障害と言わなくても自然な当たり前のやりとりとして配慮がなされるようになってほしい。 山下委員 「適切な配慮」は今の段階ではに必要だと思う。例えば、役所や企業の窓口で話をするときに障害種別(視覚・聴覚・肢体・内部)に合わせた適切な配慮が必要です。時が流れるに従い、それが普通の行為になっていくと良いと思う。僕が怪訝していることは、「適切な配慮」が独り歩きしていつの間にか「優先」とか「専用」に変わりはしないかと心配になるだけ。「適切な配慮」とは「合理的な配慮」とは何かと問われるとはっきりとした答えが見つからない。役所や一般企業に向けて障害者に対し、適切な配慮を行いなさいよという意味かもしれないが、何とも言えないが、普通にできないものか特別なものを求めているわけではないのにと言いたくなる。市・区社協や障害者施設といった、福祉関係の施設の窓口の対応はひどいものである。僕が一人で行くと、まず、僕の言語障害が聞き取れない、「付き添いの方はどこにいるの」と聞かれる。「私が用事があるからここへ来たのです」というと相手は他の職員さんと相談する始末、「とにかく僕の話を聞いてください」何回か言うと相手もようやく聞く耳を持つが、帰ってくる言葉が幼児語である。「今度来るときはお父さんやお母さんと一緒に来るんだよ」と、そういう極端な例は福祉関係施設の一部かもしれないが現実にある話です。言語障害が聞き取れなくてそわそわする例は結構多い。障害者の事を全く理解しなくて窓口に座っている。それで僕たち障害者の案内ができるのだろうか。少し話がそれたが、「適切な配慮」「合理的な配慮」が必要なのは一部の福祉関係者ではないか。意味が違った。(笑い)もう少し私たちのことを理解してもらいたい。私たちは言語障害が聞き取れなくて怒っているのではない。それによって幼児扱いされることに腹が立つ。 松島委員 p10 啓発内容、啓発手法 障害者の人権、障害の社会的モデル、差別と合理的配慮、様々な障害特性、障害者との共生等々、障害の理解と障害者差別解消に向けた啓発情報の発信(該当掲示、文書配布、インターネット発信、イベントなど)を計画的に実施すること。 特に、@どんなことが差別か、A障害者への日常生活の援助方法、B目に見えない障害(発達障害、精神障害)物への対応について、具体的にわかりやすく説明すること。 学校教育において、上記の内容を取り上げること。  大羽委員 イベント等の開催 障害者差別の大部分は知らない事によっておこってくる。少なくとも18の行政区でタウンミーティングを開催して市民の理解を求めて行く。 清水委員 イベント等の開催、啓発手法 フォーラムやホームページのように、テーマに関心を持った方が自ら情報を得る形のものに加え、子どもから大人まで、どのような環境や状態にある方へも情報が届くような発信の工夫が必要だと思う。また今回あがった事例を活かして、ふりかえったり考えたりする機会を定期的にもつような働きかけを行う必要があると思う。 例)施設、病院、学校、区役所、交通機関、銀行、不動産、様々なお店、自治会など、市民が良く足を運ぶ場所でのお知らせやミーティング開催、職員への周知徹底、回覧板、掲示版の活用等々。  前沢委員 啓発の担い手 障害者のマンパワーを是非活用してほしい。当事者が一番よいと思う。 神崎委員 p11 F相談及び紛争の防止等のための体制の整備に関すること 相談窓口 グループホーム職員など、自分のことを知ってくれている人に相談できるようにしたい。 永田委員 このような課題の場合、答えは、相談体制があるべきだ、となるだろうが、どのような体制で持つか、ということになると難しいように思う。相談は、電話、FAX、メール等で、可能とし、回答方法は選択できるようにするということになるだろうが、うまく、回答できるだろうか。 相談できる、今まで言えないでいたことがオープンにできる、ということは重要であるので、相談窓口のようなものは必須なのかもしれない。 その場合、相談に乗る側は、各分野の専門家(現実の担当者)、カウンセラー、当の障害者団体の役員(相談窓口的なポジションの人)による集団合議制的な体制とすべきではないかと思う。相談に乗り、回答を行う側のスタッフが、専門分野的に偏ると、とんでもない回答が出されてしまう不安感がある。 佐藤委員 発達障害のある人は発達障害が原因となって2次的な症状が出てから初めて精神障害者福祉保健手帳又は、愛の手帳を所持するようになり、精神障害者又は知的障害者と認められてから初めて相談につながることが多い。そのため、精神障害者として相談することになるが、精神障害者支援を行う者の発達障害に対する理解が不十分であることが多く、相談しづらい。  山下委員 私の経験上や聞いた話の中でしかありませんが、認知症や知的障害のある方を支援する方(あるいは子どもの発達障害を支援していた方も)の方が、私たちの困り感や世の中での不当な扱いかもしれないことに理解があって、初めて相談できることもある。精神障害者のサポートをする方たちがもっと発達障害のある方に適した形で相談に乗ってくれるような流れができたらと思う。  山下委員 相談窓口であるならば、他の窓口にたらいまわしにすることなく、きちんと最後まで対応してほしい。対応できないならば、相談窓口とは言えない。 奈良ア委員 差別に関する相談窓口であるならば、相談を受けられる力のある人に相談したい。 奈良ア委員 メールでも相談が受けられるようにしたほうがよい。 井上委員 障害福祉に理解のある人がまず相談を受けた方が良いと思う。 井上委員 どこにその苦情を伝えればいいのかをはっきりしてほしい。 和田委員 p12 相談体制 横浜市には、3障害、障害種別ごとにピア相談員がいる相談窓口になる。そこで手に余るものは、横浜市障害者差別解消条例を作り、その中に調整委員会を設け委託する。 清水委員 既存の機関が従来の体制において、対応する事だけでは不十分かと思う。 今現在も様々な相談窓口が設けられているが、従来の窓口で対応するのであれば、改めてその体制を整える必要がある。不快な思いや悲しい思いをされた後、それを相談することは不安や緊張も生じます。そのような方の御相談を受けた後の対応の流れは明確でなければならない。また、民間事業者における出来事について、その管轄に直接相談するというのも、現実的には相談のしづらさが生じるのはないでしょうか。そのような相談を受けた身近な支援者はどう動けばよいのか、一支援者としても明確な仕組みを求めます。また、それを地域にしっかりフィードバックし、啓発につながるような取組が必要だと思う。 前沢委員 横浜市は障害者相談支援システムとして重層的な相談支援体制を構築しているが、相談支援機関だけで障害者差別に関するすべての相談を受け、紛争の防止・解決することは難しい。 ・広範囲の分野にわたっている ・福祉以外のサービス、住宅、交通、教育、医療、… ・差別に当たるかの判断、事実確認、介入の難しさ ・法律専門家の助言が必要なケース…  ⇒ 行政による障がい者差別を専門とする総合窓口の開設、協議会等を設置する。(解決に向けての対応、専門的・中立的な立場から判断する仕組みが必要) 中瀬委員 発達障害の支援は精神障害の機関で対応してもらうことが多いが、自分自身や周りの当事者を見ていて安心して相談できる機関もしくは相談者がとても少ないように強く感じてきた。 山下委員 差別であるかどうかについて、本人もまわりも判断が難しく「〜かもしれない」と思っている人が相談できる場所が必要であるが、生活はここ、就労はここ、家庭はここという縦割りではないことが望ましい(相談しやすい)。 山下委員 メールで相談ができるとよい。 奈良ア委員 p13 夜間等、通常の相談窓口が閉まっているときの窓口を検討してほしい。 奈良ア委員 地域で差別解消に関するキーパーソンとなる人材を育ててほしい。そして、その人がちゃんと地域にいて、いつでも相談ができるようにしてほしい。 奈良ア委員 相談対応 相談がある時は、相手の立場に立つことが何より大事。その上で、じっくり話をする。相手が納得するまで。 松島委員 当事者によるピア相談は良いと思うが、担当者の資質を向上させる必要性を感じる。障害者権利条約や法律に関する知識を身に付け、得意分野以外は知らないということがないようにし、相談をした人から、役に立たないと言われないようにしなければならない。 神崎委員 p14 条例制定 国の基本方針に則った相談体制、相談機関、調整機関、助言、市長勧告等を明記した条例を設けること。  大羽委員 特記提案 @ 松島委員提供資料を読んで 「応募事例は、「合理的配慮の不提供」も根底には差別が潜んでおり、全事例が差別であること、また差別している側には差別している意識がなく、差別される方だけが人権侵害を感じるケースが多いこと」を指摘されている。相談機関では、訴えられた差別について常にこのことを念頭に置き、差別されたと感じた人の立場に立って相談に応じる原則を明記した運営規則を設けることを提案します。ある事例が差別か差別でないかの判定をする組織には、差別を受けた障害者と同じ障害を持つ者を参加させることなどがそれです。 A 神崎委員の発言を聞いて 「選挙公報の点字版や音声版がないために、視覚障害者は候補者の名前も知ることができない」という差別の制度の事例を説明された。これは明らかに制度上の障害者差別である。本検討部会においては、これまで制度上の差別についてその取り扱いを避けてきた経緯があると思われる。例えば、第2回検討部会で、「障害基礎年金の金額が障害者の生活保障には届かないものであること」は、「障害者差別解消法の範疇を超える社会保障レベルの話であり、制度に関する問題提起は別の場で」と論外の問題とみなされ、また「精神障害者の身体併発病の治療が高の医療機関で拒否されることが多いこと」の問題は、「制度問題で不満があれば、事例に書いてもらうことでよい」という結論になった。第6回検討部会でも、「横浜市の市バス地下鉄の介助者料金の割引が精神障害者だけに適用されていない」事例について、「制度の問題として議論をすると、それは政治の話でお金や人の問題になるので、話を広げずに狭く限定して差別とみなすのであれば構わない」という御意見があった。 大羽委員 p15 障害者差別解消法には、「制度上の差別」という概念が規定されていないので、制度の問題について差別を認めると話がややこしくなることは確かでしょう。しかし、国連の障害者権利条約では、「「障害に基づく差別」とは、障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む)を含む。」と定義されている。 横浜市の差別解消法に対応する相談(相談体制)では、差別の定義を国連の障害者権利条約に依拠し、日本の制度に障害者差別がありうることを前提に、その訴えがあった場合に訴えを却下することなく、いかにしてその差別を解消できるか検討すべきであると規定することを提案する。差別を解消するために制度を変える必要があるという判断が出た場合には、しかるべき市政、県政、国政機関にその判断を通告する義務があることも規定すべきである。相談体制の運用に関する規程は市の条例として明文化することも提案する。 相談者 発達障害のある人は、仮に差別を受けていたとしても、「自分が悪い」で相談に来ないパターンが多い。  山下委員 スキル 一言で行ってしまうと、大人の発達障害に本当に理解のある施設や相談員がもっともっと増えることを切に願う(増やしてほしいと思う)。発達障害者支援センターは機能しているとは全く思えない。 山下委員 資料2 「市への提言」の記載内容の検討 p1 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいこと@】 「市への提言」のうち、「市内の事業者が取り組むべきこと」について、ご意見、話し合いをお願いします。 市内の事業者は、どのような配慮をすべきですか? また、注意すべき差別的取扱いはどのようなものですか? <事業者の例> 病院等の医療機関 電車、バス等の交通機関 お店、レストラン 福祉サービスの事業所 など 【事務局から】 ○これまでの検討部会でのご意見等は前回の「資料4」のとおりです。また、寄せられた事例のうち、関連する主な事例を「参考資料」にまとめてみました。ご参照ください。 ○当面取り組むべきこと、将来的に取り組むべきことに分けてご意見がある場合は、そのようにお話しください。 p2 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいことA】 「市への提言」のうち、「市民に取り組んでほしいこと」について、ご意見、話し合いをお願いします。 ・市民一人ひとりに取り組んでほしいこと、理解してほしいこと ・それぞれの地域で取り組んでほしいこと、注意してほしいこと など 【事務局から】 ○これまでの検討部会でのご意見等は前回の「資料4」のとおりです。また、寄せられた事例のうち、関連する主な事例を「参考資料」にまとめてみました。ご参照ください。 資料3 ※検討部会での議論をもとに、内容の追加、修正をしていきます。 (案)8月20日現在 障害者差別解消法の施行に伴う横浜市の取組について(提言) 平成27年月 横浜市障害者差別解消検討部会 目次 1はじめに 2検討の経過 3障害者差別解消の取組について (1)市が取り組むべきこと 取組1不当な差別的取扱いの禁止に関すること 取組2合理的配慮の提供に関すること 取組3職員対応要領の策定及び職員研修に関すること 取組4区役所等の施設・設備の改善等に関すること 取組5市民への啓発に関すること 取組6相談及び紛争の防止等のための体制の整備に関すること 取組7その他 (2)市内の事業者が取り組むべきこと (3)市民に取り組んでほしいこと (4)制度に関する意見 4障害のある人とない人が共生する横浜市の実現に向けて(主として障害のある人たちから全ての市民に伝えたいこと) 1はじめに (イメージ) 平成28年4月の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)の施行に向けて、横浜市が行うべき取組について提言するため、横浜市障害者施策推進協議会に設置された横浜市障害者差別解消検討部会において、平成26年11月から審議を行ってきた。 ・・・・・・提言する。 2検討の経過 開催日 議題 第1回 平成26年11月4日(火) 1会長・副会長の選出について 2検討部会の会議での約束事について 3障害者差別解消法について(説明) 4今後のスケジュールについて 第2回 平成26年12月11日(木) 1障害者差別と思われる事例、合理的配慮の良い事例の募集について 第3回 平成27年2月24日(火) 1事例募集の実施状況について(中間報告) 2寄せられた事例の整理、公表、今後の活用について 3第5回以降の日程調整について 第4回 平成27年3月24日(火) 1事例募集の結果について 2寄せられた事例の分類について 3課題の整理(今後の検討事項)について 第5回 平成27年5月14日(木) 1事例募集の結果の公表について(報告) 2寄せられた事例の分類について 3今後の検討予定について 第6回 平成27年6月16日(火) 1事例の公表について 2障害者差別解消法の規定について(確認) 3前回の事例の分類の確認について 4事例の分類について(前回からの継続分) 第7回 平成27年7月21日(火) 1事例の公表について(報告) 2前回までの事例の分類の確認について 3市が行うべき取組について 第8回 平成27年8月20日(木) 1市が行うべき取組について 2市内の事業者が取り組むべきことについて 3市民に取り組んでほしいことについて 4「市への提言」の案について 第9回 平成27年9月29日(火) <各回の概要> 第1回会長、副会長を選出するとともに、障害のある委員が多数参加するこの会議における約束事を検討し、決定した。また、障害者差別解消法の規定内容及び今後のスケジュールを確認した。具体的な約束事としては、発言する際には名前を言うこと、発言者はゆっくりと話すこと、ゆっくり話してほしいときや内容が分からないときに使う「○×カード」を希望する委員に用意すること、会議資料にはルビをふることなどとした。 【参考】会議の際の主な準備 点字版資料の作成、磁気ループの設置、要約筆記のスクリーン投影、介助者の配置、会議資料に関する事前説明など 第2回障害者差別解消の取組を検討していくための資料として活用するとともに、市民啓発を目的とした市の「障害者差別に関する事例の募集」について、募集の際の設問、回答方法、実施上の工夫や配慮、周知方法等について意見、提案を行った。 第3回事例の募集の中間報告を受けるとともに、実施後の事例の整理、活用等について検討を行った。寄せられた事例は原則全てを公表することが適当であることなどの意見、提案を行うとともに、特に事例の分類や障害のある人へ分かりやすく伝えていく工夫などについて議論を行った。 第4回事例の募集の結果の報告を受けるとともに、事例の分類方法(区分)について 議論を行った。障害のある人の側の意見を大切にしつつ、特に「絶対にしてほし くないこと」と「できればしてほしくないこと」の濃淡をつけることの適否など について議論を行った。 第5回事例の募集の結果の公表について報告を受けた後、事例の分類方法(区分)の修正について議論を行った。その後、抽出した事例を対象として、決定した分類方法(区分)に従って分類を行った。 第6回障害者差別解消法の規定の再確認を行った上で、前回行った事例の分類について、その考え方の確認を行った。また、前回からの継続として、事例の分類を行い、そのことを通じて、論点の議論や課題の整理を行った。 第7回事例の公表(市ホームページへの掲載等)について報告を受けた後、提言の作成に向けて、市が行うべき取組(窓口対応・電話対応における配慮等、通知・説明書類等に関する階慮)について議論を行った。 第8回 第9回 3障害者差別解消の取組について (1)市が取り組むべきこと 障害者差別の解消について、市(市職員)が取り組むべきことを以下のとおり7項目に分けて記載する。 なお、「@不当な差別的取扱いの禁止に関すること」と「A合理的配慮の提供に関すること」については、ここでは法律に沿った整理としているが、検討部会における事例の分類の検討においても、事例の詳細が分からないと、それが「不当な差別的取扱い」になり得るものなのか「合理的配慮の不提供」になり得るものなのか判然としないものや、そもそも法律上の「障害者差別」に当たり得るのかどうかの判断が難しいものが少なくなかった。 以下の説明では具体例も一部示しているが、それぞれの事案によって状況は異なり、「障害者差別」となり得るのかどうかについても異なる場合があるので、その点は注意をお願いしたい。 また、障害者差別解消法は、基本的には、個別の場面における特定の障害者に対する取扱いを対象としており、さまざまな分野の既存の制度の見直しを一律に求めるものではないが、そのことを踏まえつつも、検討部会としては、対象となる障害当事者等の視点から、既存の制度に関わることについても、この提言に記載することとした。他の法律等との関係から、横浜市のみでは解決が難しいものもあるが、それぞれ制度ごとに現状を確認し、検討をお願いしたい。これについては、○ページ「(4)制度に関する意見」に記載する。 「取組@不当な差別的取扱いの禁止に関すること」 障害者差別解消法では、障害を理由として、正当な理由なく、サービスの提供を拒否したり、制限したり、条件を付けたりするなどの行為を禁止しており、市職員においても、区役所等での窓口対応や電話対応をはじめとして、行政サービス全般においてそのような行為を行ってはならない。 不当な差別的取扱いは、故意に、意識的に行っていることがほとんどであると考えられるが、そのような行為がある場合は、早急に是正が必要である。 <不当な差別的取扱いになり得る具体例> ○障害を理由として、窓口対応や電話対応を拒否する。 ○障害を理由として、会議、講演会、イベント等への参加を断る。 ○特に必要がないにも関わらず、言葉が聞き取りにくいなど、障害を理由として、区役所・市役所等への来庁に際して付添いの同行を求める。 「取組A合理的配慮の提供に関すること」 障害者差別解消法では、障害のある人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、過重な負担を要する場合を除き、障害のある人にとって日常生活や社会生活を送る上での障壁を取り除くための配慮(合理的配慮の提供)が求められており、行政機関については法的義務となっている。 合理的配慮を提供しないことも、不当な差別的取扱いと同じく、障害者差別解消法において「障害者差別」であり、行政機関にとってはいずれも法的義務であることをしっかりと押さえておく必要がある。 なお、合理的配慮を提供しないことは、不当な差別的取扱いとは異なり、無意識のうちにそうしていること、不作為のものがほとんどであると考えられるため、まずはそのことを意識することが必要である。 「合理的配慮の提供」は特別なことを求めるものではなく、「周りの人(応対する人)が少し気を遣うことで、障害のある人の生きにくさを改善していきましょう」というものであると考えている。特別なことでなく、誰もが普通のこととして行うようになることが目指すべき方向である。 市職員が合理的配慮の提供に関して取り組むべきことは、次のとおりである。 <合理的配慮の提供の実践に当たって> 合理的配慮の提供の実践に当たり、まず、次の2つのことを理解いただきたい。 1.障害の特性を理解する。 障害種別ごとの特性を理解することが適切な配慮につながる。知らないこと、無関心であることや思い込みが、誤った配慮の実践となることがある。 ○注意すべき配慮の例 ・補聴器の近くで大声で話す(聴覚障害)。 ・白杖をつかんで誘導する(視覚障害)。 2.一人の市民として対応する。 障害のある人も障害のない人も同じ一人の市民である。障害のある人を自分よりも相手を下に見て「やってあげる」の意識ではなく、お互いを尊重する関係の中で対応することが大切である。 ○注意すべき配慮の例 ・障害のある人が大人の場合に、幼児語を用いる。子供に言い聞かせるような過度に丁寧な説明をする。 ・本人が意思表示できるにも関わらず、本人のことについて家族や介助者とのみ話をする。 <コミュニケーションに関すること> 用件を確認する、手続等の説明をする、配慮に関する本人の意向を確認するなど、合理的配慮の提供の基本は、障害のある人とコミュニケーションを図ること、言い換えれば情報を保障することである。 そのために、障害に応じた配慮を適切に行いつつ、情報を「伝える」ことと「受ける」ことを行う必要がある。 以下に具体例を示すが、「合理的配慮の提供」の全てを網羅したものではないので、実際の対応においては、一人ひとりの障害や意向に応じた対応をお願いしたい。 「伝える」に当たっての合理的配慮の提供となり得る具体例 ●窓口対応・電話対応において ○本人の希望を確認し、筆談や手話(手話通訳の配置)等で対応する(聴覚障害)。 ○早口でなく、ゆっくりと話す(聴覚障害)。 ○電話でなく、ファックスや電子メールでの連絡を基本とする(聴覚障害)。 ○文章が苦手な人に対して、説明内容の理解の確認を行う(聴覚障害)。 ○ホームページや資料をご覧くださいではなく、読み上げて説明する(視覚障害)。 ○あちら、こちらなどの指差しの言葉ではなく、具体的にあなたの右、後ろというように伝える(視覚障害)。 ○どこに人がいるのか、その人が職員であるのかどうかが分からないことが多いため、職員から声をかける(視覚障害)。 ○説明を分かりやすい言葉、表現で行う(知的障害)。 ○説明書類等にルビをふる(知的障害ほか)。 ○不安になることがあること、話したいことがまとまらないことなどがあることを 理解して対応する。勝手に話が終わったことにしない(精神障害)。 ○文字だけでは理解が難しい人に対して、図や絵を書いて説明する(発達障害)。 ○話を聞くことが苦手であったり、分からないことを伝えられない人がいること考慮し、説明内容の理解の確認を行いながら説明する(発達障害)。 ●通知、説明書類等について ○問合せ先にファックス番号、電子メールアドレスを記載する(聴覚障害)。 ○ハガキや説明書類等にルビをふる(知的障害ほか)。 「受ける」に当たっての合理的配慮の提供となり得る具体例 ●窓口対応・電話対応において ○本人の希望を確認し、筆談や手話(手話通訳の配置)等で対応する(聴覚障害)。 ○ファックスや電子メールでの連絡を基本とする(聴覚障害)。 ○用件、話を丁寧に聞く(肢体不自由(言語障害))。 <会議、講演会等のイベントへの参加に関すること>第8回検討 <その他>第8回検討 「取組B職員対応要領の策定及び職員研修に関すること <職員対応要領の策定> 障害者差別解消法においては、地方公共団体の努力義務となっているが、市職員が障害者差別の解消に適切に取り組んでいくため、@不当な差別的取扱いの禁止に関すること、A合理的配慮の提供に関することの内容を反映し、市としての職員対応要領を策定すべきである。 また、策定後はモニタリングを実施し、職員対応要領の内容が必要に応じて変えられるような仕組みが必要である。 <職員研修> 合理的配慮の提供等、障害者差別解消の取組は、全庁的に取り組んでいくことが必 要である。障害のある人の対応は福祉の部門ということではなく、障害のある人の生 活を支えるあらゆる部門、どの職員が対応しても凸凹のないようにしていただきたい。 そのための職員研修については、職員対応要領等の内容が各職員に十分浸透するよう、継続的なシステムとして構築することが必要である。 取組C区役所等の施設・設備の改善等に関すること第8回検討 取組D市民への啓発に関すること第8回検討 取組E相談及び紛争の防止等のための体制の整備に関すること第8回検討 取組Fその他第8回検討 (2)市内の事業者が取り組むべきこと第8回検討 (3)市民に取り組んでほしいこと第8回検討 (4)制度に関する意見 前述のとおり、障害者差別解消法は、基本的には、個別の場面における特定の障害者に対する取扱いを対象としており、さまざまな分野の既存の制度の見直しを一律に求めるものではないが、そのことを踏まえつつも、対象となる障害当事者等の視点から、次のことを制度に関する意見として記載する。他の法律等との関係から、横浜市のみでは解決が難しいものもあり、法施行後に直ちに実施を求めるものではないが、それぞれ制度ごとに現状を確認し、検討をお願いしたい。 ○精神障害者の介護者(付添い者)のバス・地下鉄等の運賃割引について、他の障害種別同等の割引制度を設定していただきたい。 ○視覚障害者について、点字版や音声版の選挙公報の提供が制度化されていない。 ○視覚障害者について、どのような媒体(点字、拡大文字、電子データ、電話など)で個人情報を含む通知等を発出すればよいのかを市として把握してほしい。また、個人情 報の保護にも配慮しつつ、公文書を読み書きする資格の新設、資格者の養成等に取り組 んでいただきたい。 4障害のある人とない人が共生する横浜市の実現に向けて(主として障害のある人たちから全ての市民に伝えたいこと) 参考障害者差別に関する事例の募集から(抜粋) 検討部会名簿 資料3 p1 ※前回(第7回)の資料を改めて配付します。 「市への提言」の記載内容の検討 今回は、「市への提言」のうち、「市が行うべき取組」について、ご意見、話し合いをお願いします。テーマは、次の@からFまでです。 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいこと@】 区役所、市役所等における、障害のある方への窓口対応や電話対応について、市はどのような配慮をすべきですか? また、注意すべき差別的取扱いはどのようなものですか? <配慮の例> 話を丁寧に伺う 筆談で対応する 手話で対応する(手話通訳を配置する) 書類を読み上げて説明する 分からないことがある場合はお尋ねくださいと掲示する など 【事務局から】 ○これまでの検討部会でのご意見等を「資料4」にまとめました。また、寄せられた事例のうち、関連する主な事例を「参考資料」にまとめてみました。ご参照ください。 ○障害種別ごとにご意見をいただければと思います(特にご意見のない場合は「なし」で結構です)。 ○当面取り組むべきこと、将来的に取り組むべきことに分けてご意見がある場合は、そのようにお話しください。 p2 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいことA】 区役所、市役所等の通知や説明書類、申請用紙などについて、市はどのような配慮をすべきですか?また、注意すべき差別的取扱いはどのようなものですか? <配慮の例> 分かりやすい表現・ことばを使う ルビをふる 分かりやすい版を別に作成する 点字版・音声版を作成する 分からないことがある場合の問合せの窓口(連絡先)を記載する など 【事務局から】 ○「資料4」、「参考資料」もご参照ください。 ○障害種別ごとにご意見をいただければと思います(特にご意見のない場合は「なし」で結構です)。 ○当面取り組むべきこと、将来的に取り組むべきことに分けてご意見がある場合は、そのようにお話しください。 p3 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいことB】 区役所、市役所等での会議の開催や、講演会等のイベントの開催において、市はどのような配慮をすべきですか?また、注意すべき差別的取扱いはどのようなものですか? <配慮の例> 資料を分かりやすい表現・ことばで作成する 資料にルビをふる 点字版の資料を作成する 介助者の付添いを可能とする 手話通訳、筆記通訳の事前申込についてチラシ等に記載する など 【事務局から】 ○「資料4」、「参考資料」もご参照ください。 ○障害種別ごとにご意見をいただければと思います(特にご意見のない場合は「なし」で結構です)。 ○当面取り組むべきこと、将来的に取り組むべきことに分けてご意見がある場合は、そのようにお話しください。 p4 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいことC】 区役所、市役所等の市の施設の設備で、改善に取り組むべきことは、どのようなことですか? <例>非常時の視覚による情報提供 など 【事務局から】 ○「資料4」、「参考資料」もご参照ください。 ○障害種別ごとにご意見をいただければと思います(特にご意見のない場合は「なし」で結構です)。 ○当面取り組むべきこと、将来的に取り組むべきことに分けてご意見がある場合は、そのようにお話しください。 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいことD】 その他、市(市職員)による差別的取扱い、合理的配慮の提供について、「市への提言」に盛り込んだ方がよいことはありますか 【事務局から】 ○「資料4」、「参考資料」もご参照ください。 ○障害種別ごとにご意見をいただければと思います(特にご意見のない場合は「なし」で結構です)。 ○当面取り組むべきこと、将来的に取り組むべきことに分けてご意見がある場合は、そのようにお話しください。 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいことE】 障害者差別解消に関する市民への啓発について、市が取り組むべきことはどのようなことですか? 【事務局から】 ○資料4」をご参照ください。 市民啓発について、取り組むべきこと、取り組む場合の注意や工夫など、資料4の内容の追加や修正などをお願いします。 【委員に、ご意見、話し合いをお願いしたいことF】 障害者差別を受けたと思った場合などの相談(相談体制等)について、ご意見がありましたらお願いします。 【事務局から】 ○国は、既存の機関が相談に対応していくこととしていますが、ご意見等がありましたらお願いします。 資料4 これまでの検討部会での意見等 ※前回(第7回)の資料を改めて配付します。 障害者差別解消の取組について 項目 (1)横浜市が取り組むべきこと ・差別的取扱いの禁止に関すること。 ・適切な配慮の提供に関すること 情報の保障 検討部会での主な意見 本人の希望に沿った対応がなされるべきである。(筆談、要約筆記や字幕等の視覚情報、点字や音声データ 等) 市民対応 検討部会での主な意見 家族や介助者と一緒にいても、本人のことは本人と話をすべきである。 区役所の設備 検討部会での主な意見 生命の危険に関わるようなものについては、早急に対応すべきである。(災害発生時の視覚による情報提供等) ・その他 検討部会での主な意見 差別的取扱いなのか、適切な配慮の不提供なのかの判断は、場面の詳細によって異なる。 行政は差別的取扱いの禁止も適切な配慮の提供もいずれも必ず実施するべきである。 ・市民への啓発に関すること 検討部会での主な意見 啓発の資料については、事例を抜粋して場面ごとに障害別に短くまとめて提供した方がよい。 例えば、病院では聴覚障害の方はこういうことで困っている、肢体不自由の方は、視覚障害の方は、と代表的なものを挙げる。 精神障害があると、文章の羅列は読む気がしない場合が多い。発達障害についても、イラストを入れるなど、視覚的に分かりやすいものがよい。 教育・啓発用として分かりやすい事例の抜粋版を作成するとよい。 分かりやすい版として、双六やかるたもよい。 教育の場で、道徳の時間などに、事例を含め、健常者も障害者も同じ人間であることなどを伝える資料ができるとよい。 広く市民に対して、障害理解を深めることを目的とした「フォーラム等(語る場)」があるとよい。 分かりやすい版としては、時間とお金をかけて、高齢者も含めて、みんなにとって分かりやすいものを作ってほしい。 ・相談及び紛争防止等のための体制整備 ・その他 検討部会での主な意見 市独自の条例をつくる。その過程も市民への啓発につながるのではないか。 障害児の親だけでなく、障害者の親も対象に含めて考えてほしい。 (2)市内の事業者が取り組むべきこと ・差別的取扱いの禁止に関すること ・適切な配慮の提供に関すること 検討部会での主な意見 公共性があり、実質的に選択肢のない(病院、私立学校等)は、行政機関に準じるという考え方もあるのではないか。 交通運賃割引の障害間差別(身体・知的障害のある方には認められても精神障害のある方には認められない)は解消されるべきである。 ・その他 検討部会での主な意見 障害による差別は、受けている側は分かっても、している側は分からないということがよくある。 (3)市民に取り組んでほしいこと 検討部会での主な意見 良かれと思ってしてくれることの中でも困ることもある。 障害者福祉施設の建設について近隣住民の反対がある。障害に関する理解を深めること、市・事業者・住民との事前調整が必要。 個人の考えや主張を否定することはできないが、一人ひとりの意識づけ・啓発は重要である。