第5回横浜市障害者差別解消検討部会 日時 平成27年5月14日(木曜日) 午前10時から12時 会場 横浜市研修センター7階 702・703研修室 次第 1 開会 (配布資料の確認、説明) 2 議題 (1)事例募集の結果の公表について(報告) (2)寄せられた事例の分類について 【委員に話し合っていただくこと】 @ 資料2の「検討用分類」の修正案について、直した方がよいと思う点はありますか? A 資料4の事例は、それぞれどの分類に入りますか? また、そこに分類した理由は何ですか? (3)今後の検討予定について 3 その他(連絡事項等) 資料1 事例募集の実施結果(速報)について 1 実施結果 (1) 障害者差別を受けたと思った事例、適切な配慮がなくて困った事例など 事例の件数 計959 件 場面別内訳 勤務先・通所先で 114 件 お店などで 116 件 学校等で 70 件 病院等で 132 件 住まい・家庭等で 48 件 役所で 77 件 地域で 55 件 公共施設で 30 件 交通機関・道路で 119 件 その他 198 件 (2) 障害のある方への配慮の良い事例 事例の件数 計139 件 2 補足説明 (1) 募集期間終了後も相当数の応募があり、集計に含めています。 (2) 寄せられた (1)の事例の全てが「障害者差別」に該当するとは限りません。寄せられた事例の件数等をそのまま集計しています。 (3) 事例の内容を整理した上で、今後、原則として全ての事例を市ホームページに掲載する予定です。 3 寄せられた事例の一部紹介(事例の内容を要約して掲載しています。) (1) 障害者差別を受けたと思った事例、適切な配慮がなくて困った事例など 場 面 事 例 勤務先・通所先で ○ 聞こえないのでメールで返信がほしいと他部署に依頼しても、電話で返事が来る。 ○ 就労している息子が、職場で「障害者なんか雇わず、もっと働ける人を雇えばいいのに」と陰口を言われた。 学校等で ○ 個別支援級に通っていた時、運動会や文化祭で一般級が参加する大縄跳びや合唱コンクールに参加できなかった。 ○ 修学旅行は遠慮してほしいと言われた。本人は行きたがっていた。 住まい・家庭等で ○ 精神疾患で無職の人に対して、「選ばなければいくらでも仕事はある。仕事をしないのは怠け者だ」と決めつける。 ○ 親族の集まり(法事等)で、病気への理解が無いため、一部の親戚が私たちを無視した態度、行動をとる(精神障害)。 地域で ○ 訓練に参加しても手話通訳をつけてもらえず、何をやっているのかわからなかった。 ○ 避難所で車いすの方が断られた。 ○ 町内会に入っていて町内会費も毎年払っているが、回覧板は回って来ない。自分の所にも回してほしいとお願いしたが、「どうせ読めないんでしょ」と言われた(肢体不自由・視覚障害)。 交通機関・道路で ○ 駅構内など人の多いところで、点字ブロックの上に立つ人が多く困ってしまう。 ○ タクシーの料金精算の際、障害者手帳を見せたところ、「あなた何の障害なの?」と運転手に問い詰められた。 お店などで ○ 知的障害のある子を床屋さんに連れて行ったら、見ただけで「障害がある」とわかったのか、こども料金の表示があるのに、「ウチは子供は切らないから」と追い返された。 ○ クレジットカード会社との連絡は、本人が聴覚障害者であっても代理人による電話を認めていない。 ○ アパートを借りる時、精神障害者と云うと物件を紹介してもらえず大変苦労した。 病院等で ○ 聴覚障害があるので、医師との会話は「筆談」にしてもらいたいが、かかりつけのクリニックでは、家族を連れてきなさいなどと言われる。 ○ 精神障害者であることがわかると、それを理由に他科の病院で身体疾患の治療を拒否されることがある。 役所で ○ 障害のある当事者を集めての会議であったが、補助してくれる人もなく、難しい言葉で説明されたため内容が分からず、意見も言えなかった。 ○ 役所から届いた通知の内容がよく分からず、問い合わせをしたかったが、電話番号の記載しかなかった(ファックス番号の記載がなかった)(聴覚障害)。 公共施設で ○ 障害者用のトイレが少ない。健常者が30 分以上入っていることが多く、困っている。 ○ 美術館で聞こえる人にはラジオで解説があるが、聞こえない人への配慮はない。スマホなどでみれるようにしてほしい。 その他 ○ エレベーターが止まった場合の連絡手段が電話のみである(聴覚障害)。 ○ 社会全体でも、犯罪など起こした場合、精神障害者が特に注目されてしまうことに不満がある。 (2) 障害のある方への配慮の良い事例 事 例 ○ 銀行などあらかじめ難聴であると伝えておくと、私の順番が来たとき手などをあげて合図してくれる。 ○ ノンステップバスの導入で、肢体不自由者等の移動が容易になった。 ○ はじめての薬局に行った時、受付で声は出せますが聞こえませんと伝えた。次回行った時、私の書類にいろいろな説明を書いてくれた。その薬局へ行けばその度ごとに聞こえませんと言わなくてよいのでうれしい。 資料2 検討用分類(修正案) 事例募集@ 障害者差別を受けたと思った事例、適切な配慮がなくて困った事例など 【障害の種別ごとに作成】 行政機関によるもの(市役所、区役所など) 事業者によるもの(お店、会社、病院など) 行政機関・事業者以外によるもの(近所の人、家族、友人など) 差別的取扱いをしたもの @絶対にしてほしくないこと × 適切な配慮をしなかったもの( 合理的配慮の不提供) A絶対にしてほしくないこと × Bできればしてほしくないこと △ (参考) 「差別的取扱い」・・・・・・・・・障害を理由として、正当な理由なく、サービスの提供を拒否したり、制限したり、条件をつけたりすることです。 「合理的配慮の不提供」・・障害のある人が困っているときに、その人の障害に合ったやり方や工夫を相手に伝え、相手に無理のない範囲で対応してもらうことを合理的配慮といい、この配慮を行わないことです。法律上、事業者は努力義務となっています。 資料3 分類の表の修正案(資料2)についての意見 【大羽委員】 1 「A 絶対にしてほしくないこと ×」と「B できればしてほしくないこと △」は、区別しない方がよい。 理由: ある事例がAであるかBであるかの区分は、「差別を受けたと思った事例」を提供した人に問わなければできない。事務局や部会委員の意見で決めてはいけない。精神障害の場合の事例で、健常者が区分できるかどうか試行してみればわかると思う。 2 表の下の(参考)は削除する。 理由: 解消法の定 義で分類しようとする意図はわかるが、説明に無理がある。「差別的取扱い」には「サービスの提供」場面以外のものがある。 また、「合理的配慮の不提供」の説明は、「対応してもらう」という不適切な表現があるため、差別解消が障害者の権利であることが忘れられる恐れがある。 【奈良ア委員】 1 「B できればしてほしくない △」とすると、しなくてもよいのではないかと思われてしまう。 理由: △とすることでずっと△であり続けることで、いつまでも実現しないのは困る。△はいつまでたっても改善されないと思う。○○回同じことを繰り返せば×になるなど(例:サッカーのイエローカードとレッドカードのように)、安心して△をつけられるようになっていないと△はつけられない。 2 合理的配慮という言葉は難しいので、その言葉を使うのであれば、言葉の意味をきちんと伝えていくことが必要である。 【永田委員】 差別取扱いについては、絶対に許してはいけないので×のみがよいと思う。(「できればしてほしくない」は必要ない。) 【井上委員】 場面や内容によって「できればしてほしくない △」とすることも必要であると思う。すべてを絶対とするのは難しいから、臨機応変に対応していくことも、社会で生きていくのには重要なことだと思う。 資料4 障害者差別を受けたと思った事例、適切な配慮がなくて困った事例など(一部抜粋) 区分 1.障害のある方 ナンバー 5 困ったこと ウェブサイトに「観劇サポート」のページは有りますが、車いす対応のみで、聴覚障害、視覚障害への対応について書かれておりませんでした。 障害種別 4.視覚障害 5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと 手話通訳、台本貸し出し、字幕表示、磁気ループ、音声ガイドなどの準備を行う用意があることを当初より明記。問い合わせがあれば対応するのではなく、当初から明記することによって参加しやすくすることが大切と考えます。 区分 1.障害のある方 ナンバー 14 困ったこと 障害者同士のツアーを旅行代理店から断られる。 障害種別 5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと 旅行代理店が責任を持って手話のできる人を雇い入れる。 区分 1.障害のある方 ナンバー 16 困ったこと 市役所や区役所の火災報知器から市内放送について視覚による情報提供がない。(横浜市) 障害種別 5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと 視覚による情報提供をする。 区分 1.障害のある方 ナンバー 23 困ったこと 横浜市内の消防団に加入したいと思ったところ、病気を理由に断られた。病気が回復したと伝えても病歴を理由に入団を断られた。 障害種別 2.精神障害 こうしてほしかったこと 病気が回復したと伝えても病歴を理由に入団を断られた。 区分 1.障害のある方 ナンバー 29 困ったこと 市内の中学校の個別支援級に通っていた時、運動会や文化祭では一般級が参加する大縄跳びや合唱コンクールに参加できなかった。 障害種別 3.発達障害 こうしてほしかったこと 個別支援級の生徒が参加できる機会を増やしてほしい。 区分 2.障害のある方の家族 ナンバー 33 困ったこと 習字教室の入会を障害があることを理由に断られた 障害種別 1.知的障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 1.障害のある方 ナンバー 49 困ったこと 仕事内容をあまり教えてくれない。自分だけ名前を呼び捨てにされる。 障害種別 1.知的障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 1.障害のある方 ナンバー 68 困ったこと クレジットカード会社からの連絡(若しくはクレジットカード会社への連絡)において、本人による電話しか認めず、本人が聴覚障害者であっても代理人による電話を認めない。及び、電話以外の方法を認めない。 障害種別 5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと 聴覚障害者が連絡を取れる方法を確保しないのは差別に当たります。聴覚障害者が連絡できる手段を確保する必要があります。 区分 1.障害のある方 ナンバー 82 困ったこと 10年以上前になりますが、障害者の福祉施設が私の在住している住宅地に建設される時、何の説明もなく突然着工し住民の反対を押しのけて無理に建設されたため、現在でもなお近隣住民の障害者、特に知的障害者に対する偏見は容赦のない物であり、自分が知的障害であることを隠さなければならない状態である。  今後も隠し通さなければならないのかと思うと辛いです。そのため時間がかかったとしても市外の施設に通所しているのはそういう理由です。  まだまだ行政の方と住民との理解が追い付いていないと思います。 障害種別 1.知的障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 1.障害のある方 ナンバー 92 困ったこと 横浜市からの情報提供を行うテレビ番組に字幕もしくは手話通訳がついているものとついていないものがあった。 障害種別 5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと すべての番組に字幕もしくは手話通訳をつけてほしい。 区分 6.不明 ナンバー 96 困ったこと 脱水を起こして緊急病院へ行ったときに一応点滴はしてくれたが、精神病の人は精神病院へ行ってくださいと言われた。 障害種別 2.精神障害 こうしてほしかったこと 精神病があっても、身体の疾患の場合には、普通の人と同じように対応してもらえるようにしてほしい。 区分 6.不明 ナンバー 197 困ったこと 市バス・地下鉄の割引(介護者)身体・知的には介護者は通常の半額になるが精神にはない。精神の人は一人で乗車するのが困難な人がかなりいる。 障害種別 2.精神障害 こうしてほしかったこと 精神の介護者にも市バス220円を110円にすべきである。 区分 6.不明 ナンバー 208 困ったこと 身体障がい者の人は、就労の時に割と容易に受け入れられるのに、精神障がい当事者はそうでないとことに差別を感じる。 障害種別 2.精神障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 6.不明 ナンバー 282 困ったこと 美容院  たくさんの中にいることが苦手なので、事前に電話して精神科に通っているので配慮してほしいと伝えたら、はさみを扱っているので精神科に通っている方はお断りしますと言われた。 障害種別 2.精神障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 1.障害のある方 ナンバー 422 困ったこと 家族や介助者と一緒にいると、自分の事でも家族らに聞く。本人に聞いてくれない。 障害種別 4.視覚障害      5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと 本人に普通に聞いてほしい。 区分 1.障害のある方 ナンバー 427 困ったこと 知人の住まいを不動産屋で探したことがあったが、障害があると断られる。 障害種別 2.精神障害      4.視覚障害      6.肢体不自由 こうしてほしかったこと 空欄 区分 1.障害のある方 ナンバー 431 困ったこと 病院の案内表示で、ピンク色のバックに白色の文字の物があった。弱視の人にとって大変わかりにくい。 障害種別 4.視覚障害 こうしてほしかったこと 濃い色をバックにするなどの配慮を。 区分 1.障害のある方 ナンバー 433 困ったこと 自動券売機、セルフレジの普及が進んでいるが、視覚障害者にとっては困る。 障害種別 4.視覚障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 3.障害のある方の支援者 ナンバー 440 困ったこと 市役所や区役所の方の説明や説明書類が、知的障害の方や自閉所の方には分かりづらいことが多い。絵や文字などを使って分かりやすく説明するなど一工夫お願いしたい。 障害種別 1.知的障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 1.障害のある方 ナンバー 457 困ったこと 労働組合の退会などで、「情報漏れは困る。」という理由で手話通訳をつけてくれなかった。   さらに手話通訳者派遣事業実施要項示して、「守秘義務」があることを説明しましたが、「そうはいっても現実は違う。」と言われ、なかなか理解が得られませんでした。 障害種別 5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと 当時は障害者基本法がなかったので、派遣元の職員により労働組有に御説明いただき、ようやく手話通訳がつくことになりました。   労働組合には、聴覚障害者への情報補償をもっと学習してほしいと思い、機会のあるごとにこの事例を話しています。 区分 2.障害のある方の家族 ナンバー 460 困ったこと 障害のある家族が幼稚園に申し込んだとき、手帳をもっているならほかに行ってほしいと園長に言われた。 障害種別 6.肢体不自由 こうしてほしかったこと 障害者通える園や学校の窓口を充実してほしい。 区分 1.障害のある方 ナンバー 470 困ったこと 銀行では代読、代筆が金融庁でも認められている(平成23年から)が、周知徹底されていない。 障害種別 4.視覚障害 こうしてほしかったこと 上記の件について銀行に周知徹底してもらいたい。 区分 1.障害のある方 ナンバー 475 困ったこと おベラを見に行ったとき具合が悪くなりそうだったので頓服を飲むと、ついいびきをかいて寝てしまい、隣の人に「そんな変な薬を飲んでいる人はこういうところに来る資格はないの」と言われた。 障害種別 2.精神障害 こうしてほしかったこと 空欄 区分 1.障害のある方 ナンバー 491 困ったこと 障害者手帳を紛失し、再発行手続きをした。区役所から「手帳ができた」と電話で連絡があった。私は聴覚障害者なのに、電話で知らせてくるのは配慮に欠ける。       この時、たまたま、夫が在宅していたので、電話を受けたので取りに行くことができた。 障害種別 5.聴覚・平衡機能障害 こうしてほしかったこと 区役所からなぜファックスで連絡をもらえないのか? 区分 1.障害のある方 ナンバー 540 困ったこと 電動車いすで、電車に乗り、降りる際、駅員さんがお迎えに来てくれなかったので、横浜まで行ってしまった。 障害種別 6.肢体不自由 こうしてほしかったこと 駅員さんにお願いしなくても、自由に乗降できるよう工夫してほしい。 区分 1.障害のある方 ナンバー 543 困ったこと 市役所に電話をしても、話を理解してくれず、担当の係りに電話を回してくれない。 障害種別 3.発達障害 こうしてほしかったこと 決めつけるし、人の話を最後まで聞かない。ほかの職員が身内をかばう。 資料5 今後の予定(案) 第5回 5月14日 (木曜日) 検討内容 1.事例募集の結果の公表について(報告)      2.寄せられた事例の分類(27個の事例の文例)      3.今後の検討事項について 第6回 6月16日(火曜日) 検討内容 1.事例の公表(原則として全事例を公表)について      2.事例の分類      3.事例を基にした課題の整理 第7回 7月21日(火曜日) 検討内容 1.市が行うべき取組の検討       @市役所・区役所等(市の機関)での取組   A事業者への取組       B市民への取組   Cその他 第8回 8月20日(木曜日) 検討内容 1.市が行うべき取組の検討       @市役所・区役所等(市の機関)での取組   A事業者への取組       B市民への取組   Cその他      2.議論の整理(市への提言について) 第9回 9月15日(火曜日) 検討内容 検討結果のまとめ(市への提言について)