令和5年度 予算概要 医療局 医療局病院経営本部 目次 だいこうもく1令和5年度予算案の考え方 1ページ だいこうもく2令和5年度予算案について 2ページから5ページ だいこうもく3主な取組 1デジタル時代にふさわしい医療政策の推進 6ページから8ページ (1)医療ビッグデータを活用した分析 (2)ICTを活用した地域医療連携の推進 2 2025年問題に対応できる地域医療構想の実現 9ページから14ページ (1)病床機能の確保等 (2)地域における医療連携の推進 (3)人材確保・育成 (4)歯科保健医療の推進 (5)国際化への対応 (6)市民啓発の推進 (7)よこはま保健医療プランの次期プラン策定 (8)新型コロナウイルス感染症等への対応 3妊娠・出産から一貫した子どものための医療体制の充実 15ページから16ページ (1)産科医療対策 (2)小児・周産期救急医療対策 (3)こどもホスピス支援 4がんをはじめとする5疾病対策の推進 17ページから20ページ (1)がん対策の推進 (2)心血管疾患対策、疾病の重症化予防 5救急・災害時医療体制の強化 21ページから22ページ (1)救急医療体制の充実 (2)災害時医療体制の整備 6在宅医療支援の充実 23ページから24ページ (1)在宅医療の推進 7市立病院における取組と経営 25ページから33ページ だいこうもく4事業別内訳 34ページから51ページ 参考資料 参考1市立病院の令和5年度予算案等 52ページから57ページ (1)予算案 (2)一般会計繰入金の明細 参考2みなと赤十字病院の収支の仕組み 58ページ 参考3市立病院の経営状況 ページ 59 だいこうもく1 令和5年度予算案の考え方 新型コロナウイルスの感染拡大の波が繰り返されるなか、医療局では、今後も想定される感染症の流行に備え、市内医療機関との連携・協力のもと、コロナ患者の受入病床の確保などの取組を進め、日常の地域医療と新型コロナウイルス感染症医療との両立を図っていきます。 また、超高齢社会の進展に伴い急増する医療需要に対し、必要なときに必要な医療を提供できるよう、病床機能の確保、医療人材の確保・育成支援、データを活用した医療政策を着実に推進していきます。あわせて、医療・介護・予防・生活支援・住まいが、住み慣れた地域で一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築に向け、更に「医療と介護の連携強化」や「地域医療・在宅医療の充実」を進めていきます。 市立病院は、新型コロナウイルス感染症の専用病床を確保するなど、引き続き新興・再興感染症への対応において中核的な役割を担います。また、初年度となる「横浜市立病院中期経営プラン2023から2027」に基づき、救急・災害時医療や周産期・小児医療などの政策的医療の提供を充実させるとともに、地域包括ケアシステムの構築に向けた支援を行うなど、地域医療のリーディングホスピタルとして先導的な役割を果たします。 令和5年度は、6年度を初年度とする「よこはま保健医療プラン」を策定します。策定にあたっては、これまでに積み重ねてきた取組や成果を踏まえつつ、コロナ禍で生じた情勢の変化を的確に捉え、本市の実情に即した保健医療体制の在り方を検討していきます。 医療局・医療局病院経営本部は、『市民の皆様が将来にわたって住み慣れた横浜で、安全・安心に暮らすことのできる最適な地域医療の提供』の実現に向け、引き続き着実に取組を進めていきます。 だいこうもく2 令和5年度予算案について 令和5年度予算案総括表 (1)医療局 以下表 区分、令和5年度、令和4年度(当初予算)、差し引き増減、増減率の順に記載 一般会計 11,216,770,000円 11,372,165,000円 155,395,000円減 1.4%減 7款 健康福祉費 3,799,144,000円 4,058,400,000円 259,256,000円減 6.4%減  職員人件費 797,945,000円 766,489,000円 31,456,000円 4.1% 事業費 3,001,199,000円 3,291,911,000円 290,712,000円減 8.8%減 (新型コロナウイルス感染症対策 34,139,000円 252,836,000円 218,697,000円減 86.5%減) 17款 諸支出金 7,417,626,000円 7,313,765,000円 103,861,000円 1.4%  病院事業会計繰り出し金 7,417,626,000円 7,313,765,000円 103,861,000円 1.4% 特別会計 398,805,000円 386,104,000円 12,701,000円 3.3%  介護保険事業費会計 398,805,000円 386,104,000円 12,701,000円 3.3% 合計 11,615,575円 11,758,269,000円 142,694,000円減 1.2%減    以上表終了 備考 令和5年度の医療局予算一般会計分については、医療政策上、必要な予算を確保した上で、新型 コロナウイルス感染症対策に係る経費の減(218,697,000円)及び病院事業会計繰出金の減などにより、 令和4年度と比較して、全体で1.4%(155,395,000円)の減となりました。    令和5年度 予算体系図 ・一万円未満は、四捨五入しているため、合計欄と一致しない場合があります。 ・印を付している事業については再掲箇所があります。 1デジタル時代にふさわしい医療政策の推進 3,560万円   (1)医療ビッグデータを活用した分析(2,706万円) ・医療ビッグデータ活用事業 2,706万円   (2)ICTを活用した地域医療連携の推進(854万円) ・2025年に向けた医療機能確保事業(ICTを活用した地域医療連携) 854万円 2 2025年問題に対応できる地域医療構想の実現 10億5,570万円 (1)病床機能の確保等(1億7,440万円) ・2025年に向けた医療機能確保事業(病床確保)599万円 ・南部病院再整備支援事業 9,100万円 ・地域中核病院支援事業 7,741万円 (2)地域における医療連携の推進(2,056万円) ・2025年に向けた医療機能確保事業(ICTを活用した地域医療連携) 1,704万円 ・在宅医療推進事業 70万円 ・在宅医療・介護連携推進事業(介護保険事業費会計) 282万円 (3)人材確保・育成(6億6200万円) ・2025年に向けた医療機能確保事業(医療人材等確保・働き方改革) 1,504万円 ・看護人材確保事業 5億1,786万円 ・横浜市病院協会看護専門学校設備改修費補助事業 1億2,000 万円 ・在宅医療推進事業 236万円 ・在宅医療・介護連携推進事業(介護保険事業費会計)546万円 ・医療政策人材育成事業 129万円 (4)歯科保健医療の推進(9,514万円) ・歯科保健医療推進事業 9,514万円 (5)国際化への対応(460万円) ・医療の国際化推進事業 460万円 (6)市民啓発の推進(5,108万円) ・医療に関する総合的な市民啓発推進事業 3,091万円 ・在宅医療・介護連携推進事業(介護保険事業費会計) 2,017万円 (7)よこはま保健医療プランの次期プラン策定(1,378万円) ・2025年に向けた医療機能確保事業(保健医療プラン次期プラン策定)1,378万円 (8)新型コロナウイルス感染症等の新興・再興感染症対策(3,414万円) ・感染症対応人材強化事業 2,000万円 ・Y−CERT強化事業  1,414万円 3妊娠・出産から一貫した子どものための医療体制の充実  4億273万円 (1)産科医療対策(1億985万円) ・産科医療対策事業 1億985万円 (2)小児・周産期救急医療対策(2億 8,788万円) ・小児救急医療対策事業 2億 3,538万円 ・周産期救急医療対策事業  5,250万円 (3)こどもホスピス支援(500万円) ・こどもホスピス(在宅療養児等生活支援施設)支援事業 500万円 4がんをはじめとする5疾病対策の推進 1億 9,270万円 (1)がん対策の推進(1億 2,893万円) ・総合的ながん対策推進事業 1億 2,893万円 (2)心血管疾患対策、疾病の重症化予防(6,377万円) ・疾病対策推進事業 5,477万円 ・在宅医療・介護連携推進事業(介護保険事業費会計) 900万円 5 救急・災害時医療体制の強化 15億 8,471万円 (1)救急医療体制の充実(15億 2,414万円) ・救急医療センター運営事業 4億 6,013万円 ・初期救急医療対策事業 3億 7,476万円 ・二次救急医療対策事業 3億 6,338万円 ・小児救急医療対策事業 2億 3,538万円 ・周産期救急医療対策事業 5,250万円 ・精神疾患を合併する身体救急医療体制事業 1,459万円 ・疾患別救急医療体制事業 27万円 ・超高齢社会におけるドクターカーシステム整備事業 1,956万円 ・その他の救急医療対策 358万円 (2)災害時医療体制の整備(6,057万円)  ・災害時医療体制整備事業 5,703万円 ・横浜救急医療チーム(YMAT)運営事業 354万円 6在宅医療支援の充実 4億 1,616万円  (1)在宅医療の推進(4億 1,616万円) ・在宅医療推進事業 1,735万円 ・在宅医療・介護連携推進事業(介護保険事業費会計) 3億 9,881万円 その他医療局予算 ・医療局人件費 7億9,795万円 ・医療総務諸費 1,595万円 ・医療政策推進事業 1,706万円 ・医療機関整備資金融資事業 364万円 ・横浜市保健医療協議会 69万円 ・旧市民病院跡地整備事業 1,200万円 ・病院事業会計繰出金 74億 1,763 万円 令和5年度予算額(医療局分) 一般会計 112億 1,677万円 介護保険事業費会計 3億 8,610万円 7市立病院における取組と経営(地方公営企業法の全部適用)以下表 区分、収益的収入、収益的支出、経常収支の順に記載 病院事業会計 432億2,739万円 443億8,035万円 5億954万円 市民病院 320億4,881万円 334億707万円 338万円 脳卒中・神経脊椎センター 91億4,064万円 94億4,060万円 91万円 みなと赤十字病院(指定管理者制度)20億3,794万円 15億3,268万円 5億526万円 表終了 備考 経常収支は収益的収支から特別損益及び予備費をのぞいたものです。 財源創出の取組 令和5年度予算編成は、持続可能な市政運営を実現するため、「財政ビジョン」「中期計画」 「行政運営の基本方針」の『3つの市政方針』に基づく最初の予算編成として、全庁一丸と なって『創造・転換』を理念とする財源創出に取り組みました。 主な財源創出の取組 以下表 施策・事務事業の徹底した見直し 事業名、財源創出の内容、財源創出額の順に記載 ・新型コロナウィルス感染症外来拠点事業 感染状況や国の見直しの動向を踏まえ、事業を終了することで、経費を削減した。1億7,700万円   補助金・特別会計等に対する繰出金の適正化・縮減、新たな政策手法の導入 事業名、財源創出の内容、財源創出額の順に記載 ・横浜臨床研究ネットワーク支援事業 補助金を精査することで、経費を削減した。5,000万円   ・横浜市病院協会看護専門学校設備改修費補助事業 補助金を精査することで、経費を削減した。4,000万円 ・感染症対応人材強化事業 対象数を見直し、補助金を精査することで、経費を削減した。3,500万円 表終了 欄外にて報告 財源創出合計件数29件、同合計金額3億5,500万円 だいこうもく3主な取組 補足 確保基金を活用した事業はほしじるしを、該当項目に付記しています。 2 2025年問題に対応できる地域医療構想の実現 10億5,570万円(前年度13億2,385万円) 団塊の世代が後期高齢者になり、医療・介護のニーズが飛躍的に増大する2025年に向けて、超高齢社会における市民生活の安全・安心を確保することが喫緊の課題となっています。 とりわけ、本市は基礎自治体の中で高齢者の増加数が最も多く、限られた社会資源を効率的・効果的に活用し、適切な医療・介護サービスを将来にわたって安定的に提供していく必要があります。 この課題を解決するため、「病床機能の確保等」「地域における医療連携の推進」「人材の確保・育成」及び「市民啓発の推進」を柱に取り組みます。 (1)病床機能の確保等 1億7,440万円(前年度 1億 7,290万円) 本市においては、高度急性期・急性期を担う病床は将来も充足する一方で、回復期・慢性期を担う病床は需要の増加が見込まれています。このため、地域の医療関係者が参加する地域医療構想調整会議等で今後の医療提供体制について検討するとともに、神奈川県地域医療介護総合確保基金 (以下「県基金」)等を活用しながら、病床機能の転換や増床に対する支援を進めます。また、高度急性期・急性期医療や政策的医療を担う地域中核病院等に対する支援を継続します。 ア病床機能転換及び増床の促進 599万円(前年度 567万円) 市域でバランスの良い医療提供体制を構築するため、医療需要の動向や既存の医療資源等に関する調査・分析を継続的に実施します。調査結果については、関係者が将来の医療需要を踏まえて病床機能について検討できるよう活用します。 病床機能について 厚生労働省資料より抜粋 (ア)高度急性期機能  医療機能 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能 備考 高度急性期機能に該当すると考えられる病棟の例 救命救急病棟、集中治療室、ハイケアユニット、新生児集中治療室、新生児治療回復室、小児集中治療室、総合周産期集中治療室であるなど急性期の患者に対して診療密度が特に高い医療を提供する病棟     (イ)急性期機能  医療機能 医療機能急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能  (ウ)回復期機能  医療機能 1急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能 2特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能) (エ)慢性期機能 医療機能 1長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能 2長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者または難病患者等を入院させる機能 備考1 神奈川県地域医療介護総合確保基金について これは団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、医療、介護サービスの提供体制を充実するため、平成26年4月以降に消費税が引き上げられた際の増収分を財源として設置された基金で、県が作成する計画に基づき事業を実施している。(根拠法令は地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律)  イ地域中核病院の支援 (ア)南部病院の再整備支援 9,100万円 (拡充)(前年 6,500万円) 昭和58年6月に開院した済生会横浜市南部病院について、資源循環局旧港南工場敷地への移転に向け、都市計画変更の準備をするとともに、南部病院が実施する新病院の基本設計・実施設計の一部を補助します。 (イ)地域中核病院の支援 7,741万円(前年度1億 223万円)  昭和大学横浜市北部病院及び済生会横浜市東部病院が、病院建設時に借り入れた資金の利子に対する補助を行います。 医療提供体制のイメージ図 横浜市全域の地図を使い、各方面を丸で囲ってあらわしています。以下横浜市上部の北部方面より南部方面へ順に記載 北部方面 昭和大学藤が丘病院  北東部方面 昭和大学横浜市北部病院、横浜労災病院、  東部方面 済生会横浜市東部病院 中央部 市立市民病院、市立みなと赤十字病院、市立大学附属市民総合医療センター、市立脳卒中・神経脊椎センター 西部方面 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院   南西部方面 国立病院機構横浜医療センター 南部方面 済生会横浜市南部病院、市立大学附属病院、横浜南共済病院  イメージ図終了 (2)地域における医療連携の推進 2,056万円(前年度3,995万円) ア遠隔ICU 体制整備支援 850万円 (前年度2,700万円) 働き方改革や医療の質向上を図るため、横浜市立大学附属病院を中心とした「遠隔医療体制(遠隔ICU)」の関連経費を補助します。令和4年度に実現した24時間365日の運用を維持しながら効率化を進め、市立・市大4病院間での連携を継続します。 イICTを活用した地域医療ネットワークの構築 854万円(再掲)(前年度454万円) 備考 ICU(アイシーユー)(Intensive Care Unit)とは重篤な急性機能不全の患者を24時間体制で管理し、より効果的な治療を施すことを目的とした治療室のこと。 (3)人材確保・育成 6億6,200万円(前年度7億560万円) 増大する医療ニーズに対応できるよう、地域医療を支える医師・看護師等の医療人材の確保・育成に向けた取組を充実させます。 働き方改革の関連法が平成31年4月から施行され、医師についても令和6年4月より時間外労働の上限規制が適用されるため、市内病院の取組が円滑に進むよう支援を行います。 また、人材確保体制に不安を抱える市内の病院を対象とした採用支援を行うほか、看護専門学校の運営支援や資格を持ちながら就業していない看護師(潜在看護師)の復職支援を継続します。あわせて在宅医療を担う医師の養成・確保対策を進めます。 ア医療人材の確保 (ア)市内病院(特に病床数200床未満の病院)の人材確保支援 1,050万円(前年度1,050万円) 市内病院の採用活動を支援するため、地方合同就職説明会への参加やWEB合同説明会を開催します。 (イ)医師等の働き方改革取組支援 454万円(前年度554万円) 医療従事者の負担軽減に向けた、市内病院の働き方改革への対応が円滑に進むよう、医療従事者のタスクシフトを進めるための人材育成研修等を支援します。 イ看護人材の確保 (ア)看護専門学校の運営支援 5億1,716万円(前年度5億1,791万円) 横浜市医師会聖(せい)灯(とう)看護専門学校及び横浜市病院協会看護専門学校に対し、運営費を補助します。 (イ)看護師復職支援 70万円(前年度70万円) 潜在看護師の再就職及び復職後の定着を推進するため、復職後の看護師に対しフォローアップ研修を実施します。 ウ横浜市病院協会看護専門学校の設備改修費補助 1億2,000万円(前年度1億6,000万円) 平成7年に開所した横浜市病院協会看護専門学校について、設備の不具合が生じていることから、県基金等を活用しながら、長期保全計画に基づいた改修に係る費用を補助します。 エ在宅医療を担う医師の養成 27万円(前年度27万円) 在宅医療の充実を図るため、横浜市医師会と連携して研修を行い、在宅医療を担う医師を養成します。 します。 オ在宅医療を支える訪問看護師の育成 (ア)訪問看護師人材育成支援 190万円 (社会福祉基金活用事業)(前年度194万円) 地域において即戦力として活躍できる訪問看護師を育成するため、横浜市立大学と協働で開発した人材育成プログラムを周知・運用します。 また、訪問看護師のキャリア開発・スキルアップとして、研修・教育支援体制を整備し、地域での人材育成体制を構築します。 (イ)訪問看護師対応力サポート14万円(社会福祉基金活用事業)(前年度 14万円) 訪問看護師が、医療依存度の高い患者に対して質の高い看護を提供できるよう、病院等で勤務する専門看護師・認定看護師によるサポートを受けられる機会を確保します。 カ在宅医療推進のための人材育成 152万円 (介護保険事業費会計)(前年度241万円) 在宅医療・介護サービスを一体的に提供するためのより質の高い連携を目指して、医療・介護連携に関わる人材を育成する研修を実施します。 キ医療政策を担う職員の育成 129万円(前年度144万円) 超高齢社会において安定した医療提供体制を確保するためには、医療、病院経営、保健・福祉など幅広い知識をもとに医療政策を立案・実行する職員が求められます。そのため、横浜市立大学が実施する課題解決型高度医療人材養成プログラム等への派遣研修を行います。 また、職員の専門性を高めるために有効な資格取得等への支援を行います。 (4)歯科保健医療の推進 9,514万円(前年度9,414万円) ア歯科保健医療センターの運営支援 8,954万円(前年度8,954万円) 夜間・休日昼間の歯科診療、心身障害児・者歯科診療や通院困難者等に対する訪問歯科診療を行う横浜市歯科保健医療センターの運営費の一部を補助します。 イ歯科保健医療の推進 561万円 (拡充)(前年度461万円) 周術期口腔ケアの市民啓発に取り組むほか、歯科医師等を対象に横浜市歯科医師会が実施する障害児・者歯科診療に関する研修及び誤嚥性肺炎対策に関する嚥下機能評価研修に係る費用の一部を補助します。 また、障害児・者歯科保健医療推進のため、障害児・者歯科診療の需要や応需体制等について調査を実施します。 (5)国際化への対応 460万円(前年度610万円) 外国人の方が安心して受診できるよう、本市が電話医療通訳事業者と委託契約を行い、市内の病院・夜間急病センター等に多言語に対応した電話医療通訳・翻訳サービスを提供します。 また、医療に関する情報発信等について、多言語対応を推進します。 (6)市民啓発の推進 5,108万円(前年度 5,002万円) 市民の皆様に医療を身近に感じていただき、将来の具体的な受療行動の変容につなげるため、民間企業等との連携による手法で医療広報を実施する「医療の視点」プロジェクトを平成30年10月より開始しました。令和5年度も引き続き本プロジェクトのもとで、医療に関心の低い方の興味を引き共感を促進する大規模な啓発を企画・実施するとともに、統一コンセプトによるリーフレット等デザイン制作を通じた分かりやすい情報発信を行います。 実施にあたっては、取組への共感促進による波及拡大や、メディア報道及びSNS活用による評判化を図り、将来にわたり安全・安心に医療を受けられる意識の醸成を目指します。 備考 「医療の視点プロジェクト」実施イメージは、次頁参照 ア医療マンガ大賞 2,688万円(前年度2,688万円) 同じ出来事でも、立場によって捉え方が異なるという点に着目 し、患者や医療従事者それぞれによる異なる視点から感情の起伏を含むマンガで描き、共感とともに医療に関心を向けてもらうことを目的として、「医療マンガ大賞」を実施します。 実施イメージ図 マンガのコマを使ってあらわしています。 一つの出来事を左から患者視点、右から従事者視点で見つめています。それぞれの視点の下に、立場の違いによって同じことでも感じる内容や視点が異なる点をマンガで表現しています。 第4回医療マンガ大賞の概要を四角で囲み説明しています。以下上から順に記載内容 令和元年度から毎年実施しています。 第4回医療マンガ大賞テーマ(令和4年度) @看取りが近づいた時に A循環器病対策 早期受診の大切さ B慢性期医療の現場を支える人々 C歯科受診のタイミング【歯科分野のテーマは新規】 ・第4回マンガ応募数44本(第1回からの延べ応募数 262本) ・協力法人(原作、副賞提供等)15法人 以上終了 イ心臓リハビリテーション啓発 125万円 (社会福祉基金活用事業)(拡充)(前年度60万円) 市民への啓発を推進するため、令和4年度に作成したマンガを活用した啓発冊子の増刷を行うとともに、冊子を元にした動画を作成します。 マンガを使った啓発冊子を紹介しています。タイトルは「心臓リハビリテーションをご存知ですか」  ウ乳がん啓発 60万円(新規) 令和4年度に作成した、医療者が伝えたい乳がんの情報提供コンテンツ「よこはま乳がん」ウェブサイトの内容を充実させるとともに、患者さんや市民の方にウェブサイトを周知するためのポスターやチラシなどを作成します。 「よこはま乳がん」のタイトル表紙を紹介しています。 最後に、今まで紹介した市民啓発の推進の取り組みを図形化してあらわしています。以下図形内容を順に記載  向かって左側に、波及拡大・評判化にメディア、SNS、他自治体、インフルエンサーのイラストがあります。 隣には横浜市医療局の事業、疾患、テーマなどを民間企業等と連携しながら、医療の視点から総合的な啓発実施のため、医療を身近な関心事へ、認識のギャップを埋め意識変容・行動変容を目指すことがあらわされています。それらが市民の関心事、興味、心配事などにつながっていくことがあらわされています。 右側には総合的な啓発実施のため、マンガ大賞、メディカルノートというウェブページ記事掲載、リーフレット等のデザインの項目が紹介されています。 以上終了 (7)よこはま保健医療プランの次期プラン策定 1,378万円(前年度230万円) アよこはま保健医療プラン2024の策定に向けた検討 1,378万円 (拡充)(前年度 230万円) 令和6年度から令和11年度までの6年間を計画期間とする次期プラン策定に向けて、よこはま保健医療プラン策定検討部会の開催、素案のパブリックコメント等を行い、検討を進めていきます。 (8)新型コロナウイルス感染症等への対応 3,414万円(前年度2億5,284万円) ア感染症対応人材強化事業 2,000万円 (社会福祉基金活用事業) ほしじるし(前年度6,000万円) 今後想定される新型コロナウイルス感染症の再拡大や新興感染症に備え、長期的な市内病院の感染症への対応力強化を目的とした研修の参加や資格取得等を支援します。 イY−CERT強化事業 1,414万円(前年度1,584万円) 令和2年4月に横浜市新型コロナウイルス対策本部の立ち上げに伴い設置された「医療調整本部(Y−CERT)」を引き続き運営します。 当該本部は、感染者の発生状況や医療機関の入院状況などの情報を収集するとともに、救命救急センターの救急医や横浜市医師会の医師の医学的見地からの助言等に基づき、円滑な患者の入院及び転院調整等を行うことで、一般医療と感染症医療との両立を図り、医療崩壊を防ぎます。 その他 認知症の人を支える医療提供体制について 高齢化の更なる進展に伴い、2025年には約20万人(高齢者の5人に1人)の方が認知症を抱えながら生活することが推計されています。本市では認知症の方に優しい地域を目指し、医療・介護・福祉・保健・地域づくり等が一体となって取組を進めています。 認知症の状態に応じた切れ目ない医療対応等ができるよう、認知症疾患医療センター、専門医療機関、認知症初期集中支援チーム、認知症サポート医、かかりつけ医など関係機関の連携を、健康福祉局と一体となって検討・促進し、医療提供体制の更なる強化に取り組みます。 3妊娠・出産から一貫した子どものための医療体制の充実 4億273万円(前年度4億266万円) 市民が安心して出産・子育てができる環境を確保するため、産科医療急医療対策として、医療機関への支援や医療提供体制の整備を進めます。また、療養中心の生活を送る子どもと家族を支える施設「こどもホスピス」の運営支援のため、事業費の補助を行います。 (1)産科医療対策 1億985万円 ほしじるし(前年度1億988万円) 産科医療体制の充実を図るため、産科拠点病院に対し、運営費等の補助を行うほか、分娩を扱う医療機関に対し、産科医師の確保や当直業務の負担軽減などを支援するための経費等の一部を補助します。  (2)小児・周産期救急医療対策 2億8,788万円(前年度2億8,778万円) ア小児救急医療対策 2億3,538万円 ほしじるし(前年度 2億3,528万円) 夜間に増加する傾向のある小児患者の受入体制を確保するため、24時間365日の救急車の受入体制等をとっている「小児救急拠点病院」(7か所)について運営に係る経費の一部を補助します。 イ周産期救急医療対策 5,250万円(前年度 5,250万円) 周産期救急について、三次救急を担う聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の周産期センターや地域の産科クリニックなどからの患者を受け入れる周産期救急連携病院の体制確保等に係る経費を補助します。また、新規に整備したNICU及びGCUの整備費を補助します。 備考 小児救急拠点病院と市周産期救急医療体制図は次ページ参照 (3)こどもホスピス支援 500万円(前年度 500万円) いのちに関わる病気で治療中心の生活を送る子どもと家族を支える「横浜こどもホスピス〜うみとそらのおうち」の事業費(看護師の人件費)の一部を引き続き補助します。 本市では、こどもホスピスの運営支援のため、事業費の補助のほか、市有地の無償貸付を行っています。 施設内観(こどもホスピス提供)写真があります。 備考 NICU(エヌアイシーユー)(Neonatal Intensive Care Unit)とは、 低出生体重児や重い病気のある新生児などを専門に治療するため、保育器や人工呼吸器、心拍数を監視する機器などを備え、新生児特定集中治療室管理料の施設基準を満たす病床 GCU(ジーシーユー)(Growing Care Unit)とは、 NICUを退室した児を受け入れる後方病床。NICUと同等の医療機器などを備え新生児治療回復室入院医療管理料の施設基準を満たす病床 小児救急拠点病院と市周産期救急医療体制図 横浜市全域の地図を使い、各拠点病院を四角であらわしています。凡例として、産は産科拠点病院、小は小児救急拠点病院、周は周産期救急連携病院、周基は県周産期基幹病院をあらわしています。以下横浜市上部の北部方面より南部方面へ順に記載 昭和大学横浜市北部病院、小・周  横浜労災病院、産・小・周  済生会横浜市東部病院、小・周  市立市民病院、産・小・周 市立みなと赤十字病院、小・周 市立大学附属市民総合医療センター、周基 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 周基  県立こども医療センター、周基 国立病院機構横浜医療センター、小・周 済生会横浜市南部病院、産・小・周 市立大学附属病院、周  イメージ図終了 6在宅医療支援の充実 4億1,616万円(前年度4億1,391万円) 地域包括ケアシステム の構築に向け、在宅医療を支える医師を始めとした人材の確保・育成や全区の在宅医療連携拠点を中心に、医療と介護が切れ目なく、効率的に提供されるよう連携に取り組みます。あわせて、医療的ケア児・者等の在宅医療を支える取組を関係局と連携して進めます。 (1)在宅医療の推進 4億1,616万円(前年度4億1,391万円) ア在宅医療推進事業 (ア)在宅医療を担う医師の養成 27万円(再掲)(前年27万円) (イ)在宅医療バックアップシステムの推進 70万円 (前年度70万円) 在宅医療に携わる医師の負担を軽減するため、在宅医が二人一組で互いの在宅患者の副主治医を務め、主治医が不在等の際に副主治医が患者の看取り(緊急対応も含む)の対応を行う「主治医・副主治医制」を、横浜市医師会と協働して行います。 (ウ)在宅医療を支える訪問看護師の育成(再掲) ・訪問看護師人材育成支援 190万円 (社会福祉基金活用事業)(前年度194万円) ・訪問看護師対応力サポート14万円 (社会福祉基金活用事業)(前年度14万円) (エ)在宅医療を担う有床診療所支援 360万円(前年度361万円) 緊急一時入院やレスパイト機能を担うなど、在宅医療連携拠点と緊急一時入院受入れの協定を締結している有床診療所を支援するため、夜間帯の看護師人件費の一部を補助します。 (オ)小児在宅医療の推進 ・医療的ケア児・者等の在宅医療支援 628万円 (前年度1,425万円) (総事業費3,767万円についてはこども青少年局・健康福祉局・医療局・教育委員会の4局で実施) 医療的ケア児・者等の在宅生活を支えるため、医療・福祉・教育等の多分野にわたる調整を行うコーディネーターによる支援等を継続して実施します。 ・小児訪問看護ステーション支援 171万円 (社会福祉基金活用事業)(前年度171万円) 小児訪問看護を行う訪問看護ステーションを確保するため、小児用の医療機器の購入費や小児医療に関する研修の受講費について補助を行います。 備考 地域包括ケアシステムとは、 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、介護・医療・介護予防・生活支援・住まいが一体的に提供されるシステム。保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要とされる。 レスパイトとは、 一時的中断、小休止などの意味。在宅療養者を介護する家族等の病気や事故、冠婚葬祭、介護疲れといった事由から、在宅療養者のケアを医療機関や施設等が一時的に代替すること。 イ在宅医療・介護連携推進事業 (介護保険事業費会計) (ア)在宅医療連携拠点の運営 3億5,673万円(前年度3億5,663万円) 病気があっても住み慣れた自宅等で、安心して継続的な在宅医療・介護を受けることができるよう、在宅医療や介護に関する相談支援や医療・介護従事者の多職種連携、市民啓発などを行う各区の在宅医療連携拠点を、横浜市医師会と協働して運営します。 (イ)疾患別医療・介護連携事業 1,335万円(新規)(一部再掲) 高齢者人口の増加に伴い、重症化予防や病状管理のため、在宅医療と介護の連携に関する相談・支援ニーズが高まると予測される糖尿病、誤嚥性肺炎、心疾患、緩和ケアについて、療養上の課題解決に向けた支援体制を強化します。 (ウ)在宅療養移行支援 282万円(前年度271万円)  医療機関から在宅へスムーズに移行できるよう、「入院・退院サポートマップ」、「入院時・退院時情報共有シート」の活用や、介護職を対象とした「介護職のための看取り期の在宅療養サポートマップ」、本人や支援者を対象とした「高齢者のための看取り期の在宅療養ケアマップ」の普及啓発を進めます。 (エ)在宅医療推進のための人材育成 152万円(再掲)(前年度241万円) (オ)人生の最終段階における医療等に関する検討・啓発 1,823万円 (拡充)(前年 1,623万円) 「人生会議 」(アドバンス・ケア・プランニング、略称ACP)の普及を図るため、自らが望む医療やケアを考え、家族等と話際の手助けとなる「もしも手帳」を配布するほか、様々な場で「横浜市『人生会議』短編ドラマ」を活用した市民啓発を進めます。 また、今後の普及啓発の方法を検討するため、市民意識調査を行います。 横浜市「人生会議」短編ドラマPR用名刺サイズカードの紹介をしています。 横浜市「人生会議」短編ドラマ みのりの世代(高齢期)編〜みなとの見える街で〜 主演:竹中直人 働き盛り世代(壮年期)編〜みどりの見える街で〜 主演:高島礼子 人生会議とは自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、家族や医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い共有する取組を「アドバンス・ケア・プランニング」と呼ぶ。その愛称が、厚生労働省による公募により「人生会議」に決定した。