4.児童福祉法の概要 (1)児童福祉法に基づく障害児支援の概要 平成24年4月1日に児童福祉法が改正され、障害児及びその家族が、身近な地域で必要な支援を受けられるよう、障害種別に分かれていた障害児施設が、通所による支援(障害児通所支援)と入所による支援(障害児入所支援)に体系化されました。また、地域支援を強化するため、新たに保育所等訪問支援や障害児相談支援等が創設されました。 (2)サービス利用までの流れ 福祉サービスを利用するためには、区福祉保健センターまたは児童相談所に申請し、サービスの支給決定、受給者証の交付を受ける必要があります。利用者の状況を把握するための面接調査(アセスメント)の結果やサービス利用の意向等を勘案し、必要なサービスや支給量が決定されます。 サービス利用までの流れ 表部分 相談―支給決定―サービス利用までの流れ 福祉サービスを希望する場合は、お住まいの区の福祉保健センター、児童相談所、または障害児相談支援事業者に相談します。相談先の担当者に心身の状況、介護者の状況、生活の場所や居住環境、サービスの利用意向などをお伝えください。相談の結果、サービス利用の手続きをすることが決まったら、指定された申請書などを提出します。 申請書などを提出した後、面接調査(アセスメント)を行います。通所支援を申請しようとする場合、障害児支援利用計画案を作成・提出します。障害児支援利用計画案は、相談支援事業者により、生活に対する意向、サービスの種類・内容等を考慮して作成されます。 なお、本人(保護者)によるセルフプランも可能です。 支給決定は、面接調査の結果、心身の状況、介護者の状況、生活の場所や居住環境、サービスの利用意向を勘案して行います。 申請から支給決定の間に、保護者の急病など緊急やむを得ない理由で、福祉サービスが必要になったときは、相談先の担当者(お住まいの区の福祉保健センターまたは児童相談所)へご相談ください。 (3)福祉サービスの概要 ここでは、児童福祉法に基づくサービスを紹介しています。なお、18歳以上の障害児施設入所者には、原則として障害者総合支援法のサービスを提供します(20頁)。 ア 障害児通所支援 <サービス名> 児童発達支援 <サービスの概要> 障害児に日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練等を行います。 <掲載頁> 43 83 <サービス名> 医療型児童発達支援 <サービスの概要> 障害児に日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練及び治療等を行います。 <掲載頁> 43 <サービス名> 放課後等デイサービス <サービスの概要> 就学している障害児に、放課後や長期休暇中において、生活能力の向上のために必要な訓練や社会との交流促進の活動等を行います。 <掲載頁> 83 <サービス名> 保育所等訪問支援 <サービスの概要> 保育所等を訪問し、当該施設を利用する障害児に、集団生活への適応のための専門的な支援等を行います。 <掲載頁> 83 <サービス名> 居宅訪問型児童発達支援 <サービスの概要> 重度の障害等の状態にある障害児であって、障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な障害児に発達支援が提供できるよう、障害児の居宅を訪問して発達支援を行います。((注)障害児相談支援事業所が作成する障害児支援利用計画案が必須) <掲載頁> 84 イ 障害児入所支援 <サービス名> 福祉型障害児入所支援 <サービスの概要> 障害児が入所し保護を受けるとともに、地域・家庭での生活に必要な日常生活の指導等を受けます。 <掲載頁> 43 <サービス名> 医療型障害児入所支援 <サービスの概要> 障害児が入所し保護を受けるとともに、地域・家庭での生活に必要な機能訓練や日常生活の指導及び治療を受けます。 <掲載頁> 43 ウ 障害児相談支援 <サービス名> 障害児相談支援 <サービスの概要> 障害児通所支援を利用する障害児に対し、相談支援専門員が利用者の希望や状況をふまえた、生活全体を網羅した計画である、障害児支援利用計画案を作成します。また、定期的に利用状況などを確認するモニタリングを行います。 (4)利用者負担のしくみ 福祉サービスの自己負担は、サービス量と所得に着目した負担の仕組みとされ、その負担は所得等に配慮した負担(応能負担)となっています。 また、通所支援や入所支援に伴う光熱水費等の実費や食費については、実費負担があります。自己負担、実費負担ともに所得の少ない人の負担が大きくならないよう、軽減措置が設けられています。 ア 月ごとの利用者負担には上限があります。 福祉サービスを利用した人は、負担能力に応じてサービスの提供に要した費用を負担することになります。負担額には上限額が設定されており、上限額以上の額を負担することはありません。なお、負担額が上限に達しない場合は、サービス提供に要した費用の1割を負担することになります。 【区分】 生活保護 【収入状況等】 生活保護(または中国残留邦人等支援法による支援給付)受給世帯 【負担上限月額】 0円 【区分】 低所得1 【収入状況等】 市民税非課税世帯(障害児の保護者の収入の年収が80万円以下) 【負担上限月額】 0円 【区分】 低所得2 【収入状況等】 市民税非課税世帯(その他) 【負担上限月額】 0円 【区分】 一般1 【収入状況等】 市民税課税世帯(所得割28万円未満) 【負担上限月額】 通所4,600円 入所9,300円 【区分】 一般2 【収入状況等】 市民税課税世帯(その他) 【負担上限月額】 37,200円 (注)所得を判断する際の「世帯」の範囲 障害児の利用者については、原則として保護者が属する住民基本台帳の世帯。 なお、同一世帯員には、サービスを利用する児童の親が単身赴任等で別世帯である場合も含みます。 利用者負担の上限額管理事務について ひと月あたりの利用者負担額が、設定された負担上限月額を超過することが予測される場合には、サービスを提供する事業所が利用者負担額の上限額管理を行う仕組みがあります。 (上限額管理対象者の例) 〇複数の障害福祉サービス事業所からサービスを利用する場合 〇同一世帯に複数の障害児がいて、同一の保護者がサービスの支給決定を受けている場合(注)障害者総合支援法と児童福祉法の各サービスをまたがっての上限管理はできません。この場合、各サービスについて必要に応じて上限管理を行った後、22頁イの高額償還給付の申請が必要です。 イ 多子軽減措置 障害児通所支援を利用している未就学の児童に兄・姉がいる世帯では、負担上限月額が軽減される場合があります。(条件によって、所得制限があります。) (注)詳細については、窓口にお問い合わせください。 ウ 高額障害児通所(入所)給付費(高額償還給付) 高額障害児通所(入所)給付費については、22頁の高額障害福祉サービス等給付費をご覧ください。 エ 食費・光熱費等の実費負担についても、減免制度があります。 入所施設における食費や光熱水費等(医療費、日用品費含む)及び通所サービス等における食費が実費負担となりますが、収入に応じた減免があります。 (ア)入所施設の食費等実費負担減免(補足給付) 低所得者などが、利用者負担額と実費負担額を支払っても、一定額が手元に残るように減免します。 (注)詳細については、お住まいの区を担当する児童相談所にお問い合わせください。 (イ)通所サービスなどの食費減免 生活保護(または中国残留法人等支援法による支援給付受給)、市民税非課税及び市民税所得割額が28万円未満の世帯の場合、食費のうち人件費相当分を減額します。 オ 幼児教育・保育の無償化について(令和元年10月利用分から) 生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や、子育てや教育にかかる費用負担の軽減を図る少子化対策の観点などから、満3歳になった後最初の4月から小学校入学までの3年間について、児童発達支援、医療型児童発達支援、保育所等訪問支援等の利用料が無償化されています。 (注)利用者負担以外の費用(医療費や食費等の実費負担分)は引き続きお支払いいただきます。 (注)幼稚園、保育所、認定こども園と上記サービスの両方を利用する場合は、両方とも無償化対象となります。