第44回 横浜市福祉のまちづくり推進会議 会議概要 日時 令和元年11月19日 火曜日 午後4時00分~6時00分 出席者 井汲委員、石川委員、大原会長、小堤委員、金子委員、小泉委員、下村委員、白石委員、 鈴木委員、中村委員、畑中委員、松澤委員、八木委員、山根委員、渡辺委員(15名) 欠席者 赤羽委員、東委員、井上委員、清水委員、滝口委員、田邊委員、山中委員、和久井委員、(8名) 開催形態 公開(傍聴者なし) 議題等 1 開会 2 福祉のまちづくり推進事業の経緯について 3 会長及び副会長の選出 4 議事 議事1横浜市福祉のまちづくり推進指針の改定及び小委員会の設置について 議事2ホテル又は旅館の客室に関する基準等の改正について(建築物) 議事3 運用改善を目的とした基準等の改正について(建築物) 議事4 公共交通機関の施設の基準改正について 5 報告 報告1車止めと視覚障害者誘導用ブロックの位置について 6 その他 決定事項 ・横浜市福祉のまちづくり推進会議小委員会の設置及び委員について承認された。 ・ホテル又は旅館等の客室に関する基準等の改正について、施設整備マニュアル[建築物編](案)が承認された。 ・運用改善を目的とした建築物の基準等の改正を行うことについて承認された。改正内容については、今後専門委員会で検討し、推進会議でお諮りする。 ・公共交通機関の施設の基準改正について、素案が承認された。 資 料・特記事項 ・資料1 横浜市福祉のまちづくり 事業開始から現在までの経緯 ・資料2 横浜市福祉のまちづくり推進指針の改定について ・資料3 ホテル又は旅館の客室に関する基準等の改正について(建築物) ・資料3−1 施設整備マニュアル [建築物編](案) ・資料4 運用改善を目的とした規則改正及び施設整備マニュアルの改正の検討につい て(建築物) ・資料5 公共交通機関の施設の基準改正について ・資料5別紙 整備基準の改正内容等(公共交通機関の施設) ・資料6 車止めと視覚障害者用誘導ブロックの位置について ・資料6−1 横浜市記者発表資料(令和元年5月30日) ・参考資料1 横浜市福祉のまちづくり推進会議について ・参考資料2 横浜市福祉のまちづくり条例 ・参考資料3 横浜市福祉のまちづくり推進会議運営要綱 ・参考 横浜市福祉のまちづくり推進指針 概要版 議事概要 1 開会 2 福祉のまちづくり推進事業の経緯について 3 会長及び副会長の選出 ・委員の互選により、会長に大原委員、副会長に中村委員が選出された。 4 議事 (1)横浜市福祉のまちづくり推進指針の改定及び小委員会の設置について 事務局 (資料説明) 大原会長 5年程度を一つのターンとして指針の見直しを行っているが、 40年以上前に「福祉の風土づくり運動」を始めてからも、向いている方向は大きく変わっていないだろう。今の社会情勢などを照らし合せて、短期の行動指針のようなものを立てられるよう考えていく。  今後進めていく中で、皆さんにも意見を聞いていく 事務局 (小委員会委員案についての資料配布及び説明) 大原会長 小委員会委員については、このメンバーで良いか。 一同了承 事務局 (2)ホテル又は旅館の客室に関する基準等の改正について(建築物) (資料説明) 金子委員 今日の資料は赤で細かくチェックが入って大変わかりやすいと思うが、読めば読むほど煩雑で、なかなか1回では理解しにくい。 工事計画をするとき我々は、これなら大丈夫という経験則の中でやることが多い 寸法など細かく決まっていればそれに従えばハードの面からアウトになるケースは避けられる。 しかし今回の改正内容は特にソフトの面が充実している。 ソフト面をどのように注意喚起していくか、理解してもらうかというのが非常に難しいと感じている。 大原会長 マニュアル案には車椅子使用者への対応を中心にして他にも配慮すべき点を盛り込んだ標準モデル設計のようなものが出ているが、 ホテルによっては、例えば車椅子使用者が来たらこの部屋に案内し、視覚に障害がある方はこっちに案内するなど、様々な種類の部屋があっても良い。 しかしマニュアルではそのような表現が難しく、運用と設計のモデルの組合せはホテル側に裁量が任されているようなところがあり、その紹介は難しい。  モデル的に示すとなると、いろいろなものを一つの客室に盛り込んで表現することになるが、実際にはいろいろな人に配慮したいろいろなタイプの部屋があって、 誰に対しても適切な部屋を案内できる仕組みが本当は欲しい。しかしそこまで書き込むのは難しい。この会議は福祉のまちづくり推進指針をつくったり、こういうマニュアルを示したりすることが中心なので、できればホテルなどの業界の方々に接遇マニュアルや対応マニュアルをつくってほしいと要請することが重要。 畑中委員 外国人に対することがマニュアル案に出ているが、小委員会の委員に外国人の立場の人がいると良いと思った。 日本語が苦手な方はたくさんいて、条例の基本的性格のところでは、住む人だけでなく来られる方にも、という文言もある。 それを考えると、これから先の周知計画などをやっていく場合には、こういう立場の方の意見を聞く機会が折に触れてあっても良い。 大原会長 多言語表記やサインのようなことはどこかに盛り込まれていたか。 事務局 御発言のとおり横浜市を訪れる人も対象になっているので、明確に委員としてではないが、外国人の立場の方の御意見を聞く機会について考えたい。 小委員会に発達障害に関わる方が入っているが、発達障害に限らず平易な日本語表記にも関わってくると思う。 いただいた御意見は参考にしたい。 大原会長 資料の最後の災害情報、避難のときの配慮などでその辺は明記されている。しかし様々な人に対応することは当然必要だと思う。 原稿案はこの形で進める。 事務局 (3)運用改善を目的とした基準等の改正について(建築物) (資料説明) 畑中委員 (3)の子育て設備の規定が適用されることは、何がどう課題なのか教えてほしい。 事務局 パチンコ店は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律で、利用が目的かどうかにかかわらず、乳幼児であっても18歳未満の入店が禁止されている施設だが、 授乳室やおむつ交換台を設置するという基準が適用されているため、設置するように指導せざるを得ない。 金子委員 このようなことが起こっている。1cm足りないから許可しない、認めないという話と同様なところがある。 その点をどう判断するかが大変だが、決めるべきところは決めないといけない。皆で知恵を絞れば解決の道はあると思う。 下村委員 (3)についてはいろいろな意見があると思うが、禁止されているとはいえ、1000㎡以上のパチンコ店に小さな子ども連れの人が行く可能性はあると思うので、そこで不要というのはどうか。 ハード面とは別の議論になると思うが、このあたりも専門委員会で議論していただき、より良いものにできればと思う。 大原会長 表示板について交付件数が少ないという課題がある。それは、申請が少ないということか。 事務局  そのとおり。表示板は、適合施設であることを知らせることで施設の利用を促進することを目的としているが、 実態はかなり少ない件数だ。表示板を設置することでその施設の利用者が増えるというような好循環にしていきたい。 大原会長 普及のために、あちこちで使えるものがあるということが利用者の立場からもっと知られて良いはずだが、設置者がなぜそれをつけたがらないかという問題がある。 事務局 周知不足もあると思うし、表示板の交付には、基準が上乗せされることも影響しているかと思う。 下村委員 確認だが、課題例の(2)の用途変更というのは用途変更手続きのことか。 用途変更の際に確認申請を要する基準の対象が100㎡以上から200㎡以上に緩和されたので小規模福祉施設の場合用途変更は必要ないが、例えば普通の住宅をリノベーションするということでの用途変更という意味か。 事務局 そのとおり。 八木委員  (4)の機械式駐車場だが車椅子使用者は停められないと思うが、その点はどうか。 事務局  機械式駐車施設で立体駐車場工業会の認定を受けている駐車施設で実態的にも、車椅子使用者が使えるものは条例に適合しているものとしているが、 例えば、シンボルマークの路面への塗布など機械式駐車施設では読みようがないものもあり、機械式駐車施設の基準を検討していければと思う。 八木委員 それは新設の場合か。 事務局 そのとおり。現在は基準がないので、運用で施設の分かりやすいところに車椅子使用者用駐車場があるということがわかるよう、標識をつけてもらっている。 大原会長 これから専門委員会で検討して対応を考えていくことになると思う。それではこのような方向で進めるということで良いか。 一同了承 事務局 (4)公共交通機関の施設の基準等の改正について (資料説明) 石川委員 バリアフリールートの整備のところで、資料の2ページ(2)の①〜⑤で「長さの差をできる限り小さくする」というのが何か所か出てくる。 確かに距離があるなと感じることはあるが、長さだけでなく幅や直角に曲がるところなど、ここは車椅子が通れるのかなということを時々感じる。 基準では車椅子がスムーズに通れるような幅になっているのか教えてほしい。 事務局 駅に新たにエレベーターを設置したり通路を新設したりする時は、事業者に事前に協議してもらい、基準を満たしているかどうかという手続きを踏むことになっている。 特にエレベーターへの通路は車椅子使用者が通れる幅員や通路の形状を確認しているので、通ることはできる。 白石委員  市内ではないが、先日、藤沢駅で通路が長いにもかかわらず、駅員の案内がなかったので、乗換えが困難だった。ホームへの案内があれば良いと感じた。 大原会長 今回は乗り継ぎルートについても、同一事業者間の乗り継ぎは書いてある。複数の事業者間の乗り継ぎはどうだったか。 事務局 基準では事業者が別々になると対象外になる。しかしマニュアルの中では、異なる事業者間のバリアフリールートの確保などの記載はしたい。 大原会長 やはり出口までのルートだけでなく、乗り継ぎルートも非常に重要だと思うので、今後検討できたらと思う。 中村副会長 エレベーターの場所がわからなくても、歩ける場合はエスカレーターを選ぶ。 しかしその先に階段しかないところがいくつかある。私はその時、歩行がつらい時期だったのでエレベーターを探そうと思ったら、お店が開いている時間なら遠回りして行けるかもしれないが、開店前の時間だと目の前の階段を根性で上がるしかない。 そのことに気づくのに時間がかかった。これから超高齢社会なので、杖の方や体力のない方など、エスカレーターで上がっていく人を想定した時のバリアがまだたくさん残っている。 東京の地下鉄でもエスカレーターの先が階段というところがある。 はじめから、「この先は階段になるのでエレベーターを利用してください」と放送するか貼るかしておいてほしいと思った。  また、これは推進指針に関わることかもしれないが、公共交通機関は、立っているのが大変な人にとっては立っている時間との闘いだ。 ヘルプマークは電車にも貼られるようになったが、まだ関係者しかわからないので、これから啓発していく必要がある。 自分が当事者になって思ったのは、やっとの思いで座れたときに、私は譲ることができませんという意味でヘルプマークを出してつけたが、譲ってくださいという気持ちでヘルプマークをつけて立つことは、なかなかできなかった。 最後に、駅のホームの椅子が少ないということに気づいた。私と同じような病気をした人は皆言っていて、とにかく座りたい。電車を2、3台見送っても座りたいが、座れる椅子が少ししかないので座れない。 優先席というベンチは駅にはないので、ひたすら耐えるという感じもあった。体力がない高齢者もこれから外出していくと思うので、細かいが今後検討すべきことかと思う。 井汲委員 心臓の疾病や内部疾患の方もだが、精神の人も今大勢ヘルプマークをつけている。 たくさん薬を飲んでいる人が多いので体がつらいこともあるが、バスや乗り物に乗るということは、ものすごく不安がある。 座ると少し安心できるので座りたいと思うが、端から見るとどこも悪そうに見えないので、赤いヘルプマークをつけている人はたくさんいる。 しかしそれで何かしてもらえるということはない。そういう人もいることを頭に入れてほしい。 大原会長 今までのことで事務局から何かあるか。駅の話は白石委員が言われたとおり、誘導や案内を的確にすることが重要だという話だ。基準としてはよいと思うが、マニュアルのほうできちんと書いていくことが必要になっている。 事務局 皆様から意見をいただいたので参考にさせていただく。精神障害も見えにくいので、きちんと対応しないといけないと思う。 バリアフリーはハードも大事だが、ヘルプマークをはじめ、駅員だけでなく周りの一般の人も助け合えるよう、福祉教育や啓発をやっていく必要があると思う。 大原会長 今の段階では、整備基準の改正については、トイレ、バリアフリールート、エレベーターについて、この形で規定する。その上で、案内や啓発なども含めてマニュアルで書き込んでいくことについていくつかご意見があった。 整備基準の改正についてはこの方針で進めるが、良いか。 一同了承 大原会長 それでは基本方針はこの形で、このあと、市民意見公募を踏まえて確定していき、マニュアルには様々な具体的な配慮をきめ細かく書き込んでいくということで進めたい。 道路局施設課 5 報告 車止めと視覚障害者誘導用ブロックの位置について (資料説明) 白石委員 車止めが歩道の真ん中にあり、危険な思いをすることがある。 道路局施設課 広い歩道で駐車場出入口が近くにある場合、歩道に車が入らないように、車止めが歩道の真ん中にある場合もある。現場を確認して、歩行者の安全に配慮して設置するようにしたい。 大原会長 写真で出ているのは比較的歩道が広い。車道から30cm後退して車止めがあり、その内側に警告ブロックを2列敷くために60cmぐらい後退している。 これは幅の広い交差点で可能な設置例かと思うが、マニュアルでは歩道が狭い場合なども具体例に即して検討する必要があると思う。 道路局施設課 現場ごとに土木事務所が立ち会って適切な配置をしていきたい。 小泉委員 車止めはぶつかるとものすごく痛いので、できればない方が嬉しい。しかし交通安全上必要だというのはわかるので仕方がない。今の話のような対応が落とし所とは考えている。 大きな交差点だと、横断歩道は角にはなく、少し中に入ったところにある。 角の丸いところは誰も渡らないので、そこにガードレールを設置してもらうと、そこから渡ることがないので、危険がなくなると思う。 警告ブロックが角の丸いところまで設置されているが、実はそこには横断歩道がないというケースもある。そこにガードレールがあることで車の進入も防げるかなと思う。 道路局施設課 確かにそういう交差点があるというのは聞いている。原則は、横断歩道があるところだけに警告ブロックを設置する考え方だ。しかしそうなっていないところ、横断歩道がない部分にガードレールを設置するようなことも、十分考えられる対策だと思う。 畑中委員 6 その他  気になっていることが2点ある。 一つは、最近ベビーカーでバスに乗れるようになったが、双子用ベビーカーに関してはなかなか難しい。双子用ベビーカーの移動の保証の問題は、どこに言っていったら良いのかと考えている。  2つ目はタクシー乗り場のことだ。タクシーの車椅子使用者の乗車拒否というニュースがあったが、車椅子ごと乗れるタクシーは後ろからしか乗れないものが多い。普通の道路で手を上げてタクシーに乗ろうとすると、横からは難しい。 UDタクシーは後ろからなら乗れるが、後ろから乗るためには1回車道に出て乗り込む必要がある。普通の駅やタクシー乗り場だと構造上難しいところがたくさんあるのではないか。 運転手が後ろから乗れる場所を探すとか、ここなら乗れるという案内があると良い。バスの乗車については利用者の気持ちのケアも必要かと思う。どこかで考えてもらえたら良い。 大原会長 検討事項として控えておき、マニュアルのコラムなどでうまく伝わるように考えていければと思う。 白石委員 先日東京の駅で、車椅子で自家用車から乗降しようと停車したところ、警察なのか駅員なのかわからないが呼び止められ駐停車禁止区域だと言われ、乗降できなかった。そういうことへの配慮はどうなのか。 事務局 今日は警察の委員が欠席なので、あとでお伝えする。 山根委員 ヘルプマークについて話があったが、ハートプラスマークというものがある。 ハートプラスマークは心臓疾患がある方が中心になって作り始めたマークで、若い方が苦しくて息切れがして体力もなくて、電車の優先席に座っていたら、若いのに座っているのか、というような目を向けられたことがあったので作られた。 ヘルプマークはそのあとにできた。支援が必要な人みんなが着けているので、今は知的障害の飛び回ってしまうようなお子さんも着けている。 ヘルプマークイコール優先席に座りたいという意思表示ではないあたりが難しいと思う。いろいろなマークができていて、どう配慮したら良いかというのが今混乱しているかもしれない。 大原会長 そのような事情もきちんと整理していければと思う。それでは議題はこれで終了とする。 閉会 以上