第3章、「スポーツ都市横浜」の実現に向けて。 1.目標。 前章で示した本市のスポーツを取り巻く現状と課題を踏まえ、横浜市は、誰もがスポーツを楽しみ、喜びを感じながら、「する」「みる」「ささえる」ことを真に実現できるよう、スポーツを「つくる/はぐくむ」等の国の掲げる新たな3つの視点を持ちつつ、環境や状況に応じてスポーツ施策を柔軟に見直し、改善しながら取組を推進し、「スポーツ都市横浜」の実現を目指します。 目標1、スポーツを通じた健康増進。 人生100年時代の基盤は一人ひとりの心身の健康であり、スポーツは体力の向上や身体的な健康だけではなく、心の健全育成や精神的な充足感の獲得にもつながる活動です。また、仲間づくりや地域コミュニティの活性化にも寄与すると期待されています。スポーツを通じて、身体的・精神的・社会的に満たされた状態である「WELL-BEING*」を市民が実現できるように取組を推進します。 目標2、スポーツを通じた共生社会の実現。 スポーツ施策においてもイベントや施設など全ての場でダイバーシティ&インクルージョン*の視点を持ち、年齢や性別、障害の有無、国籍などに関わらず、誰もがスポーツに親しめる取組を推進します。 障害者をはじめ、配慮が必要な人が積極的に参加・貢献していくことができる共生社会を実現するためには、多様な市民のニーズに応えることが不可欠です。特に障害者への取組を進めることで、それ以外の配慮が必要な人にとっても、スポーツに取り組みやすい環境の整備につなげます。 目標3、スポーツによる賑わいづくり。 世界的なスポーツイベントの開催などを契機に、スポーツを活用した地域・経済活性化への期待が高まっています。特に、人口減少・少子高齢化の進行する中、スポーツイベント等の開催により交流人口を増やし、観光など市内の回遊性を高めることで地域産業を活性化します。 トップスポーツチームとの連携をはじめ、国際スポーツ大会や国内大規模スポーツ大会の開催を通じて得られたノウハウやレガシーなどの貴重な財産を活用し、スポーツによる賑わいづくりを推進します。 指標と目標値。 本計画は、スポーツ基本法第10条第1項に基づく「地方スポーツ推進計画」として位置づけられ、各地域の実情に応じた内容となることが望ましいと示されており、それぞれの地方自治体は目標値を定めています。 本市においても、今後展開するスポーツ施策の成果や進捗状況を見極めるため、以下の指標と目標値を設定します。 次に指標と目標値の表があります。 指標、令和3年度の現状値、令和8年度の目標値の順に記載しています。 成人の週1回以上のスポーツ実施率。現状値、59.5%。目標値、70%以上。 成人の1年に一度以上のスポーツ実施率。現状値、78.8%。目標値、100%に近づける。 スポーツが好きな人の割合。現状値、66.3%。目標値、75%以上。 多様な人と関わり、運動・スポーツを楽しみたいと思う子どもの割合。現状値、なし。目標値、70%以上。 子どもの授業以外での週3回以上のスポーツ実施率。現状値、44.3%。目標値、50%以上。 働く世代・子育て世代の週1回以上のスポーツ実施率。現状値、50.8%。目標値、60%以上。 障害者の週1回以上のスポーツ実施率。現状値、45.0%。目標値、65%以上。 障害者の1年に一度以上のスポーツ実施率。現状値、58.5%。目標値、80%以上。 スポーツボランティア参加率。現状値、3.7%。目標値、10%以上。 市内でのスポーツイベント直接観戦率、注1。現状値、(参考)、16.2%、注2。目標値、30%以上。 横浜市はスポーツが盛んであると思う市民の割合。現状値、なし。目標値、70%以上。 注1、プロスポーツやトップアスリートが参加するスポーツに限らず、市内でスポーツイベントを直接観戦した人の割合。 注2、市外を含む会場でのトップスポーツ観戦率のため、参考としている。 課題と3つの目標の対応について。 本市のスポーツを取り巻く現状と課題と3つの目標への対応は以下の通りです。 ここには課題と3つの目標の対応表があります。 課題、対応する目標の順に記載しています。 市民のスポーツ活動について。 ア、健康づくりやスポーツ実施に対する関心の高まりを維持する取組が必要。目標1。 イ、性別や年代の特徴を踏まえてスポーツの実施を促す取組が必要。目標1。 ウ、障害の有無に関わらずスポーツに親しめる環境づくりが必要。目標1、2。 エ、子どものスポーツを好きな意識を育み体力向上へとつなげる取組が必要。目標1。 市のスポーツ環境について。 ア、スポーツ実施の場の確保に向けた施設整備と教育機関や民間企業との連携が必要。目標1。 イ、スポーツの現場において多様性を認め合うことができるリーダーの育成が必要。目標2。 ウ、スポーツボランティアの発掘・育成・定着の段階的な取組が必要。目標2。 エ、「する」「みる」「ささえる」スポーツの推進に向けて大学との連携が必要。目標1。 オ、「観る」「魅せる」スポーツの推進に向けてトップスポーツチームとの連携が必要。目標3。 カ、大規模スポーツ施設や国際スポーツ大会等の開催実績を生かしたまちづくりが必要。目標3。 キ、市のスポーツの財産を生かしたスポーツの新たな楽しみ方を市民に提供する取組が必要。目標1、2、3。