2. スポーツ推進に向けた取組 目標1 スポーツを通じた健康増進 取組1 健康づくりに気軽に取り組む機会の充実 地域スポーツ・レクリエーション団体やスポーツ推進委員と連携し、子どもから高齢者までが、初心者であっても楽しく、気軽に参加できるウォーキングイベントや、スポーツ・レクリエーションフェスティバル等の活動を充実させます。 また、「健康横浜21」に基づき、生活習慣の改善や運動習慣の定着化など、市民の健康づくりを後押しする取組を進めます。 特に、日常生活の中で楽しみながら健康づくりに取り組める「よこはまウォーキングポイント事業」などを活用し、企業等と連携して事業を充実させるとともに、健康に関心がない人や関心があっても取り組めない人へのきっかけづくりや、健康行動の継続を支援します。 取組2 日頃の成果を発揮するスポーツイベントの充実 市スポーツ協会等と連携し、横浜マラソン、市民大会・区民大会やビーチスポーツフェスタなど、日頃の練習の成果を発揮する機会となる市民参加型スポーツイベントを充実させるとともに、初めて参加する人でも安心して楽しむことができる環境を整えます。 また、スポーツ大会等において優秀な成績を収めた方やスポーツ振興に尽力した方のなかで、本市にゆかりのある方を対象に表彰を行い、市民のスポーツ意欲向上に繋げます。 取組3 働く世代と子育て世代の親と子が楽しむスポーツの充実 働く世代のうち、特にスポーツ実施率の低い30~40代を対象に、企業で参加できるスポーツイベントを実施し、運動不足や生活習慣の改善につながる機会を提供します。イベント情報は、健康に関する企業向けメールマガジンも活用し、発信していきます。 また、子育て世代の親と子を対象に、乳幼児が体を動かして遊ぶ機会や、親子ふれあい体操など親子で一緒に参加できる各種運動プログラムを提供するとともに、保育所、幼稚園、地域子育て支援拠点等にスポーツ指導者等を派遣し、体を動かす楽しさを伝える事業を行います。さらに、子どもがいても親自身がスポーツを楽しめる環境を充実させ、子育て世代の親と子それぞれの支援を行います。   取組4 児童生徒がスポーツを楽しむ機会・場の充実 地域スポーツ・レクリエーション人材養成講座終了者などを学校や地域にスポーツ指導者として派遣し、スポーツ教室の事業等を行うことで、運動やスポーツに多様に関わる機会を確保します。 部活動指導員の配置は、部活動の充実と教員の負担軽減の双方の面で効果が期待されており、引き続き取組を進めます。また、令和3年度からは休日の運動部活動の地域移行の実践研究が行われており、本市においても、地域移行の可能性も含めて検討するなど、部活動を持続可能なものとするための取組を進めます。 小学校及び中学校の学校施設においては、児童・生徒の安全・安心なスポーツ環境を維持するため、計画的かつ効果的な施設の保全や空調設備の整備を進めます。 取組5 高齢者向けスポーツの充実 本市の特徴であるスポーツ実施率の高い高齢者について、今後も継続してスポーツに取り組めるように、個々の健康状態、関心に応じて参加できる健康・体力づくり、フレイル予防、仲間づくりなどにつながるスポーツ教室などの通いの場等の充実と、参加しやすい仕組みづくりを行います。 さらに、毎年各県で開催される「全国健康福祉祭(愛称:ねんりんピック)」に参加し、交流の輪を広げ、活力ある長寿社会づくりに貢献します。なお、令和4年度には、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市が主催となり、初めて神奈川県内で開催します。 取組6 スポーツに取り組むための身近な場の確保と充実 市民が身近な場でスポーツに取り組めるように、未利用地や米軍施設跡地などの活用、既存施設の統廃合や多目的化、民間企業との連携、市内大学施設の活用を進め、スポーツができる場の確保・充実を図ります。 また、健康増進や外出意欲の向上につながるような魅力的な歩行空間の整備や自転車通行空間の整備を進め、取組や場所を周知します。 取組7 学校体育施設を活用した地域スポーツの場の確保と支援 学校体育施設(校庭・体育館等)を活用し、地域のスポーツ振興のため、総合型地域スポーツクラブや学校開放事業の運営主体である文化・スポーツクラブが子どもや地域住民を対象に実施するスポーツ教室等のプログラムに対し、支援を行います。 また、スポーツを行う場を確保するため、学校施設に夜間照明をモデル事業として設置します。   取組8 横浜市スポーツ医科学センター等との連携・活用 横浜市スポーツ医科学センター及び市内のスポーツ・医科学系の大学等の知見を活用し、スポーツ医科学のエビデンスに基づいた市民の健康づくりを推進します。 また、スポーツ事故の防止及びスポーツ障害の予防・早期発見に関する知識の普及啓発を行います。 トップスポーツチームに対しては、医師や理学療法士の派遣、選手・スタッフへのメディカルサポートなどを実施しており、引き続き、様々な形での連携を進めていきます。 取組9 食育の推進 健康な生活を送り、スポーツを活発に行うために、トップスポーツチームを含むスポーツ団体、教育委員会や食育関係団体と連携・協力しながら、子どもや保護者及び指導者等に食育の普及啓発を行います。   目標2 スポーツを通じた共生社会の実現 取組10 障害のある子どもがスポーツを楽しむ機会・場の充実 市内の地域療育センターや特別支援学校と連携し、乳幼児期から学齢期まで切れ目なく障害のある子どもがスポーツを楽しむ機会を提供します。 また、トップアスリートやプロスポーツチームとの交流やイベント等を通じて、障害のある子どもが幼児期から運動に親しめる環境を整備します。 取組11 障害者向けスポーツの推進 ひとりひとりの障害の特性や多様化する障害者スポーツのニーズ等に対応し、障害のある方が身近な場所でスポーツに取り組める環境を整えていくため、地域スポーツ・レクリエーション団体や市スポーツ協会、障害者スポーツ文化センター(横浜ラポール・ラポール上大岡)等がこれまで構築してきたネットワークや、東京2020大会を通じて連携してきた東京2020パートナー企業が有するノウハウなどを活用しながら、より一層連携していきます。 また、各区のスポーツセンター等で障害者スポーツ指導員の配置や、障害者スポーツの用具の充実・貸出等を進めていきます。 加えて、横浜市障害者スポーツ大会(通称:ハマピック)等のイベント開催や定期的な障害者スポーツ教室の実施、障害者スポーツに関する情報発信の充実に取り組むなど、障害者スポーツを通じて障害への理解啓発と障害者の社会参加を促進するとともに、地域や障害者とその家族同士の交流を深めます。 アスリート発掘・育成・強化については、市スポーツ協会の加盟競技団体等と連携し、全国障害者スポーツ大会出場横浜市代表選手の強化等に取り組んでいきます。 取組12 障害者理解を定着するためのインクルーシブスポーツ等の推進 障害者と健常者がともに楽しむことができるスポーツイベント・大会の開催や、その支援を行うとともに、市スポーツ協会と社会福祉法人横浜リハビリテーション事業団(ラポール)との連携協定に基づき、障害者団体、競技団体、地域団体が連携しながら、各区のスポーツセンター等、地域で誰もが楽しめるインクルーシブスポーツを推進します。 また、パラリンピアンによる学校訪問や普及啓発イベントの開催、障害者スポーツ体験会等を継続します。   取組13 地域スポーツ指導者の養成・活用 地域のスポーツ振興のために活動できる人材を養成する「横浜市スポーツ・レクリエーション人材養成講座」を実施します。また、同講座の修了者や現場で活躍している地域のスポーツ指導者に対しても、地域のニーズに応じた指導内容や方法などの研修を充実するとともに、ニーズに応じた指導者を紹介するシステムの活用を促進します。 加えて、障害者スポーツ指導員養成研修会を開催するとともに、市スポーツ協会や障がい者スポーツ指導者協議会(通称:バセル)等と連携し、インクルーシブなスポーツの体験会などを行います。 取組14 スポーツボランティアの育成・活用 横浜市スポーツボランティアセンターを通じ、市内の大規模スポーツイベント等のボランティアの募集・登録や研修等の人材育成、啓発イベント等の開催など、市民が積極的・自発的にスポーツに関われるよう支援します。 また、ラグビーワールドカップ2019™や東京2020大会などの国際的な大規模スポーツイベントの開催を契機とし、トップスポーツチームと連携して継続的にボランティア活動のできる場や機会を創出します。 取組15 総合型地域スポーツクラブの育成・活動支援及び連携・協働の推進 総合型地域スポーツクラブ及び横浜市総合型地域スポーツクラブ連絡協議会の運営支援を行うとともに、新たなクラブの育成に取り組みます。 また、広報や啓発イベント等を通じ総合型地域スポーツクラブの認知度を向上させるとともに、総合型地域スポーツクラブと地域との連携強化に向けて支援を行います。 取組16 スポーツ推進委員やスポーツ支援団体との連携・協働の推進 年齢や性別、障害の有無や国籍等に関係なく、誰でも気軽に身近な所でスポーツを楽しむことができる環境を整えるため、スポーツ施設の職員や、スポーツ推進委員、スポーツボランティア、競技団体、地域団体、企業等に障害者スポーツ等に関する研修などへの参加を促し、障害等について理解し、インクルーシブスポーツを推進できる人材を育成していきます。 また、スポーツ関係団体における女性参画に努めます。 取組17 多様な主体が利用しやすいスポーツの場の充実 乳幼児のいる親や、障害者、外国人など、多様な主体が利用しやすいスポーツの場を充実させるため、託児サービスの活用やバリアフリー化、ユニバーサルデザインの推進、多言語化・やさしい日本語への対応など、受け取りやすい情報提供の工夫を検討・強化します。  目標3 スポーツによる賑わいづくり 取組18 トップスポーツチーム等と連携したスポーツの魅力発信 横浜スポーツパートナーズに参画しているトップスポーツチームと連携・協働することで、市内の会場で直接トップスポーツの試合を観戦する機会を充実します。 また、子どもたちをはじめ、多くの市民がトップアスリートと交流する機会を創出し、トップレベルに至るまでの経験談を聞いたり、一流の技術を目にしたりすることで、スポーツの魅力をより深く感じ、スポーツへの興味・関心を高めることにつなげます。 取組19 大規模スポーツ施設を中核とした賑わいづくり 「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」に選定された横浜文化体育館(メインアリーナ)再整備事業による関内・関外地区の活性化など、横浜スタジアムや市庁舎跡地の活用の取組と連携し、大規模スポーツ施設を中核としたまちづくりを進めます。 また、本牧市民プールを広く市民に親しまれる施設として再整備し、トップスポーツチームのホームアリーナを中心とした賑わいづくりなども推進します。 取組20 大規模スポーツイベントの誘致・開催支援 国際大会や全国大会などの大規模スポーツイベントを誘致し、市民のスポーツ観戦やボランティア活動に参加する機会を増やします。これらのイベント開催を通じ、市民に対して「スポーツ都市横浜」のブランディングを図るとともに、世界や全国に向けて横浜の知名度のアップや、経済及び地域の活性化などにもつなげます。 さらに、FIFAワールドカップ、ラグビーワールドカップ2019™、東京2020大会の世界三大スポーツイベントの開催実績を持つ横浜国際総合競技場等のスポーツ施設やボランティア等のスポーツの財産、大規模スポーツイベントの運営知識やパブリックビューイングなどのノウハウを生かし、まちが賑わうスポーツイベントの機会を創出します。 取組21 大規模スポーツイベントのレガシーの活用 横浜国際総合競技場や横浜スタジアムでは、これまで開催された国際的なスポーツイベントの展示の充実により、施設の魅力を向上させます。 また、横浜市のパートナー都市・姉妹都市や、ラグビーワールドカップ2019™でキャンプを受け入れた公認チーム、東京2020大会のホストタウン相手国とのつながりを活用し、スポーツを通じた国際交流を推進します。   取組22 横浜マラソン・ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会の実施 横浜マラソンを含め、プレイベントや区局と連携した横浜マラソンチャレンジ枠等、様々な関連イベントを継続的に実施し、市民の健康増進やスポーツ振興を図ります。さらに、大会参加者だけでなく、ボランティア、応援者など多くの来訪者や、オンライン開催に参加する人が増えることで、シティプロモーション効果や経済波及効果も期待できる「する」「みる」「ささえる」全ての人が楽しめる大会として実施します。 また、世界を転戦しながらポイントを獲得し、年間のチャンピオンを決定するシリーズ戦で、オリンピックに繋がる世界最高峰の大会である「ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会」を引き続き開催することで、国際都市横浜、スポーツ都市横浜を国内外に発信します。 取組23 スポーツツーリズムの推進 本市ならではのトップスポーツ環境や再整備された横浜武道館、観光資源などを組み合わせ、市内でスポーツと旅行・観光を楽しむことを目的に本市に訪れる人口を増やし、地域・経済の活性化をねらいとしたスポーツツーリズムを推進します。 取組24 スポーツ情報等の充実 市民が「する」「みる」「ささえる」といったスポーツ活動に参加しやすくなるよう、スポーツイベントの開催情報や、スポーツ指導者、スポーツ施設の利用に関する情報等を、本市のホームページや広報紙、スポーツ情報サイト「ハマスポ」、SNS等、多様なメディアを連動させ提供します。 取組25 新たなスポーツとの出会いの創出 東京2020大会を契機として注目されたアーバンスポーツや、オンライン環境やデジタル技術を活用したスポーツの取組を充実させ、従来にはなかった新たなスポーツとの出会い、またそのスポーツに触れて、取り組む機会を創出します。 取組26 ウォーカブルなまちづくりによる賑わいの創出 関内・関外地区について、居心地が良く歩きたくなる空間づくりを目指し社会実験の結果を踏まえた道路や公共空間の整備を進めます。また、多くの市民や本市に訪れた人が市内を楽しんで歩くことができるように、スポーツイベントと絡めた取組を行い、これらの取組や場所を周知します。