広報よこはま 金沢区版 令和3年11月号 No.289 一人で抱え込まずに相談しましょう 11月は児童虐待防止推進月間です 「マルトリートメント」って知っていますか? 〜体罰が法律で禁止されてから1年が経過しました〜  2020年4月から、体罰が児童虐待防止法等により、法律で禁止になりました。1979年に世界ではスウェーデンから体罰禁止の取組が始まり、日本は世界で59番目となりました(2021年現在63か国)。  今回は、法改正と共に広がってきているマルトリートメントという概念についてご紹介します。 子どもに対してこんなことをやっていませんか? ・子どもの前で夫婦げんかをする ・子どもの前でパートナー(夫や妻)の悪口を言う ・パートナー間で支配関係があり、子どもの前で「誰のお陰で暮らせているんだ」などと言ったりする ・子どもの苦手な所が気になり「あなたは何をやってもできない」などと言う ・子どもの話を聞かない。子どもの話を遮り、親だけ話をする ・「あなたは、女の子だから〜」「男の子だから〜」などと性別で子どもの行動を制限する ・子どもが体調不良を訴えても、無理やり学校や塾等へ行かせる ・子どもにスマートフォンなどを渡して、おとなしくさせることが多い ・子どもをきょうだいや他の子どもと比較して批判したり、親戚等の前で笑いものにする ・子どもが嫌がっているにもかかわらず、裸でウロウロする 出典:「マルトリに対応する支援者のためのガイドブック」から一部引用し作成 上記すべてをマルトリートメントと言います アメリカでは児童虐待(Child Abuse)からマルトリートメント(Maltreatment)の概念が1980年代に広がり、日本でも1990年代から概念として導入され始めました。 児童虐待 身体的虐待・性的虐待・心理的虐待・ネグレクト マルトリートメント 虐待とは言い切れない大人から子どもに対する避けたいかかわり 引用(図):「マルトリに対応する支援者のためのガイドブック」  〈発行〉福井大学 子どものこころの発達研究センター  〈制作協力〉一般社団法人 日本家族計画協会 マルトリートメントを繰り返し受けることで子どもの成長に影響があると報告されています 〇夜泣き・眠れない・眠りが浅い・頭が痛い・お腹が痛い など(乳児期〜思春期) 〇自分の気持ちを表現するのが難しい・怒りっぽい・感情のコントロールが難しい・落ち着きがない・自傷行為 など(乳児期〜思春期) 〇友達とうまく遊べない・暴力を振るう・友達とのトラブル(幼児期〜大人) 〇好奇心や意欲の低下・何にでも興味が持てない・集中力が続かない・勉強に取り組めない(幼児期〜大人)  マルトリートメント予防やマルトリートメントに早く気付くことが大切です。地域社会みんなで子育てに対する意識や姿勢を見つめ直してみませんか。一人で悩まずに、まずはご相談ください。 悩んだらぜひ、相談!! 金沢区内の子育て専門相談機関 子ども・家庭支援相談(区役所4階404) 平日 8時45分〜17時 電話:788-7728  保健師、保育士、教育相談員、学校カウンセラーなどが、乳幼児期から思春期までの子育てに関する相談に応じます。 地域子育て支援拠点 とことこ(能見台東5-6 2階) 火〜土 9時30分〜15時30分 電話:780-3205  就学前の子どもと保護者が自由に集い交流したり、専門家に相談したりできます。〈来所での相談は現在事前予約制〉 こども家庭支援センター さくらの木(能見台通16-25) 平日・土・日・祝日相談可 10時〜18時 電話:355-0006  0〜18歳までの子どもの保護者を対象に心理士や社会福祉士が相談を受け、支援します。 虐待だと思ったら、虐待しそうなときは 南部児童相談所 電話:831-4735(平日8時45分〜17時) よこはま子ども虐待ホットライン 電話:0120-805-240(はまっ子 24じかん)(24時間 365日)  マルトリートメント予防の1つとして、体罰禁止が挙げられます。スウェーデンでは1979年に法律で体罰が禁止。当時は半数以上の大人が体罰を容認していました。それが40年かけて、体罰を容認する大人が1桁となり、親に叩かれたことがない子が約8割に達したという報告があります。   日本は2017年の調査では体罰容認の大人が約6割いました。2021年の調査では、約4割まで減少していますが、まだ5人に2人の大人が体罰を容認しています。法律の制定だけではなく、幅広く体罰禁止が定着していくにはまだまだ時間がかかりそうですが、繰り返しの啓発活動や、地域社会みんなで支える子育て支援策の充実も必要です。 出典:セーブ・ザ・チルドレン「子どもの体やこころを傷つける罰のない社会を目指して」を引用し作成 この特集に関する問合せ  こども家庭支援担当(4階404) 電話:788-7772 ファクス:786-7794 誰もが直面するかもしれない高齢者虐待 〜ひとりで抱え込まず、地域で支える介護、チームで支える介護を目指して〜  金沢区の65歳以上の人口は、59,387人(2021年3月31日時点)で、区民の3割にあたります。全国、横浜市全域と比較しても高い高齢化率です。また、要介護認定者数は年々増加し1万人を超過しており、身近な地域の中で介護をしている人が多い状況です。  高齢者虐待が起こる背景には、さまざまな要因がありますが、介護に懸命に向き合うほど孤立し、心身ともに疲れ果てた結果であることも多く、誰もが直面する可能性のある問題です。 高齢者虐待の主な種類 身体的虐待 暴力的行為によって身体に傷やあざ、痛みを与える、外部との接触を意図的・継続的に遮断する など 心理的虐待 脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせ等によって精神的に苦痛を与える など 性的虐待 本人が同意していない性的な行為やその強要、人目に触れるところで排泄介助をする など 経済的虐待 本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人に必要な金銭の使用を制限する など 介護・世話の放棄・放任(ネグレクト) 入浴しておらず臭う、髪が伸び放題、皮膚が汚れている、必要な医療や介護サービスを使わせない など セルフ・ネグレクト 自らの生命、健康、生活を損なうまま放置し、ネグレクト状態に陥っている場合 このような行為は虐待にあたります 介護をひとりで抱え込まないで相談先や制度を利用しましょう  専門家や地域の人、介護の経験がある人の力を借りましょう。介護は一人で担うものではなくチームで支えるものです。チームの一員として、家族だからこそできることに力を発揮してください。介護する側、される側の双方が尊重され、安心して自分らしく暮らし続けられる方法を、一緒に探していきましょう。 高齢者・介護する家族を支える地域資源 介護・医療サービス 〇ケアマネジャー 〇介護サービス 〇診療所・薬局(かかりつけ) Point!:いろいろなサービスを利用しましょう 支援機関 〇区役所・社会福祉協議会警察・消防 〇地域包括支援センター(地域ケアプラザ) Point!:専門機関、専門家に相談しましょう 地域包括支援センター(地域ケアプラザ)とは? 専門的な知識を持った職員(主任ケアマネジャー、保健師・看護師、社会福祉士)が、チームで対応しています。 地域包括支援センターは、福祉・介護・医療を総合的に相談できる専門機関です。介護者の負担軽減に向けて介護サービスの利用や、高齢者がその人らしく生活できるよう、福祉・介護・医療・法律等、関係機関と連携して支援を行っています。 ☆地域ケアプラザでは“介護者のつどい”を開催しています。 高齢者を守る制度 〈成年後見制度〉 認知症等により、意思決定に支障のある人の権利や財産を守り、ご本人が安心して生活を続けられるよう保護・支援する制度です。 Point!:周囲の人の協力を得ましょう ご近所・地域 〇スーパー・コンビニ 〇友人、隣近所の支え合い、地域サロン・サークル、自治会・町内会 Point!:同じ経験を持つ仲間と交流しましょう あなたにも今日からできることがあります  地域の皆さんの理解と支えがあれば、認知症など何らかの病気や障害がある人も介護する家族も、安心してまちに出て、自分らしい暮らしを続けることができます。さりげない手助けや見守り、声掛けなど、あなたのちょっとした勇気や優しさこそが、このまちを安心で安全なまちに変えていく原動力になります。 〇近隣の人と日常的にあいさつを交わそう 〇困っている様子の人を見掛けたら声を掛けよう 〇ゆっくりペースに合わせる心のゆとりを持とう この特集に関する問合せ  高齢者支援担当(4階402) 電話:788-7777 ファクス:786-8872