広報よこはま 金沢区版 令和元年7月号 ●土器ドキクイズ答え● 【A】鍋のようにドングリや貝などを煮炊きするために使用した“縄文土器の把手(とって)”  [青ヶ台貝塚より出土]  土器の口の縁につけられたもので、顔のような部分は空洞です。 【B】魚や海の動物をとるために使用した“銛(もり)” [青ヶ台貝塚より出土]  この銛は鹿の角を削って作られています。 【C】ブレスレットのように腕にはめた貝の飾り“貝輪(かいわ)” [称名寺貝塚より出土]  貝輪のほかに、イノシシの牙で作られたネックレスのような飾りもみつかっています。 約4,000年前の関東地方で流行した称名寺式土器  縄文時代は、約1万年以上もの間続いたとされています。そのため、時期や地域によって作られた縄文土器の形や文様に違いがみられます。  称名寺式土器は、称名寺貝塚の調査で発掘した土器をもとに設定された約4,000年前(縄文時代後期初め)の縄文土器です。  称名寺式土器は、口の部分は波打つか、平らで、胴部がふくらむような形になります。土器の表面にはアルファベットの「J」の字のような文様がみられます。その文様の内側や外側には縄を転がした文様や、棒のような工具で突いた文様がみられます。 称名寺貝塚からは、マテガイやハマグリといった貝に混じって、マダイなどの魚の骨、イノシシやイルカなどの動物の骨もみつかっています。縄文時代の人々が、金沢の豊かな海や自然とともに生活していたことがわかります。 先人の思いを感じる 過去と未来をつなぐ遺跡 上行寺東やぐら群遺跡(じょうぎょうじひがしやぐらぐんいせき)  金沢区内を歩いていると、崖面などに長方形に掘りこまれた横穴を見かけることがあります。これは「やぐら」と呼ばれる中世のお墓です。やぐらの中には骨だけでなく、石塔(せきとう)なども納めることから供養(くよう)する施設としての役割も考えられます。  上行寺東やぐら群遺跡の発掘調査では、山裾(やますそ)を上・中・下段に分けて中世のやぐらや建物跡などの遺構(いこう)がみつかっています。  発掘された遺構の一部は形をうつしとって復元されており、現在も当時の様子をうかがい知ることができます。 ・やぐらには阿弥陀像の浮彫りがあり、その後方風景には朝夷奈切通のくぼみが見えます。 ・上段建物跡は礎石や柱跡から、少なくとも2度にわたって建て替えられていたと思われます。岩盤を掘り込んだ小さな池も確認されています。 [上行寺東やぐら群遺跡アクセス] 住所:六浦二丁目 最寄駅:「金沢八景」駅より徒歩約13分 朝夷奈切通(あさいなきりどおし)  鎌倉七口(※)の1つに数えられ、中世の人工的な断崖(切岸(きりぎし))が今も明瞭に残っています。  鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡(あずまかがみ)』には、仁治2年(1240)執権 北条泰時の指揮のもと、幕府直営の大規模な道路開削工事が行われたとあります。  この道が開かれると、六浦と鎌倉市内を直結する幹線道路として、軍事的な要所としての役割だけでなく、六浦港での貿易により、多くの人々や物が行き交っていました。 ※鎌倉七口…鎌倉へ入るための7つの入口のこと。 [朝夷奈切通アクセス] 住所:朝比奈町 最寄駅:「金沢八景」駅よりバス約10分/朝比奈バス停より徒歩約5分 金沢の歴史散策とあわせて地域のお店に行ってみてはいかがでしょう? 「魅力満載!食べどころいっぱい!!金沢区おすすめ商店紹介ガイドブック」  区内にある39の商店(有志)を紹介しています。  区役所1階の専用ラックにて無料配架しています。(在庫がなくなり次第、終了)  2015年に金沢区と公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団は、歴史プロモーション協定を締結しました。  5~7ページの内容及び写真は、同財団 埋蔵文化財センターの協力により掲載しています。 ~埋蔵文化財センターは栄区に移転して10周年を迎えました~  埋蔵文化財センターには常設展示室があり、市内の遺跡から発掘された遺物の一部を展示しています。  本紙に掲載した縄文土器の把手や銛、称名寺式土器も展示しています。ぜひお越しください。 住所:栄区野七里2-3-1 ※土・日、祝日は休館 ※見学無料 電話:890-1155 ファクス:891-1551 最新情報はホームページで公開しています。 ホームページ:「横浜 埋文」で検索 この特集に関する問合せ 区民活動支援担当(6階601) 電話:788-7807 ファクス:788ー1937