広報よこはま 金沢区版 令和元年5月号 <金澤歴史万華鏡 県立金沢文庫へのいざない> 第三十三回 金沢文庫の日常 県立金沢文庫学芸員 三輪 眞嗣  はじめまして。金沢文庫の新人学芸員・三輪眞嗣です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。  さて、今回は称名寺の法会に関する史料を紹介します。康永四年(一三四五)の五月二十二日、金沢北条氏の第四代、金沢貞顕の十三回忌法要が催されました。この史料はその場に呼ばれ、役を勤めた僧侶たちの名簿です。そのなかには称名寺第四代、五代長老の観蓮房実真(かんれんぼうじっしん)、元(玄)寥房什尊(りょうぼうじゅうそん)(熈允(きいん))の名も見えており、称名寺の高僧たちが集う法会であったことがわかります。  今も昔も、このような式次第や式の出席者のリストを大事に取っておく人もいれば、そうでない人もいるでしょう。国宝「金沢文庫文書」には、有名無名の僧侶の名前が記された、このような古文書がたくさん残っています。こうした史料をもとに、彼らの生きた痕跡を少しずつ復元していきたいと考えています。  さて、金沢文庫では関東に広まった浄土教をテーマとした展覧会を開催いたします。展覧会の主役である茨城県・常福寺の聖冏(しょうげい)とはどのような僧侶だったのでしょうか。ぜひご来館ください。   特別展「浄土宗七祖聖冏と関東浄土教」 期間:5月17日(金)~7月15日(祝・月) 料金:一般600円、20歳未満及び学生500円、65歳以上200円、高校生100円 ※中学生・障がい者の方は無料 休館日:毎週月曜日(5月6日(振休・月)は除く)、5月7日(火)、5月14日(火)~16日(木) 問合せ:県立金沢文庫(金沢町142) 電話:701-9069 ファクス:788-1060