事例 地域で広がるサロン活動「温かく受け止める場をつくる」
最終更新日 2019年1月10日
2018.3.5
上飯田団地地区
上飯田団地コミュニティカフェ
日時 毎週水曜日 午前10時から午後3時まで
場所 上飯田団地第1集会所
※日頃から気軽に集まれる場をつくろうと、横浜市の「孤立し困難を抱える高齢者等訪問・相談事業」として上飯田地域ケアプラザが委託を受け3年間取り組んできたもの。
継続を望む声が多いことから、地域で継続して行っている。
上飯田団地第11自治会「陽だまりの会」
日時 毎月第3水曜日 午前10時から12時まで
場所 上飯田団地第3集会所
上飯田団地地区は、ここでご紹介するサロンの他に、2つのサロンがあります。
上飯田団地地区では、連合や地区社協、民生委員・児童委員、保健活動推進員の人たち等が中心となり、「大切にしよう『お元気ですか』声をかけあう関係づくり」を合言葉に見守り活動に取り組んでいます。
今回は、上飯田団地地区で広がるサロンの取り組みについて、上飯田団地連合自治会会長の佐野瞳さんにお話を伺いました。
取り組みの経緯
上飯田団地地区は高齢化率が50パーセントを超え、単身世帯も多い地区なので、毎月の定期清掃で地域の皆さんの様子を確認したり、熱中症が心配される時期には直接お宅を訪問するなど、見守り活動を続けています。
「上飯田暖地コミュニティカフェ」は、日頃から気軽に集える場をつくろうと、3年間取り組んできました。地域の皆さんからぜひ続けてほしいという声が多かったので地域で引き継いで続けています。担い手は、連合、地区社協、地区民児協です。
「上飯田暖地コミュニティカフェ」は、毎週水曜日に第1集会所で開催しています。
楽しく続けることが大切
このサロンでは、特にプログラムは用意しません。スタッフは、会場を開けて、湯茶の支度をするだけ。午前10時から午後3時まで、皆さんが楽しく過ごす様子を見守るだけです。
また、誰もが気軽に参加できるように、「必ず来てね」など押しつけるようなことは言いません。本人が来たい時に、そこにサロンがあることが何より大切だと思います。地域には様々な事情を抱えた人がいますし、そこに踏み込むことはせず、みんなが楽しく過ごせる場づくりを心がけています。
参加される方は、来たい時に来れる。帰りたい時に帰る。ここで仲良くなって、お昼までここで過ごして、午後から一緒にお買い物に出かけたり、旅行に行ったという話も聞きました。
ここでは、各自が、好きなことを好きに過ごします。その気楽さからか、男性の利用者も多く、囲碁や将棋を楽しんでいます。女性はもっぱらおしゃべりに花が咲いているそうです。
好きなお菓子を持って来ておしゃべりするのが楽しみと笑顔で話す利用者さん
上飯田暖地コミュニティカフェ(第1集会所で開催) に参加している皆さん
上飯田団地第11自治会「陽だまりの会」のサロン活動
10年前、第11自治会に集会所ができたのがきっかけです。最初は、水野さんと私の二人で始めました。当初は何から何まで試行錯誤。でも、活動を見て協力してくれる人が、一人、二人と増えて、今では8人になりました。
水野さんは生け花の先生でもあったことから、フラワーアレンジメントをすることにしたのですが、大好評で、「毎回やってほしい」、「ずっと続けて欲しい」という声が多く、10年間一度も欠かしたことはありません。今では皆さんコツをつかんで、あっという間に仕上げています。このほか、工作や認知症予防の体操など、利用者の皆さんにも一緒になって考えてもらい、一緒にサロンをつくってきました。
「陽だまりの会」では、誰もが気軽に立ち寄れる居場所を目指しています。スタッフの都合で開催日を決めるのではなく、毎月第3水曜日と決めて、必ず開催するようにしています。
フラワーアレンジメントを指導する水野さん(写真左)と、ご自分てでアレンジした花を手にした佐野会長(写真右)
楽しみながら続けることが大切
いずれのサロンも、運営は全てボランティアです。80歳の方が自主的に買い物に行ってくれるなど、「これぐらいなら手伝えそう」で構わないと佐野会長。
買い物を担当した方にお話しを聞くと、「自分は一人暮らしただから、普段あまり買い物もしないのただけれど、みんなの顔を思い浮かべながら買い物をしています。自分にも役割があることが嬉しいです」と笑顔で話してくれました。
体操の指導をしている和田さんは、もともとはサロンの利用者でした。自ら体操教室へ習いに行き、皆さんへ伝えたいと、その後ボランティアとして手を挙げてくれたそうです。
クリスマスのリース作りを体験。手を動かすことで頭がスッキリするという声もある中で、体調不良で久しぶりに参加した利用者に「だいじょうぶ?」と温かい声もかかります
「季節を感じることができて嬉しい」と80歳の利用者さん
雪化粧したまつぼっくりに、雪に見立てた小さなビーズを爪楊枝で飾り付けます。完成間近のクリスマスオーナメントを見せて「昔から手先は器用なんだよ」と笑顔がこぼれていました
フラワーアレンジメントが毎回楽しみという利用者さん「花の表情を見ることが大切と先生から教わり、日頃の生活に花を意識するようになってから、心まで明るくなりました」
いつでもそこに憩いの場がある
ケアプラザや区社協とは常に情報交換をしており、見守り活動を行う中で心配な方などに声をかけ、久しぶりに来てくれた人も、安心して過ごしてもらえるよう、決めた日程を変更せず、温かく迎える場づくりを続けることを、とても大切にしています。
また、上飯田団地では担い手も高齢者なので、「得意なこと」「無理はさせない」「できなくなったらすぐに言ってもらう」「できるときにやってもらう」などの気配りも大事にしています。
皆がつながり続けるため、頼んだり頼まれたり、担い手であり受けてにもなる活動を続けています。
佐野会長の「いつでもいいんだよ」という温かい言葉にホッとする、と70代女性の利用者さん。これからも参加者の皆さんと一緒に、心まで温まる「暖地」を目指します。
毎週水曜日に必ず実施する決まりなので、参加者も水曜日を心待ちにしているそう
上飯田団地地区の事例
問合せ先
区政推進課地域力推進担当 (3階307番)
電話:045-800-2333
FAX:045-800-2505
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