🔶自己紹介 イギリスのイングランドから来ましたザレウスキー・マリアンナ・ヴェロニクと申します。大学ではYCCS(次世代グローバル人材育成コース)で、異文化コミュニケーションやビジネスプログラムを 中心に、日本の社会学や心理学、日本語など、幅広く勉強をしているほか、ハンドボールサークルにも所属しています。保土ケ谷区の岡沢町にある、お気に入りのお弁当屋の店員さんと世間話をすることが大好きです! 🔶イギリスとイングランドの紹介 私はイギリスのイングランド出身です。イングランドは日本と同様に島国で、人口約5,598万人、首都はロンドンです。私はそのロンドンで生まれました。ロンドンは約890万人が生活し、街の中心をテムズ川が流れ、多くの企業が立地するほか、ホテルやレストラン、劇場などたくさんのエンターテインメントを楽しむことができる活気に溢れた街です。 ロンドンという名前のルーツは、ローマ帝国が紀元前50年ごろに建設したロンディニウム(Londinium)に由来していると言われています。 ここで、イングランドとイギリスの歴史を少し紹介します。イングランドはかつて、何度もローマ人やアングロ・サクソン、デンマークのヴァイキングによる、侵略を数多く受けてきましたが、1066年の※ノルマンコンクエストを最後に外国からの侵略の歴史は終わりました。その後も、国内での市民戦争は何度か勃発したものの、外国から侵略は受けていません。 ※ノルマンコンクエスト:ギヨーム2世(のちのイングランド王 ウィリアム1世としてノルマン朝を開いた人物)がブリテン島に侵攻してハロルド・ゴドウィンソン勢と戦いを繰り広げ、ヘイスティングズの戦いで勝利した出来事。これにより、イングランドはノルマン人により支配されることとなり、現在のイギリス王室の祖となりました。 イギリスは、スコットランド、イングランド、ウェールズ及び北アイルランドにより構成されています。公用語は英語ですが、地域によってガリア語やケルト語、ウェールズ語なども使用されている地域があります。これらは、BBC(英国放送協会)が使用する公用語でもあります。 イギリスは、統一議会共和国かつ立憲君主国です。議員は国民によって選ばれますが、国王が君臨している政治形態です。現在の王はエリザベス2世です。1952年に即位してから今年で68年となり、世界最長の在位期間となっています。国王が政府に直接的に関与することは少なく、国の象徴であり、高い評判、尊敬の的として敬われています。なお、議会で議論を交わし、可決された法律案は国王の裁可により法律となります。 🔶マーゲートの紹介 私の家族が生活しているのはマーゲートという町です。イングランドの南東部に位置する港町で、首都ロンドンからは電車か自動車でいずれも2時間ほどの距離にあります。人口は約6万1千人で、海洋性気候が特徴です。ロンドンに比べて日が射す時間は長く、イギリスの中でも乾燥した気候です。平均気温は、冬は2℃で、年によっては雪も降りますが、夏は22℃ほどです。(気候変動により、年々、気温は上昇しています。)また、セーリングやマリンアクティビティを行う場として長い歴史があり、また、ラムズゲートやブロードステアーズに近く、ドーバー海峡沿いの港町ということで、ロンドンといった都会に住む人たちからリゾートとしても人気の地でした。 しかし、LCC(格安航空会社)を利用した旅が流行したことで、ロンドンからマーゲートまでの電車賃とほぼ同額で行けるヨーロッパの他都市が人気の行き先となり、マーゲートを訪れる観光客は激減してしまいました。しかしながら、2010年以来、町は再生を試み、古いお店をリニューアルしたり、現代美術館を設立したり、海岸沿いに風車群を建設したり、ドリームランドと呼ばれるテーマパークのほか、ウィンターガーデンという劇場を建設するなどして数多くのコンサートやイベントを主催する活気ある町となりました。 🔶イギリスの伝統行事の紹介 キリスト教徒が多い国なので、イースターやクリスマスなどキリスト教に由来するイベントを国中でお祝いをする風習があります。代表的な行事をいくつかご紹介します。 ●バレンタインデー 2月14日はバレンタインデーです。日本と同様、祝日ではないのですが、恋人たちのロマンチックな一日です。もともとは、身近な誰かにプレゼントをあげるというイベントでしたが、時が経つにつれ、恋人たちがロマンチックな時間を過ごすための日となったようです。 ●イースター(キリスト教の復活祭) 私はキリスト教のお祭りの中でも最も大切なイベントだと思います。十字架に架けられ亡くなったイエス・キリストが三日目に復活したことを忘れずに記念するお祭りで、日本語訳では復活祭などと訳されます。太陽暦に由来するため、この復活祭は年によって開催される日付が変わります。復活祭の当日までの40日間がイエスの受難を記念する期間として設けられており、この期間は、英語では「断食」を意味するLentと表記されます。復活祭までの期間、伝統として、自分たちが好きなもの、例えばチョコレートを食べることや、ビデオゲームをすることなどを我慢して(期間中は断ち切って)、イエスの苦難に敬意を表します。グッドフライデー(聖金曜日)は、イエスが十字架に架けられた日とされるため、この日は断食をします。イエスが復活したとされる日曜日、盛大にお祝いがなされます。 イースターの最も一般的な祝い方はチョコレートエッグを食べることです。卵は新しい命と春を表す象徴であり、チョコレートは受難節に対する饗宴(きょうえん)と報償を意味しています。また、子どもたちは、ハンターエッグという行事に参加することが伝統です。広い庭のどこかに、人の顔などを描いたり、リボンで華やかに彩ったりして装飾した卵を隠して、それらを探し出し、コレクションするというお祭りです。イースターは3~4月に開催されます。 ●ハロウィーン 10月31日の夜、仮装した人たちが街を出歩き、「トリック・オア・トリート!(お菓子をくれなければ、いたずらをしちゃうぞ!)」と近所の家の玄関のドアを叩いて、声を掛け、お菓子をもらって交流するイベントです。もともとは子どもたちだけのイベントでした。 ●ボン・ファイヤーナイト(ガイ・フォークス・ナイト) 11月5日はガイ・フォークス・ナイトというイベントが行われます。1605年、ガイ・フォークスという男性が、イギリスがプロテスタントの国になることを阻止すべく、国会議事堂を爆破し、国王を殺害する計画をしましたが、未遂に終わり、逮捕され、処刑される事件がありました。 国王に有事がなかったことをお祝いする日として、たき火(ボンファイヤー)をしたり、花火をしたり、ガイ・フォークスの人形を燃やしたりする伝統行事です。この日は、ココアのような温かい飲み物を飲んだり、りんご飴を食べたりしてお祭りを楽しみます。 ●降臨節とクリスマス 12月25日のクリスマスから逆算して4週間前の降臨節という期間に、人々はクリスマスの準備を始めます。この期間、クリスマスまでの日数をカウントダウンするための卓上型のカレンダーがよく用いられます。これは12月1日から始まる25個ある「窓」を毎日1つずつ開け、中に入っているチョコレートやお菓子を取り出して楽しむユニークなカレンダーです。この期間、教会ではキャンドルに火が灯されたり、クリスマスツリーが飾られたり、クリスマスマーケットが開催されたりと、町中がクリスマスムード一色となります。 12月25日は多くの人が教会に出掛け、クリスマスキャロルを歌います。イギリスでも、この日は家族が一緒に過ごすことを大切にする一日で、各家庭で作った夕飯や、クリスマス プリンを食べたりして、家族との団欒(だんらん)の時を楽しみます。 ●王室のイベント 王室の結婚や女王の節目の年を祝う記念祭の時など、王室の祝いごとがあるとその日は祝日となり、国中がお祝いムードとなります。家の外にテーブルや椅子を並べて近所の人たちと食べ物を持ち寄って屋外で食事会を楽しみます。 🔶伝統料理の紹介 イギリスの食べ物の中で、とても有名なものが「フィッシュアンドチップス」です。タラ等の白身魚に衣をつけて揚げたものに、分厚い棒状のポテトフライを添えた料理です。油分が多いため、白紙や新聞紙等に巻かれて提供されたりします。食べ方は様々ですが、伝統的には塩やお酢、レモン汁をかけて食べます。他にも、北アイルランドやウェールズ、イングランドの北部では、グレイビーソースをつけて食べる食べ方もあります。 また、パイや菓子パン類のペイストリーがよく食され、美味しいものが多いです。ソーセージロールという、ソーセージを挽き肉上にしたものをパイ生地に包んで焼いたものも古くからある伝統食品です。スーパーマーケット等でも手軽に購入できます。 🔶マーゲートのおすすめ ターナーコンテンポラリー美術館は小さな館内ではあるものの、展示品が頻繁に変わり、いつも楽しむことができる美術館です。また、マーゲートの古い街並みはノスタルジックで美しく、カフェやパブといった一休みできるところもたくさんあり、落ち着く雰囲気です。桟橋沿いに散歩をしていると、白い砂浜と綺麗な夕暮れを見ることができて最高です。 ほかにも、ドリームランドというヨーロッパの中でも歴史のある遊園地があるのですが、ローラーコースターなどのアトラクションが50ほどあり、人気のテーマパークです。 ウィンターガーデンズ、ロイヤル劇場では常にパフォーマンスが上演され、1年中、楽しめる施設です。 🔶保土ケ谷区についての感想 私は和田町駅周辺の街並みが大好きです。スーパーマーケットをはじめとする、色々なお店がたくさんあって、本当に便利で生活しやすい所だと思います。駅の近くにあるお気に入りのバーで友達とゆっくりお話したり、友人の誕生日をお祝いしたりすることが私の楽しい時間です。 私の故郷マーゲートには自動販売機やコンビニエンスストアというものがないのですが、区内、あらゆるところに24時間利用できるこのような機械や施設があって、欲しいと思ったものを欲しいと思った時に手に入れられる環境は、特筆すべきことだと感じています。 また、横浜市内全域に言えることですが、バスや電車の便が便利で、しかも時間通りに来ることにいつも驚いています。 私は保土ケ谷の地元の方たちと積極的にお話して、日本語をもっと話せるように努力しています。保土ケ谷の皆さんはいつもフレンドリーで、「学校や私生活はどう?」と気軽に話しかけてくれてとても嬉しいです。地域主催のイベントなど、もっと地元を知るために色んな機会を見つけていきたいと思っています。私からも、イギリスの文化や英語をお教えしたり、皆さんと色んなことを共有していきたいと思っています。 これからもよろしくお願いします!