横浜国立大学留学生による自国の文化。第1弾 ブルガリア共和国ソフィア市出身キリルコバチェフさん 自己紹介 ブルガリアから来ました横浜国立大学経営学部4年生のキリル・コバチェフと申します。大学では経済学と経営学を勉強しています。経営に必要な強いリーダーシップ能力の発揮方法について主に研究しています。日本人はブルガリアと同様、困難な状況を切り抜ける戦略を立てるのが上手だと実感しています。特に、一生懸命に働き、他人を思いやりながら事業を展開する姿勢が素晴らしく、そんな日本の経営力に感銘を受けています。 また、横浜の皆さんは留学生の私たちを歓迎してくださり、この土地で出逢った素敵な友達をはじめ、たくさんの出逢いにいつも感謝しています。 保土ケ谷区についての感想 保土ケ谷の静かで落ち着いた環境が大好きです。学校の仲間だけでなく、大学構外で偶然出逢えた区民の皆さんが優しいなと、いつも感じています。これまで、私も区民の皆さんと交流する機会がたくさんありました。学校でロボットとプログラミングの仕組みを若い世代の人たちに教えましたが、彼らの積極性と一生懸命に学ぶ姿勢が印象的でした。 また、これまで「ほどがや花フェスタ」には数回、参加し、区役所が出展しているブルガリアの紹介ブースをお手伝いしました。来場してくれた人の名前をキリル文字(ブルガリアで使用されている文字)のスタンプで押印するといった交流を行いましたが、来場者がキリル文字で表された自分の名前を見て、びっくりしたり、嬉しそうな表情になるのを見て幸せな気持ちになりました。 このほかにも、友人が経営する飲食店に行くと、いつも新しい出逢いがあることも素敵です。初めて会ったお客さんとお話ができて、楽しい時間を過ごしています。 ちなみに、和田町駅近くにあるラーメン屋さんがお気に入りで、頻繁に通っています! ブルガリア共和国とソフィア市の紹介 ブルガリアはヨーロッパの南東部に位置し、ルーマニア、トルコ、セルビア、マケドニア、ギリシャの5つの国と隣接しています。人口は約700万人でブルガリア語が公用語、キリル文字を使います。 ブルガリアの歴史は古く、建国は681年にまで遡り、ヨーロッパで唯一、建国から名称が変化しなかった国と言われています。国土のほぼ中央をバルカン山脈が走り、標高約3,000mのムサラ山があり、北部にはドナウ川が流れ、東部は黒海に面している自然豊かな国です。バルカン山脈の南部には「バラの谷」と呼ばれる溪谷があり、バラの花を摘む季節に毎年バラ祭りが開催されます。ブルガリアが「バラの国」と呼ばれる所以がここにあります。    また、日本と同様、四季があり、夏は海水浴、冬はスキーが人気です。 首都はソフィア市で、人口約120万人を有した国内最大の都市です。私はそこで生まれ育ちました。ソフィア市内の見どころといえば、一番に「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」を挙げます。この大聖堂は、高さ45mの金色のドームが印象的で、内部の装飾品の美しさに、訪れた人々は息をのむことでしょう。また、「国立文化宮殿」はあらゆる年代層に開かれた雰囲気で、市民の憩いの場です。このほかにも、4世紀初頭にローマ時代の浴場として建設された「聖ゲオルギ聖堂」など、たくさんの歴史的な建造物があり、街なかを散歩しているだけでも十分楽しめます。 私がおすすめするブルガリアの伝統行事 ブルガリアにはたくさんの伝統行事があります。私が最も趣があると感じるイベントは「クケリ」祭りです。旧暦の正月に、男性が羊やヤギの毛皮を着て、仮面を身に付け、腰の周りに大きなベルをぶら下げて町中を練り歩きます。その怖い姿と大きなベルの音で邪気を払うと信じられています。(日本のなまはげに似ています。) さらに、「ネステナルストヴォ」という火渡りも有名な伝統儀式です。熱した炭を敷き詰めた残り火の上で、熟練された男女が踊ります。2009年にユネスコの無形文化遺産にも登録されているブルガリアが誇る伝統行事の一つです。 また、音楽では、バグパイプを使った演奏が伝統的で、素敵な音色を奏でます。 私がおすすめするブルガリアの伝統料理 ブルガリアはヨーグルトが非常に有名ですが、この他にもトルコやギリシャ、スラブから影響を受けた料理がたくさんあります。ブルガリア人の多くはパンが好きで、パンによく合う「ラカンカ」というサラミ(豚肉や子牛の赤肉の腸詰)や小麦粉をパイ生地のように重ねて卵やホワイトチーズ、ヨーグルトを入れた焼き上げたお菓子が有名です。 また、様々な種類のサラダがあり、お豆やトマトもよく使われます。統計データによると、ブルガリア人はヨーロッパ平均値に比べて肉の消費量が少ないのもこれらが要因です。 飲み物についてはワイン作りが盛んで、1989年まで輸出量世界第2位になっていたほどです。また、「ラキヤ」という発酵させた果実から作られる蒸留酒は伝統的な飲料で、14世紀初頭から国民に愛飲されていると言われています。 保土ケ谷区とソフィア市で似ているところ 地形的に坂道が多いところが似ていると感じます。ソフィア市も丘がたくさんあるので、私は保土ケ谷区にすぐに慣れ親しむことができました。ブルガリア国民もサッカーが大好きです。横浜FCや横浜F・マリノスの広告を街中でよく目にしますが、見るたびにワクワクした気持ちになります。 保土ケ谷区で、今後どんな経験をしていきたいですか 日本でもっとたくさんのことを学び、ブルガリアと日本の架け橋になりたいと思っています。また、天気が良い日に外出をして、区内でまだ訪れたことがない場所(お寺や公園、日本料理店など)を探索したいです。そして、「ほどがや花フェスタ」のような大きなお祭りに参加して、たくさんの区民の皆さんと、もっともっと交流がしたいです。 ちなみに、私の大好きな区内のラーメン店には今後もたくさん通い続けます!(笑)