令和3年度 横浜市予算 ひと目でわかる横浜の財政 横浜市の予算(令和3年度) 予算とは、1年間の収入と支出の見積りです。市長が予算案を作り、市会で審議されて決まります。横浜市の予算は、使いみちや収入源の違いから、3つのグループ(会計)に分かれています。「ひと目でわかる横浜の財政」では、主に一般会計の予算について説明していきます。 一般会計 2兆73億円 対前年度15.4%増 福祉、医療、教育や、道路・公園の整備など基礎的な行政サービスを行う会計です。市税は主に、この一般会計に使われています。 特別会計 1兆3,013億円 対前年度2.5%増 特定の事業を特定の収入によって行い、その収支を明確にするために一般会計から独立させた会計です。横浜市には16の特別会計があります。 国民健康保険事業費 3,175億円 介護保険事業費 3,147億円 後期高齢者医療事業費 845億円 港湾整備事業費 457億円 中央卸売市場費 32億円 中央と畜場費 35億円 母子父子寡婦福祉資金 11億円 勤労者福祉共済事業費 5億円 公害被害者救済事業費 0.4億円 市街地開発事業費 122億円 自動車駐車場事業費 5億円 新墓園事業費 16億円 風力発電事業費 1億円 みどり保全創造事業費 124億円 公共事業用地費 524億円 市債金 4,512億円 公営企業会計 5,934億円 対前年度0.5%減 地下鉄、バス、水道、病院など、民間企業と同じように、事業で収益を上げて、運営している会計です。横浜市には、7つの公営企業会計があります。 下水道事業 2,534億円 埋立事業 457億円 水道事業 1,298億円 工業用水道事業 52億円 自動車事業 235億円 高速鉄道事業 891億円 病院事業 466億円 横浜市の予算 全会計 3兆9,020億円 対前年度8.2%増 ※全会計とは一般会計・特別会計・公営企業会計を合わせた総称です。 純計 3兆2,477億円 対前年度11.4%増 ※純計とは会計間でやり取りする重複部分を除いた全会計の予算額です。 注 3年度予算規模に顕著な影響を及ぼす全額特定財源の3事業(新型コロナウイルスワクチン接種事業、一般財団法人横浜市道路建設事業団関連支出、中小企業制度融資事業)を除いた場合の一般会計の予算額は1兆7,737億円、実質的な伸び率は1.9%となっています。 全会計では、3兆6,684億円、同1.7%となっています。 一般会計の収入  市税 7,923億円 39.5%  市内にお住まいの個人や市内に事業所がある法人が納める市民税や、土地や家屋などを持っている方に納めていただく固定資産税など、市民の皆さんにご負担いただくお金  地方交付税 230億円 1.1%  地域ごとの状況の違いによって生じる地方税収の差などを調整するため、国から財源が足りない地方公共団体に交付されるお金  県税交付金 1,056億円 5.3%  いったん県税として徴収してから県内市町村に配分されるお金  国・県支出金 4,806億円 23.9%  特定の事業に対して、国・県から使いみちを指定して交付されるお金  繰入金 350億円 1.7%  基金の取り崩しなどにより繰り入れるお金  その他 3,988億円 19.9%  市債 1,718億円 8.6%  長い間利用される市の施設をつくるためなどに借り入れるお金  ・建設地方債 938億円   道路や公園、市民利用施設などの整備のために借り入れるお金  ・臨時財政対策債 780億円   国が地方交付税として配るお金で足りない分を、市が代わりに借り入れるお金   (返済のためのお金は、将来の地方交付税の計算に加算されて交付されることになっています) 注 令和3年度は、さらなる赤字地方債(コロナ対策)500億円を含みます。 収入合計 2兆73億円 質問1 横浜市の市税には「横浜みどり税」というものがあるそうですが、それはなんですか? 答え 横浜みどり税は、横浜市内の緑を守り、つくり、育む取組を進める「横浜みどりアップ計画」の重要な財源の一部として、市民の皆様に市民税とあわせてご負担いただいています。  いただいた「横浜みどり税」は、樹林地・農地の確実な担保、身近な緑化の推進などに活用しています。  横浜みどり税の税額 個人市民税均等割に年間900円を上乗せ  ※法人の場合は、年間均等割額の9パーセント相当額を上乗せ 横浜みどり税の使いみち 樹林地・農地の確実な担保、身近な緑化の推進、維持管理の充実によるみどりの質の向上 ボランティアなど市民参画の促進につながる事業 一般会計の支出(性質別)  人件費 3,726億円 18.6%  職員の給料や退職金などの費用  扶助費 5,331億円 26.6%  児童手当、生活保護、保育所・幼稚園などの運営、医療費の援助などの費用  公債費 1,888億円 9.4%  過去の借入金の返済のための費用  行政運営費 4,925億円 24.5%  市民利用施設の運営や市民サービス、中小企業への融資などのほか、庁舎の管理や事務に必要な費用  施設等整備費 2,269億円 11.3%  市民利用施設・道路・公園などの整備や維持修繕、耐震化などに必要な費用  繰出金 1,933億円 9.6%  一般会計から、一定のルールにより特別会計・公営企業会計に支出する費用 支出合計 2兆73億円 なお、一般的に人件費・扶助費・公債費の3つの合計を指す義務的経費は1兆946億円 54.6%です。 質問2 義務的経費が予算の半分以上を占めているのですね。義務的経費が財政状況に与える影響を教えてください。 答え 義務的経費とは、簡単には削減できない経費のことであり、予算に占める義務的経費の割合が高いということは、予算の自由度が狭くなり、まちづくりやその他の行政サービスを行うことが難しくなるという影響があります。多くの自治体と同様、横浜市でも義務的経費は増加傾向にあり、財政を圧迫しており、特に扶助費については、高齢化率の上昇により、今後も増加が見込まれています。一方で、収入の多くを占める市税収入は、今 後は人口減少による減収が見込まれています。  今後も厳しさを増すと見込まれる財政状況の中、必要な行政サービスを行いながら、健全な財政を維持するためには、今まで以上に事業1つ1つの効果を検証して、その事業の必要性や水準など、市民のみなさんと一緒に考えていく必要があります。 一般会計の支出(目的別) 支出はどのような分野の行政サービスに使われているのか(目的別)からも見ることができます。目的別で見ると、子育て支援や福祉、道路や港湾の整備など、幅広い分野に使われています。 中でも「子育て・教育」「福祉・保健・医療」のための割合が大きくなっています。 子育て・教育に 5,929億円(15万7,796円) 29.5% 子育て支援 市立学校などの設置・管理 保育所などの整備・運営支援 文化財の保護 学校教育 青少年育成 障害児支援 生涯学習の推進 福祉・保健・医療に 5,167億円(13万7,518円) 25.7% 生活福祉(生活保護、保険年金) 医療機能の確保 障害者・高齢者の支援 救急・災害医療体制の充実・強化 生活衛生 総合的ながん対策の推進 横浜の魅力づくりや経済の発展に 2,590億円(6万8,936円) 12.9% 多文化共生 中小企業の支援 観光MICEの推進 企業誘致・立地の促進 文化芸術創造都市による魅力創出 港湾整備・管理 道路・住宅・計画的な街づくりに 2,244億円 (5万9,725円) 11.2% 道路や河川の整備・維持管理 都市整備 再開発 住環境整備 市営住宅・公共建築物の整備・維持保全 市役所の運営等に 1,534億円(4万831円) 7.7% 市の計画策定 予算・決算の調製 選挙 人事 監査 議会 地球温暖化対策や水・緑の保全に 1,000億円(2万6,606円) 5.0% 地球温暖化対策 緑地・公園・下水道施設の整備・維持管理 地域づくりやスポーツ活動・区の運営に 558億円 (1万4,849円) 2.8% 地域活動支援 スポーツ振興 防犯 区役所の運営 ごみの処理や減量・リサイクルに 442億円(1万1,751円) 2.2% 救急・消防に 442億円(1万1,751円) 2.2% 救急、救助、消防 火災や災害の予防 地下鉄・バス・水道事業に 166億円(4,420円) 0.8% (一般会計から繰出金として支出する分) 支出合計 2兆73億円(市民一人あたり予算 53万4,183円) ※なお、市民一人あたり予算とは、令和2年9月1日現在の人口 375万7,630人で算出した市民一人あたりの予算額です。 令和3年度の主な取組  くらし・経済対策 くらし・経済対策には3本の柱があります。それぞれの柱と主な取組を紹介します。 〈市民と医療を守る〉 医療提供体制、救急医療体制の確保 317億500万円 新型コロナウイルスワクチン接種の実施、コールセンターの運営や施設等のクラスター発生防止のための疫学調査チーム「Y−AEIT(ワイエイト)」による早期立入調査や指導による感染拡大を防止します。また、感染症・医療調整本部「Y−CERT(ワイサート)」を引き続き運営し、感染症対策と通常診療の両立を図ります。 福祉施設等の感染防止、継続運営に向けた支援 36億1,500万円 福祉施設(高齢者施設、障害福祉施設、保育所等)における、日々の新型コロナウイルス感染症対策や、陽性者発生時の対応などに係る経費を助成します。また、特別養護老人ホーム等に新規に入所する高齢者を対象に、本人の希望によりPCR検査等を行う場合の費用を助成します。 〈横浜経済と市民生活を守る〉 雇用機会の創出・就職支援 7億8,000万円 職を失った方などを対象とした緊急雇用の創出や、長期的雇用に向けたWEBを活用した合同就職面接会を開催します。また、就職氷河期世代に対し、就職相談や就職支援プログラム等を実施します。 観光・MICE支援 2億5,000万円 MICEによる市内経済活性化を図るため、会場とオンラインを併用したハイブリッド形式等に対応したMICE開催を支援します。また、セミナー開催等により市内のMICE関連産業を育成し、新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた受入環境整備を行います。 〈新たな日常に取り組む〉 GIGAスクール構想の推進 26億8,500万円 「1人1台端末」活用を円滑に進めるためのICT支援員の派遣やネットワーク環境等の保守・運用を行います。また、クラウドサービスの活用に向けた教員向けの研修を実施します。 行政サービスのデジタル化の推進 3億4,900万円 電子決済等に対応した次期電子申請・届出システム等の導入や、国民健康保険料の納付におけるキャッシュレス決済の導入に向けたシステムの改修に取り組みます。 質問3 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、横浜市はどのように「くらし・経済対策」を実施しているのでしょうか。 答え 横浜市では、これまで令和2年5・6・9・12月及び3年2月に計5回総額6,382億円の「くらし・経済対策」を実施し、その時点の課題にしっかりと対応した対策を盛り込み、市民の皆様の生活を支えてきました。  3年度当初予算においても、感染拡大防止と経済再生の実現を両輪として、必要な対策を実施していきます。併せて、新型コロナウイルス感染症に関する情報について、LINE公式アカウント等のSNSなどを活用し、随時発信しています。今後も市民の皆様に必要な情報をタイムリーにお届けできるよう、情報発信していきます。  「中期4か年計画2018〜2021」の6つの戦略の枠組による令和3年度の主な取組 「中期4か年計画2018〜2021」には、6つの戦略があります。各戦略と、その戦略の枠組による主な取組を紹介します。 <力強い経済成長と文化芸術創造都市の実現> 戦略的な企業誘致とイノベーション創出 29億7,000万円 働き方やオフィス立地動向の変化を捉え、国内企業・外資系企業の誘致を積極的に展開します。さらに、「グローバル拠点都市」として、国や他都市と連携し、国内外から人・企業・投資を呼び込むビジネス環境を構築します。   横浜らしい特色のある芸術フェスティバルの開催 4億7,300万円 ダンスフェスティバル「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2021(ダンスダンスダンスアットヨコハマニーマルニーイチ)」を開催します。公募による市民とゲストが出演するステージやトップアーティストによる公演などを実施し、横浜らしい特色ある文化芸術を発信します。 <花と緑にあふれる環境先進都市> ガーデンシティ横浜の推進 6億4,800万円 「ガーデンネックレス横浜2021」では、感染症対策を十分に行い、「横浜ローズウィーク」、「里山ガーデンフェスタ」など、市民・企業などと連携して街の魅力創出に取り組み、市内外からの誘客による経済活性化にもつなげます。 グリーン成長につながる2050年の脱炭素社会実現に向けた取組の推進 57億9,800万円 ゼロカーボンヨコハマの実現のため、市民の皆様が再生可能エネルギーを身近に感じる地産地消手法の検討、市内企業への再生可能エネルギ―需要等に関する調査など、市民・事業者への再生可能エネルギーへの転換の働きかけをより一層強化し、区庁舎へのLEDの導入や再生可能エネルギー電力への転換の推進など、脱炭素の取組をさらに促進します。 <超高齢社会への挑戦> 地域包括ケアシステムの構築・推進 1億5,600万円 「よこはま地域包括ケア計画〜第8期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画・認知症施策推進計画〜」(令和3年度〜5年度)に基づき、介護・医療・介護予防・生活支援・住まいが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を進めます。また、もの忘れ検診について、実施期間等を拡大して実施し、認知症の疑いのある方の早期発見と早期の鑑別診断及び治療につなげます。 特別養護老人ホームの整備 46億1,800万円 要介護認定者の増加に伴い高まるニーズに対応するため、要介護3以上の方がおおむね10か月以内に入所できるよう、特別養護老人ホーム年間約600人分について着工します。 <人が、企業が集い躍動するまちづくり> 通学路等の安全確保、踏切安全対策の推進 35億2,700万円 通学路における歩道設置やあんしんカラーベルト整備を積極的に推進するとともに、生活道路の安全対策に取り組みます。また、未就学児の移動経路や交差点等の安全対策については、令和3年度末の完了を目指します。さらに、「横浜市踏切安全対策実施計画」に基づき、保土ケ谷区の樹源寺踏切など4か所の安全対策を進めます。 IR(統合型リゾート)の推進 3億6,000万円 IR事業者の公募・選定を行い、事業者と共同作成する区域整備計画には、観光・地域経済振興策、カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除の対策なども盛り込み、国へ申請します。また、横浜IRについて、様々な機会を捉えた広報等の強化・展開や、懸念事項対策の取組を進めます。 <未来を創る多様な人づくり> 中学校給食(デリバリー型)の実施 25億2,100万円 令和3年4月からハマ弁を学校給食法上の給食に位置付け、選択制の中学校給食(デリバリー型)を実施します。本市が献立作成や衛生管理などを担うことにより、安全・安心で質の高い給食を提供します。 小児医療費の助成 93億3,900万円 子どもがけがや病気の時にも安心して医療を受けられるよう、通院・入院医療費の自己負担分を助成します。令和3年4月から1、2歳児の所得制限をなくし、新たに対象となる方は通院1回あたりの自己負担上限額を500円までとします。 <未来を創る強靱な都市づくり> 局地的な大雨等への対策の推進 100億5,600万円 河川改修や河川、雨水調整池の土砂掘削等による治水機能の確保、雨水幹線等の整備を推進します。また、近年激甚化する降雨状況等を考慮した内水ハザードマップを新たに公表するとともに、内水、洪水、高潮を一冊にまとめた浸水ハザードマップを順次作成します。 道路の無電柱化の推進 9億500万円 災害時の救急活動や応急復旧を速やかに展開できるよう、「横浜市無電柱化推進計画」に基づき、環状2号線、山下本牧磯子線、鶴見溝ノ口線や災害時に拠点として機能する区役所等へのアクセス路について、無電柱化を推進します。 令和3年度横浜市予算 ひと目でわかる横浜の財政 令和3年4月公表  公表:横浜市財政局財政課