令和8年度 横浜市予算 あなたと創る横浜の財政 このまちの主人公はあなたです。 はじめに 普段の生活にはあまりなじみがなく、「自分ごと」として捉えにくい、難しいイメージのある財政について、令和8年度予算を題材に、わかりやすくお伝えします。 私たちの税金が、どこに、どのくらい使われているかを知り、横浜市の今と未来を一緒に考えてみませんか? 財政って、なに? 財政とは、税金を使ってわたしたち一人ひとりの生活をより豊かにしていく営みのことです。 たとえば、小中学校の建設や運営、道路・公園の整備、福祉サービスといった、行政だからこそ提供できる公共サービスを、価値をつけてお返しする営み、それが財政です。 横浜市の令和8年度予算の内容 令和8年度予算は、中期計画2026-2029の初年度として、計画を具体的に推進する予算案を計上しました。一般会計予算額は、3年連続のプラス予算で過去最大になりました。 予算額 一般会計は、2兆993億円です。一般会計とは、福祉、医療、教育や、道路・公園の整備など基礎的な行政サービスを行う会計のことです。市税は主に、この一般会計に使われています。 次に特別会計は、1兆3,514億円です。特別会計とは、特定の事業を特定の収入によって行い、その収支を明確にするために一般会計から独立させた会計のことです。横浜市には16の特別会計があります。 最後に、企業会計は、6,193億円です。企業会計とは、地下鉄、バス、水道、病院など、民間企業と同じように、事業で収益を上げて運営している会計のことです。横浜市には7つの公営企業会計があります。 一般会計、特別会計、企業会計を合わせた総計は、4兆700億円で、過去最大の規模となりました。 日々の暮らしのなかの予算 みなさんに納めていただいた税金等が、どのように使われているのか、市民1人あたりの予算の使い道をご紹介します。 子育て・教育に 20万4,444円 36.7% 福祉・保健・医療に 15万8,340円 28.4% 市役所の運営等に 4万7,617円 8.6% 道路・住宅・計画的な街づくりに 3万7,679円 6.8% 脱炭素化や水・緑の保全に 3万5,861円 6.4% 横浜の魅力づくりやスポーツ・経済の発展に 2万6,598円 4.8% ごみの処理や減量・リサイクルに 1万5,150円 2.7% 救急・消防に 1万3,493円 2.4% 地域づくりや区の運営に 1万2,931円 2.3% 地下鉄・バス・水道事業に 4,779円 0.9% 市民1人あたり予算総額 55万6,892円 なお、それぞれの分野の予算には、事業の財源として、過去に発行した市債の返済額を含みます。 「地下鉄・バス・水道事業に」は、一般会計から公営企業会計への繰出金です。 なお、「市民1人あたり」は、令和8年1月1日現在の人口3,769,748人で算出した予算額となります。 次に、日常生活に馴染みのある主な事業を例にご紹介します。 保育所や認定こども園等の運営 保育士の配置や施設の整備、保育・教育の提供等を行うために、1,831億円の予算が使われる予定です。保育所等を利用する児童は、9万805人を見込んでおり、児童1人あたりでは、201万6,618円となります。 小・中・特別支援学校の運営 教職員人件費や給食費をはじめとした学校を運営するために、2,225億円の予算が使われる予定です。児童・生徒数は、24万855人を見込んでおり、児童生徒1人あたりでは、92万3,964円となります。 小児医療費助成 小児医療に要する費用の助成を行うため、176億円の予算が使われる予定です。対象人数は50万86人を見込んでおり、対象者1人あたりでは、3万5,275円となります。 介護保険(保険給付等) 要介護認定や介護保険サービスに係る給付などを行うため、3,309億円の予算が使われる予定です。要介護認定者数は、20万2,800人を見込んでおり、要介護認定者1人あたり、163万1,889円となります。 ごみの処理や減量・リサイクルに 家庭ごみの収集やごみ焼却工場の整備、分別・リサイクルなどを実施するため、571億円の予算が使われる予定です。市民1人あたりでは、1万5,150円となります。 道路の維持・管理 道路の修繕や街路樹の管理などをはじめとした道路の維持・管理を行うため、203億円の予算が使われる予定です。市民1人あたりでは、5,395円となります。 公園の維持・管理 公園施設等の点検・補修、清掃など、公園の維持・管理を行うため、81億円の予算が使われる予定です。市民1人あたりでは、2,153円となります。 公共施設の保全更新 小中学校や市営住宅、市民利用施設等の公共建築物、道路や河川施設等のインフラ施設の保全更新を行うため、1,217億円の予算が使われる予定です。市民1人あたりでは、3万2,271円となります。 「市民1人あたり」は、令和8年1月1日現在の人口3,769,748人で算出した予算額となります。 一般会計の収入 横浜市一般会計の収入内訳をご説明します。 収入合計 2兆993億円 内訳 市税 9,759億円 46.5% 市内にお住まいの個人や市内に事業所がある法人が納める市民税や、土地や家屋などを持っている方に納めていただく固定資産税など、市民のみなさまにご負担いただくお金 地方交付税 280億円 1.3% 地域ごとの状況の違いによって生じる地方税収の差などを調整するため、国から財源が足りない地方公共団体に交付されるお金 県税交付金 1,514億円 7.2% いったん県税として徴収してから県内市町村に配分されるお金 国・県支出金 5,777億円 27.5% 特定の事業に対して、国・県から使いみちを指定して交付されるお金 繰入金 506億円 2.4% 基金の取り崩しなどにより繰り入れるお金 ※減債基金からの繰入金100億円を含む その他 1,852億円 8.8% 市債 1,305億円 6.2% 道路や公園、市民利用施設など長い間利用される市の施設を作るためなどに借り入れるお金 市税収入の内訳 市税合計 9,759億円 個人市民税 4,863億円 49.9% 給与収入などに応じて納めていただく住民税 法人市民税 637億円 6.5% 市内に事業所がある法人に納めていただく住民税 固定資産税 3,114億円 31.9% 土地や家、ビルなどを持っている方に納めていただく税 都市計画税 676億円 6.9% 市街化区域内に土地や家などを持っている方に納めていただく税 その他 469億円 4.8% 1人当たりの収入金額の増加に伴う給与所得の伸びや、企業収益の増加などによって、令和8年度は、過去最高の市税収入を見込んでいます。 ただし、一般のご家庭や企業と同様に、物価高騰や人件費増加に伴う対応などで支出額も増えるため、財政状況に余裕が生まれるわけではありません。 一般会計の支出(性質別) 横浜市一般会計の支出内訳をご説明します。 支出合計 2兆993億円 内訳 人件費 4,235億円 20.2% 職員の給料や、退職金などの費用 扶助費 6,828億円 32.5% 児童手当、生活保護、保育所・幼稚園などの運営、医療費の援助などの費用 公債費 1,773億円 8.4% 過去の借入金の返済のための費用 行政運営費 3,582億円 17.1% 市民利用施設の運営や市民サービス、中小企業への融資などのほか、庁舎の管理や事務に必要な費用 施設等整備費 2,291億円 10.9% 市民利用施設・道路・公園などの整備や維持修繕、耐震化などに必要な費用 繰出金 2,286億円 10.9% 一般会計から、一定のルールにより特別会計と公営企業会計に支出する費用 人件費、扶助費、公債費の3つを合わせた、毎年支出が必要となる義務的経費と呼ばれる経費は、1兆2,836億円 61.1%です。 このうち扶助費(社会保障経費)について、ご説明します。 社会保障経費とは、児童、高齢者、障害者、生活困窮者などへの支援のための費用や、医療・介護の保険運営費などの、みなさんの暮らしを支えるための経費のことです。 社会保障経費は、高齢化や国の制度改正・拡充の影響により、全国的な傾向と同様に増加し続けています。 一般会計の予算を家計に例えてみると より身近に感じていただくため、横浜市の1年間の収入と支出を、年収500万円、月収41万6,700円 の家庭の家計簿に例えてみました。 収入月額 ・給料など(月収) 41万6,700円(年収500万円) 市税などに相当します ・奨学金、保険給付金、助成金など 17万4,306円 国や県からの補助金に相当します ・銀行からの借入など 3万9,370円 市債に相当します ・預貯金の取崩し 3,017円 減債基金に相当します 合計(月額) 63万3,393円 支出月額 ・食費、光熱・水道費 12万7,762円 人件費に相当します ・医療費、介護費、保育料など 24万6,187円 社会保障経費に相当します ・家のローン返済 5万3,489円 市債の返済に相当します ・交通・通信費、教育費など 10万8,058円 行政運営費に相当します ・自宅の改築・修繕、家具の買替、車の点検など 6万9,110円 施設等整備費に相当します ・別に住む家族などへの仕送り 2万8,788円 他会計への支出金に相当します 合計(月額) 63万3,393円 家計に例えても、簡単には削減できない経費で約2/3を占めています。 みなさんの家計と比べてどうでしょうか。預貯金の取崩しに頼らず、安定した生活を送るために、みなさんならどのようにやりくりしますか。 なお、8年度予算の予算全体の特徴や考え方を知りたい方は https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/jokyo/yosan/r8/r8yosan.files/R8yosan.pdf 予算の各種数値を詳しく知りたい方は https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/jokyo/yosan/r8/r8yosan.files/R8yosan-siryou.pdf をご覧ください。 今後の課題って? ここからは、今後想定される課題や、それに対して横浜市がどのように取り組んでいくのかを、一緒に見ていきましょう。 人口減少 2065年頃には、人口は約58万人減少すると見込まれています。 人口減少に伴い、生産年齢人口も減るため、市税収入は個人市民税を中心に減少していく見通しです。 社会保障経費や公共施設 支出の面では、高齢化の進展により社会保障にかかる経費は2040年頃まで増え続けると見込まれています。さらに、公共施設の1年あたりの維持管理・再整備のコストは2021年では905億円だったものが、2065年には1.9倍の1,709億円になるなど、市内の公共施設の老朽化が進むことにより、保全や更新に必要な費用も今後ますます増えていきます。 収支差 全国的な社会課題である人口減少や少子高齢化の進展により、収入は減り、支出が増えることが予想されています。支出に対して収入が足りなくなる「収支差」は拡大し続けることが予測されています。こうした状況に備え、横浜市では、将来にわたって安定した市政運営を続けていくための土台となる「持続的な財政」を目指し、令和4年度に、中長期の財政方針である横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョンを策定しました。 横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン 財政ビジョンは、横浜市が「いま」と「将来」の市民のみなさんの暮らしをどう守り、どう投資していくのかを示す中長期の財政方針です。 私たちの暮らしを取り巻く環境は、これまで以上に大きく変化しています。 少子高齢化や人口減少、地震などの災害・感染症の流行、国際情勢の不安定化や物価の上昇など、さまざまなリスクが重なり合って存在しています。こうした中でも10年後、20年後も必要なサービスを安定して提供できるよう、市の財政を持続可能にしていく必要があります。 市の財政を持続可能にしていくために、4つの分野で、将来に向けたアクションに取り組んでいます。 債務管理アクションでは、「一般会計が対応する借入金市民一人当たり残高」を管理し、必要な投資と持続的な財政運営の両立を図ります。 収支差解消アクションでは、将来収支差の拡大が見込まれる中、構造的な要因への対応を先送りせず、中長期のベンチマークの実現に向け収支差を解消する取組を進めます。 資産経営アクションでは、未利用等土地の長期化や公共施設の老朽化による保全更新コストの増加を見据え、将来の人口・財政規模に見合う水準への「適正化」を図ります。  地方税財政制度の充実に向けた課題提起では、持続可能な市政運営のため、地方税や財政のしくみの改善を国へ提案・要望します。 財政ビジョンのより詳しい内容を知りたい方は https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/jokyo/zaiseivision/zaiseivision.html をご覧ください。 財政のギモン ちょこっと解説 お店などで払った「消費税」って、どうなっているの? みなさんがお店などで支払った消費税は、事業者を通じて、ます国に納められます。 そのうち「地方消費税(消費税率10%の場合はうち2.2%)」は都道府県に配られ、市町村には人口や働く人の数に応じてその一部が、「地方消費税交付金」として渡されます。こうして市町村に配られた交付金は、身近な市民サービスのために使われています。 「市債」って、どういう仕組み? 市債とは、長期間にわたって使われる、道路や公園など、公共施設の整備のために行う借金のことです。借金と聞くと、悪いイメージがありますが、市債には「世代間負担の公平性」を保つ役割があります。 公共施設は長く使い続けるものなので、その建設費用を将来の市民の方々にも負担してもらう必要があります。市債を活用することで、将来利用する世代の人たちも含め、みなさんで公平に負担することができます。 財政についてもっと知りたい!どんな資料があるの? 財政見える化ダッシュボード 予算の使われ方や予算事業の内容を、興味・関心に応じて「保健・医療」「子育て」といった分野や調べたいキーワードを検索することができ、グラフで分かりやすく見ることができます。 https://zaiseidashboard.city.yokohama.lg.jp ワンストップ財政情報(アニュアルレポート) 予算、決算、財政ビジョンをはじめとする財政方針等の基礎的な情報から詳細なデータを知りたい方向けに情報を発信しています。 https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/jokyo/onestopzaisei.html 財政出前説明会 横浜市の職員が直接お伺いして市の財政状況や財政ビジョンについて分かりやすくご説明します。 https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/jokyo/zaisejokyo/demae.html ポイントをおさらい 財政の意味  財政とは、税金を使って、わたしたち一人ひとりの生活をより豊かにしていく営みのことです。 横浜市の予算 中期計画2026-2029の初年度として、計画を具体的に推進する予算案を計上。 一般会計予算額は、2兆993億円で3年連続のプラス予算で過去最大。 一般会計の収入  市税は、1人当たりの収入金額の増加に伴う給与所得の伸びや、企業収益の増加などにより、過去最高を見込んでいます。 一般会計の支出  扶助費など義務的な経費が増加しています。人件費・扶助費・公債費を合わせた義務的経費が支出に占める割合は約6割。 社会保障経費は、高齢化や国の制度改正・拡充の影響により、全国的な傾向と同様に増加し続けています。 今後の課題って?横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン 全国的な社会課題である人口減少に伴う市税収入の減少と少子高齢化の進展に伴う社会保障経費の増加により、収支差は拡大傾向と見込まれています。 さまざまなリスクが重なり合って存在している中で、将来にわたって必要なサービスを安定して提供できるよう、市の財政を持続可能にしていく必要があります。 こうした課題に対応していくため、財政ビジョンを策定し、4つの分野で将来に向けたアクションに取り組んでいます。 最後に、横浜市の未来のために、私たちができることとして、例えば、ごみの分別、食品ロスの削減、ボランティア、運動、横浜市主催のイベントに参加することなどがあります。 こうした行動をすることで、環境保全の推進や地域活力の推進などに繋がります。 私たちの次の世代、さらにその次の世代に豊かな横浜を引き継いでいくために、ひとりひとりが少しでも行動に移していくことが大切です。 コラム 中期計画2026-2029(素案) 令和8年度を開始年度とする新たな中期計画、「横浜市中期計画2026-2029」(素案)を令和7年12月に公表しました。 2040年頃の横浜市のありたい姿である都市像「明日をひらく都市」に向け、「市民生活の安心・安全」と「横浜の持続的な成長・発展」を目指します。 「市民のみなさんの実感」を計画の最上位の目標に設定し、みなさんの声を受け止め、市民目線の市政を基本に、魅力ある横浜の未来を創造していきます。 市民意見募集や、パブリックコメントの実施を経て、令和8年5月頃に原案策定予定です。 「横浜市中期計画2026-2029」について詳しく知りたい方は https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/hoshin/4kanen/2026-2029/soan.html をご覧ください。