4つの戦略 戦略1 多様性あふれる魅力と感動のあるまちづくり 戦略2 グローバルMICE都市としての競争力の強化 戦略3 市内経済の活性化と人材の充実 戦略4 持続可能な観光・MICEの推進 戦略1 多様性あふれる魅力と感動のあるまちづくり 横浜は開放的なウォーターフロント、開港の歴史、文化芸術、まちに広がるイベントなど多様性あふれる魅力が凝縮しています。それらをつなぎ合わせて回遊につなげ、まち全体のにぎわいを創出します。また、地域独自のストーリーを有する資源を生かすなど、横浜ならではの体験価値を高めていくことで、リピーターを増やし、誰もが訪れるたびに新たな発見・感動のあるまちを目指します。 1 都心臨海部の魅力づくり ウォーターフロントを生かしたアーバンリゾートの実現 都市部でありながら親水性が高く開放的なウォーターフロントを生かした、花や緑があふれるアーバンリゾートとして、癒しや非日常の空間を創出し、歩くこと自体が楽しめ、ビジネスでも滞在したくなるまちづくりを進めます。 ウォーターフロントに立地するホテルや、商業・文化施設、クルーズ船等のユニークベニュー*において、コンベンションやレセプション、ソーシャルプログラム*の利用を促進するとともに、ビジネスでの滞在時の観光も推進します。 ウォーターフロントの景観を生かして夜も朝も楽しめるコンテンツを拡充し、海や河川を活用した水上交通をはじめ回遊性を高める移動手段を充実させるとともに、イベント主催者や飲食店、商業施設、宿泊施設等の連携強化により、にぎわいを都心臨海部全体に広げていきます。 旅行者の時期(季節や平日・休日等)や場所の分散化を図り、快適なにぎわい空間を創出します。 音楽・スポーツ・企業・研究機関などの集積を生かしたにぎわい創出 音楽ホールやスポーツ施設等の集積を生かし、各施設・イベント等の連携や、公共空間における規制の弾力的な運用などによる有効活用等を進め、にぎわいをまち全体に広げます。 集積する企業や大学、研究機関等にイノベーション*を担う人々が集うことで、国内外から新たな交流が生まれ、ビジネス拠点としての魅力の向上を図るとともに、観光コンテンツとしても活用します。 にぎわいと交流が生まれる結節点の形成・機能強化等を推進することで、エリアの魅力をつなぎ、回遊性の向上を図ります。 ホテルやエンターテインメント施設等の集積が進んでいる観光・MICE*の中心的なエリアとして、一層の魅力向上を図るとともに、開発の進展に合わせて、連続的なにぎわいをハード・ソフト両輪で創出します。 ストーリーで魅せる横浜ならではの体験価値の向上 都心臨海部における近代の歴史的建造物や中華街など、開港の地としての歴史や文化が宿る多様な資源について、磨き上げによる魅力創出や、三溪園や山手西洋館など様々な観光資源とのストーリー化により、横浜ならではの特別感のある体験価値を向上させます 。 子育てファミリー層も安心して楽しめるまちづくり 子どもも大人も楽しめるレジャー施設や商業施設、宿泊施設、交通機関等と連携し、移動しやすく、安心して楽しめる環境を整え、何度も訪れたくなるまちとしての魅力を高めます。 「体験したい・学びたい」に応える、企業博物館、文化施設等の集積を生かし、体験型メニューの拡充等により、子育てファミリー層の満足度の高い魅力の向上を図ります。 2 市内各所と連動した魅力づくり 地域ならではの魅力向上 地域独自のストーリーを有する郊外部の歴史や自然、動物園・水族館などの観光資源を生かし、旅行者も市民も楽しめる地域ならではの魅力を向上させ、誘客を図ります 。 他都市からの玄関口として交通利便性が高い新横浜エリアについては、競技場やアリーナなど大型集客施設をにぎわいの核として魅力向上を図ります。 国際園芸博覧会「GREEN×EXPO2027」を契機とした新たな魅力創出 国際園芸博覧会*の開催に向け、グリーンイノベーション*による新しい社会の実現を目指す博覧会の開催意義や魅力の発信等により、機運醸成を図り、誘客につなげます。 開催期間中は、グリーンツーリズム*等を含め、市内をはじめ、日本各地の観光資源と連携した魅力発信等により、国内外からの誘客を促進し、市内回遊・宿泊につなげます。 開催後も、上瀬谷エリアにおいて郊外部の新たな活性化拠点を形成し、魅力の向上を図ります。 3 広域連携の推進 広域連携の推進 鎌倉・三浦・箱根など県内や東京などの近隣エリアの魅力と横浜の魅力をかけ合わせて体験価値を向上させることで、エリア全体の回遊を促進し、横浜を拠点とした宿泊につなげ ます。 MICE*においても、県域における多様な観光資源や研究開発拠点の魅力を感じられるよう、テクニカルビジット*をはじめとしたエクスカーション*等のプログラムを充実させることで、回遊性の向上を図ります。 訪日旅行のゲートウェイを目指し、訪日旅行者を対象としたマーケティングを行い、横浜の魅力と国内各地の魅力を掛け合わせたプロモーションを実施し、相互の送客につなげます。 4 まちの魅力や価値を高め、発信する 誘客プロモーションの強化 デジタル技術を活用したマーケティングの強化により、誘客ターゲットに対し、官民一体で戦略的に観光消費につながるプロモーションを展開することで、横浜ファンを増加させ、リピート率を高めます 。 国際園芸博覧会*を契機として、観光都市横浜の認知向上と誘客促進を図るとともに、会期中の来場者の市内回遊・宿泊を促進します 。 市民とともに、横浜ならではの魅力を発信していくことで、横浜への興味・関心を高め、誘客につなげます。 誘客ターゲット(5 ページ参照) 観光消費が高い層 横浜の観光資源や強みと合致する層 MICE参加者 子育てファミリー層 クルーズ客 ここに画像があります。 プロモーションターゲットのイメージ図です。 国内 約370 万人の市民をはじめ、約4500万人のマーケットを有する首都圏からの誘客を進めるとともに、空港・新幹線などの交通利便性を生かし、遠方からの宿泊旅行者の更なる誘客を図ります。 インバウンド 社会情勢や国・地域ごとの文化・慣習・トレンド等の市場動向を踏まえ、本市海外事務所や日本政府観光局JNTO等とも連携してプロモーションを実施します。また、羽田空港等へのアクセスの良さを生かし、他エリアへの移動前又は帰国前のタイミングでの来訪を促進します。 クルーズ クルーズ発着が多い特長を生かし、クルーズ客や船員の市内回遊や前後泊を促進します。 画像の説明は以上です。 DXによるプロモーションの推進 デジタル技術を活用して、現状分析や旅行トレンド予測などマーケティング機能を強化し、デジタルプロモーションを実施します。 バーチャルでの横浜観光体験を通じて、実際の横浜来訪につなげるとともに、横浜に関連した商品などを販売できる仕組みを創ります。 DXによる滞在環境の更なる向上 誰もが快適かつ安心感をもって横浜を楽しむことができるよう、観光案内、交通や宿泊等の予約・決済、混雑回避や移動・周遊の円滑化等、最先端のデジタル技術を活用したサービスの充実により旅行者の利便性を高めます。 音楽やエンターテインメント、スポーツなどにデジタル技術をかけ合わせてまちを巡る取組を進め、回遊性の向上につなげます。 戦略2 グローバルMICE都市としての競争力の強化 横浜の特長を生かして、アジアを代表するグローバルMICE*都市としての競争力を強化し、経済効果の高い中大型の国際会議や医学会議、ビジネスイベント等の戦略的な誘致を加速します。 アフターコンベンション*の充実等により、経済効果を最大化させるとともに、ビジネス機会やイノベーション*創出など、社会的効果の拡大に取り組み、MICE都市として飛躍するまちを目指します。 1 MICEの戦略的誘致 日本最大級のオールインワン複合MICE*施設であるパシフィコ横浜や、開催実績の蓄積、良好なアクセス環境、コンパクトシティとしてのまちの特長を生かし、経済効果の高い中大型の国際会議や国内医学会議等の更なる誘致に取り組みます。 グローバルMICE*都市としてのプレゼンス向上と市民理解促進、シビックプライド*向上につながる「アフリカ開発会議(TICAD )」などの政府系国際会議の誘致を継続的に進めます。 グローバル企業・グローバルブランドホテル等の集積やパシフィコ横浜ノースの特長を生かした企業ミーティング、インセンティブ旅行等、新たなビジネスイベントの創出に取り組みます。 2 MICEの受入環境整備 MICE参加者の回遊性向上と受入環境整備 ウォーターフロントの景観、歴史的建造物等横浜ならではのまちの魅力を楽しむことのできるユニークベニュー*の開拓や企業の研究開発拠点等の集積を生かしたテクニカルビジット*の充実、アフターコンベンション*など、まちぐるみでMICE*参加者を受け入れ、回遊させる仕組みを構築します。 MICE施設の機能強化やシティドレッシング*、SDGs*の取組など、関連事業者と連携した受入環境整備や、国内外への戦略的なプロモーション等による「MICE開催地横浜」としてのブランディング*を推進します。 県域における多様な観光資源や研究開発拠点の魅力を感じられるよう、テクニカルビジットをはじめとしたエクスカーション*等のプログラムを充実させることで、回遊性の向上を図ります。 3 MICE開催による社会的効果の拡大 MICE開催による社会的効果の拡大 MICE*開催を契機に、最先端の技術・情報・研究者と子どもや若者が触れ合う機会を提供する次世代育成を進めるため、市内教育機関との連携や次世代育成プログラムを提供します。 市内の企業や大学、研究機関等とMICE参加者・出展者とのマッチングや、市内事業者の受注機会拡大など、MICE開催を契機としたビジネス機会の創出・拡大に取り組みます。 MICEで集う世界の研究者と市内の学術・研究機関、グローバル企業の研究開発拠点との連携によるイノベーション*創出に取り組みます。 SDGs*等の国際的議論やMICE開催効果を市民の皆様が実感できるよう市民参加型イベントや市民ボランティア等の取組を進めます。 戦略3 市内経済の活性化と人材の充実 多様な企業や研究機関、スタートアップ*等の集積を生かしたオープンイノベーション*や事業者間連携、DX*の推進等により、横浜の観光・MICE*産業の生産性向上や高付加価値化を図るとともに、事業機会の拡大や新規事業の開発を促し、地域内経済循環を高め、雇用の創出につなげます。あわせて、観光・MICEを支える人材の充実を図り、市内経済の活性化を促進します。 1 経済波及と地域内経済循環の強化 DXの推進等による観光・MICE産業の生産性向上 デジタル技術を活用した事業者の業務効率化や労働生産性の向上、販路の複線化の促進等により、観光・MICE*産業の収益の向上や雇用の安定化を図ります。 観光・MICE関連データやビジネス情報を事業者が共有し連携するデジタルプラットフォームを構築し、産官学で需要予測やニーズ分析等を進めます。 繁閑差の縮小に向けた需要の平準化の促進や、レベニューマネジメント*や効果的なプロモーション、新たなサービス開発等につなげ、ビジネス機会の拡充を図ります。 多様な企業や研究機関、スタートアップ*の集積を生かし、観光・MICE産業における事業者間連携やオープンイノベーション*の推進により、新たなサービスやコンテンツの開発を促進し、高付加価値化を図ることで収益の拡大を図ります。 地域内経済循環の強化 産学官金の連携を強化し、観光・MICE*事業者との取引の場の創出や、実証実験や社会実装の推進、販路拡大等メリットの提示等により、多様な事業者の新たなチャレンジを後押しすることで、新たなサービスの開発や質の向上を図り、地域内調達を促進します。 市内の企業や大学、研究機関等とMICE参加者・出展者とのマッチングや、市内事業者の受注機会拡大など、MICE開催を契機としたビジネス機会を創出・拡大することで、地域内調達につなげます。 地産地消や、横浜市・神奈川県産品の利用、中央卸売市場の活用、産業観光を促進することで、市内産業の発展や県域への経済波及の拡大とともに環境負荷の軽減を図り、持続可能性を高めます。 2 観光・MICEを支える人材の充実 観光・MICEを支える人材の充実 集積する大学や企業、研究機関等の連携により、多様な人材が互いの知識や技術を持って、集まり交流する拠点ナレッジハブを創出し、リカレント*教育や次世代育成を促進することで、観光・MICE*産業で活躍する人材の充実を図ります。 マネジメント、マーケティング、DX*、SDGs*や高付加価値サービス創出等、横浜の観光・MICEの発展を担う多様な人材の就業・活躍の仕組みづくりを進め、マネジメント人材や実務人材の拡充に取り組みます。 異業種間交流や研修、リカレント教育等により、多様化・高度化する専門スキルの向上を促進します。また、多様な働き方の実現等により、従事者が働き続けたい産業としての発展を促進します。 スポーツや園芸など多分野のスペシャリストとDMOや観光・MICE事業者との連携を強化し、サービスの高付加価値化を図ります。さらに、市域外から横浜の魅力創出や産業振興の担い手となる、多様な人材の参画を促進します。 戦略4 持続可能な観光・MICEの推進 事業者、DMO*、行政、市民等が連携することで、地域一体となって持続的に観光・MICE*を推進します。市内経済の活性化に加え、環境の保全、市民生活の豊かさの向上、文化の継承・発展等を図り、市内外の様々な人の関わりを強化することで、国内外の旅行者に選ばれ、市民が誇れる魅力的な観光・MICE都市の実現を目指します。 1 地域一体となった推進体制の強化 多様な主体の連携による推進体制の強化 DMO*が地域のけん引役となり、観光・MICE*事業者や大学、研究機関、金融機関、地元団体など、幅広い関係者が参画する体制を強化し、地域一体となって観光・MICEを推進します。 DMOのマーケティング機能や合意形成などのコーディネート機能を強化します。また、DMOが観光・MICE関連データ等のデジタルプラットフォームを構築し、産官学で需要予測やニーズ分析等を進め、地域一体となった魅力の創出や戦略的な誘客プロモーションを促進します。 旅行者が安全安心に滞在できるよう、行政とDMOが連携・協力し、災害時等における正確な情報発信を強化します。また、災害や感染症の流行などによる風評被害等があった際のプロモーション展開等、迅速で柔軟な対応が実施できる観光危機管理の仕組みを作ります。 自治体間やDMOを中心とした近隣エリアとの連携の強化により、国内外の旅行者の体験価値を向上させるとともに、県域の観光・MICEをけん引します。また、更なる魅力創出のため、市外から多様な関係者の参画を促進します。 市民と一体となった観光・MICEの推進 開港からの歴史をはじめとした横浜の魅力や観光・MICE*に関する市民への情報発信、次世代の学習機会拡充等により、シビックプライド*や旅行者を受け入れる機運の醸成を図ります。 数多く開催される観光イベントやMICE等を契機とした市民が参画する機会の拡充や、旅行者等と交流する場の創出等を促進します。また、市民とともに横浜の魅力を発信します。 多様な財源の確保 横浜の魅力を高め、観光・MICEを持続的に推進していくため、国費の積極的な活用をはじめとした多様な財源の検討を進めます。安定的かつ持続的な財源を確保することで、旅行者等へのサービスの向上を図るとともに、地域のけん引役を担うDMO*の安定的な運営につなげます。 2 SDGs達成に向けた取組の推進 SDGs達成に向けた取組の推進 2030年度の温室効果ガス50%削減(2013年度比)の目標に向け、観光・MICEの推進においても、事業者の脱炭素化の支援や、再生可能エネルギーの活用、地産地消や地域内調達等を促進します。あわせて、プラスチックごみや食品ロスの削減に向けた取組等を推進します。 開港の地の歴史が宿る多様な資源や文化の保全を進めるだけでなく、デジタル技術等最先端の技術も活用しながら魅力のある観光資源とすることで、市民や旅行者の関心を深め、資源や文化を守り育てる機運を醸成します。 人種や民族、宗教、障害の有無等に関わらず、また、高齢者や子育て層等、誰もが安全安心かつ快適に旅行を楽しめるユニバーサルツーリズムを推進します。 旅行者やMICE主催者等に対し、SDGsを推進する取組を事業者等と連携して発信し、SDGsに対応した滞在を促進することで、市民生活と調和した観光・MICEを実現します。