《8》地域における取組から C 花と緑で活気にあふれ、地域がつながるまちへ ?港北オープンガーデンの開催を通して 執筆 木和田 茉莉 港北区区政推進課 田村 賢太 港北区区政推進課企画調整係長 1 はじめに  オープンガーデンとは、ガーデニングの盛んなイギリスで始まった、個人の庭を一般に開放して、訪れた人との交流を深めながら季節の植物を楽しむイベントのことです。  港北区では、区の魅力の一つである「花と緑」をテーマに、2013年から「港北オープンガーデン」(以下「イベント」という。)を実施しています。イベントは、花の種類が多い4月と、春バラの見頃である5月の週末にそれぞれ開催し、第6回の2018年は、延べ約8,300人に来場いただきました。 2 イベント企画  本事業では、2014年の第2回開催から、区民ボランティアである港北オープンガーデン運営委員(以下「委員」という。)と区役所職員が「港北オープンガーデン運営委員会」を設置しています。委員はイベント開催に向けて、前年9月から月2回程度区役所に集まり、企画・準備を行っています。委員の活動内容は多岐にわたりますが、主に、パンフレット案の検討、新規参加会場の開拓などがあります。イベントの顔となるパンフレットの表紙写真は、何度も議論を重ねて決定しています。参加会場は一般公募のほか、委員やこれまでの参加会場からの紹介により、地域とのつながりを重視しながら拡大しています。イベント開催前には、参加会場同士の交流を深めるため、交流会を実施し、顔の見える関係づくりを進めています。  イベントの特色は、個人宅の庭だけでなく、地域・コミュニティ等で育てている花壇も公開の対象としている点です。現在は全参加会場のうち、およそ半数がコミュニティ花壇で、イベントが地域・コミュニティ活動の活性化にもつながっています。  第7回目となる2019年は100会場が参加予定で、お庭めぐりをいっそう楽しんでいただけるよう、スタンプラリーを新たに実施し、これまでイベントを認知していなかった層にも関心を持ってもらえるように工夫しています。 3 イベント当日  イベント当日は、区内3駅に案内所を設置し、パンフレットの配布や各会場の見どころ・行き方の案内を行っています。案内所に来られた方には、委員が手作りした地区ごとの詳細地図もお渡ししており、会場の回り方が分かりやすいと好評です。また、ボランティアガイドと一緒に会場をめぐる、会場案内ツアーは特に人気があり、いつも満員になっています。案内所での案内や会場案内ツアーのガイドは、多くのボランティアに協力いただき、運営しています。  参加者が特に楽しみにしているのは、会場オーナーとの交流で、前回開催時も、庭の手入れ方法や植物についてなど、多くの会場で話が弾んでいる様子がうかがえました。 4 まとめ  毎年春になると、問合せが増え、このイベントが多くの方に愛されていることを実感します。会場オーナーも当日に向け、丹精込めて草花を育ててくれます。イベントを通して、住宅街の中でも花や緑を感じられる港北区の魅力に触れ、地域への愛着を深めていただくとともに、区民の間に新たな交流の輪が生まれることを願っています。そして、イベントが目指している「活気にあふれ、地域がつながるまちづくり」の実現のため、今後も検討を続け、イベントを発展させたいと考えています。また、参加者に地域の緑に関心を持ってもらうことで、より緑化が推進され、花と緑にあふれる区につながることを期待しています。